キューバのエイズ対策
昨夜は、医師会館で「キューバのエイズ対策」の講義を聴きました。「ー何故キューバではエイズ対策が成功しているのかー」 演者はキューバ国際性教育センター長のマリエラ・カストロ・エスピン先生でした。
キューバは、50年にもわたる経済制裁のために、HIVの新しい薬も入らない状況の中で、よくエイズ対策が出来ています。
様々なところで検査ができ、もし陽性であったら、ただちに医療を無料で受けることが出来ること。妊婦は100%、HIVの検査を無料で受けて、陽性であれば母子感染を防ぐ治療を受けます。コレにより、2008年から2009年に母子感染による新生児のHIV陽性は一人だけだったと。
これまで12217人の陽性者があり、この19%が女性、81%が男性。男性の陽性の内、89%が同性愛の人だったと。キューバでは、麻薬の注射の回しうちによる感染は、ほとんど問題にはなっていなくて、99%性交感染であるということでした。
性教育に関しては、1972年から国家プログラムがはじまったと。保健省・教育省・文化省・若者達の団体、女性の団体。それらを統括するのが国立性教育センターであると。70年から、まず始めたのが、生殖について教えること。生物学的知識から入り、様々な教科の中で教えるプログラムを作ったと。しかし、教師により左右されるので、2年前から、教師を教育するプログラムが開始されたと。しかし、さまざまな偏見を持っている教師を変えるのは、とても難しい、と。
宗教については、キューバでは、カソリックはあまり多くなく、だからこのような国家プロジェクトに反対する人たち、アメリカのように、ノーセックスしか教育してはならないとする勢力は力を持たないとのことでした。カソリックの人でも、権威を失うのはいやなことなので、今では、場合によってはコンドームを使ってもいいと言うようになっていると。
そこが日本と異なるところでしょうね。日本では、キューバの教育相に当たる文科省が率先して、コンドームなど具体的に教えてはならない、教えることで若者を刺激するという、そんな方針を持っているのですから。
だって、度々いいますが、中学生にエイズなどの性感染症を教えるにも、性交・セックス・エッチなどの言葉は使ってはならないと規制しているのですから。そのように文科省を動かしているのが、カソリック・統一協会等の宗教家と極右派の人たちなのですから。
またまた、暗い気持ちになりながら、帰った次第です。
今日は、仲間達と、またカヌー公園作木で合宿です。寒いけれど、部屋に大きな囲炉裏と大きな鍋が用意されています。その大きな鍋で、しし鍋をするそうです。鍋をつつきながら、様々な議論をするのは、とても楽しみです。囲炉裏のおかげで、部屋は暑いほど暖まりますよ。でも、そこは携帯がほとんど通じないところですので、皆様のブログの訪問や、私のブログのアップは出来ないかも知れません。明日、帰ってきてからになりますね。

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コメント
河野先生は木曜日にうちの学校にきてましたよね?
投稿: ゆめ | 2010年12月 4日 (土) 18時31分
ゆめさま
私が先週行ったのは、宝塚の中山の中学校です。あなたの行っている学校ですか?まだまだ今週も来週も宝塚に行きますよ。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年12月 6日 (月) 08時32分