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またまた、子宮頸がん予防ワクチンについて。

 昨夜は、藤井レディースクリニックの藤井恒夫先生の話を聞きました。「子宮頸がんの予防における検診の重要性とHPVワクチン接種の意義について」。もう、散々勉強してきても、それでも、がんの臨床の一線で活躍しているドクターの話には、いろいろと感銘を受けるものがありました。また、ボツボツこれらのお話しをここに報告しようとも思います。

 でも、繰り返しになりますが、癌が予防できる、発症しなくてすむのですから、このワクチンの接種は勧めたいと思います。特に子宮頸がんは、若い世代に増えています。今、上皮内癌(いわゆる0期のがん)をのぞいて年間8474人の人が頚がんにかかり(2005年)、2486人の人がなくなっています(2008年)。

特に、若い人の子宮頸がんが増えています。ごく初期の癌を除いて、命は助かっても子宮を失うことになります。子宮頸がんが「マザーキラー」といわれるゆえんですね。

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 しかし、このワクチンはとても高くて、一回が平均15000円(プラス消費税。こんなものにも消費税がかかるのが情けないです。)それを三回うちますので、5万円にもなります。(広島市内で70000円も聴取する公的な病院があると聞いてびっくりでした。)そこで、公費助成が期待されます。今回の補正予算で、国がやっと助成をしてくれそうです。でも、これは、各自治体へ国が助成をするという形になりますので、自治体がきめなければ、各個人が助成されることにはなりません。

 それに、間違えないでほしいのです。この助成は、おそらく中学生、多分よくても高校一年生までへの助成となります。これは、各自治体が決めることなのですが。大人の方が、「助成がきまるまで待ちます」 「ただになるんでしょ?」とよく言われるのですが、
「いえ、これは、大人には適応されませんよ、」と言うとがっかりされます。今、決まっている各自治体の助成です。

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あいかわらず、広島県はゼロです。残っているのは、広島県と山口県だけ。こんなのを見ると、つらいですね。一生懸命うったえても、行政に声は届きません。


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ぜひ、覗いてみてください。

広島ブログ

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コメント

多分、来年度から広島でも公費で打てます。中一から中三までだったか?そこは忘れましたが・・・・

投稿: М | 2010年11月17日 (水) 09時22分

  どうして???2000年あたりから子宮頸癌が急激に増えていったのですか?
 この状況からワクチン接種は急務です。癌にはならない方がいいし、なりたくもありません。行政から考えても保険からの支出が少ないほうがいいと思うんですがねぇ。全額補助が無理ならせめて半額補助とか、まず、ワクチン接種者を増やす対策を始めないといけません!

投稿: momoko | 2010年11月17日 (水) 12時29分

先日も女優さんが、告白されてましたね。

新しい物好きと感じ、目玉ちたいだけと思う広島県知事には、これこそ大きな声で無料化宣言をやって貰いたいですね。
知事だからできる育児休暇を取得して目立つより、県職員の状況を調査して、どのようにすれば育児休暇が取得しやすくなるかモデルを考え、それを民間にどう当てはめるか。
それが重要かと思います。


他の自治体ができているのに、まだ決めれないのは情けないものです。トップが決断すれば、直ぐにでも出来ることでしょうに。

投稿: やんじ | 2010年11月17日 (水) 13時39分

子宮頸ガンワクチンは13歳から16歳までの助成のようです。広島県は國からの助成がつけば行うそうです。今の地図では白いのは山口・広島ですが、もう暫くお待ち下さい。

投稿: ひさまつ | 2010年11月17日 (水) 22時26分

やんじさんのおしゃるとうりです。まったく同感です。今の政権に居る人たちの こころもとなさ。

  ふる里を「どげんかせんといかん・・」と言って首長になったのに ただの一期で 進退がぐらぐら 骨を埋める気で戻ってきたんだと信じて 一票を投じた人たちの民意をなんとおもっとるのか・・と。

首長を選んだ市民の 市民度がそれまでのことだった。まだまだ未成熟だったんだと 自戒するくらいしか慰めようのない現実。

孫や更にその先の先に生まれ出ずるであろう子どもたちに どんな国を残そうとしてるのか 我々今を生きている大人の責任を 本気で考えないと 日本の将来はとっても危ういと 老婆は日々心を痛めておるのです。

投稿: yuumin | 2010年11月18日 (木) 00時32分

追加を

この病気は、パートナー(男性)に起因するものですよね。
女性は、身体も傷つきますが、パートナーも心や気持ちが傷つく病になるかもしれませんね。
だからというより、むしろ男性にとっても必要なワクチンですね。

投稿: やんじ | 2010年11月18日 (木) 00時56分

子宮頸がんの発生率は乳がんの倍もあるんですね。
こうして、グラフで見ると本当に怖いと実感しています。

我が家も大学生の娘に初めて彼氏ができて、それを知った長男が先日東京で一緒に食事をした時に、「自分の体は自分で守らんといけん。彼氏が持っていなかったら、これを使ってと言えんといけんよ!」といいながら袋を渡していました。

私も娘もすぐに袋の中身が分かり、「娘は、まだ凄く清い交際よ~明日、学校でみんなに話そう~♪」と笑いながら持って帰りました。

親の替わりをしっかりお兄ちゃんがしてくれて、ちょっぴり感激でした(゚ー゚)

投稿: sako | 2010年11月18日 (木) 08時14分

やんじ さま
おっしゃるとおり、男性にも関係するワクチンです。
直接の関係として、このHPV(ヒトパピローマウィルス)は男性の陰茎癌の原因となります。

ただし、陰茎癌予防の目的での接種がおこなわれているのは、今発売されている某社のワクチンではありません。来年発売予定の、別な会社のワクチンです。

今ワクチンを無料化して今うつのか、
来年の製品の発売を待って選択させるのか、
そこは議論の余地があります。

投稿: 緩和ケア医 | 2010年11月18日 (木) 11時48分

Mさま
情報ありがとうございます。水面では、いろいろと準備されていることは聞いていましたが、早くの実施を望みます。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年11月19日 (金) 08時17分

momokoさま
ええ、ウィルスですから、広がり始めると、どんどん広がってしまうのは、エイズウィルスの件でもお分かりかと思います。本当にぐずぐずしているうちに、世界中に広がってしまいました。子宮頸がんは前からある病気でしたが、ここに来て、急速に若い人たちに広がっています。早くワクチンを。それに伴っての性教育も!!が私の望みです。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年11月19日 (金) 08時20分

やんじさま
ありがとうございます。待っているうちに、ひどく広がってきています。医療の現場にいると痛切に感じているその実感を、なかなか理解して頂けないのでは、と思います。待っているうちに、どれだけの若い人がウィルスに感染してしまうのか、と。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年11月19日 (金) 08時23分

ひさまつさま
情報ありがとうございます。結局は、国の方針を待ってとなるのですね。実現するのは、いつごろになりますか? 待っている人が沢山います。講演で、広島県と山口県だけ白い地図を見せるのが恥ずかしくて。また、教えて下さいませ。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年11月19日 (金) 08時27分

yuuminさま
本当に、がっかりですよね。結局は、自分の場の足がかりにしただけではないのか、と疑ってしまいます。私は講演で宮崎に行ったときに、どんなおみやげにもあの知事の顔がプリントされていたり、シールが貼ってあったり。知事の顔がついていないお土産をさがすのに苦労しましたよ。国に向かっていろいろと注文をつけるのと同時に、住民の命を積極的に間もるトップであって欲しいですね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年11月19日 (金) 08時31分

やんじさま
ソウ、心が傷つきます。自分がうつしたのでは、と。今、けいがんは、HIVと並んで命にかかわる性感染症として、やっと認知され始めています。お互い感染しないようにこころがけるよう、ワクチンの接種と同様に、教育も必要と思います。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年11月19日 (金) 08時33分

sakoさま
いい会話が出来てよかったですね。是非、お嬢様も今のうちにワクチンの接種を!!とお勧めください。東京都は、いろいろと行政の補助がありますよ。渋谷区は、19才までです。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年11月19日 (金) 08時34分

緩和ケア医さま
コメントありがとうございます。ただ、いろいろと誤解があるようです。陰茎がんの予防の目的では、このワクチンは認可されていません。カナダとアメリカでは、「尖圭コンジローマ」の予防として、治験がおこなわれ、一部の州で男性への接種が許可されています。陰茎癌は、症例も少なくて、治験が困難だと。このウィルスは、女性の子宮頸がんを起こすより、はるかに陰茎癌を起こす確率は低いものです。其れよりも、男性の肛門と喉の癌、これがこのウィルスが関係しているのがはっきりしていますので、特にゲイの方への接種が望まれます。これらの癌も、陰茎の癌も、サーバリックスもガーダシルも、両方とも効果がありますよね。でも、もう一つのガーダシルも、日本では、男性への接種の認可を求めていません。サーバリックスも、ガーダシルも日本では、男性にはうてません。それから、ガーダシルは、ここに来て、18型の抗体価が下がるという文献が出ています。アメリカの一部では、5年経って、ガーダシル接種者に、四回目の接種をしているとの論文です。私は、とくに頚部腺癌に関係している18型が下がるのは、大変なことと思っています。腺がんこそ、予防の対象にすべきです。扁平上皮癌は、まだおとなしく、検診で対応可能なのですが。腺癌はとても怖いです。これについては、また、改めてブログでご報告しますね。コメントありがとうございます。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年11月19日 (金) 08時47分

こうの先生

ぱぱっと短いコメントを入れたので、舌足らずで申し訳ございませんでした。
やんじさんたちのおっしゃるように、男性も自分の問題として認識してくれる方を増やさないといけません。
(今回はあえて妻・母・恋人が癌になる・・・という方向では書きませんでした。)

多くの男性は、自分(男)には関係ない、と思っているのでしょう、はがゆいですね。
お互い、情報発信を続けていきましょう。

投稿: 緩和ケア医 | 2010年11月19日 (金) 12時37分

緩和ケア医さま
わざわざ返信ありがとうございました。自分が知ったこと、勉強したこと、ブログを通じて皆様にお知らせするということの意味が大分分かって来ました。いつも緩和ケア医さまのブログで私も勉強させてもらっています。これからもよろしくお願いします。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年11月20日 (土) 08時04分

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