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子どもの権利条例について。⑤条例素案

 子どもの権利条例についてのシリーズも今回で終わります。このシリーズを書くに当たって、ネットで検索をすると、反対の行動をする人たちは、やはりPTA中心であることがよく分かります。というか、PTAの役員の方たち。それもある意図を持って役員になっている人たちであるということも。前回のコメントのHさんのように、現場での状況を教えて下さった方もあります。

 子ども条例に反対する人たちは、市が市民の意見を聞くこともせず、かってに決めようとしていると盛んに言われています。しかし、広島市がこれまで様々なところで説明をしようとしても、その時間を制限し、どの会にも政治団体の人を動員しては、前回述べたような珍奇な反対を声高に述べ、反対集会にしてしまうというのが、これまでのパターンでした。

 また、広島市は2007年10月に「子どもの権利に関する条例(仮称)について意見を聴く会」をスタートさせ、これまでに15回会を開いています。また、市民からの意見も度々募集しては、その意見の公開もしています。その難渋の経過については、こちらに書いてあります。

 広島市がいろいろと紆余曲折、苦労しながらまとめている「広島市子ども条例素案」はここにあります。

 私は、改めてプリントアウトして、じっくりとこれを読んで、震えるほどの感動を覚えました。このどこがいけないというのでしょう。

その前文の途中です。

 「広島の未来を担う子どもたちが、平和な社会の中で豊かな子ども時代を過ごし、自立した大人へと健やかに成長することは、市民すべての願いである。

 子どもは、かけがえのない価値を持った一人の人間として尊重されなければならない。

 子どもは、家族や周りの人から愛され、信頼されることによって、自分に自信を持ち、安心して健やかに成長することができる。

 子どもは、学校、地域など様々な場で、子ども同士での触れ合いや大人とのかかわりを通して、他の人を思いやる、ルールを守るといった社会性を身につけることができる。」

 これを読んだとき、私の前で、暗い顔をしてうつむいた、数々の虐待された少女達の顔が浮かんで、涙が出そうでした。

 この素案の全文をここに再掲したいと思いましたが・・・。それでは私のブログにならないので、抜粋とします。第2 子どもの幸福のための環境の整備には、

Ⅰ子どもが安心して生きる環境の整備 1 安心して生きる権利の尊重 子どもは、命が守られ、虐待、いじめなどを受けることなく、安全な環境の下で安心して生きる権利が尊重されなければならない。それについて、2 本市の施策として(1)虐待、いじめ等の防止及びこれらからの救済のために必要な措置 (2)被害を受けた子どもの回復のための支援などの措置 (3)学校などにおける子どもからの相談及びこれへの援助の仕組みづくり (4)通学路の安全対策、施設のバリアフリー化など子どもが安全に生活すための環境の整備さらに、3 関係者の取り組みとして、(1)被害を受けた子どもを発見したときには、直ちに児相等の関係機関に通報しなければならない、さらに通報を受けた施設関係者がすべきこと、などが詳しく述べられています。

Ⅱ子どもが愛情をもって育てられる環境の整備  

Ⅲ子どもが豊かに育つ環境の整備  などが書かれています。省くのが残念なのですが。是非、全文を読んでみて下さい。

 その上で、これだ!!と思うのが、第4 子どもの権利の擁護 です。ここには、1 相談 や、救済の申し立てができること。相談を受けたり、救済の申し立てを受けたときの調査、調査への協力の義務、さらに子どもの権利の侵害があると認めるときは子どもの権利を侵害した者に対し、これを是正、改善するように要請すること。また、申し立てへの回答、報告、公表なども義務としてちゃんと書かれています。

 この条例が成立したなら、私は、これからは堂々と児相に何とかして下さいと申し立てることが出来ます。これまでは、家庭内のことだからと、躊躇していたことも。それから、教育現場で起こったことを「子どもは人質だから」とためらう人にもちゃんとアドバイスできます。

 ささやかながら、私もこの条例が成立するように、そのための署名集めを頑張ろうと思います。皆様、読んで下さって、そして様々なご意見を戴いて、感謝です。ありがとうございました。


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ぜひ、覗いてみてください。

広島ブログ

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コメント

こんばんは。
いつもブログを読ませてもらってますconfident先生のブログを読むと元気が出ますscissors少々のことでめげることも減りましたhappy01ありがとうございますm(_ _)m
先生にお願いがあります。私の友達がイーハートという団体に所属していて、虐待防止のポスターを先生の病院に掲示させてもらいたいのですが…。メールだけでは分かり難いので先生の都合のいい時にご挨拶をさせてもらえたらと思います。
失礼なメールですみません。ご検討よろしくお願いします。

投稿: あいこ | 2010年8月25日 (水) 22時21分

素案,読みました。
感動しました。
実はいままで読んだことがなかったのです。


昨年でしたか,早稲田の喜多先生という方の講演会があり,
最後の方でお話しになったことが強く印象に残っています。
広島でこの条例が制定されることの意味といった内容だったと思います。
メモをもとに思い出しながら書いてみますが,
「子どもの権利条約」は
国際連盟時代のと国際連合になってからの
「子どもの権利宣言」が前身になっているそうですが,
その前文には
「人類は子どもに対して最善のものを与える義務を負う」
という象徴的な文言があるそうです。
この「最善のもの」というのは平和。
二つの大きな戦争を通して
多くの子どもや若者の命が奪われたり,
成長や発達が妨げられてしまったりしたので,
子どもたちに平和を保障することの重要性について
人々が真剣に取り組みはじめたということなのでしょうか。

お話の中には,
敵国の子どもをも救おうとしたジェブ女史が非国民扱いされたとか,
バーナード・ショウが「子どもは敵ではない」と助け船を出したとか
そんなこともありました。

また権利条約を提案したのはポーランドだそうですが,
第二次世界大戦で起きた
200万人もの子どもがホロコーストで命を落としたという悲劇が
二度と起こらないようにするための防波堤が
権利条約なのだということでした。
それほどまでに多くの若者や子どもを失ってしまったしまったことで
戦後の復興はなかなか進まなかったということですが,
物理的に働き手がいなかったということもマイナスですが,
残された高齢の方々の精神的なダメージは
計り知れないものがあったろうと思うのです。

子どもは人類の宝であり,未来である。


・・・こんなことを書くと,
もともとそういう条約・条例は
そういう紛争地域でやればいだろう,
日本にはなじまないという人もいますが,
たった65年でそんなふうに言えちゃうんでしょうか。

素案の前文に盛り込まれた言葉,
悲惨な体験の中から,世界平和の実現に向けて努力をしてきた,
そんな広島だからこそ,
子どもたちに最善のもの=平和な社会を保障していこうということに,
条例制定の意義があると信じています。

そしてそんな環境のもとに育った広島の子どもたちが,
いつの日か平和を作り上げる人たちに育ってほしいです。
少なくとも「戦争があると儲かる」なんていう大人には育たないはずです。

「権利」と「わがまま」を意識的に混同させている声の大きな人たちには,
声の大きさではかなわないだろうけれど,
私に出来ることをしていこうと思います。

またしても長々と申し訳ありませんでした。

投稿: Hoch | 2010年8月26日 (木) 00時53分

子どものための条例を作らなくてはいけない世の中なのは、残念な事だと思います。
犬や猫それにカエルや魚さえ、子供を産み育てるためには、命がけなのに。
子供を育てる義務(本能)が欠如した大人が多いことなんですね。

何かの本で読んだのですが、メス猿は子育て中は発情しないから、交尾をしたいオス猿がその子猿を殺してメス猿を発情させると。
幼児の虐待のニュースを見るとき、いつもこのことを思い出します。
自分がやりたいことのためには、子供をないがしろにする低俗な大人。
自己主張をするために、弱い立場の人達を攻撃するのが、権利だと勘違いしている人達。
こんな人達は、子供に権利を与えると、自分達と同じことをするから、そうなると自分達がやりたい放題できなくなるから反対するのでしょうね。
街中には、車の運転、自転車、歩行者や店員に暴言を吐く身勝手な大人が沢山います。
身勝手は大人の権利で、子供達に権利を与えると、身勝手な子供が増え、大人の身勝手な権利が損なわれるから反対しているように感じます。
権利は権力じゃない。正しく生き、自らの義務も大切だと子供達に教えることを忘れてはいけないと思います。

大きな声で身勝手な権利を主張しる人達に関わると面倒だから、言いなりになったり、見ない振りをする人達も、子供を虐待する人達と同じだと思います。


広島市の市政は、反秋葉市長でありさえすれば、秋葉行政で多くの人達が救われたとしても、その内容などがどうであれ、反対する人たちがどんな人であろうと、秋葉市長が困りさえすれば、悪魔にさえ賛同する市会議員がいるように感じます。
秋葉市政が全て良いといえないかもしれませんが、感情的な嫌秋葉でなく市民のためになるのなら、歩み寄れる大人の市会議員を選ばないと行けませね。

投稿: やんじ | 2010年8月26日 (木) 14時52分

あいこさま
お返事遅くなってすみませんでした。ええ、そんなポスター、大歓迎ですよ。どうぞ、いつでも届けて下さいませ。クリニックには、いろいろとポスターが貼られています。目立つ所にはりますからね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年8月28日 (土) 20時53分

Hochさま
本当にありがとうございます。感動的なコメントです。その通りと思います。そんな講演会も開かれたのですね。私も聞きたかったです。また、教えて下さいね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年8月28日 (土) 20時56分

やんじさま
ええ、そんな身勝手な大人が増えているのも確かですね。子どもたちには、健全にすくすく育ってほしいのです。市政、市会議員の選挙も、そろそろ本気で考えないといけませんね。コメント、いつもありがとうござまます。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年8月28日 (土) 21時01分

河野先生、こんにちは!!

このシンポジウム、ぜひ行ってみよう…って思っていたのが、
翌日のイベントの準備が間に合わず、
残念ながらいけませんでした…。

どんな感じだったのかな~って思っていたら
反対派のデモが、地域ニュースで報道されていました…。

シンポジウムのことも報道するのが、公平な立場のメディアの仕事では?…って思いましたが…。

この対立は、子どもたちのためになるのだろうか?…と、哀しくなってしまいます…^^;


投稿: おやイスト みんと | 2010年9月 2日 (木) 00時47分

おやイスト みんとさま
コメントありがとうございます。私も診療があって参加できなかったのですが。参加された方にどんな会だったか、教えて戴きたいです。もし聞かれたら、また教えて下さいね。反対の人たちは、人数はすくないのですが、声が大きい。ある宗教団体の人たちの動員ですから。一般のPTAの人たちの声も届くようにしないといけないのですが。署名、どんどん集まっています。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年9月 5日 (日) 07時20分

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