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ドキュメンタリー映画「はだしのゲンが見たヒロシマ」

 昨夜は、広島平和記念資料館での、ドキュメンタリー映画『はだしのゲンが見たヒロシマ』【完成記念試写会と原作者・中沢啓治さんほかによる会見】に行きました。

 この映画は、はだしのゲンの作者、中沢啓治さんを二年間に渡ってインタビューしたものです。企画、インタビューアーは渡部朋子さん。中沢さんの生の口で、まんが以上に原爆への怒り、父や姉や弟、妹、その後の母などを亡くした悲しみがふつふつと語られます。配布されたパンフレットから引用しますね。以下引用。

 「1945年8月6日、中沢啓治さんはヒロシマ市内の神崎国民学校で被爆する。国民学校の1年生、6歳だった。中沢さんは奇跡的に助かったが、父・姉・弟を亡くした。被爆直後に生まれた妹も4ヶ月で亡くなる。

 中沢さんは、自身が目撃した広島原爆の惨状を、まるでカメラで撮影するかのように、つぶさに脳裏に焼き付けている。『はだしのゲン』に表現されている広島の光景は、中沢少年が自ら体験したことを、ゲンに託して描いたものだ。

 漫画家として東京での活動が軌道に乗ってきた22歳のとき、広島の原爆病院に7年間入院していた母が亡くなった。火葬して骨を拾おうとした時、母の骨は粉々に砕け、ほとんど残っていなかった。「原爆は母の骨までも奪うのか」、怒りがこみ上げた。それまでは”原爆”という文字も見るのも避け、自分が被爆者であることも、一切語っていなかった。被爆者に対する差別があったからだ。「自分にできることは何なのか」必死に考え続けた結果、原爆をテーマにした漫画の第1作目となる『黒い雨にうたれて』を1週間で描き上げた。以下略」引用終り。

 中沢さんが初めて描いた「黒い雨にうたれて」は、被爆し、原爆症で命が長くない青年が殺し屋となって、悪徳アメリカ人を殺して回るという、中沢さんの怒りをぶっつけたものです。その過激さで、どこの出版社も掲載してくれませんでした。そこで中沢さんは、とにかく誰かの目に触れればいいからと、エロ本を出版している会社に持ち込みます。そこの社長が、よし、やりましょう。しかし、私もあなたも覚悟がいりますよ、と引き受けてくれました。これが反響を呼び、次々と原爆ものを書き、それがゲンにつながって行きます。

 これらのことを、中沢さんは、被爆前に自分の家があった場所、お母さんが道端で赤ちゃんを産んだ場所、母にやっとめぐり合って何日かを呆然と過ごした所、知人の家に身を寄せて、いじめ抜かれた場所、そして子どもの頃遊んだ原爆ドームなど、それらの場所で淡々と語ります。淡々とではあっても、その中身は本当に迫力があり、見る者に迫ります。

2011_04260007 2011_04260008  上映の後、中沢さん、渡部朋子さん、そしてこの映画の監督の石田優子さんの会見がありました。

 昨日は、ちょうどチェルノブイリの大事故の25周年でした。その日にあわせての上映会でした。記者さんからは、今の福島の原発事故や原発についてどう思うか、などの質問が出ました。核は、人間の手でコントロールできるものではない。目に見えない放射能の恐ろしさをいやというほど知っているから。今こそ日本が世界に先駆けて、原子力ではなく、自然エネルギーによる発電に切り替えると宣言するいい機会だ、と中沢さんは言い切りました。

 この映画は、DVDとして初夏から売り出される予定です。聴覚者対応日本語字幕付きです。私は、外国語に翻訳した字幕付を早く作って、世界に流して欲しいと思います。

 明日から私は二連休です。今日の夜から、大分の河野の実家に帰る予定です。30日には普通に診療をします。


「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

広島ブログ

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コメント

はじめまして。広島ブログから来ました。
今の原発問題・・広島の悪夢を体験してその恐ろしさをどこよりも体験しているはずの日本人。
今こそ一丸となって今後のエネルギー問題を解決していく機会ですね。

投稿: 平和桜 | 2011年4月30日 (土) 16時49分

myth21hideでググルとたくさん出てきます。
広島原爆から66年目に日本発の放射性物質が世界中に飛散してしまいました。
 エネルギー開発に核を使うことを米国からの要請でウラン燃料を米国から購入したのが1954年でした。この年はビキニ環礁での水爆実験で第五福竜丸が被曝した年でもあり、自衛隊という名に変えた軍隊が再び日本に誕生した年でもありました。
 過ちは二度と繰り返しませんと誓ったはずの日本は核に手を出すべきではなかったと思います。(*゚▽゚)ノ

投稿: ミュウタント | 2011年8月30日 (火) 16時22分

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