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子宮頸がん予防ワクチンについて⑤再度副作用について。

 私は副作用についても、以前の6月29日からのブログで書いていますが、それでも、もう一度。

 子宮頸がんの予防ワクチンについて、これをうつと死ぬだの、不妊になるなどのデマがネットを中心に広まっています。それによって、うつのをためらう人がいるのは、悲しいことです。

 これらのデマについて、丁寧に検証をして下さっているドクターのサイトを二つ紹介します。

このサイトは、東京大学医科学研究所付属病院の内科のドクターが書かれています。丁寧に書かれていますので、悩んでいる方には、ご一読をお勧めします。とくに、巷に広まっている副作用についても、丁寧に説明がしてあります。

こちらのサイトは、まだお若い?ドクターがとても丁寧に医療について語ってくださっているブログです。このブログの「予防注射のワクチンで不妊になるというトンでもなうわさ」というタイトルの上に続きのタイトルがあります。何回にも渡る力作です。是非、ご一読を。

 私もいつもそうなのですが、ブログに書くときには、事実の確認にとても時間がかかります。ワクチンに反対する人のブログに、医師は、論文など読むこともなく、ただ製薬会社からの情報を一方的に鵜呑みにしていると、書いてあるのがありました。

 私でも、コレまで、英文も含めて、どれだけの論文を読み、また研修会で様々な大学の教授も含めて、研究者の講演をどれだけ聞いてきているか。患者さんの命や健康に関することですので、簡単に飛びつくことはいたしません。

 ブログには、それらの集大成のつもりで書いております。うそのないように検証をしながら。また、反対する人たちの論拠をも漁るように読みました。そうでないと、あんな怖い人たちへの反証は出来ません。

 ご案内したブログを読んでいただくのが一番ですが、ここにまた、はっきり言っておきます。このワクチンで不妊になることはありません。一度でもうてば不妊になるなんて、とんでもない。私のところでは、二回接種した後に妊娠し、三回目は出産を終えた後にすることにした人もいますし。さらに、流産との関係もありません。たまたま、これを打った人で流産する人があっても、打たない人との確率を比べると差がないと、そうやって危険があるか否かを検証するもなのです。

 それから、死ぬなんてとんでもない。イギリスの少女が接種したあとに亡くなったというのは、実は心臓の近くにまで及ぶ肺がんであったことが論文に出ております。(イギリスでは、今400万件の接種が行われています。)

 インドの例については、ご案内したブログにも書かれていますが、マラリアに伴う貧血や、自殺や、溺死などで亡くなった人たちが4価のワクチンをうっていたというだけの話です。いずれも、ワクチンとの関連はありません。

 このワクチンの有効性は、今はまだ打ち始めて6年余りですが、2価のワクチンは、免疫力は変わらず維持していますし、20年はこの免疫力は続くであろうとされています。20年続くということは、その後は消えてしまうということではありません。20年は続くということは、おそらく一生続くということと考えられます。

 先日の、帝王切開の動画を生徒に見せるとの大学教授のに話では、今していることが子宮頸がんに罹る人の減少につながる、その評価は20年後にはっきりするでしょう、と言われました。

 ああ、そう言い切れることはすごいなあ、と思いました。(だって、私は性教育に必死でとりくんで25年以上経つのに、未だに効果が見えませんもの)

 それから、上流階級の人はこのワクチンは打っていないという、これもどうしようもないうわさも飛び交っています。情けない!!私は上流階級という言葉自体がとてもいやなのですが。ちなみに、自治医科大学の教授の言葉をご案内します。

「このワクチンは今の段階では一般の方よりも情報を密に持っている医療関係者とその家族に非常に接種率が高いのが特徴です。当院では、真っ先に接種したのは医局員、薬剤師、看護師、医師の娘、医学部の女子学生でした。科別では産婦人科が圧倒的に多く、次いで小児科です。」

 私のところでは、80人の方にほぼ160回接種していますが、注射したところが痛いという人は多かったです。筋肉注射ですので、当然の反応です。それと、一人だけ注射したところが発赤した人がいます。これは、冷やすことで赤みも速やかに消えました。

 もう一度、今度は公的助成についてお話したいと思います。今日は診療がすんだら東京に行きます。バタバタしていますので、なかなかコメントへのお返事が出来ないでいます。遅くなっても必ずお返事しますので、ごめんなさい。


コスモス薬局のHPの中に私の「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

広島ブログ

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コメント

こんにちは、お久しぶりです。大学生のゆき子です。

今日の私にぴったりの記事でした。

実は今まさに二回目のワクチンを接種してきました。

一回目は1ヶ月半前に受けました。

一回目に受けた医師は、今まで非科学的理由から子宮けいがんワクチンを嫌っていました。しかし、接種希望者が増えたことなどから、私にも接種を勧めるようになりました。私は河野先生のブログや他の資料などを見て前々から接種したいと思っていましたので、喜んで一回目を接種しました。

二回目の時期の直前になって、医師は突然、今日の先生の記事にあるように、不妊や倫理的問題などを持ち出して、接種をもう一度よく考えるように言いました。

私はもう一度打ってしまっています。突然の話に驚き、接種予定日から半月悩んでしまいましたが、今さら後にひけないので、他のクリニックで二回目接種をすることに決めました。

今日まで本当に不安でした。

実は一回目の医師というのは私の親です。他のクリニックで勝手に接種してしまったので若干の後ろめたさはありますが^^;


親の話を聞いた限り、雑誌の情報や宗教や偏った道徳観に振り回されて、とんでもない診療を行っている医師も少なくない気がします。私が初めてかかった産婦人科の若い男の先生は、女子学生の受診は妊娠に違いないと言って、受診の度に内診やエコーがありました。

幸い今回の先生は相性が良さそうなので、ここの病院で子宮けいがんの細胞診も受けようと思います。

投稿: ゆき子 | 2010年9月25日 (土) 14時07分

インターネットで色んな情報があふれ、真実を知るのが逆に困難な時代になりました。
医師としての先生のブログは本当に有り難いです。

私の友人は、貧血による不育症で流産を繰り返しましたが、20年前に無事、女児を出産。でも、重度のアトピー性皮膚炎やアレルギーで悩まされ、予防接種も制限があり、このワクチンも副作用(アナフラキシーショック)が怖くて打たせないとの事。

有効性と副作用を考慮しながら、患者自身が判断する事が大事なのですね。

投稿: r | 2010年9月25日 (土) 19時15分

河野先生こんばんは。お便りしたかったのですが、すっかりご無沙汰してしまって・・・すみません。気になっていた渡仏の可愛い赤ちゃんの事も安心しました!
 今、先生のブログで話題になっている子宮頸がんのワクチン、出た当初から気になっていて、すぐ先生のクリニックに問い合わせて娘に接種させました。3回とも無事終えてとても良かったと思っています。確かに金銭的にはきつかったですが(本人は注射が相当痛そうでしたが)大事な娘の為ですし、1回目の接種時に先生から娘に『これはお母さんからあなたへのプレゼントよ!』って話してもらった時は、私のほうがじ~んと(感動)してしまいました。娘にそういう風に話しかけてもらって嬉しかったです!娘も多分何かを感じたと思います。
男性にも接種効果(女性に対する)がある・・・という記事も目にしましたが・・・(真実かどうかわかりませんが、それなら男性が接種してくれればいいのにという気もしますが・・・)。
他の癌と違ってせっかく予防出来る手段があるのだから、将来後悔しないためにも・・・と思いますが、色んな考え方があるもんですね。接種の前に気になることを先生に質問させていただいたので安心して受けることができて親子で感謝しています!!最後の接種時はいろいろありがとうございました。娘もこれで先生にあまり会えなくなるのかな・・・と思うとちょっぴり淋しかったり、でも最後に先生が手を振ってくださった事が嬉しかったり。

投稿: 親子でファンの親 | 2010年9月26日 (日) 02時02分

ゆき子さま
気になっていました。コメントいただいてすごく嬉しかったです。なかなかしんどいご両親の元で、でも決心してワクチンを受けられた事、とっても嬉しく思いました。自分の体は自分で守るという姿勢は、これからも大切な事だと思います。がん検診も受けてくださいね。もう一度、コメントありがとうございます。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年9月30日 (木) 19時43分

rさま
ワクチンでも医療でも、最終的には、自己責任ですね。そのための情報提供の役目が私たちには、あります。様々な情報が飛び交う中で、しっかり情報を集め、自分で決めて戴きたい、強制でもありませんし、うつ、うたないは自分の自由ですね。癌になる、ならないも。ただ、問題は、こと癌ですから、情報を正しくしてほしいのです。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年10月 1日 (金) 07時47分

親子でファンの親さま
コメント、ありがとうございます。高校生のお嬢様を連れて、真っ先にワクチンを接種して、その体験をコメントしていただいて、とてもありがたいことです。正しく情報をつかむことだけでなく、行動しなければ、なんにもなりませんもの。将来、お嬢様はきっとお母様の愛情を痛感されると思います。ありがとう。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年10月 1日 (金) 07時50分

本日、受診のときにこちらのブログの話をお聞きし早速拝見させていただきました。
薬剤師という職業柄、メーカーの勉強会で話を聞いて興味がありましたが働いている病院ではこのワクチンの採用がないので今後受診時に接種したいなと思いました。

投稿: えりこ | 2010年10月 2日 (土) 23時57分

えりこさま
読んで戴いてありがとうございます。是非、今のうちに接種することをお勧めしますね。お仕事も頑張って下さいね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年10月 7日 (木) 11時56分

2月3日にガーダシル二回目接種が終わり、今日妊娠検査薬陽性がでした。流産の心配もありますが、いい加減なデマに惑わされないよう、赤ちゃんの生命力を信じたいと思います。

投稿: あいこ | 2012年2月20日 (月) 21時40分

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