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謝るということ。

 事故の翌日、昨日のこと。車を運転していた人がお菓子を持ってクリニックに来られました。

「すみませんでした。ごめんなさい。お怪我はいかがでしょうか。痛いでしょうね。お仕事にさしさわりますね。足も歩くのも痛いでしょうね。本当にすみません。しっかりなおして下さいね。」

 それは丁寧に謝罪されました。

 私は、はい、分かりました。と対応しました。

 人間、どんな人でも失敗はありうると思っています。謝られれば、それはもう許さないということはありません。

 ただ、そう対応したけれど、私はまだ気持ちはすっきりしません。胸には面白くない思いが重く存在しています。

 それは、事故の直後のことです。自転車で倒れている私に飛んで来られたのは、歩いていた歩行者でした。救急車を呼びましょう。いえ、救急車は要りません。それより、警察を呼んで下さいと私は倒れたままで言いました。痛いのと、足が自転車に絡まって、なかなか起きられません。私の荷物は手編みのかごに入れて、自転車の前の荷物入れにすっぽり入れていたのですが、IPadやお財布など路上に散らばってしまいました。それらを拾い集めて下さったのも、歩行者の方たちです。警察には、平和公園の守衛さんが電話をして下さいました。

 場所は、国際会議場の前、平和大通りの側道で、観光バスなどが平和公園に入るときに綱を緩めて通す守衛さんがいる建物のまん前です。そこの横断歩道です。私は職場に向かうために、その横断歩道を通って平和公園に入ろうとしていました。そこに車が左から来てぶつかったのです。

 運転手さんは、気が動転していたのでしょうか、それは分かりません。ずいぶん時間が経って降りてこられました。そして、私に、大丈夫ですか。と言いました。大丈夫なわけないでしょう、と言いました。救急車を呼びましょうというのには、いりません。じゃ、病院に行きましょう。お金は私が持ちますから、といわれました。

 そんなときに悲しいかな、私の頭に浮かぶのは、私の患者さんたちです。救急車にしろ、直接にしろ、病院に行ったりしたら、どれだけ時間がかかることか、病院には後で行くとしても、とりあえずは仕事に行かなければ、患者さんが待っている、とそれしかありませんでした。病院にはお昼休みに行きましょうと思っていました。

 運転手さんは、ひたすら、大丈夫ですか、と、それだけを繰り返しています。

 そして、私が耳を疑ったのは、警察の現場検証の時に、「この人が急に飛び出してきたから」と、と言ったのです。私はびっくりしました。横断歩道は、路地でもなく、見通しのいい、直線の道路です。邪魔するものはなにもありません。それも、私は車にとって右側から来ていますので、急に飛び出したわけではありません。それも、私の自転車はゆっくりです。そしたら、車のフロントガラスの右の枠に隠れていて、私が見えなかったと言いました。急に目の前に私がいたと言い張ります。

 夜でもなく、雨でも霧でもなく、車二台分の幅の横断歩道が枠に隠れて見えないとしたら、それは欠陥車だと思いました。

 そして、私には、結局ごめんなさいも、すみませんも、一切の謝罪の言葉がなかったのです。ひたすら、私の責任、車の構造の問題、それに横断歩道だから、ブレーキを踏んでいたといいます。でも、私に歩道上でぶつかっています。

 後で聞くと、その運転していた女性は、火災保険の代理店をしている人で、事故に詳しい人だそうです。

 でも、横断歩道上の事故は、すべて車側に責任があるということは分かっているはずですが。私が聞いたのは、言い訳ばかりでした。黙って聞いていましたが、私はすっかり気分を害しました。

 私はその時にごめんなさい、すみません、ともし彼女が言っていいたら、すぐにいいよいいよ、誰でもありうることだから、というそんな気持ちになれたと思うのです。気が動転していたにしても、車で歩行者や自転車をはねたら、運転手としては、自然に出る言葉だと思うのです。

 いつか、聞いたことがあります。事故を起こしたら、絶対に謝ってはいけない、その時の言葉が後でどう利用されるかわからないから、と。今もそうなのでしょうか。でも、人として、当然の「ごめんなさい」がいえないとしたら、ずいぶん寂しいことだと思います。

 そういえば、追突されたトレーラーの運転手さん、「救急車を呼びましょうか」と言われたときに顔を見ただけです。やっぱりその時にはすみませんもごめんなさいもありませんでした。翌日、すみませんでした、と、電話があっただけです。

 そんな事故直後のことがあったから、ころりと態度を変えて、ひたすら謝罪の言葉を言う彼女に何かすっきりしません。夫は、それは保険会社の人に言われたのだろう、横断歩道上の事故は車に百パーセント責任がある、こうなったら、ちゃんと謝罪をして、少しでも印象をよくしておきなさいと。きっとそうだよ、と。まあ、寂しい話しです。

 皆様、またまた沢山のお見舞いのコメントありがとうございます。恥ずかしい限りです。私はシップと痛み止めで大丈夫です。打ったところを触るとまだ飛び上がるほど痛いけれど、触らなければ大丈夫です。一杯仕事が入っているので、休めません。ということは、ちゃんと仕事ができる状態だということでもあります。本当にこれ以上の大事にならなくてまだ良かった、と思っています。毎度お騒がせをして、本当にすみません。感謝しています。


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広島ブログ

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コメント

すっきりとしないお気持ち、お察しします。
そうなんですよね~。
悔しい気持ちを思い出しました。
追突した相手はヌケヌケと
「警察は呼ばなくても…」
と言いました。
損得で動くのが、一般的だとしたら、寂しい社会ですね…。
お辛い中、責任感の強い先生はきっと休まれないことでしょう。
事故が続くときは、落ち込みますよね…。
恥ずかしいことなんて、ありませんよ。
事故直後は、人間不信もつのります。
一人で辛い思いを抱えると、たまらなくなりそうでした。

私は、事故の後、見知らぬ方とブログどで交流するようになりました。
脳脊髄液減少症の新しい治療法のメリット、デメリットなどについても情報交換できました。
救われました。
事故にあった辛さは、はかりしれませんよね…。
心身とも回復されることを、ひたすらにお祈りしています(^ー^)

投稿: 美代美 | 2010年6月13日 (日) 12時17分

確かに、「すみません」と謝れば、全面的に非を認めたと捉えられることがあるようです。
事故を起こした時には、追突以外は両方に過失があるようですから、すみませんと言うのは人として当たり前なことなんですが、揚げ足取りの世の中ですからね。
先生のご出勤時間なら、相手は仕事に遅れそうで焦っていたのかもしれませんね。
あの場所なら、歩行者より平和大通りに出る信号の方が気になっていたかもしれません。
それと、ブレーキをかけたのは、横断歩道に止まるためというより、すぐに右折しなければいけないからでしょうね。
本当に横断報道で止まる気でいたら、止まれていたでしょう。
ちゃんと確認したら、見える場所ですね。
急に自転車が出てきたのでなく、安全確認の意識が低かったからでしょう。
それと、欠陥車じゃなく、車のフロントガラスとドアの間の仕切り(フロントピラー)は、死角になります。
車の速度と人や自転車の速度、それと位置関係によって、細い(最近は太いですが)支柱の影に完全に隠れます。特に左右の確認を目だけでしている人には。だから、左右の確認は首は当然で、肩も動かし、頭を前に動かして確認しなければ、この死角はなくなりません。
横断歩道での事故では良くあることです。
見通しの良い場所では、安易な確認で起こります。
そんな相手が態度を変えて謝るのは、自分の免停の貯めでしょうね。
先生のように無理をして働いたり、病院にかかるのを早めに辞めたりしたら、相手は「怪我が酷くなかって良かった」と思うのでなく、きっと「免停や罰金が少なくって良かった」としか思わない人でしょうね。
治療費がどうのでなく、仕事が終わってからも病院には通ってくださいね。完全に痛くなくなるまで。それが相手への思いやりだと思います。二度と事故を起こさないように。

無理すると、後々響いてきますよ。

打ち身や交通事故に効く温泉は、近場では湯来町の湯ノ山温泉があるようです。
他にはこんなのもあります。→http://www.tabitabilink.com/onsen_shurui/uchimi/index.html

投稿: やんじ | 2010年6月13日 (日) 14時30分

先生、こんばんは。
ブログを拝見して驚きました。と同時にショックです。お体大丈夫でしょうか?何で先生がこのような痛い思いをされるのか…運転手の方、動転してても、ごめんなさいという気持ちがまず最初にでてくるのでは…と勝手ながら感じます。どうか先生に、これ以上痛みがありませんように。願っています。6月は確かお休みがなくお忙しいのですよね、早く回復されますように。毎回下手な文章でごめんなさい。以前、先生のお返事に助けて頂きました。今は先生の御著書を毎日読んでいます。まだまだ中絶から心の整理はつかず、産みたかったという気持ち、赤ちゃんへの申し訳なさでぐるぐるしています。自分で選択したのに情けないですね。そんな中「いのち・からだ・性」は教師を目指している私にとって心強い一冊です。読んでて辛かったり励まされたり…泣きながら読みました。私がこの先立ち直って強い気持ちをもてたら、子どもたちを私のような目にあわさないよう導いていけたら…なんて夢のまた夢ですが思うのです。中絶しなければ、苦しくてインターネットを覗かなければ、先生の存在を知ることもなかったと思うと都合が良いですが赤ちゃんに教えてくれてありがとうと思います。恥ずかしながら心の痛みがわからないままでした。お怪我されても、お仕事がある…先生のそのようなお姿には心が震えます。心配ですが、応援しています。ブログを拝見してじっとできず、またコメントを送らせて頂きました。またお元気になられましたら、宜しければ先生とお話したいです。ご不快にさせてしまったら申し訳ありません。それでは、お大事になさって下さい。

投稿: まな | 2010年6月13日 (日) 21時43分

本当に寂しくなりますね。

「ごめんなさい」を言わないことで
その場の自分の保身を図ったとしても
その後の人生で、
「ごめんなさい」を言わなかった自分を責め続けることになるでしょうね。
それに気づいての、後日の丁寧な謝罪だとしたら良いのですが。
そうであることを祈りたいです。

ほんと、人間不信になっちゃいますね。

先日コメントさせていただいた、
やはりひと言の謝罪もなかった台車野郎に対する怒りと
足の傷がまだ残っているのに
(おかげさまで、痛みはなくなりましたが、治りがけの傷がかゆくて・・・^^;)
今度は先生がこんな災難にお遭いになるなんて。

私の不運を先生にバトンタッチしてしまったみたいで
申し訳なくなっちゃいました。
すみません・・・・shock

投稿: Hoch | 2010年6月13日 (日) 21時45分

先生、その人、人間としてバツです。

保険会社の人だから、事故の後、謝ったらいけないと
言われていたとしても(実際、ゆすり・たかりのような悪者もいるらしいです)
けが人がいるんだから救出や連絡は当たり前です。
自動車学校でそう習いましたよ。

横断歩道も見てなかったんですよ、きっと。
先生が悪いだなんて信じられません!

今更詫びを言ってもおいそれと許しちゃダメですよ。
改心してもらわなくちゃ。

梅雨入りだとか。お身体、大切になさって下さいね。

投稿: 波 | 2010年6月13日 (日) 23時47分

河野先生
交通事故に立て続けに遭遇され、肉体的にも精神的にもダメージが大きいかと推察いたします。
保険会社の対応や、加害者側の対応は良くわかります。
2年前に義母を交通事故で亡くした時に、何て理不尽なんだろう、謝罪も無いんだな~と、疲れ果てましたから。
人間だから過ちはあるとわかっているのに、決して謝ってはくれないのです。
寂しく、悲しいことでした。
わたしも車を運転するので、万が一の場合、自分の取るべき行動を考えさせられました。
河野先生の回復を心よりお祈りします!


投稿: kanaha | 2010年6月14日 (月) 00時27分

ケガの具合はいかがでしょうか?!大丈夫って思ってても意外とむちうちになってて・・首の骨がずれてたって事もありますので、しっかり治してくださいね。
事故が原因のウツ病やパニック障害、その際も自動車側の保険が出るそうです。
自動車の運転手さんのような例 そっくり同じを見たコトがあります。自転車に乗ってたのはたまたま知的障害のある人でした。自動車の運転手さんは高齢の女性。警察が来ると突然「自転車が急に飛び出した」って言い出しました。ご近所同士の事故ゆえ、立ち会ってて怖くなりました。人の心の弱さにです。
事故続きで お祓いとのコト 気になる神社仏閣に行かれてみるといいかと思います。ワタシの場合は地元の清神社の樹齢800年の杉の木や津和野のお稲荷さんに行くと何ともいえない心地になります。

投稿: はるめ | 2010年6月14日 (月) 16時39分

私も2年前、広島市在住時に横断歩道を自転車で横断中、車にはねられた経験があります。

信号が赤になったので渡ろうとしたら、前方からの車が右折。

当然、停車するだろうと思っていたら加速してきて、自転車の私に見事あったてしまいました。幸い転倒はせず、乗ったまま持ちこたえていたのですが・・・・・

加害者である人は、先生をはねた人と同じで、やはり謝らず、救急車や警察も呼ぼうとせず、自分の車で病院に連れていこうとしました。

警察到着後の事情聴取でも、かなり暴言を吐いていたようです。

月日が経ってからは、自分が加害者じゃなく被害者で良かった。いつ、自分も加害者になるかわからないし・・・と思うようになりましたが、事故当時は加害者の対応に怒り心頭でした。

事故の痛みというのは、思ったより長く続くので、河野先生、お忙しいでしょうが、くれぐれもご自愛して下さいね。

事故以来、横断歩道を渡るときでも、左折や右折してくる車には要注意するようになりました。

車と自転車では当然、車のほうが悪くなるのですが、痛いのはもうコリゴリです・・・

ちなみに「香川県は車のマナーは日本一悪い」とは新聞でも取り上げられていますが、香川県に住んで、身をもって感じるこの頃です。

自転車が横断歩道を渡っていようが、スピードをあげて右折や左折する車が多いのですから・・・

投稿: Masa | 2010年6月14日 (月) 21時33分

美代美さま
まあ、警察は呼ばなくてもなんて。私は、追突の時にはすぐに携帯で自分で110番をしました。自転車の時は倒れたまま、人に「警察に連絡をして!」と言いました。怪我の手当てよりもまず警察!と思いました。警察の方で、救急車は?と聞いてくれました。それにしても、私のように小さな事故でも、いろいろとしんどいのに、美代美様は、本当に大変でしたね。色々とアドバイス、ありがとうございます。教えて戴いて、本当に助かりました。感謝しています。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年6月19日 (土) 07時30分

やんじさま
ええ、あそこは、青信号で急ぐ車がびゅんびゅんと行くところでもあります。だから、いつもは慎重に私が止まるのですが、二台やり過ごした後、三台目が止まる気配を見せたので、また自転車をこぎ始めました。所が止まらなかった!止まるだろうというのはダメですね。仕事が済んだら、もう他の病院も閉まっているので、なかなか病院には行けません。でも、徐々に体は癒えています。たくましいものです。いつもアドバイスありがとう。感謝です。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年6月19日 (土) 07時38分

まなさま
コメントうれしく拝見しました。ありがとう。時間は薬ですね。あなたも徐々に元気が出てくることと思います。じっと待ちましょう。いつか、このつらい体験が人への優しさの糧となりますからね。頑張って生きましょうね。私は大丈夫ですよ。感謝です。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年6月19日 (土) 07時41分

Hochさま
何ともまあ、あなたもひどい目に会いましたね。逃げた男、とっ捕まえてやりたいですねえ。傷害罪ですよ。台車だと、保険もないし、だから逃げたのでしょうか。それともたいしたことないと思ったのか。あなたがこんなにしんどい思いをしているというのに。お互い、本当に不幸でしたね。これから、いいことがありますように。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年6月19日 (土) 07時47分

波さま
いつもありがとうございます。ええ、とっさのことでそんな言い訳をしたのでしょうが。きっと誰かに方針転換せよといわれたのでしょう。こちらとしては、どう言われても痛いものは痛いのですが、気持ちの持ちようが変わって来ます。体が癒えるにつれて、怒りも収まってくるでしょう。励まして頂いて感謝です。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年6月19日 (土) 07時50分

kanahaさま
ええっ、亡くなっても謝罪がないのですか。保険会社は事務的に事を進める所で、謝ることの代理ではないのですよね。運転手本人の心からの謝罪がないとね。お気持ちよく分かります。もしも、私が加害者になることがあったとき。今回のことをいい経験にしたいと心から思います。コメントありがとうございました。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年6月19日 (土) 07時55分

はるめさま
ありがとうございます。はるめさんの地元の神社、樹齢八百年の杉の木ってぜひ行ってみたいです。また、時間があるときに行ってみますので、教えて下さいね。コメントありがとうございます。とってもうれしかったです。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年6月19日 (土) 07時58分

Masaさま
コメントありがとうございます。やはり事故をした車の運転手さんは、みんな謝らない方がいいと思っているのでしょうか。
 私、香川でえらい目にあったことがあります。学会で、夜遅く駅に着いて、ホテルまでタクシーに乗ったら、運転手さんにひどく怒鳴られました。四時間も待ってたのだと。それで、こんなに近くだと割りにあわん。と、ものすごい剣幕で、震え上がりました。近いといってもワンメーターではなかったのですが、場所は地元のものには分かりません。もう、怖くって。二千円払ってカンベンしてもらいました。それ以来、もう絶対に香川ではタクシーに乗りません。
 Masaさまも、どうぞ香川ではお気をつけて下さいね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年6月19日 (土) 08時10分

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