ヘルペスの研修会から
広島に帰っております。昨日ヘルペスの研修会でさらに確信したことを少し記録しておきますね。
性器ヘルペスは、ウイルスの感染で起こります。初めて感染したときの症状は、大変重症になることが多く、つらいものです。皆さん涙を流して来られます。口内炎のような潰瘍が性器に沢山出来ますので、尿もシャワーもとても痛いですし、高熱を伴う人も少なくありません。
さらに厄介なのは、一旦この性器ヘルペスを発症すると、何回でも再発してしまうということです。再発は、初発よりは軽いことが多いのですが、でも精神的にダメージを受けてしまいます。
そこで、ヘルペスの再発予防療法が2006年より許可されています。毎日一錠ずつお薬を飲み続けるというものです。これにより、体内にいるウィルスを減らし、再発を防ぎます。とても有効な方法で、何より患者さんの再発するのではないか、人にうつしてしまうのではないか、というような精神負担を除いてくれます。
昨日の研修でよく分かったこと。それは、軟膏で治療をしてはいけないということです。ヘルペスウィルスは、神経に取り着いています。それが表面に出てくるだけですので、表面だけの治療法、軟膏は根本的な治療にならず、それどころか、耐性ウイルスを作る恐れがあります。あくまでも「内服」による治療をしなければならないということです。
それと、再発抑制療法をしているときの妊娠の問題もかなり話されました。ヘルペスの薬は、妊娠、胎児に悪影響は与えないということです。妊婦さんにも使っていいということでしたので、一応ほっとしました。むやみに使いはしませんが、使っていて妊娠した場合には、心配しないように自信を持ってお話することが出来ます。
薬の影響よりも、ウイルスそのものの胎児に対する影響を考えるべきと思います。ウイルスは胎盤を通ってしまいますので、胎児のヘルペスウィルスの感染の方が心配です。ヘルペスと妊娠出産は、実際産婦人科の現場ではよくあることですので、とても参考になりました。
帰りの飛行機は、何年ぶりかでプレミアム席でした。食事が出ました。恵比寿にあるフランス料理店「ドゥロアンス」のお弁当です。小さな料理がこまごまと入っていました。
コーンパンケーキ・チーズロールサンド・グラハムスティック・チキンコンフィとイベリコハム 色とりどりの野菜添え・トマトの中に入ったラタトゥーユ・ひき肉とポテトのグラタン・ボワローで巻いたホタテとカニのムース・ムール貝のコロッケ・サーモンのリエットを詰めたシュー・チコリーコーヒーのババロア(ノンカフェ) 計653kcal。みなさんワインを飲みながら食べていましたが、私は「黒ウーロン茶」と後でコーヒーにしました。一つ一つメニューと比べながら戴きましたがやはり美味でした。これからもめったにプレミアム席には乗りませんが、どんなサービスを受けるのか、覗いて見るには興味ある体験でした。

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ぜひ、覗いてみてください。

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コメント
抗ウイルス剤の外用ですが、併用もいけないのですか?
投稿: М・K | 2010年6月29日 (火) 15時39分
M・Kさま
講師の方はそうおっしゃったのですが。でも、ヘルペスの初発のひどいときには、早く何とかしてあげたくて、内服と同時に軟膏も使いたいですね。私はこれからも初発に限って併用しようと思います。ただ、再発に軟膏だけを使っていらっしゃるドクターも多いので、これは警告しなければ、とおっしゃっていました。私もそう思います。コメントありがとうございました。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年6月30日 (水) 08時39分
わかりました。ありがとうございました。
年寄りの方なんかは塗るだけでいいっておっしゃるものですから・・・・
投稿: М | 2010年6月30日 (水) 09時15分
私、口唇ヘルペス持ちなので、疲れたりストレスが過度にかかるとすぐにクチが痛くなります。
で、初めて妊娠したとき、体調がおかしかったので、まさか妊娠だとは思わなかったので過労だと思い
「やばい、出る!」と思って早々に薬を服用しました。
そしたら、なんと妊娠。。。
婦人科クリニックってところに初めて行って、ドキドキしながら「ヘルペスの薬と風邪薬を飲みました」と相談すると先生の表情がさっと曇って
「あなた、まだ若いんだから先がある。今回はあきらめたほうが安全。」
と言われました。
どうしたもんかなぁと悩んでる時に、薬剤師の友人があっけらかんと
「うーーん。もしも胎児に何かあったとしても
それが薬のせいか、それともあんたのそのヘビースモーカーのせいか、どっちが原因かわからんよね~」
って言うもんで
そのあっけらかんぶりに変に納得して悩むのをやめました。
で、そのドクターのあまりに、不安だらけの初めての妊婦に対してズバッというものの言い方にもカチンときてたので
とりあえず、病院を変えてもう一回診察してもらったら
次の先生は「大丈夫」と。
おかげで、今、息子がおりますよ。
あぶないあぶない、最初のドクターの指示に従ってたら息子、おらんし~。
投稿: ツユマメ | 2010年7月 1日 (木) 17時41分
ツユマメさま
そうだったのですか。本当に危ない話ですね。ただ、ヘルペスについては、薬も含めてまだわからないことだらけです。妊娠と薬についも。ここでやっとヘルペスの薬は大丈夫と出さました。でも、薬ではなく、ヘルペスそのものの胎児への影響はまだちゃんと分かっていないのですね。また情報を発信しますね。
勉強頑張ってね。私も9月には検定試験を受けます。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年7月 2日 (金) 08時03分
性器ヘルペスについて調べていて日記を拝読した、現在妊娠5ヶ月末の妊婦です。
陰部に違和感、じんとした感覚があり、あわてて受診したところ、性器ヘルペスの初期症状だろうと言われ、塗り薬、内服薬5日分を出されました。
初めてこのような診察を受け、しかも妊娠中であり、またSEXも妊娠発覚以降はしていないので、わけもわからず大変ショックで落ち込んでいます。
不安ながら薬を飲み始めましたが、河野先生の日記に、「ヘルペスの薬は、妊娠、胎児に悪影響は与えないということ」という一文を読み、少々安堵、前向きな気持ちになれました。
服用3日目、今のところ現状維持が続いていますが、早く治ってくれるか、出産、胎児は大丈夫か不安でなりません。
先生のお話をいろいろ聞いてみたい気持ちになりました。
投稿: 広島市在住Y | 2010年9月29日 (水) 15時04分
はじめまして、ヘルペスの薬と妊娠に関して色々検索していたら、ここにたどりつきました。突然ですみません。
私は、性器ヘルペスを何度も再発をくりかえし、今年2014年2月2月19日より、皮膚科にてヘルペス再発抑制療法のためバラシクロビルを毎日一錠服用するよう言われ、のみはじめました。約40日間飲み続けました。
3月半ばにはいり、せいりが予定よりおくれていたのですが、ヘルペスらしきかゆみがあり、婦人科にいったところ、ヘルペスの薬をのみつづけるように指示されました。
その際は、まだ妊娠にきづかず、数日後、胃のむかつきがあまりに続くので、検査薬にて調べたところ陽性反応がでました。
すぐに服用を停止したのですが、現在7週目にはいるところです。逆算すると、胎児の形成でもっとも重要な4週、5週の時期をふくむ(0週から5週おわりまで)服用を続けていたことになります。
胎児への影響がとても不安です。
こんかいは、あきらめないといけないのかとマイナス思考にもなり、日々悩まない時間はないです。
ケースがあまり、少ないと思いますが、現在のままでは、どうしてよいかわからず、何か実例やわかっていること、またアドバイスなどいただければとてもうれしいのですが、すがるようなおもいで、コメントかかせていただきました。
どうかよろしくお願い申し上げます。
投稿: K | 2014年4月 4日 (金) 14時03分
Kさま
せっかく妊娠が分かったのに、不安なのですね。それも当然とは思いますが、でも、私のこの記事と皆様のコメントをもう一度読んで下さいませ。私は今妊婦さんのヘルペスには、ためらうことなく、バラシクロビルをお出ししていますよ。妊娠中、お薬を飲んで、ヘルペスウィルスを抑え込んで下さいね。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2014年4月 5日 (土) 08時20分
先生、お忙しい中、さっそくお返事いただいてありがとうございました。
先生のコメントを読ませていただき、前向きに頑張ろうと思えました。
現在9週目に入って、元気に胎児が成長してくれているのを確認しながら、まだ少し不安はありますが、ヘルペスを再発させないよう、できるだけ休み休みに調整しながら、妊娠生活を送ろうと思います。
不安なこともたくさんなので、また先生に問い合わせさせていただくこともあるかと思います。
その際は、よろしくお願い申し上げます
ありがとうございました。
投稿: K | 2014年4月16日 (水) 09時28分