三重大学、男子学生のレポートです。
先日報告したように、三重大学の学生に講演しましたが、それを聞いた学生のレポートが届きました。ブログに出してもいいとの許可を戴きました。沢山戴いていて、そのどれもを紹介したいのですが、その二つ、今回は、男子学生のレポートを掲載したいと思います。今日のは、刑法のゼミの二年生のレポートです。原文のまま掲載しますが、少し読みやすくするために、改行をしました。
◎ デートDVについての講演ということで、あまり自分には関係ないだろうと思っていましたが、性教育全般に関わるお話だったのでためになる部分も多くありました。世の中に蔓延する性についての俗説の多くが根拠のない物だということで、中には自分もなんとなく信じていたものもあったので、本当の事を聞けて良かったです。
今まであまり、性教育という物を真面目に受けたことが無くて、中、高校時代はとても下品な授業になってしまっていてあまり意味が無かったので、きちんとした性教育というのを受けられた事は良い経験でした。
講演を聞いて、特に女性の性について知らないことが多々あって、特に産婦人科にかかる事を馬鹿にした男性についてのお話を聞いた時に、もしかしたら自分もこの講演を聞いて無かったら、そういう場面で何も考えずにその男性のような事を言っていたかもしれないと思って、自分の知識の無さを痛感しました。
性というのは、デリケートな問題だけあって、軽い気持ちで言った事でも相手を深く傷つけてしまう事があると思います。なので、性についての正しい理解を持って、俗な話に流されること無く、これから性と向き合って行きたいと思います。(2年男子)
◎ 私は、小学校、中学校と性教育を受けてきました。そのため、「今までの授業で十分学んできたので、性については、十分わかっている」という浅はかな考えで、講義を聞きにいきました。なので、河野先生が初めに口にされた「君たちには、知識が足りなさすぎる」という言葉も自分はどちらかといえば知識はあるほうだと心の中で思っていました。
しかし、講義を聞くにあたり、私が十分に持っていると思っていた知識は、本当に浅いものだと痛感しました。河野先生に話していただいた話は、実際、自分自身が職場で体験された経験をもとに、人の感情、葛藤、決意など今まで私が学んできた性教育では、あまり深く学ぶことができなかったことを学ぶことができました。
私が印象に残った一つに、自分が考えている以上に妊娠、出産というものは、重く、責任のあることだということが心に残りました。私の周りにも、彼女が妊娠したので大学を辞めて働いている人がいます。私は、その人の話を聞き、彼の覚悟に感動しました。確かに、世間的には、早すぎると考えられるかもしれませんが、自分たちで話し合い、悩み決めたことなのだと思いました。それほど、子供を授かるということは、難しい決断を迫られることだということなのです。その人と話をして、子供を授かるということは、自分の人生をその子供に捧げる覚悟が絶対に必要だと思いました。
しかし、そのようなこと自覚できていない若者が、現代の社会では増加しているように感じます。実際、先生のお話の中にも女性が妊娠したのに、中絶を望んだり、自分のことしか考えず、責任逃れをする男性の話を聞き、子供を授かる覚悟がない人が、子供はまだいらないが、性交渉はしたいという甘い考えで、性交渉をしている人が多いと改めて感じました。
また、私があまり知らなかったクラミジアや性器ヘルペスといった性感染症や子宮頚がんとその予防ワクチンなど絶対に知っておいたほうが後の人生にプラスになることを今回の講義で学べたことは、非常によかったです。無知というものが、一番恐ろしいことであると感じました。
このような講義を全国の大学でも必須事項にすべきだと思います。そうすることで、現代の乱れていると言われている性社会も今よりもいい方向に向かうのではないでしょうか。
私に改めて性とは何か、生きるとは何かということを考える機会を与えてくださった河野先生にお礼を申し上げたいです。最後に、これから生まれてくる子供たちが、この世界に生まれてきてよかったとガッツポーズをし、泣いて喜んで生まれてきてくれる社会にしていくためにこれから私たち若者が学び、考えて判断できるようにしていかなくてはいけないと思いました。(2年男子)
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ぜひ、覗いてみてください。
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コメント
生まれてきたよかったとガッツポーズしてくれる社会。
先生の話を聞いてそんなふうに感想を残してくれる男子大学生がいるってオバチャン嬉しいです。
私も全国の大学で必須にするべきだと思います。
大学じゃなくてもっと早いほうがいいですかね?
でも、大人だって知らない人も多いから
保護者にも聞いてほしいし。。。
先生、これからも日本全国津々浦々しんどいでしょうががんばってくださいね!
投稿: ツユマメ | 2010年12月16日 (木) 17時18分
お久し振りです。
びっくりしました。大分へいらしたのですね!?!
(如何なさっていらっしゃるかと 実に久し振りに
此処へお邪魔させていただきました。)
お元気で ご活躍の様子、、、
ホッ、、、
& 拍手、、、
主人は 休んで居ますので、明日の朝にでも
報告致します。
祝福が 溢れますように、、、、
投稿: miyuki | 2010年12月17日 (金) 00時09分
有り難うございました。
私のブログでもこのことを紹介させて頂きました。1月には今回の講演会をテーマにしたレポートも出る予定と聞いています。楽しみです。少しずつ輪が広がっているのを感じます。TMさんの伊勢市の状況をテーマにした論文も提出されたと聞いています。来年1月29日は地元伊勢市でその研究発表会もあります(内の学生は地元の遺跡についての研究成果をまとめます)。とても楽しみです。
是非また来て下さい。よろしくお願い致します。
投稿: yaasan | 2010年12月17日 (金) 01時24分
ツユマメさま
ええ、特に男子学生は、受験勉強の中で、体や性を全くなんにも学ばないまま大学生になっています。もう恋愛もするし、大学生の性体験も80%を超えます。危険なことこの上ないのです。せめて、教育学部の学生は、性教育を学んで欲しいと思うのですが。なかなかです。もう30年、ずっと訴え続けても変わりません。と言うより後退しています。文科省が変わらない限りダメなのです。いつもコメントありがとうございます。私からのコメントしなくてごめんなさい。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年12月18日 (土) 06時04分
miyukiさま
連絡しなくてすみません。お見舞いだけして、とんぼ返りだったものですから。これからもいろいろなことが起こるでしょうね。またお会いできますことを!こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年12月18日 (土) 06時07分
yaasanさま
こちらこそ、ありがとうございます。男子学生が沢山来てくれて。それに、ちゃんと受け止めてくれて、本当に行って良かったです。yaasan様のおかげです。また機会があれば、とても嬉しいです。感謝します。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年12月18日 (土) 06時09分
指導教員です。ゼミ生のレポートを紹介してくださってありがとうございました。
被害者を出さない、万一被害者になってしまった場合はすぐに適切なSOSを出せるようになるためには中学・高校生向けのお話が必要だと思います。他方において、勉強と実社会の差にようやく気付き始める時期、そして親になることを視野に入れ始める人が増えてくる大学生にも、先生のお話はとても重要だと思います。また来年もお話をしに来てくださることを願っております。若者が自分を大事にし、自分が大事にすべき人を本当に大事にできる様、いろいろな問題を自分できちんと考えるようになってもらいたいと思いつつ、微力ながらまずはゼミ生から指導しております。
現在、看護学生たちからもレポートが届きつつあります。年明けになると思いますが、ワード原稿化しまして、またお渡しします。将来、性教育を行う機会のある看護学生にも、先生のお話はストレートに届いているみたいで、いくつか読んでいて嬉しくなりました。
それでは、このたびはどうもありがとうございました、また、少し早いですが、良いお年をお迎えください。
投稿: TA | 2010年12月19日 (日) 01時26分
TAさま
本当にお世話になりました。ありがとうございます。この度は、学生さんのレポートを送ってくださり、重ねてありがとうございます。あの中には、看護学生さんもいらっしたのですね。楽しみにお待ちします。暮のお忙しい時期に、コメントいただきまして、ありがとうございました。これからも、どうぞよろしくお願いします。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年12月21日 (火) 08時09分