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仙台医師会からの出動要請

 被災地の人々に何ができるだろうか、とりあえず募金を・・・どこを通してするのが一番いいのか、と考えていたところに、広島市医師会からファックスが来ました。

「東北地方太平洋沖地震被災地への医師派遣について(出動依頼)」です。「十四大都市医師会災害時における相互支援に関する協定」に基づいて仙台医師会からの要請です。

 被災地に取り急ぎ19日から26日の間で、2泊3日の行程で、それぞれの行くことができる日程を知らせるようにというものです。その期間外でも行くことができる人は知らせるようにとも書かれています。

 でも、その内容が「検死をするための医師派遣」の要請なのです。行って、検死をするのです。私はショックを受けました。万を超える方々が亡くなっています。その人たちに向き合って、死因や死亡時期の推定や体の特徴などを調べて、死亡診断書(死体検案書)を書く・・・。何と・・・。そう、そんな仕事をする人も必要なのですね。

 あまりに過酷な状況に置かれている人々の中に積極的に入って行って、死体ばかりと向き合うことが、私にできるか、と自分に問いました。自分は、何ができるか、できることは何でもしようと思っていたではないか・・・と。

 でも、やっぱり私には出来ないと・・・。その勇気はないとしか言えませんでした。病んでいる人、怪我をしている人の治療ならできても、仕事が検死となると・・・と、何故それが出来ないのか、何度も自分に問いました。やはり私にはその勇気はないとしかいえないのです。

 もしも、そこに行って要請されることをしてきたなら。私の人生観・死生観は変わるであろうとも思います。今一番要請されていることをするのが、一番喜ばれることなのだとも思います。それでも・・・。

 私は偽善者だとも思います。昨日のそのファックスを受け取ったときから、ずっとずっと頭の中で問い続けていました。そして、結局は私はそこまで強くはないとしか言えません。ごめんなさいとしか言えません。

 今そうでも、もしかすると、やっぱり行こうという気持ちになるかも知れません。このことで、私は自分を安全なところに置いていて、被災した人に頑張ってというのは、全く偽者なのだと思うに至っています。

 


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広島ブログ

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コメント

東京下町の診療所勤務の内科医です。
ご講演を聴いてから先生のファンです♪

検死のため...必要なこととはいえ臨床医としてはショックを受ける内容ですね...。

(阪神淡路の震災のとき祖母が亡くなり、埋葬のための診断書を待っていた記憶がありますが...)

こんなことを言うのはおこがましいですが、
それぞれにやるべき仕事・守るべき場所があります。

どうかご自分を責めたりなさらないで、いま先生のお力を一番必要とされている方のために使って下さい。


でも、この記事を書いて下さりありがとうございました。
いろいろな思いが交錯して心が揺れていましたが、改めて自分のスタンス、やるべきことを考えることができました。

どうか皆がこの非常事態を健康に過ごしてゆけますように。

投稿: すくすく | 2011年3月16日 (水) 09時57分

 被災地のこと、被災された方々のこと。どう言ったらいいのかわかりません。安全な場所にいる私ですが、報道を目にするたびに心が痛くなると言うのか、あまりの状況に希望が湧いてこないというか、あの惨状を目の当たりにしその中にいる現地の方々は希望を持てないのではないかと思ってしまいます。私自身の生きる力が失せていくようにさえ感じます。
 こんなに悲観的では生けないのですが。それほどにショックを受けています。
 先生は決して偽善者ではありません。検死のために行かれるドクターもきっとたくさんいらっしゃると思います。とても必要とされているのだから。
 うまく

投稿: momoko | 2011年3月16日 (水) 12時12分

そのようなお仕事もあるのですね。
生と死に真剣に向き合っておられる医師の方々。
素晴らしいです。
私も負けずに頑張らなければ。

投稿: 上杉薬局 | 2011年3月16日 (水) 12時17分

先生、とてと悩まれていらっしゃると思います。
先生は、命の大切さを語り、生きる力を多くの人が若者が得れるように頑張っていらっしゃいます。
だから、誰よりも心の中に葛藤が大きいのでしょうね。
昨日の静岡の地震で伊豆に住む友人にメールをしたら、その友人の友人が、仙台で犠牲になっていました。
その友人は、できることは義援金をおくることしかできないと嘆いてました。
多くの人達は、自分に何ができるか自問自答されて、自分自身の力のなさを知っているみたいですね。
先生の今回の以来の仕事は、誰もが何ができるかと悩むこととは全く別物なんじゃないのでしょうか?
犠牲になって困っている人や、助けを求めている人を救いたいということではないのてすから。
命を救うために派遣された医師団は、何もすることがないと帰還されてます。

今回の依頼された仕事は、本当なら政治的に解決すべきことだと思います。
沢山の遺体は、早く処理するため、多くの医師が必要なのでしょう。
医師の仕事の検死はあまり必要でなく、医師でないと死亡判断ができない、法律が関係しているのではないのでしょうか?
また、医師であっても外国からなら、やつてはいけないのですよね。

初めに書いたように、政治的な判断で解決できることは沢山あります。

今回の仕事も災害に対してとても大切な仕事です。
でも規制を緩和することで、迅速に解決できることは多々あると思います。
災害復旧に尽力されている人達か、法的な負担や罰則に合わないようにするのが、政治の仕事だと思います。

先生は、先生に救いを求めてこられる患者さんのために働かれる。
自分の仕事をし、日本の経済を支え、被災者以外の人も救い、安定した社会を維持することも、災害復旧を間接的に支えることになると思います。
大災害に対して、日本の社会を安定させるのも大切なことだと思います。

何ができるか?
直接手助けする、間接的に支える。
今は自分ができること、自分を取り巻くことを経済的なことを排除してするのでなく、無理なく継続してできることなんだと思います。

投稿: やんじ | 2011年3月16日 (水) 14時49分

 どうか,無理をなさらずに自分を責めないでいてください。出かけて心が折れてしまうのが心配です。

投稿: ciao | 2011年3月16日 (水) 16時47分

素人が感想を述べるには内容が難しすぎます。
しかしここまで死者が多いと埋葬も出来ませんよね。
かといって検視のプロは少なすぎるし・・・
かといって「医師なら出来るだろう」と云うもんでもない
ここは先生に、心理士がツイッターで呟いていた言葉を贈ります。
「人間は無能です。何も出来ないと自分を責めないでくださいね」
当然先生が無能だと言っているのではありません。
そう思った方が楽です。最近先生とお話しする機会が
多く、感じることは、先生は真面目すぎます。
それがアイデンティティなんでしょうがね。

投稿: ⑦パパ | 2011年3月16日 (水) 17時11分

 すいません、続きです。途中で送信になってしまって・・・。
 うまく言えないのですが、自分の心を守ることも大事なことです。先生を頼りにしている患者さんはたくさんいます。

投稿: momoko | 2011年3月16日 (水) 17時16分

こんにちは。日々のニュースに胸をいためている1人です。
原子炉作業に自衛隊の方が行き負傷されました。自衛隊は危険な場所にいって、命がけの作業をして当たり前で、そこで亡くなるのは仕方がないのでしょうか…。死に直面するかもしれない職業に就いているだけのやはり1人の人間で、原子炉の知識がなく危険だからと作業拒否しても仕方がないと思うんです。
同じではありませんが、検死は医師にしかできないかもしれません。でも医師は人間でロボットやコンピューターではないから、感情が優先されてもこの状況では仕方がないと思うんです。

私も広島にいて、どうにか山間地域の空き家など当面無償で貸してもらえないものか、せめて仮設住宅など目処がつくまで被災した方が広島で生活できないものか。せっかく助かった命が、自死や凍死などで亡くなることがないよう、長期的になにかできないか、できることはなにかと、思うばかりで術もなく、義援金しかできずはがゆいです。

投稿: 独楽 | 2011年3月16日 (水) 18時42分

おはようございます♪

先生は偽善者ではありません♪

先生の笑顔のファンです♪

投稿: ぽけっとラッキー | 2011年3月17日 (木) 06時15分

先生が偽善者というのであれば、世界中に善人が居ないことになります。

決してご自分を責めないように、申し添えます。

投稿: 銀蔵 | 2011年3月17日 (木) 14時39分

そんなに過酷な仕事をされている方々が、たくさんいらっしゃるんですね…驚きました。
人間として、素晴らしい人ですよね。言葉がでません。

投稿: まみ | 2011年3月17日 (木) 22時29分

人には向き不向きがあります。先生は先生の正義と信念に基づいて行動して下さい。先生は産婦人科医として本分を尽くされているのですから、偽善ではないと思います。

投稿: めかちゅーん | 2011年3月19日 (土) 23時32分

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