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「おこぼさま」「おせったい」

 この度のゴールデンウイーク、二日の当番医が済むとすぐに大分の河野の実家に帰る予定でいたとき、義母から夫に「帰らなくていい」と電話があったと聞きました。いつも「いつ帰るのか」と楽しみにした電話があるのに、今回は逆なのでびっくり。

 理由は「母が忙しい」ということだそう。

 母は昔から小さなお菓子屋さんをしています。86歳になる今も、ほとんど毎日お店を開けて、アイスクリームを買いに来る子どもたちや学生さんたちや、地域の人たちと会話をしています。中には、座り込んで、母の出すお茶とお菓子をいただいて長居をする人もいます。それが母の元気の源でもあります。頭は、全くぼけていません。計算もとてもシャンとしています。

 そのお店をしていることが母の元気の源だとも思います。

 今年は、そのお店に大量のお菓子の注文があったとの事。その用意が大変だから、御飯を作ったり出来ないというのです。

 夫は、「そんなことは言わないで。大変なのなら、早く行ってそれを手伝うから。」と言ったそうです。何でも、2000個のお菓子を仕入れて、皆さんに売らなければならないのだそうです。それも、いろいろと注文が異なるお菓子です。

 何なのでしょうね。どうして突然にそんなに沢山のお菓子を。

 夫の実家は、大分県の中でも特別に昔からの因習をそのまま引き継いでいる地域だと、結婚した後から知りました。ゴールデンウィークというと、子どもの日。この地域では、男の子が生まれた家は、初節句をします。それも、私が広島の地で知っているのとは、スケールが違います。地域の人たちを招いて、会席料理をご馳走します。それも、引き出物つき。父が健在の頃は、あっちのお家、こっちのお家と回っては、お酒を飲み、ときには血を吐くほどだったのです。女の子が生まれたときは初節句が三月三日になります。

 私たちの息子が生まれた後に知って、本当にびっくりしたものです。まず、お宮参り。それから初節句。そして一歳のお誕生日、と一年に三回も同じことをするのだと。それが地域の付き合いだと。

 まあ、風習の中で生きてきた人たちですから、無碍にすることも出来ず、でも、それが本当に嫌で若い頃は、悩んだものです。

 初節句でお菓子を注文されるにしては、二千個ってすごくない?といぶかりながらも、急ぎ車を飛ばして行ったものです。

 そして、ついて初めて知りました。「おせったい」なのだと。私がきょとんとしていたら、「おこぼさま」だと。そのためのお菓子の注文だったと。そして、我が家用にも150人分用意していると。さっぱり分かりません。

 よく聞いたら、「おこぼさま」は弘法大師のこと。その修行をされるのに、接待をするのだと。いつも陰暦の3月21日がその日に当たるが、今年はそれがちょうどゴールデンウィークの5月4日なのだそうです。(この話し、続きます)

2010_05040018  そのおせったい用のお菓子、「ふきよせ」です。私は食べたことがありませんでした。この地域だけのお菓子なのでしょうか。他に「めがね菓子」と言うのも、おせったい用にあるのだそうです。丸くめがねみたいなクッキーのようなお菓子なのだそうですが、やはり私は食べたことがありません。


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コメント

河野先生、こんにちは。

昔からのならわしというのは、慣れていない者には、なじめなかったり、しんどかったりしますよね。

私の父方の家の地域にも、季節の節目に色々あります。
私は純粋な広島っ子だから、遠く離れた地域のならわし、いまだによくわかりません。でも、両親がいませんから、祖母を手伝うのは私なんです。

祖母は、年齢には勝てず、体は割と達者ですが、脳の働きはやはり、じわじわとうまくいかなくなっています。だから、尋ねようにも、記憶が曖昧だったりします。若い頃は祖父に任せていたみたいなので余計に、そうなのかもしれません。

お話の続き、楽しみにしています。

投稿: 迷い人@広島っ子 | 2010年5月13日 (木) 15時49分

先生の気持ちとても良く判ります。
私の夫の実家も男の子(長男)が生まれると近所の人や親戚を呼んでご馳走を振舞います。
それが延々夜中まで続き、床上げが済んだばかりだったのにその準備で数日間準備に明け暮れた挙句だったので途中から出血がはじまり、家に帰ったら熱が出始め、数日後に身体中に大きな発疹が出始め入院する羽目になり大変でした。産後の肥立ちというのでしょうか。若くて無知だった為に大失敗しました。風習もよし悪しですね。

投稿: 初ちゃん | 2010年5月13日 (木) 23時04分

迷い人@広島っ子さま
いつもあなたがおばあちゃんを助けていること、素敵だなあと思っています。ただ、しきたりの中には、どうしてても納得できないこともあるので、、、。出来ないものは出来ないと言うことも必要かも、と思っています。だって、付き合いのお金だってバカにならないので。どうぞ、無理をしないでね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年5月15日 (土) 07時29分

初ちゃんさま
コメント、ありがとうございます。そうなのですね。あちこちにまだ因習が残っているのですね。ともすれば、それらは若い人の体や心に無理を強いることでもあるのですね。初ちゃんのように。若いころは、本当にそれらが嫌で嫌で。でも、まあ、その中で生きてきた母達には必要なことなのかも、と、今では思っています。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年5月15日 (土) 07時33分

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