話すときに心がけていること。
昨日も、宝塚の中学校で話をしました。今回は全校生徒530人余りです。暑い中、中学生に話しをするのは、なかなか大変です。半端なことでは聞いてくれません。こちらは、少しでも彼らの心に残るように、必死で話します。
そんなときに一つ私が心がけていることがあります。
それは、「当事者」がここにいるかも知れないということです。つらい体験をした子がいるかも知れません。親が自殺した子がいるかもしれません。もしも私の話しを聞いて、その子がつらい思いをするようなことがないように、それを常に心がけなければならないということです。
時々、性教育に取組み始めた人が、(それは、昔の私もそうだったのですが)「人工中絶」を殺人と決めつけて、絶対にしてはならないこと、と話す人がいます。まるで「命を大切にすることは中絶をさせないこと」のように捉えている人です。そんな人は、その話しを聞く生徒の中に、すでに中絶を受けている子がいるかも知れないという視点が抜け落ちています。
私は、すでにそんな子がいたとしても、その子がまた立ち直って強く生きていけるように、そう考えて話しをします。
それから、生徒の中には、色々と体について悩んでいる子がいるかも、親の虐待にあっている子がいるかも、それから、まさに妊娠したのではないか、と悩んでいる子がいるかもしれません。その子たちが話しを聞くことによって却って怯えてしまうことになってもいけません。
時々、話していて、ああこの子はつらいのだなあ、と思う子がいます。その行動で分かるのです。話を聞くことが苦痛な子。聞きたくはあるけれど、でももつらい、そんな心が見えます。大勢生徒がいても、何か分かる子がいるのです。
いつもそんなことを気にかけながら話をしています。
コスモス薬局のHPの中に私の「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

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コメント
河野先生
本当にそうですね。
当事者(辛い思いをしていた、している)がいることを忘れて、正しいと思っている事を言ってしまう事がありました。
先生のおっしゃるように、話をする時はいつも注意しなくてはいけないのですね。
事故後、まだ完全に回復されていないと思うのに、精力的に活動されていて、先生のパワーには驚かされます。
完全な回復をお祈りしています。
投稿: kanaha | 2010年6月25日 (金) 15時44分
はじめまして。。。
いつもブログを読ませて頂いて、感動しております。
自分の言いたい事を話すのは 本当に簡単であり、ある意味ストレス解消にもなります。
また、相手と向き合って話しを聞くのも簡単であり、楽しいです。
以前、私が会社勤めをしていた頃、新入社員さんの育成担当を7年間させてもらった事があります。
大勢を相手に話しをするというのは とても難しかった事を覚えています
私は、先生の様に思いやりを持って話しをしていたか。。。とても不安になりますが、せめてこれからは 相手の気持ちになって話しをしようと 再認識させて頂きました。
ありがとうございます
投稿: ちゅぅぅりっぷ | 2010年6月25日 (金) 22時41分
気配り・目配りですね~
昨日、デイケアのおばあちゃん達に
《おしゃれ教室》と題して
メイク・ボランティアにお邪魔したのですが…
急いで作ったテキストの文字が
小さかくて読み難かったり
《ほほ紅の色は?》の文字を
青にしてたので
青色の色鉛筆で塗り絵されたり…と
相手の気持ちや目線というのを
痛感したきたので
相手が中学生でも高齢者でも
同じだなぁ~って思いました。
梅雨本番
風邪など引かれませんように…
投稿: 直珍 | 2010年6月26日 (土) 16時44分
kanahaさま
ありがとうございます。私の意を読み取って頂いてうれしいです。これからもこのブログでも気をつけて行きたいと思います。また覗いてくださいね。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年6月29日 (火) 15時02分
ちゅうりっぷさま
いつも素敵なブログ、読ませていただいています。手作りが大好きなのですが、なかなか自分で出来ないので、皆様のブログを見て慰めてもらっています。ええ、これからも気をつけてお話しをしたいと思っています。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年6月29日 (火) 15時04分
直珍さま
そうですね、なかなか自分の思いを相手に伝えるのは難しいものです。伝わっていると思っても、受け止め方は様々なので。苦労しながら、でも伝え続けようと思います。これからもよろしくお願いします。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年6月29日 (火) 15時05分