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医師として患者さんと向き合うということ。

 私のような職業についている者は、対象は「人」です。様々な立場にある、齢も異なる人たちです。これまで生きてきた背景も、それらに寄って作られた価値観も異なります。

 そのいろいろな立場の人たちに、寄り添うこと。それが私たちの基本的な姿勢となります。

 ただ、いろいろと気づかないで物事を考えている人には、そうでない考え方もあるよ、と、少しアドバイスをすることもあります。でも、決定をするのは、患者さん自身です。

「みんなに祝福されて出産しなければ」

と言う人には、あなたと彼が、またはあなた一人でも、「私はこの子を産んで育てよう」と意志を持っていれば、それで生まれてきた赤ちゃんが不幸だとは思わないよ。ということもあります。

 信じられないかも知れませんが、いまだに結婚前に妊娠したことを「順番がちがう」と叱られ、中絶することを回りから迫られるということもあります。世間体を気にする親たちによって。

「おろしてから、結婚しなさい」と。

先日も、「一旦ここはリセットして」と中絶を迫る母親に「お母さん、命はリセットできませんよ。」と言いました。

 私の友人で、母一人で育った人がいます。思春期の難しいとき、「どうして私を産んだんだ!!」とお母さんにくってかかったのだと。そしたら、お母さんに「私が産みたかったから産んだんだ!!それが悪いか!!」と怒鳴られて、それで、すっと心が落ち着いたと。そう言ってくれた人がいました。

 中絶を決めた人には、早く立ち直って強く生きていけるように。私は先日の熊本の高校生にも言ったのですが、「中絶をしたからと言ってその人の人生がそれでダメになってしまうわけではない」こと。あの内診台に上がって診察を受け、手術台に上がって怖い思いをした女性は、その記憶は決して消えるわけでもないし、平気でいるわけがない。ずっと心にしんどい思いを持っている人に、ずっと苦しめなんて、ハタから言わないでほしい。

 そんな体験は、男性がするわけではありません。女性は、身をもってその体験をするのですから、それだけ深く心も傷ついています。その傷は早く癒されてしかるべきだ思います。

 親に反対される中で出産することを決めた人には、「いつかは、親も孫がかわいくなる時が来るからね。」と、多くの人のその後を見てきた私は、そう言います。

 相手の男性にも反対される中で、出産を決意した女性には、一人で育てるそのノウハウを。仕事はやめないで頑張ること。職場に産休を要求するときの、その姿勢の持ち方。(いらないことは何も言わない。何を詮索されても、毅然としていること。ただ、淡々と出産する予定であることと、いつからいつまで産休、育休ことを伝えることなど。)保育所のこと。その申し込み方。役場での交渉の仕方。子育てをするときの姿勢。子どもとの会話。などなど沢山あります。

 中絶をしなければならない、でもその時期を過ぎてしまって、出産をしなければならない人には。それでも多くの彼女達は、自分で育てたいといいます。それなら、何とか自分で育てる方法を。周りに育児を支援してくれる人はいないか。いないのだったら、学校に行っている間は、赤ちゃんを施設に預かってもらって、会いに行く。自分が自活できるようになったら、引き取って育てる、それは出来ないか。また、通学しながら出産をするのであれば、学校をいつからどうやって休むか。学校にはどう伝えるか。産んだ後、いつから復帰するか。

 養子縁組のお世話は、最後の手段です。

 本当に様々なことがあります。決してこちらの価値観で、中絶はいけません、とか、産んではいけません、とか、そんな押し付けはしません。あくまでも考えるための材料の提供だけです。後は、患者さん自身が決めること。それに寄り添ってサポートすること。それが私たちの使命であると思っています。

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少し前に泊まったホテルのロビーで、偶然結構式に遭遇しました。出席者は、新郎側に二人、新婦側に三人の友人らしき人たちだけでした。見ている人たちみんなでしっかり拍手をしました。


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性感染症、避妊、緊急避妊薬。

 熊本で、演者控え室に二人の女性が訪ねてくださいました。久しぶりにお会いします。お一人は、先日まで熊本の大学で、今は広島の大学で教鞭をとっていらっしゃる〇星さん。熊本の大学時代に若年の出産に対しての援助のあり方の研究をしていらっしゃいました。

 もう一人は、大阪大学で学生にセクシャリティーの講義をしていらっしゃるベバリーさん。イギリスの「10代の妊娠を減らせるー半減させるープロジェクト」のレポートをしていらっしゃいました。様々な施策と同時に、若くして出産した場合の国の援助、子育てしながら学校に行ける、高校を卒業できるその学校の紹介も同時にレポートしていらっしゃいました。以前、〇星さんにベバリーさんを紹介したことがあります。〇星さんの研究にベバリーさんのレポートは多いにお役に立ったことと思います。

 そのお二人と、短い時間ですが、ケーキ屋さんでお茶をしました。イギリスで、10代の妊娠を減らせるために。まず、「ちゃんと避妊ができるピルを飲みなさい。そして、性感染症の予防のために、同時にコンドームも使いなさい。もしも、避妊をしないままにセックスをした場合には、緊急避妊のピルを飲みなさい」と指導をすると。もちろん、ピルもコンドームも無料で提供すると。そして、緊急避妊のピルも、あちらこちらに設置されているクリニックに行けば、無料でいただける。でも、もし休日などでクリッニクが閉まっている場合は、スーパーマーケットで買うことが出来る、と。その場合は有料になります。

 スーパーマーケットで購入できる、これは、本当?と言いたくなりました。あまりに日本と違うものだから。

 ベバリーさん、日本では、その緊急避妊のお薬は認可されていないのよ。と言うと、今度は、ベバリーさんがひどくびっくりしました。本当?でも、病院に行けば薬をくれると言ったじゃない、と、私に言います。ベバリーさんは、今年初めの大阪での私の講演を聞きに来てくださっています。

 「それがね、まだ許可されていないから、仕方なく、中用量ピルを代理に使っているだけなの。中用量を、それも一度に二錠、12時間後にまた二錠と、どーんと飲むものだから、吐き気がして大変なの。吐くこともよくあるし。」

と言うと、本当にひどく驚いて、どうして?と聞かれました。この緊急避妊薬が認可されていないのは、世界でも、とても珍しいのです。ほとんどの国では、この薬は使われているのですから。

 日本では、やっとこの緊急避妊薬「ノルレボ0.75mg」がこの11月26日に開催された医薬品第一部会において、安全性、有効性が評価され、「製造販売を承認してよい」との意見がまとめられました。でも、これだけではまだです。

 今度は、来月末におこなわれる「薬事分科会」の承認が必要になります。ここに、おそらく、この薬の認可に反対する宗教団体などから、どっと反対の意見が送られることが予想されます。低用量ピルが、そのためになかなか認可されなかったように。

 でも、今、たとえばレイプの被害者には、犯罪の被害者として、公的な補助で、緊急避妊の薬は投与されています。それも代理で副作用の強い薬が。

 本当にため息が出ます。私が、熊本で発言したのを聞いていた新聞社の方が三人、後で私の所に来られました。今、文科省のカリキュラムでは、中学校で性感染症が。高校で家族計画という名での避妊を教えるようになっていること。でも、性感染症を教えるにしても、セックスや、性交や、エッチという言葉は使ってはならないこと。性交といわずに性感染症を教えろという、まことに厳しい文科省の指導により、現場では、教えられないという悲鳴が上がっていることなど。また、高校で初めて避妊を教えるのであれば、高校に行かない子、中退する子などは、ちゃんと学ばないままに社会に出、性を実行することになってしまう、知らないまま実行することの悲しさを私はいやというほど見て来ました・・・そんなことをしゃべったので、記者さんとしては、びっくりされたようです。今の性教育の現状を知っていらっしゃらないのですね。

 いつもの教育現場でなく、虐待ということで集まってこられた方たちに、このことを知ってもらっただけでも、来たかいがあったのかも知れません。

 お茶をしながら、三人で嘆きました。まだまだこの国は、性教育に関しては、いえ、性そのものについても後進国であると。

2010_11280001  土曜日という一番クリニックが忙しい日に四方先生と一緒に留守を守ってくれたスタッフへのおみやげです。左のおしゃれな女性の姿のは、毛抜きです。眉を整えたりするのに使います。ホテルで見つけて、おもしろいので買いました。右のは、ゆずこしょうのふりかけです。ゆずコショウは知っていますが、ふりかけになったのを見たのは、初めてなので。駅で見つけて、丁度あった九つ全部買いました。


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「日本子どもの虐待防止学会」

 昨夜遅く熊本から帰って来ました。

2010_11280002 全国から2000人者人が集まる学会だと聞いていましたが、行ってみて、その盛況ぶりを改めて実感しました。

 これは、そのプログラムです。広告のページを除いて、267ページもあります。

 11の教育講演やシンポジウムなど。27の分科会、66の一般演題など、それはびっくりするほどの大きな会でした。子どもの虐待がそれだけ大きな社会問題になっていることの証でもありましょう。

 私の参加したシンポジウムは、熊本のいわゆる赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかごを巡る諸問題~これまでとこれから~」というもので、千人の参加者がありました。「こうのとりのゆりかご」を設置している熊本の慈恵病院の看護師長、熊本県中央児童相談所の方、法律の大学教授と私がシンポジストでした。

 虐待などで失われるかも知れない命を救いたいと設置された「こうのとりのゆりかご」でしたが、設置から三年。57組の大人がここを利用しました。中でも、児童相談所の方の発表が胸に響きます。レジュメから。

「社会調査の結果判明した利用者は私たちが当初考えていた人ではなかった。社会的地位もあり子どもを指導する立場の人、福祉の現場で働く人、祖父母、家族や病院が支えていた人、女性に電車の切符を渡しゆりかごに入れるように指示した男性、子どもの障害を受け入れられない人など、様々だった」

「こうのとりのゆりかご」は、親が名乗らずに子を手放すことを可能にする前提で作られたものである。こどもは親が誰なのか、なぜ自分は遺棄されたのか知ることが出来ず、私たちも答えることができない。そんなこどもたちは成長する過程で様々な壁にあたり悩んでいく」

 シンポジウムでは、匿名性に焦点が当てられて論議しました。ただ、私は自身、養子縁組のお世話をして来たその体験をも話しました。

「ハワイに行ったとき、養子縁組でハワイに行った子とその養親たちがパーティーを開いてくれました。その時、14歳の中学生が生んだ女の子が、私はね、広島で生まれたの。でも、お母さんが若くて、私を育てられなかったから、ハワイに来たの。と、みんな自分がなぜハワイに来たかを聞いて育っていました。」

「もちろん、育てられない出産をしなければならなくなった時、その事実は、誰にも知られないように、それは私の大切な仕事です。そのためには、何でもする、戸籍の移動から、住民票の移動、そしてちゃんと母子手帳も取って出生届も出す。戸籍は、養子縁組がすんだ後で、移動することによって出産の事実を消すことも出来ます。」

等と、話をしました。

 でも、なぜそのような育てられない出産をするところに女性が追い込まれていくのか、そこの所の話がなかなか出来ません。やっと、私は、教育の問題をわずかに話しました。でも避妊の話、すべての若者がちゃんと避妊を学ぶことの大切さを具体的に話すことができませんでした。痛恨の極みです。

 シンポジウムには、命考えてきたという高校生の10人が自分たちの意見を発表しました。これまで命を考えてきた、赤ちゃんの幸せを考えたということなのですが。そして、素晴らしい高校生達だと絶賛されましたが。

 シンポジウムの後、彼女達が私のところに後で来て、質問をいくつかされました。そして、

「妊娠週数の数え方、月数の数え方、いつまでが中絶が可能なのか」等は知らなかったといいます。「そして、中絶をした女性は一生その責任を取って欲しい」と言いました。

 私は、命を考えるという教育の時に、いつも「中絶は殺人」というふうに教えられることがとてもつらいのです。赤ちゃんのことのみに視点を当てると、そうなるのでしょう。でも、その前に、女性が妊娠するという、その女性のことをも見て欲しいと思います。なぜ、女性がこうなってしまうのか。

 一生責任を取るとは、具体的にどういうことなのか。彼女達は何もはじめっから中絶したいと思って行動をとってきているわけではありません。いざ、妊娠が事実となった時に、どれだけ彼女達が悩み、苦しみ、また、男性の裏切りに会ったり、ギリギリのところで結論を出しているか、そこにまで思いが及ばないのでしょう。

 私は、そんなつらい思いをした人に早く立ち直ってまた強く生きて欲しいと思っています。そんなことをした女性は、一生苦しめ!!というようなその冷たさがたまりませんでした。発表にもありましたが、自分達は、しっかり両親に愛されて、愛情一杯に育っています。そんな立場にいる人には、女性が追い込まれていく、その切実さがまだ分からないのでしょう。

 少なくとも、避妊や妊娠の教育をしっかりしてくれない今の教育の状況に不満を持って欲しいと思いました。なんだか、つらくて、もう一泊して、次の日の参加をして勉強しようと思っていた、その気も失せてしまって。心が重くなったまま、帰って来ました。自分でも、高校生相手に大人気ないと思いながら。

 実は、帰る前にお二人の方に会ってケーキ屋さんで話しをしました。そのお話しをまたしますね。


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熊本のホテルのクリスマスの飾りです。

 熊本です。シンポジウムは午後からです。大変短い時間をどう使うか、頭を悩ませています。初めの自己紹介を含めて、自分の意見を述べるのがなんと4分だと。最後に提言するのが3分だと。その間にわずかのディスカッションの時間。その間にどう自分が口を挟むことができるか。きっと、終わった後にむなしくなるのでは?と思います。来る意味があったのだろうかといやにならないように、せっかくなのだから、しっかり主張をしようと思います。

 そもそも、このような学会では、学者さんの机上の論議に終わることがないように。きわめて具体的に提言しないと。来た方にしっかりお土産を持って帰っていただくように。自分も頑張ろうと、力を得ていただくように。そうなるようにささやかに頑張りたいと思います。

 昨夜11時近くにホテルに入りました。先日、名古屋では、広島駅で駅弁が売り切れていて、まあいいか、名古屋で何かたべようと思って。ところが遅すぎて駅周辺のお店はみんな閉まっていて、かつかつホテルの最後まで開いているレストランできしめんを食べました。何と、きしめんが1800円。たかーい!!

今回は、駅に着くと、寒い!! こんなときには、ラーメンを食べたい、熊本ラーメン、ラーメンならどこか開いているだろうと思ったら、どこもありません。寒い中、散々歩いて、結局コンビにでカップラーメンを買ってホテルに帰って部屋ですすりました!!わびしいことです。

 さて、今、どこのホテルでもクリスマスの飾りが素敵です。このホテルも、ロビーには大きなサンタクロースもいるツリーが。エレベータの入り口には大きいリースが飾ってありました。そして、各部屋にの入り口に、まあ、素敵。小さな5センチほどのオーナメントが。それも、よく見ると、各部屋で飾りがちがうのです。ちょっと失礼して写真を。いえ、決してあやしい者ではありません。ただ、飾りがかわいいもので。こんな小さいものが大好きなので。なんて、かってにつぶやきながら、撮らせて戴きました。ネッ!!かわいいでしょ!?

2010_11270006 2010_11270007 2010_11270014 こんな細やかな心遣いがとても好きです。

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     私のクリニックもそろそろクリスマス仕様にしなければ、と思いました。

今夜は家に帰ります。さあ、頑張らなければ!!


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三重大学の講演に行って来ました。

 昨日は、三重大学で講演をして来ました。たくさんの学生が来てくれて、用意された教室は一杯で、立って聞いてくれた人もいて、気の毒なほどでした。大学生に今さら、と思われるかもしれませんが、大学生が無知であること、無知のまま行動をとってとてもしんどいことになっていること、それは私は診療の場でよーく見て知っています。

 ここまで準備をして下さった皆様に感謝です。この講演をはじめっから企画・推進してくださったのは、三重大学の考古学の教授なのです。そのうちきっと今回の講演がブログにアップされると思います。そしたら、そのブログのご紹介をしますね。考古学のロマンも感じ取れる、それから学生達への愛情もあふれるブログですゆえ。

 また、スタッフとなって尽力して下さった先生や院生などとも、お昼ご飯をご馳走していただきながら、いろいろとお話しすることが出来ました。どこにも、頑張ろうとする人たちがいることにまた勇気付けられました。皆様に心から感謝です。

2010_11260002 何気なく、お土産として頂いて帰って、家で開けてびっくり。「三重大学カレー」でした。レトルトで温めてすぐに食べることができるカレーです。ありがたい!! 三重大学の練習船船長お薦めとあります。早くに戴きますね。楽しみです。

 私は、カレー大好き。中でもハウスバーモントカレーのルーで作ったのが何よりなのですが、最近、レトルトに凝っています。下手に作るより、よほど美味しい。先日も、岡山の中国ブロックセミナーに行った帰り、買って帰りました。この前安来高校に講演に行った時、前日に泊まった「サンロード吉備路」

2010_11260001 で姉が買って帰り、食べたところとっても美味しかったと。白桃やピオーネの実が入っていて、それがカレーの味にコクを出していて。今度岡山に行ったとき、また買って来てといわれました。姉のと一緒に私用にも買って帰りました。

 でも、大学の名前のついたカレーは私には初めてです。他の大学でもあるのでしょうかね。

 さて、昨夜帰ってきたばかりなのに、今日の夜は熊本に行きます。「子どもの虐待防止学会」のシンポジウムで話す予定です。「こうのとりのゆりかごのこれまでとこれから」。こうのとりのゆりかごは、いわゆる「赤ちゃんポスト」です。私が若者の妊娠や出産やそれから養子縁組のお世話などをしていることから、お声がかかったのでしょう。しかし、シンポジウムですし、パワーポイントも使えませんので、あまり話すことができないと思います。

Photo でも、私の役目は、これに尽きると思います。昨日の講演でも使ったスライドの一つです。若者達にこのようなことを伝えること。何も知らないまま、(それは大人たちがこのようなことを全く伝えていないからでもあるのですが。) 行動をとる若者達に知らせなければ。その教育の問題。

 それから、もし大変なことになったと自覚したときに、身の周りに一人でも相談できる大人がいるか否か、それが若者が救われるか否かの鍵となります。それをどうシステム化するかということ。それに尽きます。それらをしっかり話したいと思うのですが。時間がどうでしょうか。

 明日土曜日は、診療は四方明子先生にお願いすることにしています。普通、診療を休んでの講演はしないのですが、悩んだ末、今回は大切な学会ですので、土曜日でも行かせて戴こうと思いました。ご迷惑をおかけしてすみません。

 ここのところひどいスケジュールでしたが、この熊本でやっと一息つきそうです。12月は、宝塚の中学での講演が毎週あるだけです。あっという間に今年も終わりそうですね。そろそろボチボチお掃除をしなければ。


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このごろのこと。

2010_11230004 23日、勤労感謝の日、第8回さくら会に行きました。ソプラノ歌手藤田真弓さんが主催するさくら会の「日本うた紀行Ⅷ」。今回は、「山田耕筰と中田義直の愛した日本の風景~春夏秋冬~」。二時間半たっぷりと歌声を楽しませて頂きました。

 藤田さんを初めとして、元広島市民病院の岡崎富男院長など、その美しい歌声。「さくら」からはじまり、最後の「雪の降る街を」さらにアンコールの「心の窓に灯を」まで42曲。

日本の歌、特に中田義直の曲は、美しいだけでなく、何か物悲しくって。聞いていて、涙が出ることもありましたよ。素晴らしい時間で、心もすっかり癒されました。藤田真弓さん、素晴らしいコンサートをありがとうございました。遠くからの写真でお顔がはっきり出なくて、ごめんなさい。

 えっと、ご報告ですが。9月12日に受けた「韓国語能力検定試験」。やっとその結果を送って来ました。受かったのか、落ちたのか、ずっと結果を待って待って。結果は、一級合格でした。一級と言っても、初級の最低の級です。韓国の国家試験のこの試験は、全世界17カ国で一斉に行われ、韓国に回答用紙が集められ、そこで採点されます。

 この級は、一級から始まって、難しくなるに連れて二級、三級と上がっていきます。ですから、一級は、最低。一番難しいのが六級です。

「語彙・文法」「書く力」「聞き取り」「読解」と四つに別れ、初級をうけましたが、それぞれの採点で50%以上で一級の合格。70%以上で二級の合格です。中に一つでも40%以下があれば、足切りで不合格です。三級からは、中級となります。

 やれやれ、足切りにもあわず、かつかつの合格です。不思議なことに、作文などよく書けたと思ったのよりも、聞き取りが一番良かったのです。日ごろ韓国ドラマをよく見ているおかげかもしれません。読解が最低。とても難しくて。これは、足切りかもと思ったのですが。

 全く不合格であればがっくり来たでしょうが。一級には合格したのが、とても嬉しくて。よし、今度は頑張って二級だ!と元気が出て来ました。春にある試験で再挑戦です。

 いま名古屋です。昨夜の新幹線でやって来ました。早速に新幹線の中でこの度の試験の復讐です。何と、あの時集中して勉強したせいか、力を発揮したようです。今、その同じ試験をしてみると、とても難しくて。単語もいっぱい忘れています。情けない。

 暗記する力が衰えているのを嘆く私に、先生は、「繰り返し繰り返しすることでそのうち覚えていきます。」と言われました。それが私の力の源です。

 名古屋、クリスマスのイルミネーションがとてもきれいです。デジカメを忘れてきて、残念。

 今日は、三重大学の学生さんに講義をします。基礎体温表や、ピルや子宮筋腫や子宮頸がんなどのパンフレットや、エイズ予防財団のレッドリボンのついたコンドームなど、沢山のおみやげを持って来ました。それと、私の今日使うスライドをプリントして配布してもらうこと。デートDVのパンフレットも大学で用意して下さいました。来た人には、いっぱい持って帰ってもらおうと思います。


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「性教協中国ブロックセミナー」から。③こんな時どうする?

 昨日のリスクシートの一つ一つを中井さんたち職員は、子どもたちと共にティスカッションしながら考えます。

 職員は、就職するとトレーニングを受けます。

生活の中の性に関する場面(事例集)

参考事例Ⅰ(1対1の対応例)

①小1の男の子が。一緒にお風呂に入っているときに「どうして大人は、おちんちんに毛が生えてるの?」と聞いてきました。あなたなら、どう答えますか?

②小1の女の子が、一緒にお風呂に入っている時に、「赤ちゃんは、どこから生まれるの?」と聞いてきました。あなたなら、どう答えますか?

③子どもたちと一緒にテレビを見ていて、小2の男の子が、生理用のナプキンのCMを見て「あれ、何なん?」と聞いてきました。あなたなら、どう答えますか>

などなど。まだまだシビアな質問も沢山あります。

参考事例Ⅱ(複数対応やドラマ的な対応例)

①小4の女の子、体格がよく、初経を迎えたようです。まだ、誰からも月経について教えられていません。泣いている彼女に、あなたなら、どう、対応しますか?

②小5の男の子が、スカートめくりをして、女の子を泣かしてしまいました。あなたなら、どう対応しますか?

③中2の男の子が、無声で汚してしまった下着をベッドの下に隠していたのを掃除のときに見つけてしまいました。あなたなら、どう対応しますか?

④洗濯のため衣類をより分けている時に、中2の男の子のズボンのポケットからコンドームが出てきました。学校から帰ってきた彼に、あなたなら、どう対応しますか?

⑤子どもの部屋を掃除しているとき、中1の男の子のベッドのフトンの下からポルノ雑誌が出て来ました。男の子を呼んで、あなたなら、どう対応しますか?

などなど。

実際、これらはすべて、子どもたちを育てる場では、両親のいる家庭でも起こりうることです。

 今、施設にいる子たちの6から7割の子が虐待で入っていると初めの回にお話ししています。虐待には、身体的虐待、精神的虐待(おまえなんか、生まれなければ良かったなどとひどい言葉をあびせたり)、ネグレクト(無視、育児放棄など)、それに性的虐待の四つに分けられます。

 が、実は、私の現場ではよくある性的虐待で入ってくる子は、実は少ないのだと。でも、このようなディスカッションをしているうちに、「私、こんなことされたことがある」と、ポツッと言って、発覚することがよくあるのだと。それまで言えなくて、ずっと一人胸に抱えていたのですね。

 虐待された子に対しての施設での対応なのですが。実は、今、施設で国から決められているのは、こども6人に対して一人の職員なのだそうです。6人に一人と言っても、24時間、365日、ずっと。それに職員の休みなども入れると、毎日がとても大変で。たとえば、中井さんは、夜当直で泊まりの時は、朝一人で34人の子の世話をしなければなりません。着替え、洗面をさせ、御飯を食べさせて学校などに送りだします。中には、なかなか起きない子や、お腹が痛いという子もいたりして、それは大変だと。なかなか丁寧に、虐待された子への特別な対応などできる余裕がないといわれます。それはそうでしょう。私など、たった二人の子だって、朝は戦争のような騒ぎでしたもの。34人だなんて、気が遠くなるような状況でしょう。

 アメリカでは、以前、虐待された子は、里親の元で育てられるようにしていたと。そしたら、またそこで虐待されたりという問題が起こったりして、今は、ケア・ホームで育てています。そこでは、子ども一人に対して、職員3人なのです。その中には、ケースワーカーなどの専門家や、育ちを観察する専門家もいると。

 また、中井さんたちは、性教協の児童養護施設サークルで、年二回、二泊三日の研修をしています。そこには、全国の施設から、いつも定員100人満員、お断りをしなければならないほど、人が殺到します。さまざまな施設で問題が起こったりして切実なのでしょう。それでも、全国の養護施設は560。その施設の内、毎年職員が入れ替わって研修を受けに来るのは、60から70の施設からの参加者に過ぎないのだそうです。

 私たちも、広島で中井さんをお招きして、児童養護施設の職員の方たちの研修を行いました。沢山の方に来ていただきましたが、それでも、継続していません。もっと私たちが努力をしなければなりません。

 施設の子は、小さい頃の写真があまりないと。それなのに、学校で、赤ちゃんの時の写真を持ってきましょう、というような先生が結構いたりして。将来、恋人が出来たときに、子どもの頃の写真を見せ合うということもあるでしょう。だから、施設に入ってくると、すぐから、写真係などを作って、一生懸命に写真を撮るのだそうです。

 思春期を乗り越えて大人になるということは、どういうことなのか、とか。もっと一杯貴重な話を聞きました。一線のエリート技術者を辞めて施設の職員になったという、中井さんの暖かさもしっかり感じとりました。本当に行ってよかったです。

2010_11220002 中井さん推薦の本を三冊買って帰りました。右の本は、以前にも紹介しました。「クリエイツかもがわ」の「子ども達と育みあうセクシュアリティ〇児童養護施設での性と生の支援実践〇」先ほどあげた例の対応法など、丁寧に述べてあります。何冊あってもいいので、また買いました。真ん中が、「季刊セクシュアリティ」。この度の特集は、「子どもと性・児童養護施設からのメッセージ」です。左は十月社の「性の貧困と希望としての性教育~その現実とこれからの課題~」これは、共著です。中井さんの話もありますし、この度のスピーカーでもあった上村先生の携帯の話、アダルトビデオの話など。また、ここから裁判の原告団による障がい児への性教育の取り組みなど、現代の社会で無視できないことが満載です。買ってすぐ、必死で読みました。多くの方に読んでいただけますように。

長くなりましたが、主に養護施設の性教育についてのご報告でした。私は今日は診療を終えると、名古屋に行きます。明日、三重大学で、大学生への講演です。

 


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「性教協中国ブロックセミナー」から②ボーイズ・バー

   日曜日、性教協中国ブロックセミナーでの大阪の児童養護施設中井さんの話の続きです。

 中井さんの施設であった話。

 女子高校生が二人で街を歩いていると、ジャニーズ系のかっこいい男の子が話しかけてきたと。中井さんの言葉です。

「女の子は友人と一緒に複数でいるときに事件に巻き込まれやすい。男の子は一人でいるときに巻き込まれやすい」と。私もそう思います。二人や三人でいるとつい警戒心か薄れてしまうのでしょうね。

 以前、イタリアで日本人4人の女性がイタリアの男性に誘われて彼の家に行き、そこで日本刀で脅されて4人全員レイプされたという事件がありました。その時に日本の女性は無警戒だと散々マスコミにより被害者が責められましたが、私は四人いたことで警戒心が薄れたと思うのです。四人全員が一度に襲われるなんて、想像しなかったでしょう。そして、レイプされた被害者を責めるという風潮がとてもいやで、それを新聞に投稿して、採用されたことがありました。

「君達、高校生?ちょっとうちの店で遊んで行かへん?」と。ええっ、でも私たちお金を持ってないよ。という彼女達に「千円でいいよ、一人千円。二人で二千円でいい。」といわれ、半信半疑でいったのだと。そしたら、かっこいい男の子たちが寄ってきて、お酒も飲ませて、さんざん楽しい思いをさせたくれたのだと。そして、本当に二千円でいいと。今度、また友だちを連れておいで、千円でいいから、と言われたと。得した気分で彼女達はまた友人を連れて行きます。

 そうして夏休みの八月の終わりまで週二回ずつほぼ一月通い続けて。その中の一人と彼氏彼女にもなったのだと。そして、夏の終わりに、突然、

「店長から言われてな、やっぱり千円だったらまずいと。ちゃんとお金をもらえといわれたねん。悪いけど、このお金、払ってくれん?」と、渡された請求書が126万円だったと。びっくりする高校生四人。四人で割ったら、一人31万5千円。

「お金、なかったらな、君達かわいいから、一週間も働いたら稼げるお店があるから。そこを紹介するからな、そこで働いてや。」

と言われたのだと。

 四人の中の施設にいる一人が、アルバイトをしていてお金をためていたのだと。それを出して欲しいと職員に言い、何に使うのかと、なかなか言わなかったのをやっと聞き出してそのことがわかったのだそうです。初めは、彼氏も出来たと言っていたし、てっきり妊娠したのか、そのためにお金がいるのかと思ったのだと。

でもとんでもないことでした。他の三人は、働くつもりでいたと。それも、風俗ですね。

この件については、警察にも相談し、職員で解決しました。

 この施設では、「リスクシート」というのを作っています。

 このシートを使って施設の中で話しあいます。こんなことがあったら、どうする?と。職員も一緒になって考え、話し合います。(シートはクリックすると大きくなります。)

養護施設にいる若者だけでなく、どこにいてもありそうなことばかりが並んでいます。こうして、いろいろなことを実はこうなんだと学んでいくことはとても大切なことでしょう。

Img168 Img169 この中井さんの講義を聞いていて、私はな亡くなってしまった大分の山田泉さんの講義を思い出しました。彼女の模擬授業を受けたことがあります。携帯の授業でした。携帯に、東京の男の子から、友だちになってとメールが来たら、どうする?と、生徒に問いかけました。田舎の少女にとって東京の男の子というと、それだけで、もう舞い上がってしまって、返事するといいます。そんな例をあげながら、順々に携帯の使い方、そのリスクについても話を展開していきました。ただ携帯を持ってはダメというのでなく。

 このようなしっかり学ぶことができるこの施設にいる若者達は、幸せだと思いました。でも、全国の施設でこのようなトレーニングをされているとは限りません。

 次回、そのあたりの話もしますね。


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「性教協中国ブロックセミナー」から①

 昨日は、岡山での「性教協中国ブロックセミナー」に参加しました。広島駅で仲間二人と合流、午前中に着くつもりで、車で行ったのですが、途中、事故が会って大渋滞。午後0時半からの大切な講演にも少し遅れてしまいました。

 午前10時から模擬授業二つ。一つは広島サークルの城さんによる「気持ちを伝えよう~わたしもあなたもOKのコミュニケーション力を~」もう一つは、島根松江サークル長谷川さんの「生命の誕生~卒業をひかえた6年生に伝えたいこと~」このどちらかに参加します。

 昼食をはさんで12時半から1時間「問題提起」。大阪児童養護施設の中井良次さんの講演「心のゆらぎと性文化」でした。

 その後「トーク&トーク」「受けとめ応える~それでも希望を見出すために~」スピーカーはウィメンズクリニックかみむら 院長 上村茂仁さん、中井良次さん、岡山県真庭市立小学校の養護教諭 藤田照子さん 司会は元高校養護教諭の福本光子さん。

 上村さんの話も素晴らしいのですが、仲間内として、もう何回も聞いています。今回、私は主に中井さんの話を聞きたいと思って行きました。中井さんには、広島にも来て戴いていますが、私はこれまでどうしても時間があわず、話を聞く機会がありませんでした。

 期待したとおり、本当に素晴らしいお話しでした。言葉一つ一つが実績を積み重ねてきた人の重みがありました。それに、何と言っても、子どもたちへの愛があふれていました。

 中井さんは、元シャープの液晶開発技術者から転職して25年。現在大阪の児童養護施設に勤務なさっています。まだ勤務し始めの頃、施設の15才の少女がいなくなってしまいました。当時、はやっていたテレクラで知り合った男性と会い、それっきりになってしまったと。中井さんは毎晩夜の街を探し回ります。「この町をさまよっているのか」と不安を持ちながら。怖いお兄さんにすごまれながら、でも「この子を捜しているのです。知りませんか。」と写真を見せながら。警察からは、にたような年恰好の女性の死体が見つかると、連絡が入ります。「今度は、そうなのか」と、おびえながら確認をします。その繰り返しで、そのうち、もう死んでいるのでは、と言う思いが強くなります。その彼女は、幸いにも二年経って帰って来ました。

 その頃、テレクラとは一体何なのか。テレクラに通いながら、調べます。そこに来ている男性達、もちろん、少女と知り合って最終的にはセックスのために少女と会おうとするのですが。そのかれらは、とても素晴らしい電話の受け応えをするのだと。いわゆる「カウンセリングマインド」ですね。うんうん、そうか、と、共感をもちながら話を聞いてあげる。そして、そのうち「電話では何だから、会おうか」となるのですが。後で補導された彼女達はみんな「いい人だった」と言うと。私たちから見ると、「セックス目的の男」なのですが。思春期の揺れる心、どんな環境の者でも持っている「寂しさ」にすっぽりとはまるように、その犯罪は行われていました。

 いま、そのテレクラに変わるのが「携帯」による「出会い系サイト」です。誰でも持っているこの携帯が、その出会いの場となっていること。「出会い系サイト」といわずとも、ゲームサイトの「掲示板」がその役を果たしていると上村先生は指摘します。掲示板は、ゲームサイトだけでなく、学校単位の物もあります。自分のメールアドレスを明らかにすることがどれだけ危険であるか、このあたりが若者には伝わっていません。ただ携帯を禁止すればいいと言うのでなく、使い方をおしえなければ、と思います。

 中井さんの話、児童養護施設での性教育のとりくみ、まだまだ続きます。今、養護施設に入っている子の6~7割が「虐待」で入っているのだと。その虐待されている子にどう接しているのか、など本当に胸が詰まる話も聞きました。

 もう少しこの話を続けたいと思います。

2010_11220001  帰りは、一緒にいた三人と、せっかく岡山まで来たのだから、ちょっと足を伸ばしてと、私の好きな総社の国民宿舎「サンロード吉備路」に行って温泉に入り、バイキングの食事をして帰りました。日帰り入浴もいいものでしたよ。温泉はきれいで露天風呂は気持ちいいし、食事は、地産地消の新鮮な地のもの中心でどれもとても美味しかったです。


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開業20年の数字です。

 開業して20年、1990年11月19日から、2010年11月18日までに来られた患者さんは、49,164人。一人1番号、名前が変わっても、ずっと同じ番号でいきましたので、延べではなく、実人数です。5万人近くの方が来てくださったことに改めて感謝です。今春、新しい市民球場に行って、満員の球場をみて、これよりも沢山の患者さんに来て戴いているのだと思うと、身が引き締まる気がしました。

 このうち、男性が1,516人。婦人科での男性の受診は、不妊の方のパートナーの場合。性同一性障害の方のホルモン治療。単に軽い内科、風邪引きだとか、ワクチンの接種だとか、これは主に知り合いの場合ですが。それに、最近は、HIVの迅速検査を受けに来る方。迅速検査を始めたのは、2008年3月からですが、それ以来648件の検査をしています。

 初診時年齢が10代だった方、7,253人。約15%です。開業以来10年の時点で10代の受診者の詳しい統計をとりましたが、もう、今はあの作業はとても出来ません。10年の時点では、4,537人。うち、10代の妊娠が1,109ありました。

 でも、10代で一番多いのは、やはりいわゆる月経の異常。生理不順ですね。これは、さまざまな原因があり、その原因をちゃんと突き止めて、治療をしなければなりません。今、とても多いのが、体重減少性無月経。ダイエットで生理が止まってしまったというものです。見かけのスマートさよりも健康が一番。そんな子育てが必要と思います。

 また、この中には、激しいスポーツで無月経になったというものも含まれます。特に、陸上の長距離の選手など、ハードな練習と厳しいダイエットで無月経となり、むしろ月経がないほうが記録が伸びるというコーチの指導とぶつかり合うこともありました。無月経になると、ホルモンが出ないということ。ホルモンは、関節がスムーズに動くためには何より必要なものなのですが。それに女性ホルモンが出ないことにより、骨粗しょう症となって、骨折してしまった選手にも何人も出会いました。

 思春期では、たった二キロ体重が減っただけでも、たちまち生理はなくなってしまいます。一旦体重減少性無月経になると、ちゃんと排卵のある月経を取り戻すのに、平均5年から7年と、大変な時間がかかるということは、ほとんど知られていません。

 この20年で、子宮頚部を主に、いわゆるがん検診、細胞診をしたのが45,084件。これは、件数です。一人の人に何回もしていることがあります。そのうち、異常があって精密検査をしたり、明らかに肉眼で癌という場合には当院で精密検査をしないままにすぐに大きい病院に紹介したりというのもありますが、いわゆる細胞診で引っかかった人が計994人です。これは人数です。

 開業医にとって癌をちゃんと見つけるということは、もっとも大切な任務です。1000人近くの方が、当院でのがん検診で異常があったというのは、改めて任務の大きさを感じるものです。このほとんどの方が適切な治療をして頂いて存命していらっしゃいますが、中には、亡くなってしまった方もおありです。

 それから、最近では、20代で細胞診に異常がある人が一番多くて、心配です。これについては、いま改めて統計を取っていますので、その内ご報告します。若い人の子宮頸がんが増えている、これは、私のクリッニクでも確実に実数として現れています。それもワクチンの接種をお勧めする理由なのです。

 この20年で、講演をしたのは1,086回。木曜日と日曜の休診日に講演に行っています。主に性教育の講演で、北海道から沖縄まですべての都道府県を走り回りました。開業当初はまだ元気で、一日に複数回の講演をしたこともありました。一番ひどいのは、午前中岐阜で、午後宝塚で、夜岡山で講演をして帰るということもありました。今はもう一日一回の講演にしてもらっています。

 この20年間でした私の怪我や病気。ひどいインフルエンザ。全身のリウマチ。(全身がはれ上がって歩けなくなりました。このときは本当にステロイドのありがたさを感じました)。サルコイドーシスという難病にもなりました。これは、気管支鏡というつらい検査もしましたよ。それから、左肩の骨折。左手首の骨折。肋骨骨折。右手首の骨折。交通事故でのムチウチ。同じく交通事故での全身打撲。ムチウチはまだ引きずっていますが、他はすべて適切なドクターの治療ですっかり治りました。本当に医療というのは、ありがたいことです。ちなみにこれらの病気や怪我で診療を休んだのは、左手首の骨折の手術をした戴くための半日だけ。代診のドクターに来ていただきました。

 いろいとあっても結局はほとんど休むこともなく診療を続けることが出来て、ありがたいことです。これは、決して一人の力ではなく、多くの方のおかげです。夫を初めとしてすっかり大人になった子どもたち、家族。クリニックのスタッフ、友人たち。そして何よりも沢山の患者さんたちにこそ支えられました。改めて感謝申し上げます。

 これから、いつまで続けるか分かりませんが、もうちょっとだけ頑張ってみようかと思っています。そうそう、開業するために借りた借金は一億円。これは全部返済しましたが次々と購入する医療器械のために、まだ借金を背負っています。貯金?ありません。これからはそれも目指さなければ。そうでないと、やめる時のスタッフの退職金もありません。

 最後に、昨日アップした写真を眺めていて気づいたことですが。夫の髪がなくなるのと反比例して、私の体重が増えております。何キロかは、ヒミツです。

 皆様、すべてのみなさま、ありがとうございました。今日は今から岡山に行きます。仲間を乗っけて車で行きます。性教協中国大会です。おもに児童養護施設での性教育の勉強に行ってきます。

 


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開業20周年です。開業当時の写真から。

 昨日は、私のクリニックの開業20周年でした。

2010_11190016 2010_11190017 朝、出勤すると、スタッフの皆さんから、プレゼントを戴きました。お花と、封筒に入ったのは、なんと「やまとの湯」の回数券。11回お風呂に入れます。ありがとう!! 感激です。

 お昼には、すぐ向かいの「露菴」でみんなで食事をしました。出来れば、お世話になった方をお招きして、等と考えてはいましたが、バタバタと日々過ごしているうちに、準備も出来ないままになってしまいました。スタッフだけでささやかにお祝いです。

2010_11190009  20年前、1990年11月19日に開業し、診療を始めました。その時の開業披露パーティーは向かいの県民文化センターで行いました。その時の写真を眺めてみると。

 何より、きゃー、若い!!です。そうですね。一口に20年と言っても、その時に生まれた子が20才の成人なのですから。

 それに、このパーティーに参加してくださった方の多くの方がすでに亡くなっています。

 司会をして下さった高校の演劇部の先輩、広島テレビの脇田義信さん。当時、ズームイン朝で一世を風靡していたので、九州から来た兄などは、脇田さんに会えたことをとても喜んでいました。

2010_11190011 演劇部の顧問の土橋先生と、仲間たち。この右端が脇田さんです。こんなにお元気だったのに。定年退職したら、昔の仲間と劇団を作ろうと、私も入れて、なんて言っていたのに、亡くなってしまいました。

 他にも、私の両親、夫の父、義兄、義弟、従兄弟、それから産婦人科の先輩の宮岡先生、中川先生、中尾先生。皆さん元気に写真の中で生きていらっしゃいます。

 それから、パーティーに来てくださった方たちの顔ぶれと、今の友人関係は、全く違います。当時は、地域の医師会、女医会、それから大学の同級生、産婦人科の医局の方たち、そして高校の仲良しさん。今も仲良くしているのは、高校の仲間と少数の産婦人科の医師など、極一部の人たちです。もし今、20周年の会をするとしたら、招待する方たちの顔ぶれは、全く異なります。と言うことは、この20年の間に、それだけ私の交友関係が広がったということかも知れません。

2010_11190015  ひゃー、挨拶をしている夫、若い!! 髪がふさふさしてるわ。と、一人にやにやします。それだけの年月がたったということですね。

 本当に必死で駆け抜けた20年ですが。振り返ってみると、この20年は「とてもしんどかった」というのが一番の思いです。昨夜、夫と話しました。

「今死んだら、私の人生は、しんどい人生だったとしかいえないなあ。充実していたとは言えても、楽しい人生だったなんて、とても言えない」と。

 明日は、この20年の診療等、少しだけデータをとりましたので、それをご報告しますね。


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「子どもの権利条約21周年バースデー・パレード」

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お伝えしたいことが次々とあって、ぐずぐずしているうちに、もう、明日になってしまいました。子どもの権利条約が国連の総会で満場一致で採択されたのが、1989年11月20日。当時、深い感動を持って受け止めたのがついこの間のように思い出します。なかなか日本がその条約を批准しなくって、どうしたことかと思っていましたが、すったもんだの末に、やっと1994年に日本も批准しました。

 国例の採択から21年。明日、広島で「子どもの権利条約21周年バースデー・パレード」が行われます。

Img163

このチラシは、クリックするともっと大きくなります。

子どもの権利条約を実現するために制定されようとしている広島市の「子どもの権利条例」。反対する人たちの声が大きくて、足踏みしていましたが、ここに来て、早く制定して欲しいという切実な声を多くの人からうかがっています。

 先日の佐伯区での広島市の説明会の様子を複数の人から聞きました。会としては、とても雰囲気が良かったと。相変わらず反対する人たちの(それも、PTA協議会の人?!)とてもつまらない反対の意見に、失笑が漏れたとも聞きました。広島市の担当の方の説明も、とても丁寧で、よく分かったと。

 条例を決めなくとも、今の法律で十分対応できるという人たち、それでは、なぜ毎日のように、「虐待」で命を奪われる子どもが後を絶たないのでしょうか。今の法律では対応できないところを、きめ細かく行政や大人に対応して頂こうというのが、条例なのですが。特に、今、苦しんでいる、心身の障がいを持っている人、学校に行けない人、ひっそりと虐待を受けている人などには、この条例が大きな意味を持つようになるでしょう。

 早く条例が制定されますように。

 なお、「ひろしまこどもマーチ」の歌が出来たそうです。この歌を、パレードの時にリコーダー吹きながら参加する人を求めています。楽譜が載っています。ぜひ多くの人の参加を!!私は診療があって参加できないのが残念です。

 実は、もう一つの誕生日。今日は私のクリッニクの開業20周年です。1990年11月19日にオープンしました。アットいう間に駆け抜けた20年でした。これについては、明日のブログでお話ししますね。


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第22回谷本清平和賞「夏の会」について

 ご報告がすっかり遅くなってしまいました。11月7日日曜日の午前中、ヒロシマ・ピースセンター主催の国際平和の集いがありました。その第一部、第21回日本語による世界平和弁論大会については、すでにご報告しました。

 その第二部、「第22回谷本清平和賞」の贈呈式についてです。

 その賞に名を残す谷本清牧師は、被爆当時、広島流川キリスト教会の牧師でした。1948年、原爆の被爆の体験を持ってアメリカにわたり、15ヶ月の間31州、256都市、472団体において「被爆の惨状と平和の尊さ」を訴えました。その後、ヒロシマ・ピースセンターの初代理事長として、再三にわたってアメリカにわたり、原爆で顔にケロイドを負った「原爆乙女」の治療を初め、原爆孤児の養子縁組などを実現しました。

 私が度々このブログで報告している国際間養子縁組をペアでしている近藤紘子さんは、この谷本清牧師の長女さんです。彼女はアメリカの大学で「国際間養子縁組」を学んでいます。その弟、谷本牧師の長男、谷本建さんが私と高校の同級生で、その頃から、一緒に子どもの施設を慰問したりしていました。その縁で紘子さんと知り合い、一緒に養子縁組に取組むことになったというわけです。

 谷本清平和賞は、1986年に、谷本清牧師の偉業を祈念し、恒久平和実現と原爆体験の風化を食い止めるために貢献した人(団体)を顕彰し、より一層平和構築への推進力となって頂くことを願い創設されたものです。第一回のノーマン・カズンズ氏を初めとして、栗原貞子さん、森滝一郎さん、河本一郎さん、中沢啓治さん、吉永小百合さん、高橋昭博さん、新藤兼人さんなどが受賞されています。

 今年の受賞は、「夏の会(女優たちの朗読劇)」でした。2008年3月、女優たち18人が「夏の会」を立ち上げ、「夏の雲は忘れないヒロシマ・ナガサキ1945年」として全国の講演活動をしてきました。舞台は、原爆によって突然人生の未来を絶たれてしまった子どもたちの詩によることば・母親や先生の手記をひたすら読むというシンプルな公演で、被爆者の思いは会場参加者の心に深く刻まれます。

2008年全国22か所25ステージ・2009年26か所28ステージ・2010年31か所・34ステージで行われています。

2010_11070014 表彰式には、18人を代表して、高田敏江さん、渡辺美佐子さん、日色ともゑさんが参加されました。右側に座っている三人です。

 真ん中で挨拶をしているのが、谷本建さん、一番左に座っているのが近藤紘子さんです。

 表彰式の後、謝辞として、原爆手記の朗読が演じられました。公演には、鶴学園・なぎさ公園小学校の生徒さんたちが一緒でした。

2010_11070018 かざらない小学生の、同年代の子どもたちの詩の朗読も胸を打ちました。女優さんたちの詩、一線の新劇の女優さんたちが、こうして地道に全国を回っている姿には、頭が下がります。

 ただ、今回の受賞の返礼の女優さんたちの詩の朗読は、ちょっと残念。ヒロシマではあまりに知られている「うましめんかな」と「死んだ女の子」。死んだ女の子は、被爆者の詩ではありません。一つだけ。生き残ったお父ちゃんと、とぼとぼ歩いて自宅があったところに行き、おかあちゃんと弟の骨をつぶれた家から掘り出して、菓子箱に入れるという、その手記には、本当に胸がつぶれる思いでききました。

 私にとって、初めてのこの会の参加。谷本建氏に誘われての参加でしたが、改めて背筋を伸ばして、これからの活動をしなければ、という思いをさせられました。様々なところで、様々な人が平和のための活動を続け、また、あらたに始めています。こういう地道な活動こそが、今の核世界に必要なことなのだと思いました。

 以上、遅ればせながらのご報告でした。

 今日は、今から東大阪の枚岡中学に行きます。ここには、毎年、卒業前の三年生に話しに行っています。今年もお声をかけていただいて、ありがたいことです。日帰りで行って、夜は臨床産婦人科医会の「子宮内膜症」の研修です。毎日のように研修があって、しんどいけれど、必要なことですね。

 


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またまた、子宮頸がん予防ワクチンについて。

 昨夜は、藤井レディースクリニックの藤井恒夫先生の話を聞きました。「子宮頸がんの予防における検診の重要性とHPVワクチン接種の意義について」。もう、散々勉強してきても、それでも、がんの臨床の一線で活躍しているドクターの話には、いろいろと感銘を受けるものがありました。また、ボツボツこれらのお話しをここに報告しようとも思います。

 でも、繰り返しになりますが、癌が予防できる、発症しなくてすむのですから、このワクチンの接種は勧めたいと思います。特に子宮頸がんは、若い世代に増えています。今、上皮内癌(いわゆる0期のがん)をのぞいて年間8474人の人が頚がんにかかり(2005年)、2486人の人がなくなっています(2008年)。

特に、若い人の子宮頸がんが増えています。ごく初期の癌を除いて、命は助かっても子宮を失うことになります。子宮頸がんが「マザーキラー」といわれるゆえんですね。

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 しかし、このワクチンはとても高くて、一回が平均15000円(プラス消費税。こんなものにも消費税がかかるのが情けないです。)それを三回うちますので、5万円にもなります。(広島市内で70000円も聴取する公的な病院があると聞いてびっくりでした。)そこで、公費助成が期待されます。今回の補正予算で、国がやっと助成をしてくれそうです。でも、これは、各自治体へ国が助成をするという形になりますので、自治体がきめなければ、各個人が助成されることにはなりません。

 それに、間違えないでほしいのです。この助成は、おそらく中学生、多分よくても高校一年生までへの助成となります。これは、各自治体が決めることなのですが。大人の方が、「助成がきまるまで待ちます」 「ただになるんでしょ?」とよく言われるのですが、
「いえ、これは、大人には適応されませんよ、」と言うとがっかりされます。今、決まっている各自治体の助成です。

Photo

あいかわらず、広島県はゼロです。残っているのは、広島県と山口県だけ。こんなのを見ると、つらいですね。一生懸命うったえても、行政に声は届きません。


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嬉しかったこと、二つです。

 今日は、ちっょと嬉しかったことを二つ。

2010_11090001 安佐南、安佐北にお住まいの皆様、こんな本をご存知でしょうか。「まるごと安佐南&安佐北」。私はそこの住民ではないので、これまで全く知らなかったのですが。安佐北に住んでいる、私のクリニックのスタッフが持ってきてくれました。

その今回の特集は「大人の親子読書」。親から子に勧めたい本の特集です。

2010_11090002 そこにいきなり私の本が載っているのです。びっくり。児玉さん親子が持っていらっしゃるのが、まぎれもなく、私の初出版の「さらば、悲しみの性」です。お母さまが若いときに読んで、そしてその本をお嬢さんに手渡されたとのこと。

 私の昔の本が、そんなに大切にされて。ありがたいことです。今はこの初版本は絶版となり、全面的にリライトして、集英社から文庫文として出版しています。その本の写真も出ています。

 お会いしたことはないけれど、児玉親子さま、それからこの本の出版をしていらっしゃる皆様、ありがとうございます。この場でお礼申し上げます。

 それから、嬉しかったこともうひとつ。これは、うふふ、なのです。あのね、オータムジャンボ、宝くじです。いつもジャンボだけは、夫と半分ずつお金をだして、百枚買います。一万五千円ずつ、計三万円。今、ジャンボは結構あります。年末ジャンボとサマージャンボは昔から。それにドリームジャンボ、グリーンジャンボ、そしてオータムジャンボ。

 今回、当たりましたね。五万円。それに、一万円も、三千円もあたりましたよ。それから三百円が十枚だから計、六万六千円。これまでは全然だめで、一万円もめったに当たらないのに。びっくりです。そう、一度、一等何億円かの組違いで、十万円が当たったことがあります。それから、二等一千万円の十番違いがありました。コレは、当然、一円にもなりませんでした。悔しかっただけです。

 この度は、十万円以来の快挙です。さて、どう使いましょうか。じっくり考えて、有効に使います。以上、嬉しかったこと二つのご報告でした。

 今日は、夜広島での子宮頸がんとその予防ワクチンの研修です。最新情報が色々と出るかと思います。またご報告しますね。


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六本木ヒルズでの研修会。

 昨夜、東京から帰って来ました。

 昨日は、医師対象の「Women's Health Forum」。低用量ピルと子宮頸がん予防ワクチンについてでした。うーん、遠くから時間を割いて行くのだから、内容のある、勉強になる会にして欲しかったのだけれど・・・。地方では、産婦人科医会などで、さんざん勉強していることです。それを超えるものは何もなくってがっかりして帰りました。私たちのような職業のものは、常に貪欲に新しい情報が欲しくて、学会や学習会に参加します。そのためだったら、少々の無理をしてでも、時間とお金を使ってでも参加します。

 今回は、対象が絞れ切れなかったのでしょうか。隣に座っていた内科のドクターは、話の内容がとても新鮮だったと言われていました。主催者の意図が分からなかったなあと思いながら帰りました。

 私も講演をする身、聞きに来てくださった方たちをがっかりさせることのないように、常に研鑽をつまなければ、と思いました。

2010_11140007 会場は、六本木ヒルズ森タワーの49階。エレベーターで上がって、会場には窓もないので、高さを実感できなくて残念。

 会の後、子どもたちと同じ六本木ヒルズの中の中華料理店で食事をしました。小ロンポウが美味しいという、飲茶のお店の食べ放題、飲み放題で。注文用紙に一度に15人分までを書いて手渡しすると、次々と料理が運ばれてきます。15種類を注文すると、すぐに次の用紙に記録して、と、まあ、若い人たちはよく食べます。よく食べ、よく飲んで、よく話し、よく笑って、楽しく過ごすことが出来ました。

 外に出て、下から見上げた六本木ヒルズです。やはり大きいし、高いですね。

 帰りの飛行機の中では、ずっと韓国語の宿題をやっていました。ここのところ、かなり忙しくて、宿題が手付かずだったので。狭い座席で、集中してすることが出来ました。まだもう少し。今日の夜までに仕上げておかなければ。いま、韓国語のクラスメートは4人です。皆さんよく頑張って、よく勉強してこられます。相変わらず、私はついて行くのが精一杯です。


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盛岡女子校での講演。要約筆記。

 盛岡女子校には、今三人の聴覚障がいの生徒が通学しています。その生徒さんのために、市から、三人の「要約筆記」の方が派遣されて来られていました。

 三人でパソコン5台を駆使して、要約筆記をされます。聴覚障がいの生徒さん一人づつが、丁度DSのゲーム機のような端末を手に持って、そこに要約筆記が送られてきます。それを読むことで私の講演を聞くのですね。

2010_11110029 私がこの方たちの写真を撮ることができるのは、「妊娠と出産」の映画を生徒達が見ているときだけなので。真っ暗ですが、分かっていただけますでしょうか。

 このような、ボランティアの方たちの仕事は、本当にありがたいことです。感謝です。

 女子高校での講演は、本当に久しぶりでした。このごろは、中学が多いし、それも共学が圧倒的です。そこでの講演に比べると、女子校での講演は、本当に話がしやすくて。ありがたいことでした。ガラガラの声を張り上げることも必要ないし。楽に話し終えることができました。また、お声をかけていただけるのでしたら、喜んで来たいところです。

2010_111100312010_11110030   学校から出たところ、池のそばに、こんな看板の建物がありました。障がい者の作業所兼、販売所でした。

早速入ってみました。お店の中は楽しいものが一杯。

 私は、ジーンズの手提げ袋、小物入れ、古布の詰め合わせ、リンゴのジュースなどを急いで買いました。

 今回は、一杯一杯のスケジュールでしたので、ゆっくり買い物をしたりする時間はほとんどありませんでした。でも、最高の紅葉も見ることが出来たし。飛行機からは富士山も見れたし。それなりに楽しむことができました。風邪がどうなることかと思ったけれど、無事終えることが出来て、感謝です。

 今、東京です。今日は、研修の後、子ども達に会って、食事をして帰る予定です。


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白鳥の池と紅葉です。

2010_11110011 盛岡女子高校は、白鳥が来る池のそばにあります。私が行くのは4回目。3年に一回、生徒が入れ替わるたびに話しに行っています。

 今年は、ラッキーなことに、白鳥が来始めていて、かつ紅葉が真っ盛りの時でした。前回は、11月の終わりごろで、雪が吹雪いていました。

 ため息をついて、紅葉を見ました。反対の岸から学校を写しました。後ろには、岩手山が控えているのですが、かすかにしか見えません。

 白鳥は何千羽も来るのだそうですが、まだ少しだけでした。このうち、一つの集団は、みんな首を入れてまん丸になって、眠っていました。おそらく、長い旅から到着したばかり、疲れを取っているのでしょう。

 他の集団では、白鳥のダンスを見ました。私は、鶴のダンスは見たことがあります。北海道での丹頂鶴の求愛です。羽を広げてそれは見事でした。でも、今回は水上での白鳥のダンスです。美しくて、見とれてしまって、写真を撮りそびれました。残念。

2010_11110010 2010_11110023 写真をクリックして大きくして見てください。もみじの向こうに白鳥が見えます。

 もう、美しくて。

2010_111100332010_11110037 一本の木で、黄色と赤に同時に 紅葉しているのが不思議でした。黄色から赤になるのかしら?

2010_11110016 2010_11110015 池のそばのリンゴ園のリンゴがかわいくて。岩手山。この後、真っ黒な雲がかかって、吹雪になりました。

 今日は、紅葉、景色ばかりです。明日は、盛岡女子校での講演について、少しお話したいことがあります。

 今日は最終の飛行機で東京に行きます。子宮頸がんの予防ワクチンの研修会です。何だか警備がものすごく厳しくなっているそうで、憂鬱なことです。


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岩手への往復の飛行機から。

 昨夜伊丹経由で、岩手盛岡から帰って来ました。

 前泊の伊丹のホテルでは、ひどく咳が出て、眠れませんでした。せっかく治りかけていた風邪が、部屋の乾燥でぶり返してしまって。浴槽にお湯を張り、手洗いにも一杯のお湯を入れ、ポットでお湯を沸かし、沸いた後はスイッチを切って蓋を開けておいて。と、乾燥対策をしたのですが、何しろ空調が入っているので役に立ちません。空調を切ると寒いし。喉にしっゅしゅっ(のどぬーる)をし、マスクをして少しだけうとうとです。

 飛行機の中では、キャビンアテンダントのお姉さまが沢山ののど飴を下さって、それで何とかしのぎました。でも、両耳がひどく痛くて。右だけ耳抜きが出来たのですが、左は、家に帰るまでふさがったままでした。風邪引きの飛行機はつらいですね。

2010_11110005

 行きの飛行機からの日本アルプスです。先週富山から見たのを、今度は上から眺めるという、幸運に恵まれました。

2010_11110041

 帰りの飛行機から。富士山が夕焼けの雲の上に頭を覗かせていました。

 大阪を出るときには快晴だったのが、北に行くにつれて段々雲が出てきて、花巻空港へは分厚い雲の中を突っ込んで降りて行きました。飛行機が揺れるのは、どうも苦手です。

 きれいな姿をしている岩手山は、午後には真っ黒な雲が覆って、下からでも吹雪いているのが分かりました。でも、学校周辺は、素晴らしい紅葉で。これもラッキーでした。

明日、その映像と共に、講演のことなども書きますね。


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伊丹からです。「世界平和弁論大会」について

 伊丹の空港前のホテルにいます。いつもは、空港内のホテルに泊まりますが、今回は少し離れていますが、新しいホテルです。ここには、大きなお風呂があります。そこにゆっくりつかってきました。湯冷めしないようにしなくっちゃ。

 さて、この静かな環境で、心してブログを書きます。

 この前の日曜日の午前中、ミヤカグのイベントに行く前、「ヒロシマ・ピース・センター」の「国際平和の集い」に出席しました。第一部は「第21回 日本語による世界平和弁論大会」 第二部が第22回谷本清平和賞 贈呈式でした。

 日本の高校、大学に留学している外国人の生徒、学生たちの弁論です。10カ国から15人の若者が様々な思いを発表しました。それを、「内容・日本語力・発表力・感銘度」で審査されます。

 どの人の発表も、とても素晴らしくて、感動的でした。日本語も、こんな短期でどうしてこんなにしゃべれるのかと思うほどですし、発表も創意工夫がしてあり、楽しく聞くことができました。

 中国からの高校生は、「私のおばあちゃんは、日本に対してとても良くない思いをもっています。でも、私たちの世代は、学習できる。お互いの文化を学ぶことができる」と語りました。

 ドイツからの高校生は、「核爆弾料金」というタイトルでした。核爆弾を一つ作るために必要なお金は、「5兆8210億ドル」であると。このお金があれば、マラリヤで苦しむ地域に、1兆2000億枚の蚊帳を送ることができる。2兆リットルの水を、2兆キロの米を、2兆対の手袋を(素手で農薬を扱っている子ども達のために)、3兆枚のマスクを贈ることができる、と続きます。(それぞれの贈るべき地域の状況も述べられました。)

2010_11070019 表彰されたのは、一位はカザフスタンから山陽女学園高等部への留学生の「平和についての学び」。カザフスタンのセミパラチンスクでは、500回にも及ぶ核実験がおこなわれ、国土は、放射能に汚染されています。

 二位は、コスタリカから安芸府中高校への留学生の「世界平和」でした。コスタリカは中米にある小さな国です。1948年、世界で初めて、軍隊を全廃し「非武装中立」宣言をしました。また、中米和平合意成立で当時の大統領がノーベル平和賞を受賞しています。彼女は、コスタリカの国旗を広げました。青、白、赤の国旗です。青は空。白は平和。赤は、自由のために流された血の色だと。

 三位は、ノルウェーから山陽女学園高等部への留学生による「ボスニア・ヘルツェゴビナでの私の体験」でした。あの、旧ユーゴスラビアでの繰り返された内紛・虐殺それを後に尋ね、学んだことの発表でした。

 このように、誰もがとても内容のある発表で、感銘を受けました。こうして世界中から若者が広島に留学し、平和について学び、発表するというのは、素晴らしいことですね。この若者達が帰国し、やがてそれぞれの国の力となるでしょう。きっとそれぞれが平和についても力を発揮することと思います。

 すべての人へ拍手です。

 第二部、第22回 谷本清平和賞受賞式については、またご報告しますね。

今日は、岩手、盛岡女子高校での講演です。夜には広島に帰ります。


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ご心配をおかけしました。

 大変ご心配をおかけしましたが、昨日の夕方より、声が少しずつ戻って来ました。こんなに長い間声が出なかったのは、本当に初めてでした。もともと演劇で鍛えた喉です。少々のことではめげないのですが、いやあ、今度ばかりは参った参ったです。ただ、まだ自分の声には程遠く、ハスキーなスカスカした声ではありますが。これで木曜日の講演はなんとか出来そうな気がしています。

 今回のことで分かったこと。

1. 咳には、腹筋をひどく使うということ。もう、咳のたびに下腹部が痛んで、まいりました。すなわち、腹筋運動には、風邪がいいということ。

2. 熱が出ると、食欲がなくって。この食いしん坊の私が、ほとんど食べることが出来ませんでした。コレは丁度いいや。風邪引きダイエットだわ。すなわち、ダイエットには、風邪がいいということ。

 一昨夜「やまとの湯」で、一体どれだけ体重が落ちたか、楽しみで計測したら、何と、一キロしか落ちていませんでした。がっかり。でも、これはおかしい。もっと落ちてもいいのだけれど。と、よく考えたら、出るべき物が出ていません。咳止めに燐酸コデインを飲んでいます。コレは、腸の動きも止めてしまいますので、結果ひどい便秘になります。一体、いつから出ていないのやら。記憶にありません。たまっているのが出てくれたら、もっとうんと体重は落ちるはずです。

3. やはり医者は患者さんの前では、健康体でいなければならないということ。だって、患者さんたちがびっくりされるのですもの。それに、私が声がでなくて、無声音でひそひそと話すと、患者さんもひそひそと話すのですよ。「いえ、あなたは、普通の声で話してもいいのよ。」というと、はっとして「そうだった」といわれます。つい、つられてしまうのでしょうね。ひそひそ、ひそひそと、診察室は、おかしな光景でした。

4. どうしたん先生。この前来たときには、手を骨折しとって。今度来たら、声が出んジャン。いっつも何かあるねえ。と言った人も。いや、たまたま重なっているだけなのだけれど。いつも私は不健康の塊みたい。

5. 中には、私の声を聞いて、どしたん、声がでんのん。ぎゃーっ、あっはっはっはっと。私を指指し、拍手をし、そして両手をひらひらさせて笑う人もありましたよ。全くもう、何がそんなにおかしいのかと思いますが。

6. 極めつけの、お年寄りの話をさせて下さい。もともと、ひどく根性悪、意地悪この上ない患者さんです。今回もひどく出血すると連れてこられました。ギャーギャーわめくのをなだめなだめ導尿すると、ひどい血尿です。こんな血尿でしたよ。と、コップを見せると、「あんたが出したんでしょうが」だそうです。

 これは、私のところでは対応出来ません。どこか、入院のあるところを。どこの病院に紹介しようかと、あれこれ検討していたら、

「どしたんね。どして声が出んのんね」と言われます。「風邪なんよ。私も人間だからね、たまには病気もするのよ。」そしたら「普通の医者はこうはならんよ。あんたがおかしいんよね。そうなんだったら、医者をやめんさい。」といわれてしまいました。そこで私も「ええ、近々やめようとは思っているんですがね。」と言い返しました。そしたら、「やめるんね。もうすぐやめるような医者に、私は診てもらいとうない。」だそうです。まあ、本当にああ言えばこう言う、こう言えばああ言う。その典型ですね。くたびれてしまいました。

 ともあれ、ひと段落しそうです。今日は、診療後大阪に向かいます。明日の朝早い飛行機で、伊丹から花巻へ飛びます。なんだか、大低気圧が来ているみたいで、少々不安です。飛行機は飛ぶのだろうか、飛んでも、揺れるのではないか、と。それに、寒いでしょうね・・・。


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ミヤカグのイベントへ。

 日曜日、午前の国際平和の会については、ちょっと重くなるので、また明日にさせて頂いて。

 今日は、午後のミヤカグの写真の一部をアップしますね。皆さんの数々のブログにあるような渋滞は、私が到着した一時過ぎには全くなくって、すんなりと止めることが出来ました。

2010_11070020 人々でごった返す中を掻き分けて、まず楽しそうな歌が聞こえる方向へ。「大塚ムーミンさん」の子ども達への読み聞かせです。沢山の子どもたちがギューギューで目を輝かせています。私は大塚ムーミンさんのファンで、後ろからこっそり、でもしっかり見、聞かせていただきました。楽しかったですよ。

 れちぇさんは、ハングルで声をかけてくださいました。私が声が出ないので、ごめんなさいとささやくと、「ケンチャンスミダ」、気にしないでと、鮮やかなハングルでした。お店もごった返していて、手作りブームのすごさを実感しましたよ。

2010_11070023 人の顔をできるだけ写さないように写真を撮るのは、なかなか難しいのですが。沖原園芸さんは、階段の途中から、上から撮ってみました。ここも多くの人で。大野のお店には、三回ほどお邪魔したことがあるのですが、今回は、とても多くの人で、購入が難しいほどでした。また、お店に行ってみようと思います。グリーンは素敵。いつもブログできれいな寄せ植えを見せていただいて、いろいろと参考にさせて戴いています。

アンティークのノッティンさんの銀のスプーン、白鳥座さんのほうろう鍋、今になって買えばよかったと後悔しています。

2010_11070022  クンちゃん卵は買いましたよ。夜、早速卵かけ御飯で美味しかった!です。

 花かんざしさん、ゆきりんさん、きぬさんおくさま、それにはなまるさんもお手伝いのぜんざいを戴きました。何しろ風邪引きで食欲が落ちていましたので、「栄養補給」にと思ったのですが、とてもおいしかったです。

 姉親子は、せっせと家具を見て回っていました。多分、何かを買うのでしょう。

 他にも、せんごくテンペさん、何よりミヤカグのツユマメさん、ツユマメさんのお姑さま(私の中学のクラスメートです)、お会いできて嬉しかったです。十分なご挨拶もできず、失礼しました。

 ツユマメさん、本当に大変でしたね。いろいろとあっても、これだけ多くの方に楽しんでもらったのだから。来年もよろしくお願いします。

 私は相変わらず声が出ません。昨日は、ずっと声のないまま、ひそひそ声で診療をしました。多くの患者さんに「お大事に」といわれて、恥ずかしい限りです。


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「秋葉市長の受賞を祝う会」に来て下さった方たち。

 朝になりました。まださっぱり声が出ません。喉から出ていた咳が肺のほうから出てくるようになったので、気管支炎になってしまっていると思います。今朝から、抗生物質も飲むことにしました。でも、体は楽です。

2010_11070007  さて、土曜日の夜、秋葉市長のマグサイサイ賞受賞を祝う会が開かれました。12月2日には政財界の方々が中心となってのもっと大きな会が開かれる予定ですが、この度は、被爆者や平和運動をしている人たちが中心になってのお祝いでした。

 手作りの暖かい会になったと思います。市長は、

「私がたまたま今市長であるだけ。この賞は、これまでの広島市民、被爆者の方たちの根強い運動に与えられたものと受け止めています。」との挨拶がありました。

2010_11070004  出席者皆さんにお祝いを述べていただくのは、時間が限られますので、私が是非皆様にご紹介したい方たちへのインタビューをしました。五人の方に壇上に上がって頂きました。

 まず、一番手前は「ブラジル被爆者平和協会」会長の森田隆さま。86才の高齢を押して、地球の裏側から来てくださいました。今でも、ブラジルで被爆の証言活動をし、広島と行ったり来たりしながら、在外被爆者の保障の問題を提起されています。今回の秋葉さんの受賞をとても喜んで下さいました。

次の方が、「北米在外被爆者の会」代表の友沢光男さま。15才の時に広島で被爆。現在80才です。アメリカのカリフォルニアから来てくださいました。

 次の方が森田節子さま。森田様は、13才の時に被爆。現在78才ですが、先日来、ニューヨークでのNPT再検討会議や、ロンドンなど海外でも被爆の証言活動をしていらっしゃいます。来年二月には、フランスに行って、小学校、教会、公民館などで証言をする予定です。

 秋葉さんが言われるとおり、高齢化した被爆者ですが、この方たちの粘り強い働きがあったからこそ、三度核が使われることなく、ここまで来たのだと思います。そして、皆さん、「核廃絶」の強い思いを持っていらっしゃいます。

 次の方が、ちょっと写真が小さくて見えにくいかも知れませんが、「はだしのゲン」の中沢啓治さんです。中沢さんは、現在病院に入院中ですが、外出の許可をもらって駆けつけて下さいました。私は、入院中としかご紹介しなかったのですが、中沢さんが、みずからマイクを持って話されました。

「まさか、自分が肺がんになるとは思わなかった」と。会場は、シーンとしてしまいました。「治療をして一旦かえったら、すぐに息が苦しくなって、再入院。肺に水がたまっていると。」などと、淡々と話をされました。私は壇上で、胸が詰まってしまいました。

 「はだしのゲン」は、今17ヶ国語に翻訳されて、世界に広がっています。ゲンは、中沢さんそのもの。ゲンのモデルは、ご自分自身です。どうか、生きていて欲しい。ゲンが、今もこうして生き抜いていると、それだけでいい、生きていらっしゃるだけでとても意味のあることですから。頑張って生きていて欲しい、そう思っています。

 次の方は、妙齢の若い女性で、はて、誰だろう ? と皆さん不思議そうでした。

 1947年、原爆で廃墟となった広島の初代市長、今日の広島の復興と、平和都市広島の基礎を作られた被爆者、浜井信三さんのお孫さんなのです。そうご紹介すると、会場は、どよめきました。私には、彼女が参加してくださったことで、浜井市長と秋葉市長が繋がったように思いました。

明日は「国際平和の集い」のご報告をしますね。

 


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久々の熱、声が出ません。

 昨夜は、秋葉さんのマグサイサイ賞受賞のお祝いの会でした。100名余りの、身内と言ってもいい、こじんまりとした暖かい会でした。

 私は、呼びかけ人兼インタビュアとしての大役がありました。風邪がだんだんひどくなって、でも何とか大役を済ませて、それでダウンです。

 家に帰って熱を測ると、38.5℃ありました。もう、からだ中痛くて額と胸に熱さまシートを貼って、うんうんとうなっておりました。何年ぶりかの熱で、それはしんどかったです。

「私、死ぬかも知れない。死んだらよろしくお願いします。」

とつぶやいて、隣で夫が苦笑しておりました。眠れないままに一晩過ごし、朝方37.4℃まで下がって、大分しんどさは治まりました。が、声が全く出ません。

 声は出なくとも、午前中、出席を約束していた「国際平和のつどい」に出席しました。「日本語による世界平和弁論大会」、広島に留学している外国人の生徒、学生さんたちの弁論大会です。それと、「谷本清平和賞」の贈呈式でした。

 午後は、これも行くことを約束していた、ミヤカグの「ちょっと嬉しい暮らし展」へ、姉親子と一緒に行きました。沢山の人にお会いしましたが、何しろ声が出なくて、皆様に大変失礼してしまいました。

 秋葉さんの受賞を祝う会も、国際平和の集いも、ミヤカグのイベントもみんなとっても素敵で、報告したいことはいっぱいあります。

 が、何しろしんどくて。家に帰っても、ごろごろしております。また改めてご報告しますね。

 今週は、木曜日は講演のために岩手まで行きます。それまでに声が出るようにしておかなければ。それでは、失礼します。ごめんなさい。


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インフルエンザワクチンのお勧め。

 富山から帰る日から、喉が痛くなり始めて、完全に風邪を引いてしまいました。帰りの列車の中でとてもしんどかったので、熱が出ているのかなあ、と思いながら帰りました。今、喉の痛みだけでなく、咳、鼻づまり、すべてがそろいました。やれやれです。まだまだ次々と行かなければならない講演の予定があります。早くなおさなければ。

 そこで。インフルエンザのワクチンのお勧めです。クリニックのスタッフには、今週の初め、11月になってすぐに全員にうちました。

 広島市医師会臨床検査センターから、毎週感染症情報が送られてきます。これによると、10月中のインフルエンザ発生動向では、広島市で16人の発生の報告がありました。うち、A型が12人。B型が4人。昨年大変だった新型はA型に含まれます。

 全国では、患者報告数は、今年40週(10月4日から10月10まで)で、急に患者数が増え、500人を超えています。その前の週は、300人弱。ここに来て、流行の兆しが見えてきました。

 さらに、昨日配られた週報では、「インフルエンザ脳症」の情報が出ています。国立衛生研究所 感染症情報センターの資料です。

 これを見て、びっくりしました。年別脳症の報告数では、2007年47人。2008年33人。2009年第1週から27週までで48人。2009年第28週(新型が初めて報告された週です)から2010年第35週までで330人です。このドンと増えた330人の脳症のうち、321人、97.3%がH1N1いわゆる新型インフルエンザです。

 脳症は、意識障害、けいれん、異常行動・言動などで、重い後遺症を残す可能性が高いものです。

 改めて、新型インフルエンザは怖いと思いました。昨年のパニックの時に比べて、今年はなんだかインフルエンザなんて、たいしたことないという雰囲気がでているのを危惧します。

 今年のワクチンは、季節性と新型の両方が入っています。昨年のように、季節性、新型と二回うつ必要はありません。それから、ワクチンをうって二週間で免疫が出来てきます。持続期間は5ヶ月。もう早く打ったほうがいいと思います。それから、妊婦さんは、妊婦用としてのワクチンがありますので、それをうったほうがいいと思います。

 以上、私の風邪をきっかけとしてのインフルエンザワクチンのお勧めでした。

2010_11040006  知らなかったのですが、富山はガラス製品が名産なのだそうです。国際会議場で、ガラス製品の展示を見ました。素敵で欲しい食器もありましたが、高価でした。

 道路端に、様々なガラスの製品が飾ってありました。これは、「ひまわり」。ゴッホのヒマワリのガラス版だそうです。


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女性クリニックWe富山。

 昨夜、富山から帰りました。

2010_11040022 昨日の朝は、種部恭子さんの「女性クリニックWe富山」の見学をさせて頂きました。これがもう、ものすごいクリニックでした。入院なしのクリニックで、これだけの規模のものは見たことがありません。

 不妊外来では、体外受精までしているし、乳腺外来では、マンモグラフィの機械は二台がフル活動。MRIも設置しています。乳腺については、手術、化学療法も全部ここで対応できます。

2010_11040026  広い院内、美しい設計、それは素晴らしいものでした。ハード面では、ただ感嘆するばかりでしたが、ソフト面では、いろいろと教えられることがありました。

 内診室は、話をするところから隣に直接いけること。内診室は薄暗くすること。職員は、みんな同じ黒のパンツスーツです。医師もナースも受付も。誰がどの職であるかは見た目では分からず、みんな一職員として働いています。

電話の対応は、受付とは別に、カウンセリングの勉強をしている専門の人がすること。その人が、予約も入れるし、ふりわけもします。

2010_11040028 2010_11040035 化学療法で髪が抜けた人へのかつらのケアもあります。

 至れり尽くせりで、このようなクリニックを患者の立場である女性たちや、スタッフと相談しながら作り上げた種部さんは、本当にすごいと思いました。

私も、学んだことを生かせて行きたいと思いました。

 今回の富山行きは、単に私が講演をして帰るだけでなく、ワークショップにも出させてもらったし、すごいクリニックも見学させてもらったし、とても実りが大きかったと思います。

2010_11040051  クリニックを見学した後、世界遺産の「五箇山」に連れて行ってもらいました。合掌造りの家が集まっています。紅葉しかけの山々と合掌造りがしっくりと一つの景色を作っていました。景色だけでなく、そこには人々の生活がありました。

 今も、そこに住んでいる人たち、大変でしょうね。冬は雪にすっぽりと覆われる生活です。寒くはないでしょうかと心配です。でも、囲炉裏の煙が上に上がって、暖かいのだそうです。

 のんびりとそこを散策して、帰りました。お世話になった富山の皆様に感謝です。


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まだ富山です。

2010_11040004

 まだ富山にいます。

 昨日は、私の講演後、「ふりかえりワークショップ」に私も参加しました。4から5人の少人数に分かれて、話し合いです。フェミニズムカウンセラーの方たちの指導で、「神話チェックシート」にはい、いいえのしるしをつけ、それについて限られた時間、順々に自分の思いを話します。

「チェックシート」には、「夫婦と子どもがいて、人は幸福を感じることができる」や、「母乳で育った赤ちゃんは健康時である」などの項目が並びます。

あらかじめ、「グループで語り合うときのルール」が配られます。

(1) 自分の言葉で、率直に話すように努力する。

(2) グループで話されたことを、その他のところで話さない。

(3) 頼まれない限り助言しない

(4) 話を中断しないで、話し手が話しつづけられるように見守る。批判、中傷、干渉はしない。

(5) 全員が平等に時間を分かち合って話しをするが、話したくない人に強制はしない。

(6) 異なった価値基準を持っている人にも、友情と尊敬を持って対する。

 このルールの元になっているCR=ConscIosness-Raising「意識覚醒」の略。これについては、また機会があればお話します。

 夜は懇親会で夜遅くまで女性たちと語り合いました。

 雨も上がって、ホテルから、立山連峰がよく見えます。

 今日は、友人の種部恭子さんの「女性クリニックWe富山」の見学に行きます。夜には広島に帰ります。


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富山にいます。

 富山にいます。昨夜診療後、一気に富山まで来ました。京都で新幹線からサンダーバードに乗り換えました。いや、遠かったです。京都から福井までならまだすぐ。夏に来た金沢までは、ちょっとしんどいなあ。でも、そこからさらに50分近く。富山についたのは12時過ぎていました。

 列車の中ではずっとレセプトをしました。全部仕上げて、ホテルから宅配便でクリニックに送りました。これで一安心です。

 実は、この長い移動の時間、それも真っ暗な中を列車は進むのですから、景色を楽しむこともできないので、どうやって過ごそうかと、憂鬱でした。思いついて、韓ドラのDVDを持って来ました。途切れ途切れにしか見ていない「スポットライト」です。パソコンでそのDVDを見よう!と思いついたら、それはもう楽しみで。でも、結局はパソコンを開くこともなく、レセプトで過ごしてしまいました。それと、接続のいい所では、IPadでブログ探索です。

2010_11030004  富山駅に着くと、冷たい雨が降っていました。がっかり。 もう、へろへろに疲れ切ってホテルに入ると、お部屋は、こんなかわいいベットメイキングで気持ちが和みました。

 今日は富山県の不妊専門相談センターと女性健康相談センターの「赴任相談および女性健康相談スキル向上研修会」で「産婦人科からみた女性と子どもの現状と支援」というタイトルで話をします。

 朝になっても、まだ雨が続いています。ホテルの窓から、チラッと日本アルプスが見えました。上の方は雪をかぶっています。でも、それもほんのひと時で、またどんよりと厚い雲に覆われました。ああ、残念。

 明日は木曜の休診日。私にとっては貴重な連休です。のんびりとして帰ろうと思います。


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「府中焼き」初体験。

 昨日の晩御飯は「府中焼き」でした。かねてから、いつか食べに行こうと夫に話していたのですが、フードフェスティバルの鉄板グランプリでグランプリをとったとの報道で、すぐに行きたくなりました。

 韓国語から帰ってですので遅くからです。「としのや堺町店」。平和公園の折鶴の像の前の道をずっと西へ。本川橋も渡って、左にスパーク、そのすぐ右にあります。前から、沢山の人が入っているので気になっていました。

2010_11010004_2 お店にはいろいろな席がありますが、当然鉄板の席へ。壁には、手作りのチラシがいっぱい。スタッフの意気込みを感じます。

 そもそも府中焼きとは何ぞや。なんにも知らないままです。お店の人が教えてくれました。

 お肉は豚の背脂のミンチを使う。もやしは使わない。じっくり焼くと、背脂が溶けて、表面はパリッ。中に卵が入っているので、ふわふわ。パリッとフワフワが特徴なのだそうです。

2010_11010001_3 2010_11010003_2 イケメンのお兄さんが焼いてくれます。途中。確かに、表面がカリカリ、ぱりぱりのようです。

 私は、いつもお好み焼きを食べるときの定番の「うどんの肉玉、イカ天、ねぎかけ」を頼みました。

2010_11010005  ねぎがいっぱいかかって運ばれて来ました。うーん、確かに、パリパリです。噛むと、音がします。背脂が香ばしくて美味しい。一度でファンになりました。

「としのやオリジナルたれのホルモン炒め」のチラシに引かれて、夫が持ち帰りを頼みました。それも美味しかったです。

 私は、広島のお好み焼きも好き。それはそれで、これはこれで別物として美味しい。そんな感じですね。家からは近いし、夜遅く12時までやっているので、重宝しそうです。以上、「府中焼き初体験」のご報告でした。

 




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映画「レオニー」の試写を見ました。

 昨日は、午後はクリニックで人とお会いし、その後、これからの講演に向けてのスライド作りなどの準備に明け暮れました。まだまだ厳しい毎日が続きます。

 さて、映画、漫画などの報告をしましたが、もう一つ、映画のご案内です。先日夜遅くに試写会に行きました。その映画、「レオニー」がもうすぐ全国ロードショー公開されます。

Img158Img159( 画像はそれぞれクリックすると大きくなります。)

 世界的な彫刻家、広島では平和大橋のデザインで知られているイサム・ノグチの母、レオニー・ギルモアの一生を描いた映画です。監督は、「ユキエ」「祈り梅」の松井久子。

 20世紀初頭、今から100年も前のニューヨーク。これからは女性も仕事を持って生きる時代と大学でも積極的に教授たちと議論を交わしていた女性。そのレオニーが、仕事のために、一人の日本人男性と出会います。そして妊娠。それを知っていながら、その相手は日本に帰国してしまいます。

 シングルマザーとなった彼女は、故郷のいなかで一人子育てをしていましたが、やがて日本に来るようにとの男からの誘いで、息子、イサム・ノグチとともに日本へ。でも、男はすでに従順な女性と結婚していました。正妻ではなくとも、そんなのは日本ではあたりまえのこと、と言い放つ男に、彼女はぴしゃりと頬を打ちます。

 彼女は、英語の個人教授などで生活の糧を得ながら、懸命に生き、子どもを育てます。やがて、息子の芸術的才能を見出します。

 百年前の日本とアメリカで、こうして懸命に生きたひとりの女性がいたのですね。その生き様がとても感動的に描かれます。

 個人的感想として。イサムの父は中村獅童です。数々の浮気がばれ、竹内結子との離婚で、すっかり「いやな感じ」のイメージを私も持っていましたので、このキャストもいやだなあと思いました。が、そのいやなイメージ、ぴったりの役どころでおかしかったです。あの時代。妊娠が分かったときの彼のあの反応。「うそだろう、俺をひきとめようとしてだましているのだろう」という、あの暴れ方。今でも時々見られる光景ですが、女性は、まだまだ自立した生活が出来ない頃の話です。

 他にも、津田梅子役の原田美枝子、レオニーとイサムの生活を支えるお手伝いさん役の吉行和子、ラフカディオハーンの妻役の竹下景子、茶道家としての中村雅俊など、魅力的な人たちが脇を固めます。

 美しい景色、詩情漂うシーンが折り重なり、久々に、しっとりとじわじわと穏やかに感動を覚える作品でした。

広島では、シネツイン新天地にてロードショーです。

11月20から12月3日までは①10:40 ②13:20 ③16:00 ④18:40

(12月4日以降は、劇場にお問い合わせください。)

ただいま、特別鑑賞券(1000円)発売中です。(プレイガイドでの前売り券は1300円です)

広島映画センターまでお申し込みください。TEL(082-293-1119)またはFAX(082-293-2229) 申し込んだら、鑑賞券と振込用紙が送られてきます。鑑賞券代金と、80円を振り込んで下さい。

以上、ぜひ多くの人に見ていただきたい映画のご案内でした。


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