上関・祝島現地交流ツアー②原発予定地で。
漁師さんたちが作ってくださっていたお昼ごはんです。タコの入った炊き込みご飯も、サザエとアジとタイとかわはぎなどのお刺身も、お魚の入ったお味噌汁もタコの入った酢の物も、ほかにもお漬物もありましたが、それらはみんな食べ放題でした。この写真は、私がはじめによそったものですが、御飯もお刺身も、酢の物もお代わりをしました。それは新鮮で美味しかったです。飲み物は、ビールもありましたが、島の名産のびわ茶がとても美味しかったです。
会場では、地元の方たちに続いて、皆さんが発言をしました。埼玉、新潟、長野、大阪、東京、松山、皆さん全国からいらっしています。全国の方たちにこうして瀬戸内海に作られようとしている原発のことについて知って戴くのは、とても大切なことです。
食事を しっかり戴いた後、今度は漁船5隻にみんなが分かれて乗って、上関原発予定地に行きました。海からその予定地に着くと、24時間の監視、抗議行動をしている方たちが、皆さん手を振ってくださいました。
前に出てきてくださったいかだに乗っているのは、祝島でただ一人の女漁師さんなのだそうです。その後ろには、青い服の中電の人たちも出てきて、見張っています。
私たちの「平和の夕べ」には、一人の男性が話しをしてくれる予定でした。でも、彼は今、公で話が出来ないことになりました。裁判を控えているためです。
彼らは、海を埋め立てるためのくい打ちをシーカヤックに乗って阻止しようとしたのです。そして、その妨害のために損害をこうむったとして、中国電力から4800万円もの損害賠償請求の訴訟を起こされてしまいました。
一体どんな船で阻止しようとしたのか、あの、日本のくじらの調査船を妨害しようとして逮捕された人たちのようなあんな速い船かと思ったら。
この写真をクリックして大きくして見てください。真ん中に写っている黄色の二人乗りの手漕ぎのいわゆるカヌーです。手で押せば、ふっと向こうに動いてしまうような、小さなボートとも呼べないような、そんな船です。これに乗って回りを動いたと、それで4800万円の損害賠償です。なんとも大人げない、腹立たしい中電です。
祝島の方たちの、この豊かな海を守りたいというその熱意は、現地に行って見て、本当によく分かりました。同時に活断層の上に作られようとしているこの原発が、危険を押してでも作られなければならないものなのか。当初の計画から30年もたって、社会の状況もずいぶん変わりました。太陽光や風や地熱等の自然のエネルギーを活用するその技術も進歩しました。原発の事故は起こらないとする確証もありません。
行きのバスの中で、隣に座られた東京から来た方は、福島原発のことを話してくださいました。釣りの船でご一緒した松山の方(後で弁護士さんだと分かりました)は、伊方原発のことを話してくださいました。期せずして、同じ話でした。福島も、伊方も。電力会社は、原発を作ることによって、雇用も発生するし、補助金で地域が活性化するといわれ、地域の人たちもその気になったと。でも、それから何十年も経って、町は本当に高齢化して寂れてしまって、過疎の町になっていると。原発は、出来てしまうと、ほとんど雇用は発生しないのだと。補助金で作った建物の維持費が大変で、赤字が発生していると。補助金はいつまでも支払われるものではないのですね。
それに、クリーンエネルギーだなんて。核のごみはどうするのでしょう。原発を作るための二酸化炭素の排出は、それは莫大なものです。
帰りにであったいるかの大群です。この豊かな海を、放射線や原発から排出する熱湯で温度を変化させるなど、壊してはならないと思いました。漁業とびわの生産だけで生活している祝島の皆さんの場をも壊してはならないとも思いました。私は、島のびわのシロップ漬けと、ふのりを買って帰りました。
以上、上関・祝島現地交流ツアーのご報告でした。

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コメント
河野先生、お返事ありがとうございます。とても嬉しいです。先生が私の気持ちを汲んでくださって返信がある、それだけで実は充分です。中身の濃いブログを毎日読ませていただき、すごいなあ、と尊敬したり、失敗談に笑ったり、充分生きる希望をいただいていました。私が希望をもてばきっと娘も自分なりの人生を楽しめるようになるのでしょう。そう信じることにしました。帽子作りが好きなんよ、と仰った先生が大好きです。また時々ここに来させてくださいね。
投稿: スヌーピー | 2010年8月11日 (水) 08時26分
こうの先生。祝島の報告、ありがとうございました。
私はずいぶん前ですが、タイ釣りに祝島近辺に行ったことがあります。上関半島の先端、四代(しだい)の港に祝島の船頭が早朝迎えに来てくれるのです。
そこでタイの大漁を経験できましたし、すなめりにも会いました。島の崖の上にいるハヤブサが、海を渡る鳥の群れに急降下し、みごとに仕留める場面にも出会えています。
それはそれは本当に豊かな海だということを体験し知ってもらいたいです。
また、島々の地層の向きに、乱れがあることもよくわかります。ちょっと見ただけで、そこには断層があることがよ~く理解できるのです。原発の立地として適切かどうか、ぜひ自分の目で現地を見て判断してもらえれば、と思います。
多くの人に、ぜひ一度は現地に行って現場を見てほしい、と思っています。しかも、できるだけ早いうちに。(原発が出来てしまってからでは手遅れですので)
投稿: 緩和ケア医 | 2010年8月11日 (水) 16時09分
原発には反対ですが
その前に、自分が使ってる電気代を見直しています。
だいたい月に3千円未満ですが
もっと減らさないといけませんね。
いや、自家発電を考えたほうがいいのかな。
投稿: 佐渡 | 2010年8月11日 (水) 21時37分
反原発運動にかかわっていた頃、島根鹿島原発に行ったことがあります。クリーンなエネルギーのはずがものすごい重装備をして見学、美しい海に温廃水が流れその延長線上は赤潮が発生して赤く染まっていました。
中電前で座り込んだり株主総会で反対したり色々なことをしましたが中電はがんとして動かずあの美しい上関の海も壊そうと、住民の生活を奪おうとしている、許せませんね。
当時反原発運動の先頭にいた彼は風の便りに病に臥していると聞いたのですが上関の方たちは本当に頑張っておられますね。
リレートークが聞けなくて残念でしたが頑張ってほしいと思います。ビワ茶私もずいぶん飲みましたよ。
懐かしいです。
投稿: 初ちゃん | 2010年8月12日 (木) 00時09分
スヌーピーさま
いつも読んで戴いて、そしてコメントまで戴いているのに、お返事が遅くってすみません。でも、チャンと読ませていただいています。拒食症、私も気になります。どうぞ、専門医の治療を受けてもらって下さいね。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年8月18日 (水) 18時20分
緩和ケア医さま
たいせつなコメントありがとうございます。いま、上関の原発は、もう少し地層の調査をするようにとストップをかけられたと。そんな状況も、調査をしたけれど、大丈夫だったという筋書きが出来ているような、そんな気がします。あの豊かな海を失いたくありませんね。また行ってみたいと思います。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年8月18日 (水) 18時23分
佐渡さま
ええ、個人の財布のためにも無駄な電気は使わないようにしたいですね。それにしても、猛暑でついクーラーをかけたくなります。デモ、中電の範囲では電気は十分出、原発で発電した電気は関西電力に売るのだと。それなら、あの豊かな瀬戸内海にも、全国にももうこれ以上原発は作らないでほしいと思うのですが。コメントありがとうございます。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年8月18日 (水) 18時27分
初ちゃんさま
そうですね。お元気なころには、反原発の運動もなさっていたのですね。島根原発の鹿島町恵曇には、私の祖父母の家がありました。幼い頃、夏休みにはいつもその海で泳いだり遊んだりしていました。それは豊かで、楽しい海でした。それが今、原発と赤潮の町になってしまっています。その上、原発の沢山の点検漏れ、自殺、発電停止、もうボロボロですね。上関の漁師さん、お母さん達の頑張りには頭が下がります。デモがもう1000回だなんて。何とか、支援しなければ。いつもコメントありがとうございます。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年8月18日 (水) 18時37分