子宮頸がん予防ワクチンについて⑥公費助成その他いろいろ。
子宮頸がんの予防ワクチンの公費助成の状況です。これは、新聞報道に基づいて作ったものですので、これ以外にも助成しているところはあります。たとえば、私が個人的に知ったところでは、島根県のここに載っていない町では、中学生85人中84人がすでに一回目の接種を終えています。それは、新聞には報道はされていません。
前回の6月の時点での助成の状況から見ると、ずいぶん増えて来ました。今後、国が予算措置をしようとしていますので、それが実行されるともっと増えるでしょう。
国の助成は、「公費助成をしている地方自治体に助成する」というものです。おそらく、半額を国が持つということになるでしょう。それでも、自治体は、半額を自分の予算で出さなければならず、人数の多いところでは、結構大きな金額になってなかなかしんどいところです。また、議会などにこれまで述べたような論拠なく反対する人たちがいるところでは、さらにしんどいことになるでしょう。
また、ワクチンを接種したいけれど、高額なので、公費助成を待っているという人もいます。でも、公費助成のほとんどの対象は、中学生です。一部、東京の渋谷区のように、「19歳まで」と決めているところはありますが、他はほぼ全部小6か中学生が対象です。大人の方にはまず助成されないと考えた方がいいと思います。
それから、当然なのですが、接種はあくまでも任意です。強制ではありません。今、あらゆる予防接種は任意です。まるで国策のように強制するのは問題だという人もいますが、それは間違いです。
また、若い女性の性的な行動の結果に貴重な税金を使うのは許せん、と言う人もいます。いえいえ、子宮頸がんは、ほとんどが主婦の病気なのです。ウイルスを持っているパートナーから繰り返しそのウィルスが入ってくることによってがん化するものです。感染=即癌というわけではありません。子宮は命を生み出すところ。このがんにより、自分の命を脅かすだけでなく、あらたに命を生み出すことが困難になってきます。
さらに、「女性だけでなく、男性にもうったらいいのでは」という意見も寄せられました。それは、私もそう思ったし、またカナダなど男性への接種も許可された国もあります。
しかし、男性自身が性器にこのウィルスを持っても、「ペニスの癌」の発症率は極わずかです。その費用対効果から見て、「癌を発生する当事者」である女性に接種をとなっています。ただし、「男性の喉の癌と肛門の癌」は、このウィルスが関係しています。ですから、男性同性愛の人には、がん予防として接種したほうがいいと思います。現に、アメリカではそれが真剣に考えられています。日本では、「女性にうつこと」になっていますので、自由診療といっても、男性にうつことは今の段階では許されていません。
公費助成の地図を見て、大分広がっても、やっぱり広島県はゼロです。悲しい思いをしています。
以上でワクチンについては一旦終わります。これから新しい情報があったら、また、お知らせしますね。
昨夜東京から帰って来ました。全国から産婦人科医が沢山集まって、それぞれの地域での話を聞きました。地方によって、ずいぶん状況が異なります。異なる状況の中で、若い医師たちがとても頑張っている姿を見て、本当にたのもしく思いました。まだまだ捨てたものではありません。おおいに力を戴いて帰ってきました。さあ、私もまたひとふんばりです。

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コメント
高齢者の健康を維持するために、厚生省の天下り団体が通常より高額だと言われている筋力アップの器具を何億円も使って日本中に設置した事業は、今はどうなったんでしょうね。
こじつけて税金を浪費している事業は沢山あるのですから、日本の将来を考えたたら、女性を守りまた少子化対策にもなるこのワクチンの無料接種は当然だと思います。
来年の広島市議の選挙には、無料推進の人に当選してもらいたですね。
市議のアルバムなんて公費で必要なんですかね?
誰もがカメラマンな今の時代に。
投稿: やんじ | 2010年9月27日 (月) 21時00分
やんじさま
ありがとう。まだまだ広島での公費接種は困難だけれど。何とか多くの人に接種してもらいたいと思います。癌が予防できる、初めてのことですゆえ。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年9月28日 (火) 08時23分
やんじさま
これまで本当に沢山の税金が無駄遣いされて来ました。これからもその調子で行くために本当に必要な所にお金が回らないのでしょうか。これは、国民のためだけでなく、将来の国家のためにもなることなのですが。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年9月30日 (木) 11時50分