子宮頸がん予防ワクチンについて追加です。
昨日の子宮頸がんの予防ワクチンについて、もう少し詳しく分かりましたので、追加を。広島市以外の県内の状況について。
準備をしているといいましたが、それは地域によって、というか、役場によってずいぶんと異なります。東広島市はすでに1月1日から始まっています。海田町も同じくです。海田町は、年末に対象者に知らせが郵送されています。
呉市1月17日から。竹原はすでに始まっています。三原市1月11日から。尾道市1月4日から。三次市・庄原市1月11日から。府中町1月4日から。神石高原町2月1日から。等々ですが。
ええっ?と首を傾げたくなるのが、安芸高田市。正確には未定ですが。今検討されているのは、3月に高校一年生のみに。4月から中学生に、と考えているそうです。他は、すべて中学生と高校一年生に。それは、国の方針なのですが。
今のところ最悪は、福山市。まだ検討中に付き、未定と。決まったら、広報誌やホームページなどで広報すると。個別に知らせることはしないとのことです。高校一年生については、三月までに一回目または二回目を接種しておけば、二年生になっても助成されるのですが、これでは、時期を逸してしまう恐れがあります。福山市、皆様は、しっかり広報誌を見て置かなければなりませんね。
それと並んで、うん?なのが、廿日市市。まだ調整中と。調整しているのは、自己負担額なのですって。広島県では、他の自治体は、すべて自己負担なしなのですが、廿日市市は、自己負担を検討しているのだと。予算の関係があるのだそうです。助成金については、国から各自治体に交付されるのですが。地方が持つ部分をできるだけ減らしたいのでしょうか。まだ結論が出ていないといっても、急いでもらわなければ。
それから、すでにこれまで行政が助成して接種を行っている所でのデータです。小さな自治体では、広報もしっかり行き渡って、ほぼ100%近く、90何%の接種率なのですが、都会になると、20~30%なのです。もったいない話です。せっかく五万円にもなる金額を助成しようとする話なのですが。
私は、産婦人科医なので、私の領域についての話をするのは、当たり前。これだけ医療が細分化されているときに、私は、小児科の分野、または内科、外科の分野については、素人の部分があります。私は、分かっている部分についてのみ、お話ししますね。産婦人科医療に従事している者は、子宮頸がん予防ワクチンの接種を勧めています。
今、日本で認可されているのは、サーバリックスというワクチンです。世界的には、二種。もう一種は、ガーダシルというものです。世界的には、ガーダシルが二年間先に認可されました。二年遅れで、サーバリックスが。日本では、先にサーバリックスが認可されました。ガーダシルは、申請の段階で問題があったのをやり直しているのだそうですが。それよりも、もっと注目しなければならない問題が出ています。
サーバリックスもガーダシルも、子宮頸がんを予防するのは、HPV・人パピローマウィルスの16型と18型です。この二つのHPVが一番癌化させるのが多いのです。両方とも、この二つのウィルスに対してのワクチンです。ガーダシルには、もう二つ、6型と11型のワクチンも入っています。これは、癌を起こす型ではなく、尖圭コンジローマを予防するワクチンです。4価というので、4種のウィルスによる癌を予防すると誤解されませんように。ただ、このガーダシルには、せっかく4価なのに、困ったことがあります。この二つのワクチンについて、また明日お話しますね。
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コメント
安芸高田ですが・・広島県が半額助成しますって臨時予算決めた時点では ”来年度(2011年4月以降)とのお答えだったので、保護者としては大進歩と喜んでいます。インフルエンザ3価ワクチンが18歳(高校3年生相当年齢)まで無料化になってたので、あきらめていました(予算がないそう)だから 素直に嬉しいです。
投稿: はるめ | 2011年1月 6日 (木) 13時28分
廿日市市の子宮頸ガンワクチンの助成金は、14,500円で大竹市が15,939円、広島市が15,700円となっている狭間の市にもかかわらず低いため、医師会の感染委員が、ただではなく私費で幾らか貰えるよう交渉を明日するようです。行政によって対応が異なります。
広島県からは、各地区に14,500円が助成されます。
そのままの自治体と、そうでない自治体があり、仕入れ価格が同じにもかかわらず自治体によって産婦人科医に対する扱いに閉口を感じます。
投稿: ひさまつ | 2011年1月 6日 (木) 18時28分
はるめさま
良かったですね。中1から高1までというのは、国の方針で、補正予算が通った時点で決まりました。国から地方へお金が下ります。広島県の場合は、その配布を県がします。一人あたり、一回14500円。その差額、1000円前後を各自治体が負担するのですね。わずかなのですが、予算がないところでは、負担になりますね。でも、住民の健康のためなのだから、頑張ってもらいましょう。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2011年1月 7日 (金) 08時39分
ひさまつ先生
一人当たりわずかの負担を個人にさせるのではなく、各自治体がすべきことでしょうね。一人千円を市が負担するように、医師会としても、そう主張して下さい。他の自治体は、すべてそうなのですから。子宮頸がんの個別検診の自己負担も、広島市や海田町、府中町すべて千円なのに、廿日市は、2500円もします。住民の福祉にもっと力を入れろと、根本を主張すべきですね。(胃がんなどの他の住民検診も、予算が少ないので、抽選なのですよ。こんな自治体は、他にはありません。)コメントありがとうございました。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2011年1月 7日 (金) 08時44分
今日の中国新聞県北版に三次・庄原・安芸高田の各種ワクチン接種開始について掲載されていました。安芸高田は来年度からの予定を子宮頸ガンに限り(高校1年生に限り)繰り上げて 2月の議会で・・うんぬんかんぬんとなってました。三次・庄原は他のワクチンなども広島市と同じでした。新聞発表されたので ”決まったのだな”と実感できました。これまで高齢者ばかりに力を入れてきて、子育て支援や教育支援が後回しになっていた街なので、昨年度からの不登校児童生徒・発達障害の子どもへの相談窓口を紹介する専門員の設置など。。とあわせて 地元県立高校へ通うバスの便を市が肩代わりして通してくれたり。子どもや障害者高齢者と言った支援の必要なところへ行政が顔をむけてくれ始めたってことにとても喜びを感じています。上の子は”えぇ~~~ 高校1年生までぇ。3年生までだったらいいのに”と言ってましたが。やはりお金がないから高校3年生までは無理だったのでしょうかね
投稿: はるめ | 2011年1月 7日 (金) 09時24分