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災害地には行きません・・・。

 ここのところ、ずっと取り掛かっていた仕事が今日の昼でひと段落しました。まあ、よくもこうして大きな原稿だの、これまでの長年の校正だのという仕事が入ってきていて、本当に大変でした。が、これでひと段落です。

 こうしていながらも、ずっと地震のことが頭から離れずにいました。現地に行くべきか、否か、今もってうじうじとしていました。

 そんな昨日、一人のドクターに会いました。彼は、私の友人、馬庭恭子さんの連れ合いです。昨日は馬庭さんの事務所開きでした。そこで彼に会いました。彼は、バングラデシュから帰ったところでした。私が手を怪我して手術を受けるとき、二度にわたって麻酔を受け持ってくれたドクターです。その後、その病院を辞し、バングラデシュの病院で全く無給のボランティアで外科医をしていました。そして、広島に帰ったところだったのです。

 彼が私に「何かすることはないかなあ」と言いました。「どこで?」と聞くと、「東北で」と言います。私は、「あるよ。仙台医師会から広島市医師会に医師派遣の要請が来てる。」「でも、検視よ。検死をしに二泊三日で行くの」と言うと、「あっそう。じゃ、行こう。」といとも簡単に言うのです。「検死でもいいの?」そしたら、「いいよ。先生はだめなの?僕は全然平気」と言います。「じゃ、広島市医師会に連絡をして。」と言いました。

 私は、本当にほっとしました。私はだめでも、こうして自ら行こうするドクターがいることに感動しました。彼は、明日から行くことになったそうです。

 その後、クリニックで一人校正の仕事をしていたら、突然、女性のドクターが入ってこられました。それは、よく私のブログに「のぞみ」さんとしてコメントを下さるドクターです。「先生がいるような気がして入ってみたら。何と無用心な。」と。

 そして、熱く語られました。「今、現地に行くのは、先生の仕事ではない。あれもこれもすべてを引き受けようとしても無理。どうして全部自分でしようと思うの。それは、河野先生の仕事でも、私の仕事でもない。私たちの仕事は、もっと違う。」と。

 馬庭医師と、のぞみ医師とで、私は、すっきりと救われたような気持ちになりました。私は、私の現場で頑張ろうと。

 さて、その夜、私は宝塚の中川市長に会いました。彼女は阪神の震災に会っています。その時の経験を生かして、必死で現地の支援をしています。そのことはまた、日を改めて書かせて頂きたいと思います。

 一つだけ。宝塚から被災地に行った消防隊の第一陣が帰ってきたと。その男性達は、帰ったとき、皆さん、涙を浮かべていたと。ずっと遺体の収容という、辛い仕事だったようです。彼女は、帰ってきた彼らにカウンセリングを!!と手配したといいました。彼女らしい気づきだと思いました。

 それでも、現地で亡くなった方、身内をなくした方に比べれば・・・と思います。膨大な方が亡くなった今回のこの災害を、どうぞ、これ以上多くの方が傷つくことがないように。何とか、傷を癒して立ち直って下さいますように・・・。そう祈ります。


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広島ブログ

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コメント

 良かったです。今 現地に入られるよりも もっともっと大切で、美代子先生にしか出来なくって 皆が待っている事があると 思っていましたので、今回のご決断は みなが納得だと思います。

 それにしても被曝覚悟で 注水作業をしてくださってる消防隊の方々、配電作業に奔走してくださってる方々には お礼の申し述べようもありません。ただただ感謝です。

 この尊い犠牲の上に成り立つこれからの国土の復興にはとっても長い時間と忍耐を要することと思います。東北地方の人々の 粘り強くひたむきに 実直に歩まれる気質を 私たち皆が学びたいと思います。

投稿: yuumin | 2011年3月22日 (火) 21時19分

がっかりしました。仕方ないですよね。。。

投稿: 先生のファン | 2011年3月22日 (火) 23時57分

遠い被災現場へ行かれることよりも、現在進行形の辮髪所の事故処理を含めての大問題が引き起こしている「新たな命」を守るために、広島の本拠地に留まっておらえることの方が、先生にとっても大事なことだと思います。
活断層が縦横に走っている日本列島なので、今回の地震に関連することの何もかも収束していなのですから。 まだ 各地での揺れが生じています。
3/18日に「地震と原発緊急集会」の時に地震学者の島村英紀さんが発表されたことによると、気象庁が発表した震度(M.9,0)は、急に、今まで使用していた『ものさし』を他のものさしに替えて発表をした『まやかし数字』で、本来のものさしで測った数値は、
(M 8,4)だとのこと。 Why?? *ブログ参照を。
テレビのコメンテーターは、これまで原発建設を推進してきた御用学者なので、私たちは違う角度から発言してきていた声を消されてきていた学者やジャーナリストのブログにも目を向ける必要性があると思います。*本澤二郎さんの「ジャーナリスト同盟通信」の日本の原風景(716号)では、横須賀港からイージス艦の姿が消えたことにも触れています。Why???
CNN の天気予報では、風向きと海流を毎朝、解りやすい画像で報道しています。
現在の時点では、比較的汚染度の危険性が低い西日本ですから、今後は、次代を担ってくれる人たちの「命」を守る役目と責務が重なってきている・・っと思います。@ 前記の投稿の「内部被爆」を訂正していただき、ありがとうございました。(*^_^*)

投稿: C.K | 2011年3月23日 (水) 10時18分

震災では、様々な支援が必要ですよね。
阪神大震災のとき、多くの性犯罪が起こったと聞いています。
プライバシーのない避難所生活など、いろいろ問題もあると思いますが、多くの方はかなりのストレスがあると思います。そのストレスの矛先は、弱者ですよね。
どうぞ、被害者が増えませんように祈ることと、広島からも何かできることはないでしょうか。

投稿: ルラ蛙 | 2011年3月23日 (水) 21時55分

3・11の未曾有の事件以来、毎日、胸を痛めてTVを見ています。
先生が被災地に行くかどうかで、悩んでいらっしゃるのを知りました。
私は秘かに反対していました。心が揺れたまま行くべきではありません。
ご友人のドクターのように、自分の心に従って行くのがベストなんです。
それにしても何と頼もしいドクターがいらっしゃるのでしょう!
先生、これはいつも一生懸命ものごとに取り組んでいる先生へのご褒美ですよ。
中には行ってほしかったとか、がっかりしたとか思われる人もいるでしょう。
思い悩む必要は、さらさらありませんよ。
どうか、これからもご自分の心のままに行動されますように。
決して無理をなさらないでくださいね。

投稿: とうこ | 2011年3月24日 (木) 18時08分

亡くなってしまった命は守られなくても良いのでしょうか?
知り合いの医師達は、講演会などで命を語ったりはしません。
勤務医です。
でも進んで医療ボランティアに参加されました。
河野先生が参加されるされないは、ご自由ですが。
残念ですね。

投稿: 残念です | 2011年3月26日 (土) 21時13分

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