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いろいろな人が働いている・・・。

 昨日の私の記事に沢山のコメントをありがとうございました。皆様に感謝します。あらためて、自身が無力であることを感じ、被災された方たちの大変さに思いを馳せています。

 阪神大震災の時には、クリニックを閉めて、スタッフと駆けつけました。その時にあったことは、まだトラウマとなって私の胸に残り続けています。被災の大変さではなく・・・。まだまだ今と異なる状況の中でのことではありますが。

 今回の仙台医師会からの要請は、私のニュースを見る目を変えました。たとえば、今朝もあったことですが。「行方不明の方の情報は、次のところへ・・・。体の特徴、血液型などを告げて・・・」というのを聞くと、「ああ、遺体から血液を取って調べるという作業をしている方があるのだなあ」と思います。

 時代が違うので、原爆の時のように身元も分からないままに、火葬・埋葬をするということも出来ないでしょう。何より自分の身内を必死で探している方に、たとえ遺体であっても居場所を教えてあげることも必要なのですね。

 本当に大変なことで多くの方が関わっていらっしゃるのだと思います。

 原発も心配です。でも、どうも報道をしている方の視点が異なると思うのです。「今漏れている放射能は体に全く害はない。水道の水をのんでも大丈夫。過剰に反応しないように・・・」それ一色です。そうではなく、もっとひどい状態になるのではないか、チェルノブイリの様になってはいけない、それが心配なのですよ。だからこそ、人々を避難させているのでしょうに。

 今、今すぐのことが心配なのではありません。

 同時に、私はそこで懸命に働いている方のことが心配です。チェルノブイリでは、消防士たちが決死隊として働き、そしてその全員が亡くなりました。今も福島原発で働いている方たちの体はどうなのか、と。そもそも原発というのは、ほとんどが機械化されているので、その現場で働いている人は少ないのです。だから、ことが起こったときにも対応できる人は少数なので、沢山の応援が必要となります。

 多くの知識人、大学の先生達が役にもたたないことをテレビで言い続けています。先日も引用した京都大学の小出裕章先生は、テレビには出ず(テレビ局はなぜこの方を呼ばないのでしょう)ラジオまたは電話取材で話されているようですが、ここで働いている人たちに一番優しいコメントをされていたと聞きました。私は聞いていませんが。

 その小出先生は東海村の臨海事故について「JCO事故における被曝と放射能汚染問題」という論文を書かれています。それの一番最後に「冷却水抜き作業員の被曝」という項目があります。以下、一部引用します。

水抜き作業に従事した作業員は、3人、
1チーム(1人は車の運転手)で数分毎
の作業に従事したが、放射線業務従事者
の年間線量限度(50mSv)を超えて被曝し
た人も10人近くに及んだ。また、緊急
時の限度として設定されていた100mSv
さえ超えて被曝してしまった人もいた。

さらに、この作業における中性子の被曝
線量は熱中性子線に対して校正されたポ
ケットドシメーターを使ったであろうが、
現場での中性子のスペクトルは相当硬か
ったであろう。そのため、公表されてい
る被曝線量の値はファクターで3程度の
過小評価である可能性が強く、それを補
正すれば、車の運転以外の作業に従事し
た17 人の作業員の被曝はすべて、50mSv
を超えてしまうし、100mSv を超えて
被曝した作業員も10 人近くになる。

『この作業を行うに当たっては、将来
子供を作る可能性のある若い労働者は
除外され、またあくまでも志願した労
働者だけで行ったとされているが、そ
れでも、こうした作業を選択せざるを
得なかったことを思うと、放射線災害
の過酷さを思わずにはいられない。』

 引用以上です。特に、子どもを作る可能性のある人は除くというところがたまりません。

 このような作業員の犠牲を強いて、「ここは日本の技術が問われている、世界中が見守っている、がんばれ」と言い続けているマスコミは一体なんなんだと思います。同時に我々にとって電気は必要なのだから、原発も必要なのだといい続けている方たちも。

 もっと、地熱や風力や太陽や様々なエネルギーによる発電の開発と促進に熱心ではなく原発一筋で来た電力行政こそ問われなければならないと、今思いを新たにしています。

 今日は、三次の看護学校に学生さんたちに講演に行きます。そこの皆さんにこそ、命を考えてもらえるように、頑張って話してきます。

 


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ぜひ、覗いてみてください。

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コメント

私の息子はまだ独身ですが、許婚者がいます。昨日福島に向かって出発しました。先遣隊は既に原発の近くにいて「軽く?被爆した」そうです。さてどこまで近付いて「消火・救助」作業をするのでしょうか。責任感の強い子だけに心配でなりません。「天罰」だとほざいているお方こそ最前線で指揮して頂きたいものです。この原発はそのお方の町へ電気を供給しているのですから。

投稿: yaasan | 2011年3月17日 (木) 14時23分

今、避難所生活をしている中で生まれてくる赤ちゃんもあるそうです。暖かさを確保できるかミルクを確保できるか、お母さんは産後のケアを受けられるか…心配です。そういうところにこそ先生のお力をお願いしたいと思います。みんなが何かをしたいと思っています。

投稿: ペア | 2011年3月17日 (木) 21時43分

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