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子宮がん検診と先輩の死。

2010_03290002   昨日言ったエイズのシリーズ、もうちょっと準備をしてからにさせて頂きます。

 緊急にお知らせを!!

 子宮頚がんと乳がんの無料検診クーポンの使用の締め切りが迫っています。明日3月31日までです。無料で検診を受けられるのですから、是非ご使用を!

昨日、通達が来ました。期限を過ぎたら、決してそれを使用しないように、と。 今回使わなければもうクーポンは来ません。毎年来るわけではありません。今回クーポンが送付されたのは、子宮がん検診が2009年4月1日の時点で20.25.30.35.40歳の人に。乳がんが40.45.50.55.60歳の方にのみです。

 今、私のクリニックでは、クーポンによる検診に駆け込みで来る方のラッシュです。

ただ、子宮頚癌は、このブログでも何回も言っているのですが、ウィルスによる性感染症ですから、性交の経験のない人は検診を受けなくてもいいのです。クーポンが無駄になりますが。経験はないけれどクーポンが来たので、意を決して受診に来たのに、検診はうけなくてもいいですよ、といわれてがっかりする人もいます。性交があるようになったら、検診をうけましょうねと言うと、皆さんにこにこと納得されるのですが。クーポン券には、そんなこと書けないのは仕方ありません。

 そんな方には、クーポンは使えませんが、子宮筋腫がないか、卵巣が腫れていないか、超音波で診ておきましょうか、と、お話しします。それで卵巣のう腫がみつかった方も実際あります。クーポンがきっかけとなって、産婦人科という敷居が高いところに来る意味はあると思います。

 何度もいいますが、子宮頸がんは、一年に一回検診を受けておけば癌になる前に対処できます。子宮を失わなくて済みます。ぜひ検診を受けて下さいね。

 昨日、悲しいお知らせを戴きました。先輩のドクター、中尾行憲先生が亡くなったというお知らせです。ご病気だということは知りませんでした。知っていたら、お見舞いに行っていたのですが、突然のお知らせでした。

 もう37年前になります。私がまだ産婦人科医一年目、大学病院で少し研修をしたまま、廿日市の今の広島総合病院、当時はまだ佐伯病院と言っていました、そこに派遣されました。まだ本当に何も分からない私を一から指導して下さったのが、中尾先生です。大変忙しい病院でした。私が行くまで中尾先生お一人でやっていらっした所に私です。お産も人工中絶も帝王切開も、本当にそこで学ばせて頂いたものです。

 二人で交互に当直をしました。そこで電話が鳴ったら飛び起きることも鍛えられました。低血圧で目覚めが悪い私がしゃきっと飛び起きるようになりました。一晩で6人の赤ちゃんが生まれて、全く眠らないで次の日の診療をしたり。産婦人科医の激務を教えられたのも、そこでです。

 もう一つ、先生は、妹さんを森永砒素ミルク中毒で亡くされています。そのため、病院で決して森永の粉ミルクを使わないといわれました。内に秘めて静かに怒りを表現することも教えて頂きました。

 今から考えると、本当に生意気だった私をおおらかに鍛えて下さった恩人です。本当にお世話になりました、と、改めてお礼を言っておきたかったと悔やんでいます。まだ71歳、そう考えると、あの頃はお若かったのですね。貫禄もあって、大先輩のように思っていたのですが。合掌。


コスモス薬局のHPの中に私の「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

広島ブログ

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コメント

セックスがなければ子宮頚癌の検査はいらないというのは、本当ですか?
感染症が原因のものが多いため、予防接種に効果があるというのは聞いていましたが、それ以外の原因はないのですか?

投稿: | 2010年3月30日 (火) 20時29分

子宮頚癌ワクチン「サーバリックス」について先生は、どうお考えでしょうか?
私は子宮頚癌は定期検診による早期発見で充分対応できる癌ではないかと思っています。日本でのワクチン承認に伴いワクチン接種と接種費用の公費助成を求める運動が展開されていますが運動主体になっているのは「サーバリックス」の発売元グラクソ・スミスクライン、GSKなのです。私はワクチン接種よりも定期健診が肝要と思いますし,またこのワクチンに使われている「アジュバンド(免疫増強剤)」の安全性に疑問を持っています。

投稿: 3tarou | 2010年3月31日 (水) 10時15分

今まで、千田町の検診センターで癌検診をしてきました。が、ここでは超音波で見てもらえていたのか判りません。
検査のみで、カーテン越しの医師の顔すら見たことがないし、医師からの説明もなかった。
超音波でないと子宮筋腫がないか、卵巣が腫れていないか等は診れないのでしょうか?
検診センターより、病院・クリニックの方が検診内容が詳しいのかなっとフト思いました。

投稿: i | 2010年3月31日 (水) 14時49分

お久しぶりです、大学生のゆきこです。

クーポンをもらいたかったけど09年4/1では19歳だったのでギリギリもらえませんでした。

HPVワクチン、いち早く接種予約をしようと最寄りの病院に電話で問い合わせましたが、自己負担総額5万円以上するのですね…私のアルバイト代では賄えないので接種を断念しました。
もう少し手頃だったらなぁ。

ところで、このワクチンは既にHPVに感染している人には効果がないのでしょうか?お金が出来た時に接種するつもりでしたが、値段も値段ですし、効果がないのなら少し迷ってしまいます。

投稿: ゆきこ | 2010年4月 2日 (金) 09時52分

お名前のない方ですが。
はい、子宮頸がんは性交によるウイルス感染が原因でなります。ですから、性交のない方は子宮頸がん検診は売れなくていいのです。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年4月 3日 (土) 06時16分

3tarouさま
コメントありがとうございます。子宮頸がん検診は、早期発見出来るものですが、癌にかからないようにするものではありません。早期発見でも、入院、手術、軽くて円錐切除ですが、本人にはとても負担がかかります。先日は、がん検診で引っかかり、精密検査の結果高度異型性で円錐切除をしたら、もうⅠbの進行がんで広汎性子宮全摘をしなければならなくなった方がいました。まだ独身でこれから妊娠出産をしたいという希望のある方でしたので、本とうに気の毒でした。私はすべての癌は予防できたらいいと思っています。やっと予防が出来るワクチンが出来たのだから。日本はがん検診受診率はとても低い。欧米はがん検診率も高く、かつ公費で予防ワクチンもうつ、両建てです。日本もそうなればいいと思っています。現場で癌で苦しむ人や家族の姿をさんざん見ていますので。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年4月 3日 (土) 06時28分

iさま
がん検診では、超音波などで診ることはしません。もしそれもというのであれば、検診センターでは無理です。でも、開業医でもがん検診と別に超音波エコーもという希望を言わないとしません。お金は別立てになります。検診センターは、集団検診と同じやり方になりますので、ドクターと話しも出来ないのは仕方がないと思います。お金は開業医でもセンターでも同じです。今度どこかのクリニックで受けてみて下さい。違いが分かると思います。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年4月 3日 (土) 06時34分

ゆきこさま
そうですね。学生にとってはワクチンは高価ですね。早く公費負担ができれば、と思います。ワクチンはHPVにすでに感染している人でもうっても害はないといわれています。ところが、今、研究中だそうですが、すでにHPVに感染している人にワクチンをうつと、そのウイルスの活動を停止させるらしいという情報が伝わっています。しばらくしたら、その結果も発表されるでしょう。いつかお金が出来たときにぜひ接種をして欲しいですね。それと、一年の一回のがん検診も。あなたには今年クーポンがきますよ。必ず受けて下さいね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2010年4月 3日 (土) 06時41分

お恥ずかしい話ですが、先生にご相談です。現在45歳ですが性交経験がありません。今までかかっていた婦人科でもけいちつ棒が入らないといわれ、内診も出来ない状態でした。なのでお腹の上から常にエコーをかけて卵巣や子宮の状態を調べるだけで、正確な診断にはなりません。妹(41歳)も同じように内診が出来ずにいましたが、大腸内視鏡検査を総合病院で受け、直腸の上が腫れていることからCTをとり、異常がわかりました。連携が取れるからそこの婦人科にかえてくれとのことで妹は痛がる中、その病院の婦人科で初めて内診を受け、悪性せんしゅの疑いがあるため、2ヶ月ごとの検査が必要と言われました。それを聞いて私も怖くなり、先生に内診を言いましたが、40過ぎてたら膣がとじるから内診は無理、と言われました。恐らくどこの病院にいっても内診はできない、と。ということは私はがん検診は一生できないということなのでしょうか?子宮頸がんはともかく、子宮体癌や卵巣がんにかかっていても気づいた時には遅いのではないかと思うのですが、本当にどこの病院にいってもこの年齢では内診は出来ないのでしょうか?

投稿: ウエスティ | 2010年6月14日 (月) 16時23分

はじめまして。質問させてください。
会社で今年から子宮ガン検診を無料で
受けられることになり、近日中に受けるかどうか
返事をしなくてはいけません。
男性経験がなくても受ける意味は
あるのでしょうか?
病院に電話してワクチンの予約だけしましたが、
検査も受けるように説得されました。
『でも人からしか感染しないんですよね?』
と聞けば『はい』と言いますが、
『じゃあ私には必要ないと思います』
と言っても『絶対に受けてください』の
一点張りで納得できるような説明はありません。

投稿: あみ | 2011年8月18日 (木) 20時58分

ウェスティさま
ウェスティさま、婦人科の診察は内診だけではありません。おなかからの超音波検査や、CTやMRIなど、いろいろと工夫をして検査できますよ。内診がすべてのような捉え方はおかしいのです。必要があれば、膣からの超音波を肛門から入れて診察することもできますし。何か症状があれば、内診をしてではなく、診察を求めて婦人科に行ってくださいね。お返事遅くなってすみませんでした。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2011年8月19日 (金) 08時17分

あみさま
どうぞ、はっきりと「私は性交の経験がありませんので、健診は必要ありません。」とおっしゃって下さい。子宮頸がんは、性交感染です。それ以外の原因はありません。性交があるようになったら、検診を受けます、といえばいいのです。それでも健診をと言う医師がいたら、そこでワクチンを受けるのはやめなさい。そこしかワクチンを受ける場所はないわけではないでしょう?自分ではっきりと言うのが何より大切なのですね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2011年8月19日 (金) 08時21分

東海地方で内科開業しているものです。

子宮頸癌の予防接種は性交経験のない中学生などから接種すると
聞いたのですが、性交経験がないと予防接種を打たなくて良いというのはどういう根拠でしょうか。
今後性交する可能性がゼロであれば良いですが、もしあるとしたら
予防の意味があると思うのですが。
ご教示いただければ幸いです。

投稿: ゆう | 2012年8月23日 (木) 08時50分

ゆうさま
コメントありがとうございます。
申し訳ございませんか、もう一度、私のブログを読んでいただけませんでしょうか。
私は、「子宮頸がんの検診」のことを書いています。性交の経験のない人は頸がんにはなりませんので、「検診」は必要ありません。「ワクチン」は、性交の有無と関係なく受けるべきものなのですね。ワクチンを受ける必要ないと言っていませんので・・・。「検診」と「ワクチン」を混同なさっているのではないでしょうか。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2012年8月23日 (木) 14時28分

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