亡くなった友のお連れ合いに会って。
高校のクラス会の三日前、先週の木曜日のことです。休診日で、クリニックで人と会った後、そのまま篭って韓国語の検定の勉強をしました。とても疲れて、そしてお腹もすいて、お昼ごはんを食べに出ました。
これまで一度だけ行ったことがある、紙屋町ビルの地下の喫茶店兼レストランに入りました。電車通りの一階にJTBがあるビルです。そこでランチを食べて、アフターコーヒーが来たときに、一人の女性が入ってこられました。席は満席です。カウンターに一つだけ空いているところがあって、お店の方が
「カウンターでもよろしければ、こちらにどうぞ」
といい、では、と女性がカウンターに座ろうとしたとき、私が声をかけました。
「合い席でもよければこちらにどうぞ。私は、もうすぐ終えますから。」と。私の席は4人がけで、そこに一人で座っていました。そして、女性が
「よろしいですか? それでは、お願いします。」
と私の向かいに座られました。そして、私の顔を見て、アット気づいたように、「先生ですか?」と言われたのです。私は「はい。」とお答えしました。患者さんから声をかけられることはよくありますので、そうかと思いました。そしたら、その方は「Y」です。と言われました。「うん ? Y ? 」と考えていると、「Y T 」の妻です。といわれます。「あっ、高校の同級生の!?」と気づきました。
Y君は、前回のクラス会の二次会で、隣に座って話をしました。彼は造園業をしていました。そこで、「ポーチュラカ」のことを尋ね、教えてもらったのです。それから、本当に程なく、彼が亡くなったと聞きました。その知らせを聞いたとき、クラス会のその時、とても元気そうだった彼は、彼自身も気づかないままに、その時にもう病に冒されていたのかと、愕然としました。
彼は、背も高く、今でいうイケメンさんで、高校時代もとびっきり女性に人気がある、素敵な人でした。その彼のお連れ合いと、もうすぐクラス会というときに、偶然会ったのです。それも、わざわざ私が声をかけて。彼女といろいろとお話しをしました。彼は、結婚しても優しい人だったと。家業は、息子さんが継いでいらっしゃるとも聞きました。
クラス会では、皆様によろしくお伝えください、ということも。ですから、私は、近況報告の時にその話をしました。
すでに同級生の三人が亡くなっています。会の初めにみんなで黙祷をしました。そのクラス会でY君のことが話しができたのは、良かったと思いました。こらからも誰かが抜けるかもしれません。是非みんなでまた会いたいね。今度は修学旅行を。一泊でどこかに行こうよ、そんな風に盛り上がって終えました。それまで、もう誰も抜けることがありませんように。
Y君のお連れ合いと会った、 その時のランチです。お袋の味で素敵です。750円でした。

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コメント
先生、夜分遅くに申し訳ありません。
このような場所でごめんなさい。先生、今、多分生理前だと思うのですが、前はこのようなことなかったのに、イライラや涙が抑えられません。生理前だから、中絶して心のバランス崩れてるからと毎月言い聞かせています。生理さえきてくれれば本当に大分イライラも治るのに、と思います。だんだん月が経つごとに泣き叫んでしまい、母にも心配かけストレスを与えてしまっています。落ち着こうと思ってるのに自分でコントロールできません。
心療内科でもいつも言っているのに、言い方がわるいせいか、仕方ないことだからか、聞き流されてつらいです。この時期になると私は死ねば良かったんだろうか、生きてていいんだろうかという気持ちがどんどん膨らみます。私が毎日メソメソ、中絶したこと考えてるからだめだと、わかっています。自分が女であることが怖いです。本当に性なんてなければいいのにと思います。母を心配させるのもどうしたらいいかわからず、八つ当たりして泣き叫んでしまう私が嫌です。みんな、生理前は多少イライラするものだと思います。私は中絶をしたし、神経症だからこうなってしまうのでしょうか?女だから生理がくるまで待つしかないのでしょうか?情けなくいことに本当に毎月この時期に我慢ができず、自分で自分の感情についていけないのです。申し訳ありません。いつかお時間がある時によろしければ教えて頂けないでしょうか。
投稿: まな | 2010年9月15日 (水) 00時04分
まなさま
しんどい毎日ですね。胸が痛みます。私が近くだったら、治療できるのにと、歯がゆい思いでいますよ。あのね、あなたの症状、PMSのひどい状態は、あなたの体が元に戻っている証拠です。中絶をして心は傷ついたまでいても、体というのは、たくましく癒えているのですね。ちゃんと排卵をしていますよ。排卵すると、卵巣から黄体ホルモンがどっと出てきます。その黄体ホルモンは、体温を上げ、体に水を溜め込みます。便秘がち、尿の出も良くなく、体はむくみます。脳もむくむので、そのために眠かったり、いらいらしたり、腹がたったり、涙が出てきたり。体が成熟して、体のリズムがちゃんとある人は誰でもその症状が出ます。だから、あなたがそんな状態になるのは、全然異状なことではありませんよ。腹が立ったら立てればよろしい。眠ければ寝ればよろしい。ただ、腹が立ってぶつける相手が母親なのは、ちょっとお母様がかわいそうですね。何とか一人で対処できないでしょうか。
私は、その症状がひどい人には治療として、むくみを取る漢方、主に当帰芍薬散を使います。それだけでは今一つ、と言うひとには、それに軽い抗うつ剤を加えることもあります。安定剤は、かえって気持ちを暗くすることがありますので、この時期には使いません。ただ、救いは、このやっかいな症状も、生理になれば消えるということですね。それまでの辛抱と、自分でやり過ごすことができれば、一番いいのですが。
あなたは、中絶したことでこんなに傷ついていますが、体はたくましく元に戻って来ているということをありがたいと思わなければ。自分がそんなリズムを持った体であるということに誇りをもてればいいのですよ。女性の体であることを嫌がるのは悲しい。何のために中絶というつらい経験をしたのか意味が分からなくなってしまいます。
と言ってもなかなかそうは行きません。時間がまだまだ必要ですね。じっと耐えることです。耐えながらも、日々の暮らしはをちゃんとしなさいよ。しているうちに、徐々に心の傷も薄らいでいきますからね。
少し高いけれど、薬局で漢方を買って飲んでみますか。これは、診療内科の治療を妨げるものではありませんし。その症状がおさまれば薬も中断。また排卵をしてつらくなれば再開。そうしてみたら?と思います。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年9月15日 (水) 06時38分
また横レスですみません。
まなさんの叫びが胸に突きささってくるようです。
女であることが怖い,性なんてなければいい,
これはいまのまなさんの真っ直ぐな哀しみだと思います。
そしてその哀しみをこうして表現できることは
まなさんがそこから逃げようとせず,
立ち向かおうとしておられるからだと思うのです。
そしてそれを乗り越えるにはとても時間がかかると思います。
乗り越えたとしても,
フラッシュバックのようにもしかしたら何年も同じ想いにとらわれてしまうこともあるかもしれません。
でも,
まなさんが「死ねば良かった」だなんてことは絶対にないと思います。
まなさんの哀しみの根っこを癒やすものに
きっと出会えると信じています。
まなさんの想いを受けとめてくださらない心療内科の先生とは
もしかしたら相性が悪いのかもしれません。
私は素人ですが,
まなさんのくるしみは決して「仕方のないこと」だとは思わないからです。
まなさんの想いに共感し受容してくださる心療内科の先生がお近くにおられれば良いのですが・・・。
投稿: Hoch | 2010年9月15日 (水) 07時04分
こんにちは
先生のブログ時々覗かせて頂いております。
クラスメートの奥様と偶然…
天国にいかれた彼と、きっとこの日はご一緒だったのだと思いました。
私もクラスメートを、それも二十歳前に亡くし…
ですが、時々傍に居るような気がする時が有ります。
既に私たち同級生は彼の倍以上生きて、いつまでも若い彼のことを時折思い出し「おまえ老けたな~(笑)」と笑われているさまが浮かぶとみんな口をそろえます(笑)
それから…



まなさま
辛い思いをされて…
どうぞいつか心安らかな時が訪れますように
投稿: ある | 2010年9月16日 (木) 17時44分
Hochさま
貴重なアドバイス、本当にありがとうございます。きっとまなさまの心に響いていると思います。先日、とてもはやっている診療内科の先生が患者様に渡されているのを読んでびっくりしました。「当院では、カウンセリングを重視しています。要領よく話しができるようにメモなどに書いておいてください。当院では、10分以上のお話しは出来ません。」ですって。さらに、「カウンセラーは、お教えしますが、紹介はしません。」ですって。私は、まなさんは、ゆっくり話しができるカウンセリングにかかられたほうがいいとおもうのですが。今の医師はちょっと・・・ですよね。こうみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年9月22日 (水) 08時28分
あるさま
コメントありがとうございます。ええ、私も、あまりの偶然に、きっと彼が天国から采配したのだろうと思います。私の話にクラス会の参加者みんなが喜びましたものね。まなさまにも、暖かく、ありがとうございます。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年9月22日 (水) 08時30分