« 8.6ヒロシマー平和の夕べーより。 | トップページ | 上関・祝島現地交流ツアー①祝島で魚釣り。 »

「月愛三昧 親鸞に聞く」と岡百合子さん

 「平和の夕べ」には、広島ブログの関係の方にも多く来ていただいたことが、後で分かりました。皆様には、本当に失礼してしまってすみませんでした。何しろ司会をしながら、会場の様々なことや講師の方々にも気を配らなければならなくて、ずっとバタバタしてしまいました。それに、控え室では、講演の声が聞こえないものだから、客席で聞かなければならなかったのです。行ったり来たりたりで、気づかなくってすみませんでした。でも、それを知ってとてもうれしかったです。

「平和の夕べ」が終わった後、交流会が開かれました。東京からきた本屋さんも、交流会の会場で高先生の本を並べています。と、「shiozyの介護生活」の塩崎さんが私に「河野ちゃん、あの本、読みこなした?」と「月愛三昧 親鸞に聞く」を指差しました。

「ううん、一部読んだだけ。全部は読んでないよ。難しいけど、でも、息子さんが亡くなったときのことから始まっているし、それは読みやすいよ。警察から連絡があって、かけつけて、遺体に対面したとき。それから、息子さんのなきがらを真ん中にして、川の字になって横になったことなんか。」

「そうなん? そんなことも書いてあるん? じゃ、買おう。どうしようかなあ、読んでみたいけど、読めるかなあと迷っとったんじゃ。」

 それで、私と塩崎さんは、一緒に買いに行きました。私は、まだ人のを見せてもらっていただけでしたので。やはり自分で買って、時間をかけて読もうと思いました。そして、塩崎さんと一緒に高先生のところに行き、サインをして頂きました。そのサインには「大悲無倦」と書かれました。今の私に、本当にぴったりの一語です。

 12歳で自死した息子さんの遺体と川の字になって横になっているとき、高さんの耳に、

「ジネンニイキルナラ、モットモミヂカナモノヲタスケルコトガデキル」

と言う声が聞こえてきます。それは、「歎異抄」にあった言葉だと高さんは気づきます。高さんは、昔、若かった頃に古本屋で買って、でも読みこなせなくて、本棚にそのまま置いてあった本を捜し、取り出します。それを買った頃、高さんは、ある社会運動に全力を尽くそうとしていた「善」が、その運動体により否定され、自分の善悪の基準を根こそぎに砕かれていた、そんなときだったのです。

歎異抄には、「善人なおもて往生をとぐ、まして悪人をや。」と言う、社会の基準と真反対の、悪人に対する目線がありました。でも、彼は、若いときには、その歎異抄を読みこなすことに挫折をしています。

 再びその古い本を手にし、「ジネンニイキルナラ・・・・」という文を捜します。が、歎異抄のどこにも、その文はありませんでした。そんなことから始まる分厚い本です。時間をかけて読もうと思います。

2010_08080010  さて、その交流会では、様々な人が発言しました。久しぶりに会う人と、話も弾みました。その宴もたけなわの頃、私は声をかけて皆さんに静かにして頂き、そして高先生と同行して下さった高先生のパートナー、岡百合子さんに発言して頂きました。

 岡百合子さんは、お茶の水女子大を卒業後、長い間東京都の中・高で教師をされていました。一人息子の真史君が亡くなった後発見された彼の詩を、高先生と一緒に「僕は12歳」として出版、その後も「白い道をゆく旅」「大空に舞った少年よ」なども出版されています。

 その岡さんの交流会での発言が、ものすごく面白くて。高先生と55年も一緒にいて、でも、彼女によれば、高先生は、彼女に対しては詐欺師だったといわれるのです。「物書きになるなんて。私には、ただ、一度手紙をよこしただけ。それも、どこかで、なんか金がいるから至急送ってくれという、そんな手紙だけだった」とか。それに「佛教だなんて。私はいまだにお念仏なんて、唱えられない」とか。「この会に一緒に来たかったのは、あの秋田明大さんに会えるという、それが楽しみで」とか。(参加されたみなさま、受付に秋田明大さんが座っていたのに気づかれましたでしょうか) その彼女の発言を、高先生はにこにこと笑みを浮かべて聞いていらっしゃいました。

 本当に面白いスピーチで、話して戴いてよかった!!と思いました。

 そんなこんなで今年の「平和の夕べ」も無事終えることが出来ました。関連行事の8.7.の被爆電車・平和学習」も定員を超える人に集まっていただき、平和記念資料館では、人があふれ、廊下に椅子を並べて聞いていただくというそんな状況でありました。

ご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。これから、私たちは先に向かってまた一歩から取組んでまいります。また、お会いいたしましょう!!


コスモス薬局のHPの中に私の「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

広島ブログ

|

« 8.6ヒロシマー平和の夕べーより。 | トップページ | 上関・祝島現地交流ツアー①祝島で魚釣り。 »

コメント

「ぼくは12歳」を30年近く前、大学生の頃読み、あまりの衝撃に本を手放した記憶があります。自分も親となり様々な思いがある今、高史明さんのご本とともに読み返そうと思いました。河野先生、私は以前拒食症の娘のことをお聞きしたものです。また機会があれば、拒食症のことについて先生のお考えを載せていただけると嬉しいです。とても辛い日々です。

投稿: スヌーピー | 2010年8月 9日 (月) 11時33分

スヌーピーさま
そうなのですか。真史さんが亡くなってもう35年たつのですね。とても衝撃的な本でした。あの彼が生きていたら、どんなに素晴らしい人になっていたことでしょう。
 お嬢さん、ご心配ですね。具体的なことが分からないので、アドバイスは難しいのですが。専門のドクターにかかっていらっしゃいますね。どうぞ、気ながに付き合ってあげて下さいませ。コメントうれしかったです。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年8月10日 (火) 22時17分

三十数年前、岡百合子先生がまだ都立高校の教師をされていらしたころの生徒です。
偶然このダイアリーを見つけ、懐かしい名前を見つけました。
お話も、当時の岡先生らしい感じが大変懐かしく、又、お写真もあの頃と変わらない、すぐに岡先生だとわかりました。
お元気な姿を拝見できて、大変嬉しかったです。
ありがとうございました。
全然関係がないのにすみませんでした。
つい、懐かしくて。。。

投稿: ゆり | 2010年10月 5日 (火) 14時35分

ゆりさま
コメントありがとうございます。とってもうれしかったです。岡百合子さん、とっても素敵でした。岡さんの著書も読みました。こんな素敵な教師だったら、私も授業を受けたいです。ゆりさまは、とてもラッキーだと思います。どうぞ、連絡を取ってあげてくださいませ。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年10月 7日 (木) 12時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/205567/49101624

この記事へのトラックバック一覧です: 「月愛三昧 親鸞に聞く」と岡百合子さん:

« 8.6ヒロシマー平和の夕べーより。 | トップページ | 上関・祝島現地交流ツアー①祝島で魚釣り。 »