« 土・日のこと。 | トップページ | 被爆電車と「消え去った爆心の町・人」 »

宝塚の少女たちの事件について。

 日度い雨の音で目が覚めたら、4時だった。もう眠れないままに、あれこれ考えていた。

 先日の宝塚での中学生の放火事件にぎょっとした。

 思春期の子が犯す犯罪は悲しい。大人がいやで、大人社会が汚くて揺れる時。その上、まだ思考回路が未熟で、想像力を発揮することも出来ない。自分がしようとしていること、その結果のその先を考えられない。

 宝塚の中学校で「いのちの授業」に取組んでいる私にとって、今回の事件はことさら身にしみた。全12校の内、今、話を済ませた学校は4校。学校によって、2年生だけだったり、3年生だったり、全校生徒だったり、まちまちだけれど、すべての中学に行く予定でいる。

 事件の学校は、次回、二学期になって行く予定であった。

 私の話には、在日のお母さんの話も出てくる。私が出会ったお母さん。子宮癌の再発で痛くてつらくて、何回も自殺したいと思ったと。死ねば楽になれる、と。でも、そのたびに思うのは、子どもたちのことだったと。自分が死んだら、子どもたちがどんな思いをするか、人から何を言われるか、それを考えたら、死ねませんでした、と、私に涙で訴えられたこと。自分のいのちぎりぎりの所で考えるのは、やはり子どもたちのことだったと。ただし、この話は話を聞く中に、親が自死した生徒がいる場合はしない。

 同時に、赤ちゃんが無事生まれたときの両親の反応、生み終えたばかりの母親の笑顔などについても、しっかり話す。生と死。それが同居するところが産婦人科であって、その中で私自身が体験したこと、感じたことを話す。

 今回の事件を起こした少女の一人は外国籍だったとのこと。ああ、この話しをもう少し、ちょっと早くにあの子たちに聞いてもらいたかった。もちろん、私の話を聞いたら、みんなが即自分と他人の命を大切にするようになる、そんな甘いものではない。それはよく分かっている。ただ、こうしていろいろな人の生と死を聞いたなら、それを本気で伝えようとする大人に出会ったなら、何かしら思うことがあったはず。そう信じたい。

 逆に。もしことの事件が、私の話しを聞いた生徒によって行われていたなら。そう考えると、ぞっとするものがある。

 たちまち、次回のその学校での講演は、どうしよう、どう組み立てようか、残った生徒たちの心の傷をかき乱すようなことはしたくないけれど。でも、やっぱり本気で向き合いたい。今後の学校や教育委員会の取り組みと、その後の学校内での生徒たちの状況をみながら、考えていきましょう。

 今日の昼時間にする予定だった帝王切開が、緊急に昨日の夜にすることになって、診療を終えると、即、かけつけた。お連れ合いと、お兄ちゃんと、ご夫婦の両親たち、6人の家族が集まって、ワイワイとにぎやかで、ほほえましかった。ご夫婦にとって、18年ぶりの赤ちゃん、それも女の子に恵まれて。さぞみんなにかわいがられて育つことでしょう。

 宝塚の少女たち。そして、昨日みんなに歓声を持って迎えられたあかちゃん。それらが胸の中で交錯している。


コスモス薬局のHPの中に私の「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

広島ブログ

|

« 土・日のこと。 | トップページ | 被爆電車と「消え去った爆心の町・人」 »

コメント

罪を犯してしまった女の子達、事前に同級生に犯行をほのめかしていたとか。
誰かに話を聞いて欲しかった、つらい気持ちに気づいて欲しかったのだろうな、と。
何とかそこで食い止められなかったかと、残念でなりません。
子どもを取り巻く環境が複雑になっていることに伴う教育現場の緊張感・厳しさも感じます。
(きっとまた学校はいじめを認識していなかったなんてと責められることでしょう。)
やはり自分の家だけ、学校だけではなく、地域をあげての暖かいまなざしの必要性を感じます。

 18年ぶりに赤ちゃんを迎えられたご家族のキラキラとした感じが伝わってきます。
 健やかに成長されますように(^_^)

投稿: うさこ | 2010年7月13日 (火) 20時39分

うさこさま
いつも貴重なご意見をありがとうございます。うさこさんのコメントは、本当に説得力があり、心からうなずいています。学校現場では、これから様々な取り組みが行われるでしょうが、でも、どれだけ教育者が頑張ってもいろいろと事件は起こりうるもの。それを承知した上で、私も微力ながら一緒に取組みたいと思います。本当にありがとうございます。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年7月14日 (水) 07時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/205567/48865235

この記事へのトラックバック一覧です: 宝塚の少女たちの事件について。:

« 土・日のこと。 | トップページ | 被爆電車と「消え去った爆心の町・人」 »