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ソニーからの回答と、医は算術ということ。

 先日ソニーの件ブログに書きました。この記事です。これについて、okachanさまがソニーに連絡をして下さり、ソニーから連絡があったと報告して下さいました。okachanさまは、目の不自由な方のボランティアに携わっていらっしゃいます。目の不自由な方の歩行を障害することについては、とくに感性を磨かれているようです。他にもいろいろとアドバイスいただいたり、ソニーに連絡をして下さった方がおありで、本当にありがとうございました。okachanさまから掲載の了解を得ました。ソニーからの回答は次のごとくです。

        *          *

日頃は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申しあげます。
 
このたびお問い合わせいただいた件につきまして、以下のとおり
ご返信いたします。

お問い合わせ内容が株式に関するお問い合わせではありませんので、
顧客対応窓口である当方、お客様ご相談センターからのご返信となりますこと、
あらかじめご了承ください。

なお、先週、**様が送信したウェブマスター宛てのメールにつきましては、
いくつか心当たりの部署にも問い合わせましたが、確認ができませんでした。
何のご回答もなかったとのこと、申し訳ございません。
親子二代でソニーのファンと仰ってくださる**様の厚い信頼を損ねたようで、
本当に申し訳なく、お詫び申しあげます。

また、お知らせいただいた情報の件につきましても、近隣の方に
ご迷惑をおかけしているようで、大変申し訳なく思っております。
深くお詫び申しあげます。
先週、**様と同様に、ブログをご覧になった他のお客様から
当方に情報をいただきました。
早速、関連部署に周知させていただき、改善するよう依頼しております。

何とぞ、ご容赦くださいますようお願いいたします。

今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、ソニー製品のご愛顧を賜りますよう
よろしくお願い申しあげます。
 
ソニーお客様ご相談センター
担当:*

 もちろん私が連絡をしたわけではありませんので、私には何もありません。その後歩道上に駐車しての荷おろしはなくなりました。車道に止めています。横断歩道ギリギリの所に止めていますが。車道と歩道の間には段差がありますので、荷おろしをされる方はこれまでに比べて不自由になられたことでしょう。これまでの楽だったことの方が歩行者のじゃまをして、おかしなことだったのだと考えを切り替えて頂くしかありません。

 何回もその場で言ってもダメだった時には、やっぱり会社の上のほうの人に言わないとダメなのだということがよく分かりました。okachanさまありがとうございました。

 それにしても、なんかおかしな文章ですね。「関連部署に周知させていただき、改善するよう依頼しております。」「いただき」とか、「依頼」とか。まるで会社内部の問題ではなく、どこか他の問題だったみたい。なんて、けちをつけるのはもうやめましょう。事態が改善されればそれでよしなのですから。

 26日夜、診療報酬の改定の説明会に行きました。説明会といっても、はじめには「集団指導(説明会)」との知らせがあったのが、その後わざわざ「説明会(集団指導)」と言いかえる旨、文書で連絡がありました。その知らせを読んで吹き出しました。本当にもう、お役人の上から目線。「指導してあげます」という姿勢が見え見えで。

 私たち開業医にとっては、厳しい改定です。再診料の20円の引き下げ。710円から690円になるとの事。でも、領収証とは別に診療の明細書を無料で提供すること。それをちゃんと役所に手続きして、院内に明示すると1点、10円加算して下さると。また、24時間患者さんからの連絡に対応をする体制をとるのなら(地域医療貢献料と言う名前で)3点30円加算。これは、私も開業以来ずっと取っている体制なのですが、30円はいらないから、夜フリーになれたら、どんなにか気分が楽になるだろうか、と思いました。それどころか、何点、何点という説明を延々と聞いていたら、憂鬱になって。医は仁ではなく、まさに医は算術なのだと思い知らされました。

 (この記事のはじめのソニーの回答についての説明がなぜか字が小さくなっています。私は普通にしているのに。編集では普通の大きさなのに、アップするとここだけ小さくなっています。これを戻そうとしてもどうしても変わりません。ココログの仕業でしょう。読みにくくてすみません。) 


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子宮がん検診と先輩の死。

2010_03290002   昨日言ったエイズのシリーズ、もうちょっと準備をしてからにさせて頂きます。

 緊急にお知らせを!!

 子宮頚がんと乳がんの無料検診クーポンの使用の締め切りが迫っています。明日3月31日までです。無料で検診を受けられるのですから、是非ご使用を!

昨日、通達が来ました。期限を過ぎたら、決してそれを使用しないように、と。 今回使わなければもうクーポンは来ません。毎年来るわけではありません。今回クーポンが送付されたのは、子宮がん検診が2009年4月1日の時点で20.25.30.35.40歳の人に。乳がんが40.45.50.55.60歳の方にのみです。

 今、私のクリニックでは、クーポンによる検診に駆け込みで来る方のラッシュです。

ただ、子宮頚癌は、このブログでも何回も言っているのですが、ウィルスによる性感染症ですから、性交の経験のない人は検診を受けなくてもいいのです。クーポンが無駄になりますが。経験はないけれどクーポンが来たので、意を決して受診に来たのに、検診はうけなくてもいいですよ、といわれてがっかりする人もいます。性交があるようになったら、検診をうけましょうねと言うと、皆さんにこにこと納得されるのですが。クーポン券には、そんなこと書けないのは仕方ありません。

 そんな方には、クーポンは使えませんが、子宮筋腫がないか、卵巣が腫れていないか、超音波で診ておきましょうか、と、お話しします。それで卵巣のう腫がみつかった方も実際あります。クーポンがきっかけとなって、産婦人科という敷居が高いところに来る意味はあると思います。

 何度もいいますが、子宮頸がんは、一年に一回検診を受けておけば癌になる前に対処できます。子宮を失わなくて済みます。ぜひ検診を受けて下さいね。

 昨日、悲しいお知らせを戴きました。先輩のドクター、中尾行憲先生が亡くなったというお知らせです。ご病気だということは知りませんでした。知っていたら、お見舞いに行っていたのですが、突然のお知らせでした。

 もう37年前になります。私がまだ産婦人科医一年目、大学病院で少し研修をしたまま、廿日市の今の広島総合病院、当時はまだ佐伯病院と言っていました、そこに派遣されました。まだ本当に何も分からない私を一から指導して下さったのが、中尾先生です。大変忙しい病院でした。私が行くまで中尾先生お一人でやっていらっした所に私です。お産も人工中絶も帝王切開も、本当にそこで学ばせて頂いたものです。

 二人で交互に当直をしました。そこで電話が鳴ったら飛び起きることも鍛えられました。低血圧で目覚めが悪い私がしゃきっと飛び起きるようになりました。一晩で6人の赤ちゃんが生まれて、全く眠らないで次の日の診療をしたり。産婦人科医の激務を教えられたのも、そこでです。

 もう一つ、先生は、妹さんを森永砒素ミルク中毒で亡くされています。そのため、病院で決して森永の粉ミルクを使わないといわれました。内に秘めて静かに怒りを表現することも教えて頂きました。

 今から考えると、本当に生意気だった私をおおらかに鍛えて下さった恩人です。本当にお世話になりました、と、改めてお礼を言っておきたかったと悔やんでいます。まだ71歳、そう考えると、あの頃はお若かったのですね。貫禄もあって、大先輩のように思っていたのですが。合掌。


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エイズ日曜検査など、いろいろ。

2010_03250012_2 25日木曜日、広島大学の高田昇先生の退職の最後の講義でした。医学部の一番大きい教室が超満員でした。

 高田先生の血友病、そしてエイズ治療一筋四半世紀という記事が中国新聞に大きく掲載されたこともあるでしょう。懐かしい人たちのお顔も見ることが出来ました。

 授業の最後に小児科の小林教授からの花束贈呈です。

高田先生は、エイズの最初からの歴史を自分とかさねあわせながら丁寧に淡々と語って下さいました。私もいろいろと思い出しながら、ふと涙ぐみそうになりながら、淡々と聞きました。

2010_03280005 27日土曜日には、性教育の仲間と広島エイズダイアル合同で、高田先生のおつかれさま会をしました。韓国料理の店「333」でホルモン鍋を食べました。

 高田先生には、何度も例会や研修会で講義をして頂きました。性教育に携わる者は、常に新鮮な情報を取り入れなければなりません。古い知識で、生徒を脅すようなことがあってはなりません。その意味でも、高田先生には、とてもお世話になりました。

2010_03280006 28日日曜日は、12時から平和公園の川岸でお花見です。退職されたマスコミの方を中心に様々な職種の人の気の会った仲間達です。まだ花は2分咲きくらいですが、久々の仲間達と会話が弾みます。

 正面が、はだしのゲンの中沢啓治さんです。中沢さんは、眼底出血を起こして目がずいぶんと不自由になられています。先日、漫画を描くことから引退を表明され、そして、これまでのすべての生の原稿を広島市に寄贈されました。これからをどうぞお元気で過ごしていただきますように。

 せっかくの楽しい会ですが、私は30分余りで失礼して、午後からのエイズの日曜検査に行きました。私の当番でした。日曜検査の当番は嫌いではありません。ちょうど高田先生の講義を聞き、お疲れ様の会でお話しをしたこともあって、私自身の20年に及ぶエイズボランティアとのかかわりも思いながら検査に来られた方たちと向き合いました。

 次回から、少しエイズやボランティアについてお話ししようと思います。


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歯をくいしばる。

 先日、私のブログのアクセス数が100万になること、ちょうど100万目のアクセスをして下さった方、どうぞお知らせを!と呼びかけました。でも、どなたからも連絡がなくって悲しい思いをしました。999999と1000001の方は分かっているのですが、ちょうどの方が分からないままです。いろいろとプレゼントを用意していたのですが。残念。

 そこで、もうすぐ1111111になりそうです。ここのところ、なぜかテーマによってどこかで紹介されているのかも知れません。突然に一日のアクセスが8000とか9000を超える日もあって、どんどん進むこともあります。もしも1111111番目のアクセスをして下さった方、コメントでお知らせくださいませ。プレゼントを用意します。というより、その数が並んでいるところを私自身が見てみたい、保存して置きたいという思いなのです。どうぞ、ご協力、よろしくお願いします。

 さて、先日夫の歯のことを書いたばかりですが。私もここのところ奥歯が痛むことがあって、木曜日の私の休診日に夫と共に歯医者さんに行きました。カルテをみていただくと、三年ぶりです。

 そこで、意外なことが分かりました。私は、いつも歯を食いしばっているようです。夫に聞くと、寝ているときに歯ぎしりをしていると。よぼG先生のブログで書かれている通りです。起きている時も、テレビを見ているときでも、パソコンに向き合っているときも、いつもふと気がつくと、きちっと歯に力が入っています。特に物を考えているとき、歯を食いしばり、眉を寄せて、いやな顔です。だって、世の中しんどいことが多いのですから。いつもにこにこと楽しんで生活は出来ません。

 で、マウスピースを作ることになりました。寝るときには、それをはめて寝るのだそうです。起きているときには、よぼG先生の書かれているように、気をつけてみようと思います。大切な自分歯、とにかくいつまでも働いてもらいたいのですから。

 シリーズを書いているときに後回しにしたことが沢山あります。それをボチボチ書いていきたいと思います。

 3月12日、kei.先生の教室でした。生花でコサージュを作りました。

2010_03150007 こんなお花達にそれぞれ水を含ませた綿や針金などで下準備をして、そしてそれらをコサージュにまとめます。針金を挿すときなど、ちょっとかわいそうな気がしますが。お花によって様々な支えの仕方などが異なって、勉強になります。

 一昨年は、ちょうどその直後に息子の卒業式があって作ったコサージュをつけて出席しました。

今回は、直後に東京に行くことがあって、でも会議なのでコ2010_03150011 サージュをつけることもできず、持って行って息子のお嫁さんにあげました。テーブルフラワーにして飾ると。はかない数日の命です。

 残ったお花達は、クリニックのテーブルを飾ってくれました。色がとても素敵で、いつもkei.先生の愛を感じます。


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今クリニックで起こっていること⑮アフターピルの失敗

 昨日、大変気の毒なことがありました。二週間ちょっと前に緊急避妊のくすりを求めて来た方です。その人が、くすりを飲んだにも関わらず、妊娠してしまっていました。

 緊急避妊の効果は100%ではないと、説明していたので、覚悟はしていたようです。でも、しょんぼりでかわいそうでした。実は、5日前にも同様のことがあったのです。その時の女性は、妊娠とわかったとたん、大泣きでした。

 「緊急避妊」。アフターピルとも言われます。レイプされた、またはコンドームが破れてしまったというハプニングが起きたときに緊急避難として使用するものです。それが、どうも誤解されているようです。「避妊しないでセックスしても、後で薬を飲めばいい」と。

 最近特に目立ちます。「避妊していなかったので」それも、男性が「病院に言って薬をもらって」と言ったと。

 実は、日本は、アフターピルとしての薬は認可されていません。世界中で使われている薬は、日本では厚生労働省が認可していません。それを認可すると性の乱れを招くという、低用量ピルがなかなか認可されなかったのと同じ理由だといわれます。それが認可されていない国は、今北朝鮮とイラクと日本だけだと先日の研修会で聞いてびっくりしました。

 日本では仕方なく、中用量ピルを代用しています。それも、普通一日一錠の薬をどーんと二錠二回と大量に飲みますので、なかなか大変です。吐き気がしたり、だるかったり。それでも、レイプされて、妊娠、中絶という二重三重のダメージよりは、ということで処方されるものです。世界中で認可されている薬に比べて、うんと副作用が強く、かつ、効果も低くなります。

 今回のお二人とも、避妊なしで性交をしてしまったというものでした。

 また、別の方ですが、昨日アフターピルを求めてきた人は、薬を求めて来院するということを、相手の男性には言っていないということでした。女性一人で悩んで、ひっそりと薬を飲む、それも効果が絶対ではありませんので、次の出血があるまで、ずっとびくびくしっぱなしになるでしょう。

 ここのところに、男性と女性の決定的な違いがある!男性は、事がすんだらそれで終わりにすることが出来ます。でも、女性はその後のことをずっと恐れなければなりません。だから、その前に、妊娠しても生むことが出来ないのなら、ちゃんと避妊をしなさいと、何度もずっと言い続けているのですが。こんな当たり前のことが、全くダメ。そんな毎日です。

 一回目に書いた、生もうとしている高校生の一人。双方の家族の猛反対で、結局中絶することになりました。中絶して、そして予定通り大学に行くことになりました。それもまた、彼女の選択です。

 このシリーズ、15回になりました。あっという間でした。一旦、ここで中断します。少々くたびれました。また、不定期に掲載しようと思います。沢山のコメントありがとうございました。

 ここに掲載したのは、作り事でも、大げさなことでもありません。本当に同時進行で私のクリニックという小さな閉鎖した社会で起こっていることです。事実を淡々と書いたつもりです。このような現場から、「性教育を!」と訴え続けているのですが・・・。


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今クリニックで起こっていること⑭大学生の出産から時が経って。

 一昨日の夜、一組の親子に会いました。写真も内容もすべてブログに書くこと、O.K.との了解を得ましたので。差し支えのない範囲でお話しします。

彼女は20年足らず前、彼を産みました。それは、とてもしんどい状況の中での決断で。私は、彼女が妊娠が分かったときから、ずっと診ていました。彼女は当時東京の大学生。高校時代私の講演を聴いていて、私の勤務する病院に来ました。

 産む決断まで大変でした。詳しくは書けませんが、男性の家族、彼女の親、様々な状況の中で、でも彼女は一貫して「産む」決断はぶれませんでした。

 結果的に学生をしながら出産。その出産は壮絶なものとなりました。予期せぬ突然の大出血。胎盤早期剥離です。母子ともに命が危ない中での、緊急の帝王切開です。夜中でも、すぐに手術が出来る病院であったことを感謝しながらの手術でした。

 それから20年。その時のベビーが、もう少しで成人します、そして、彼女の母校である大学に入りました。とのお知らせと、わざわざお礼にと訪ねて下さったのです。

2010_03250002 彼が二十歳になったら訪ねようとずっと考え、彼にも言ってきたのだと。彼女は、その後知り合った人と本当すばらしい結婚をし、海外に住んでいます。彼は、帰国子女として大学の難関を突破して、日本の大学生になります。二十歳には、まだもう少しなのですが、大学に入る今の方がとのことで、訪ねてくれました。

 その頃の、本当についこの間のような出来事ですが、もう、20年近くもなる、そして、その時の危なかったベビーが、もうこんなに素敵な男性になっているというのが、本当に夢のようで。あの時のことなどいろいろと話が弾みました。

 裸で手術台に縛り付けられて、「もうこれで死ぬんだ」と思ったこと。まだ麻酔がよく効かない内にメスが入って「いたーい!」と叫んだことなどなど。ベビーは仮死状態だったこと。でも、新生児救命救急センターがある病院でしたので、小児科のドクターが頑張ってくれたこと。まさに命がけの出産でした。

 左の奥にいる方は、彼女の友人です。妊娠中、彼女の居場所がなくって、実家にいることもできなくなって、東京に帰る、と言ったとき、その友人が100万円の貯金通帳を「使って」と渡してくれたのだそうです。

 様々な困難を乗り越えて、今の彼がいる。彼女も生き生きと、相変わらず素敵な女性でいます。

 しんどいことが多い昨今ですが、うれしい一夜を過ごすことが出来ました。

 


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今クリニックで起こっていること⑬CAP:こどもへの暴力防止プログラム

 私が初めてCAPの講義を受けたとき新鮮な感動を覚えました。ずいぶん前ですので、いろいろとシステムとしては変わっているかも知れません。

 その時の講義で言われたこと。「川があって、よくそこで子どもがおぼれて死ぬ、だから川に近づかないように子ども達に教えましょう。そして、川に柵をしましょう。それでも川に近づく子がいる。そこで、もし川に落ちても、おぼれないように泳ぎを教えましょう。」と。まずこれに感動しました。

 CAPは「Child Assault Prevention」(子どもへの暴力防止)プログラムです。「すべての子どもに安心・自信・自由を!」をテーマに、子どもへの暴力防止/人権教育プログラムが大人に向けてまた子どもたちに向けての異なるバージョンが作られています。

 具体的に、たとえば大人に話しかけられたときに、手をまっすぐ前に伸ばした距離を保つように。相手が一歩近づいたら、一歩下がる。もしも口をふさがれたときには、相手の小指を口と反対側に引っ張ってはずしましょう等の訓練がありました。それに、もしもどこかにつれていかれそうになった時の声の出し方も訓練しました。このようなことは、訓練して置かないと、いざというときには、なかなか実行できないことでしょう。

 さらに、もしも暴力の被害にあったなら。加害者は必ず「だれにも言うなよ。」と言います。「だれにも言ってはいけないという約束は、悪い約束です。悪い約束は守ってはいけません。」と、はっきりと言いきります。これにまた、感動しました。

 このCAPを是非とも学校で取り組んで欲しいのです。もしも、幼児性愛の教師がいたとしても、その彼らは、このプログラムで学び、自分がもし生徒対象に加害者としての行動をとったなら、どんなことになるのか思い知ることができるでしょう。

 ここにCAPセンター・JAPANのホームページがあります。こに詳しく出ていますが、CAPの研修をうけ、トレーニングをして資格のある人が学校などに出かけていきます。

 学年によっていろいろとプログラムが異なりますが、一番最近私が受けたのは、中学校バージョンでした。これには、男の子が男性から被害を受ける場合も盛り込まれていました。さまざまな場を想定して訓練しておくことは、決して無駄ではありません。子ども達のエンパワメント、力をつけることが何よりの防衛となるでしょう。

 CAPだけとは言いませんが、様々に生徒も教師も保護者も学ぶ機会を積極的に作ってほしいのです。それこそが、子どもたちを守る唯一の方法であると思います。

 今は、あまりにひどい状況です。周りは危険がいっぱい、その中に子どもたちを放り出したままといえるでしょう。

 それに、被害にあった子をまるで被害者に責任があるかのような行動は決してとってはいけないのです。今は、被害者が攻められています。せっかく勇気を持って教師に被害を訴えたのに、信じてもらえなかったり、逆にしかられたり。こどもは、こんなことで作り事を言うのは、とても稀なのだということも知っておかなければなりません。

 「言ってくれてありがとう」「打ち明けてくれてありがとう」という姿勢で謙虚に受け止めることが必要です。事実を知った母親が泣きじゃくって、何の助けにもならなかった姿も見ています。被害に会った子がその母親の姿をじっと乾いた目で見ていました。ああ、彼女はさらに傷ついている、と思いました。

 子育てをする上で、自分の子どもが暴力の被害にあうかも知れないと考えるのは、嫌なことかも知れません。でも、そうは言っておられない状況が作られているのです。それが自分の子にも起こることかも知れないと考えた上で、事前の対応を考えて欲しい、そう思います。

 それにしても、今回の小学校の教師の事件、教育委員会の声明や処分など、なんにも出てこないのは、一体どうしたことでしょう。これだけの子どもたちが被害にあった、それも信頼していた教師によるレイプという、体だけでなく、心の傷もとってもひどいと思います。彼女達への立ち直りに向けてのケアと、再発防止をどのように考えているのか、教委の話しをぜひ聞きたいものです。


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今クリニックで起こっていること⑫子どもを性暴力から守るために

 子どもの性暴力の被害を数々見て来ました。ある子は、体中に青あざと、首にむごい跡が残っていました。首を絞められて、本当に殺される寸前。命が助かってまだよかったと思いました。ある子は、性器にかまれた歯型が残っていました。もっと無残にな性器の傷を負った子もいます。

 彼女達は、本当にどんなにか怖かっただろうかと思います。

 それが見知らぬ人だけでなく、よく知っている人、教師や身内だったりすると、単に大人と子どもというだけでない力関係が働きます。なかなか拒否出来ないことでしょう。

 幼児性愛というのは、一つの性癖ですので、なかなか修復は難しいといわれます。でも、せめて私は教師になろうとする人、教育学部では、性教育を学べるカリキュラムを作って欲しいと思います。性教育の基本は、体を知ることだけでなく、「素敵な人間関係を作ること」。いい関係の中でこそ、いい性が得られるものという基本を学びます。

 私の尊敬する村瀬幸浩先生の「恋人と作る明日」を読むと、先生は、大学生への性教育の講座を持っていらっしゃるのですが、その講座の中での数々の学生のレポートが出てきます。どれにも共通するのが「大学生になって初めて学んだという性教育への驚きと、これを学ばなかったら、自分は一体どうなっていたのだろうという恐れ」でもあります。

「自分が彼女にしていたのは、DVだったのだ」という慟哭のレポートもあります。

 少なくとも、教育委員会は教師の採用試験に恋愛観や結婚観を盛り込んで欲しいと思うのです。さわやかに性や恋愛をを語ることが出来るかは、人を見分けるのにとても大切なことなのですが、今の教育委員会では無理な話でしょう。

 でも、今回の懲役30年という教師を延々と雇い続けてきた県教委は本気で責任を問われなければならないし、責任を取る意味でも、採用をどの視点ですればいいのか、根底から考えなおして欲しいと思うのです。

 人を見分けることが大切なのですが、それでも、幼児性愛の人が学校に教師として紛れ込んでくることがありうるでしょう。

 そもそも子育てや教育の中で、そのような人間が少なからずいるということを心しなければならないでしょう。大人たちは、子育ての中で、または学校教育の中で、「犯罪から子どもを守る」と言う視点を持たなければならないのでずか、これがあまりに無自覚だと思うのです。

 そのような視点を持ってまず絵本で教えましょう。「プライベートゾーン」の大切さを教え伝えるために、「いいタッチわるいタッチ」を。

 私は、大人に向けての講演の中で、「パンツはトイレに行くときとお風呂に入るときだけ、あとは脱がないのよ」と教えて欲しいと伝えます。パンツは、「大切なところを守るためにあるのだと。

 それから、「Say〝No!"〝やめて!″といおう」を。

 さらに、もしも被害にあってしまったら、できるだけ早くに伝えてもらうように。

「ライオンさんと話そう」を。コレは、いやなことがあった場合、早く話して欲しいということを伝えるものです。

 これらを私は教育の場で使って欲しいのです。それはすべての教師が学ぶということでもあります。そのような被害にあった子がどれだけ傷つくか、これから生きていくのに、どんな影響を与えるのか、それを知ることでもあります。その上で、その予防ともしも被害にあったときのサポートの方法を学んで欲しいのです。

 それらをこどもと一緒に学んでおけば、もしも生徒の訴えがあったときに「そんなバカな」という対応をしなくても済むと思うのです。子どもが訴えたのに、本気で対応しなかったというケースも少なくありません。

「CAP」の活動、これも早くすべての教育現場に取り入れて欲しいのです。CAPでは、具体的に犯罪から身を守る方法を教えてくれます。次回、私がキャップで感動した話を書きますね。

 なお、紹介した本はすべて「amazon」で買うことが出来ます。


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今クリニックで起こっていること⑪幼い子への性暴力

 一昨日のこと。17歳の少女。くりくりとした目とフリフリの短いスカートがとってもかわいい子です。クリニックにはもう何回も来ています。生理不順の治療のためにお腹から超音波をあてます。彼女はくすぐったいのか、くくくっと笑います。その笑顔がまたかわいくて。

 そのくったくのない、明るい笑顔を見て、ふと私は涙ぐみそうになりました。彼女は9才の時に男性からレイプされています。男は、母親の彼でした。体も心も深く傷ついた彼女はその後本当に大変でした。学校にもいけなくなりました。今は通信の高校に行っています。

 明るい笑顔が出るほどに、よくここまで立ち直ったね、よく頑張って生きてきたね、とそう思いました。 傷ついたのは、彼女だけではありません。母親も深く傷つきました。自分の彼のために、娘がそんな目にあった、母親は自分を責めています。

 もう少し彼女が立ち直ったら、その時に病気になっていないか調べましょうね。今はまだ内診台にあげて検査をするというのは、控えておきましょう。そんな話を母親としました。

 幼い少女への心無い暴力、これは私の現場では、決してまれなことではありません。本当にあるのです。小説でも、漫画でもなく、現実に信じられないようなことが、この社会の中で起こっています。

 相手で一番多いのは、母親の再婚相手。それから、親戚づきあいをしていた男性、それに実の父親にレイプされたという小学生も、一人や二人ではありません。兄、弟、教育現場の人、教師や塾の先生というのも複数います。

 このたび、懲役30年という高裁での判決があったという、広島県の小学校の教師。教え子を相手に強姦45件。強姦未遂12、児童福祉法違反13、強制わいせつ25など本当に目を覆いたくなるほどのひどい犯罪を犯していると認定されています。

 もうずっと前ですが、小学校の教師が性犯罪の被害者である小学生を犯行がばれるのを恐れて、殺害したという事件もありました。

 最近、男性保育士が保育園の幼い園児、何人もの男の子の裸の写真を撮ったと逮捕されています。

 性犯罪の被害にあった幼い子の無残な姿を診察するほどつらいものはありません。体も心も、どうやって治療しようかと途方にくれる思いがします。

 幼い子に性的な欲望を持つ性癖の大人達がたしかに存在しています。そんな人間が、一家の中にいたり、教育現場にいると、幼い子たちはたちまち餌食になってしまいます。

 こんな事件は防ぐことは不可能なのでしょうか。または、起こったとしても、早く発見して再発を予防しなければなりません。懲役30年の教師の犯罪、なぜそこまで続いたのか、早くに見つけてさらなる犯罪を防ぐことができなかったのか、教育委員会の責任も大きいと思います。そのあたりをどうすればいいのか、次回、その提言をしようと思います。

 昨日、出雲から帰って来ました。お墓参りにいったとき、一箇所どこかの観光をしましょうということにしています。前回は松江フォーゲルパークでお花や珍しい鳥達を見ました。今回、松江城の堀川めぐりをしました。

2010_032200232010_03220001 船に乗ろうとしたときに、お嫁さんの乗った船が来ました。新郎は外国の方のようです。素敵なカップル!!

 私たちが乗るのは、コタツが作られている屋根のついた屋形船で、情緒たっぷりです。船の操縦件ガイドをして下さった鈴木さんという方が、また素晴らしくて、薀蓄があって楽しくって、最高でした。

 松江城は、外堀も内堀もそっくり残っていて、それがまた街とよくなじんでいます。堀には鴨、青サギ、川鵜などの鳥達もいて、和ませてくれます。また、古い武家屋敷、何百年も生き続けている幹の太い木々、石垣などもそのまま残っていて、昔を偲ぶことが出来ました。低い橋をくぐるときは、こんな風に屋根が下がります。私たちは首をすくめて、かがんでやり過ごします。それがまた楽しくって。。ほっこりと楽しいひと時でした。

2010_03220021 2010_03220028_2 

 帰りは、山陰道、中国道とぐるりと大回りをして帰りました。大山にはまだ雪が残っています。いつ見ても、大山は雄大で和みます。

さあ、今日からまた仕事です。


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出雲にいます。

 今出雲にいます。半年振りに両親に会いに来ました。昨日のうちにおばの家に行き、おばも連れて一緒にお墓参りをしました。以前から書いているのですが、両親も祖父母も金光教の信者で、出雲市平田町の金光教の共同墓地に眠っています。先生に祭壇の前とお墓の前で祝詞もあげていただきました。母がなくなって17年、父が亡くなって7年になります。父と母に近況の報告をしました。

 出雲に来る前、庄原の備北丘陵に行きました。今、スイセンが咲いています。それはきれいです。が、まあ風の強いこと。それも冷たい風で、頭の芯まで冷え切ったようでした。

 スイセン以外にもパンジーなどがきれいです。もう少し、春に近づいてからのほうが、パンジーと一緒に植えてあるチューリップも咲いてきれいかも知れません。

冷え切った体で炭火焼の焼肉でお昼ごはんです。とっても美味しいお肉でした。その写真も撮ったつもりでしたのに、なぜか写っていませんでした。ヒバ牛が豪華でおいしくて、御飯、野菜(キャベツ、かぼちゃ、ししとうが食べ放題です)、三人で5400円あまり。お肉の豪華さを考えるとお勧めです。

2010_03210007_22010_03210013  今日のうちに家に帰ります。かえって、まだクリニックで起こっていることを書きます。まだ終わりません。

 コメンと、お返事が出来なくってすみません。しっかり読んでいるのですが。ごめんなさい。

 


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今クリニックで起こっていること⑩風俗嬢の性感染症

 23歳の彼女は、21歳の時から私のところに通っています。彼女は風俗嬢です。ソープランドではなく、デリヘリ。デリバリーヘルス。店にいるのでなく、お客の指定のところに出かけていきます。

 彼女は、病気のチェックに来ています。ヘルスは本番がないことになっているのですが、それでも時々は本番があるといいます。客と彼女、密室に二人っきりになるのですから、それはそうでしょう。でも、本番はしないことになっているから、堂々と避妊は出来ないといいます。おかしな話です。

 初めて彼女が来たときには、淋病とクラミジアに罹っていました。検査の一週間後に来て、と言っていたのに、来たのは二ヶ月後。それから治療ですが、何しろひどく日にちを開けて来ますので、両方の治療が終わったのは、初めて来たときから三ヶ月たっていました。その間、どれだけの客に病気を移したことでしょう。

 その五ヶ月後、また検査に来たとき、またまた淋病とクラミジアに罹ってしまた。その両方の治療が終わったのが四ヶ月後です。

 その間、彼女が来るたびに私は、早く治療をしないと客に移すでしょう、あなたも不妊になったらいけんでしょう、そして、コンドームを使いなさい、と口をすっぱくして言うのですが、どうにも守ってくれません。

 両方治って三ヶ月後、今度は淋病に罹っています。その検査をしたのが2月17日。やっと連絡があって、淋に罹っていると伝えたのが一月後の3月16日です。薬を取りに早く来て。移したらいけんでしょう、と電話でまた強く言ったのですが。まだ来ません。

 彼女は熱心に仕事をしていますので、どれだけの人に移しているでしょうか。

 このごろ、高校生の講演の時には、風俗のことも伝えるようにしています。本番がないと言っても、喉に菌がついて、そこから移ることもあるよと。

 私は、のどが痛いという人には、のどの検査もします。もう、何人喉から菌が出たことでしょうか。淋病やクラミジアはまだ治る病気だけれど、治らない病気もあるんだからね、感染したら、あなたもしんどいでしょう?そんな風に言うのだけれど、ほとんど効果がありません。

 性感染症に罹って夫に尋ねた所、本番はしていない、ただの遊びだからといわれたものの、風俗の遊びが手と口でするのだと知って、ひどく傷ついた女性もいます。

 もう何度も風俗については、ここでも言っているのですが。現場はちっとも変わらない!ままなのです。 


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今クリニックで起こっていること⑨妻子ある人との妊娠

 20代後半の彼女。

 私が「うん?」となったのは、彼が「出来るだけ早いほうがいいから、早く病院に行くように」と言ったと、彼女に聞いたときです。

 私は独身で性交のある人には、産めるの?大丈夫?相手はどうなの?ということを必ず聞きます。ちゃんと避妊していない人、このままだと必ず妊娠するだろう、それも近いうちに、という人がとっても多いのです。「セックスというのは、妊娠する行為なんだから。」その自覚を持っていただかないと。

 その彼女は「産めません」と答えました。どうして?と聞くと彼は妻子ある家庭持ちだといいました。で、「彼はどう言ってるの?」との私の問いにそう答えたのです。「出来るだけ早いほうがいいって、何が?」と重ねて聞きました。「おろすのは早いほうがいいと。」と答えた後もう彼女は涙です。

 彼の中には「妊娠→中絶」と出来上がっているようです。「ちょっと待って。彼はおろすと決めてるの?最初っから分かっているのなら、どうしてちゃんと避妊しないの?」

 彼女は答えられません。「あなたは、妊娠するのが怖くなかった?彼にちゃんとコンドームを使って欲しいと言わないの?自分からピルでも飲んで避妊しようと思わないの?ねえ、妊娠したらおろすと分かってるのにコンドームも使わない男って、私から見たらはっきり言ってろくでもない男と思うんだけど。」

 彼女は聞きながら、うなづきながら、泣いています。

 私は「ねえ、一人で産もうとは思わない?」と聞きます。

 今の世の中、女一人で育てている人は沢山います。悩んだ末にそういう選択をする人も沢山見て来ました。周囲の説得など、産むまでも大変。育てるのも大変ですけど、でも、子どもの存在が生きがいとなって懸命に生きている人も、多く見ています。先日は、昔頑張って生んで、一人で育てた息子が東大生になったと報告して下さった人もいました。

 だから、男性達も彼女が妊娠したら、おろすのが当然と考えないほうがいいのです。「おろしません。産みます。」と決めたとき、男性の猛反対に会う人もいます。東大生になった子を産もうとしたとき、彼の妨害はそれはひどかったのです。私も、何度も彼と向き合いました。彼女たちが一人で産むと決めたとき。私は、彼女をできるだけサポートしたいと思います。

 30代後半になって、子どもを産んで育てる人生か、ずっと一人で生きる人生か、厳しく選択を迫られたとき、産むほうを選ぶ女性もあるのだと、そんなときには、男性もそれなりの覚悟をして頂かないと、と思います。女性がおろしてくれると軽く考えていたら、痛い目にあうこともありますよと忠告しなければなりません。

 まだ20台後半の彼女は、今どうするか考えています。多分彼女は中絶する道を選ぶでしょう。それは分かっています。でも、私は、ここで彼との関係も立ち止まって見直して欲しい、そういう思いで「ねえ、一人ででも産もうとは思わない?」と問いかけています。


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今クリニックで起こっていること⑧大学生の妊娠。

 昨日は、運転免許証の更新に行きました。そして、夜は広島市民病院産婦人科のオープンカンファレンスでした。日ごろ患者さんを紹介して診て頂いている現場での医療の現場のお話しです。本当にお世話になります。聞いていて、ひたすら感謝です。そして、思います。これだけの患者さんを日夜診ていて、どうして病院の経営が赤字になってしまうのか、やっぱり医療の制度そのものがおかしいのでは、と話しを聞きながら、頭の片隅でそんなことを考えていました。

 一昨日は、中区医師会の総会兼研修会。ここでのお話しは「糖尿病の内服薬の治療」についてでした。他科のお話しを聞くのは久しぶりです。この分野でもどんどん医療が進んでいます。最先端のお話しは、とても難しい。でも、面白いものです。もちろん、私自身が糖尿病の患者様の治療をするのではありません。私に出来るのは、更年期などで来られる患者様に、糖尿病などの病期が隠れていないか、早く発見して専門のドクターにつなぐこと。

 そんなこんなで、今、診療後もあれこれいっぱいで、ブログを更新するのが精一杯です。皆様にいろいろとコメントを戴いているのに、お返事が遅れてすみません。皆様のコメントは、大変ありがたくて、力を戴いています。今しばらくのお時間を下さいませ。

 さて、生理の血液を漏らしてしまって、不登校になった彼女が来た日。この一昨日には、まだまだ大変な人が何人も来ています。

 一人は、20歳の大学生です。妊娠がとても進んでいます。今年の一月、相手の男性にそのことを知らせると、全く連絡が取れなくなってしまったと。途方にくれて親に話したのが、三月です。母親がパニックになってしまっています。泣きわめいて、自殺まで図ってしまったと。母親の目が離せなくって、父親が母親に付き添っていると。本人に付き添ってきたのは、母親の友人です。

 全力を挙げて早く相手の男性を捜すこと。今、日本の法律では、相手の男性の同意がいります。女性一人の意志では、中絶は出来ません。彼女は一人ででも産めば、いずれその男性が帰ってくるのではないかと考えていたそうですが、今は、それももう諦めているようです。

 付き合いがさめてしまったとき、「産んだら帰ってくる」のではないかとよく聞くのですが、いいえ、一旦逃げ腰の男性をつなぎとめるために産んでも、これは、全くダメです。逃げてしまった男性は、戻って来ません。でも、相手の同意書が取れないと、彼女は産まなければなりません。

 それに、連絡が取れないというのも、情けない話しです。どこに住んでいて、どこで働いていて、などと分からないうちに妊娠までしてしまうことが、私には情けないのです。時々あります。「まだ付き合いが浅いので。相手のことはよく分からないので。」と言う人が。付き合いが浅くても、セックスはするの?それも、全く無防備で。何回こんな会話を交わしてことでしょうか。

 今回の彼女のこと。1.そんなよく分からない関係でも、妊娠はしてしまういうこと。2.彼女は20歳の大学生です。もう大人です。それでも、こんな行動をとってしまって、そして途方にくれています。3.逃げてしまう男性がとてもよくいるということ。4.彼女の親が全く相談相手になっていないということ。これでは、これからも何があっても親には内緒にしておかなければならないと彼女は感じたことでしょう。

 しんどいのは、何よりも彼女ですよ、と。彼女を助けるために、どうしたらいいのかと考えなければならないのではないですかと、付き添ってきた友人を通じて親に伝えて頂きました。彼女の友人などを頼って、一刻も早く相手の男性への接触を、これだけでも親に助けて頂けないでしょうか、と。

 そして、まだ別の人も。20代後半の女性。相手は妻子ある家庭持ちの人です。このことは次回に。決して若い人だけの問題ではないということです。


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今クリニックで起こっていること⑦不登校だった彼女に彼氏ができた!

 昨日の患者さんでとてもうれしいことがありました。

 彼女は14歳の時から私のところに通っています。初めてきたのは、中学校二年生。月経の量がとても多くて痛くてつらい子でした。ある日、学校で血液を漏らして、スカートを汚してしまい、それを男子生徒に笑われて、以後不登校になっていました。涙をためて下ばかり向いている、暗い少女でした。

 私は、月経の量を減らし、痛みも軽減させるように治療をしました。その治療は、ずっと続いています。不登校、それから拒食症にもかかり、とてもつらい日を過ごしました。

 ほとんど学校にいけなかった彼女ですが、そんな彼女を受け入れてくれる高校もありました。男子のいない、女子校です。登校できるようになった彼女は、高校でとても頑張りました。成績が学年で一番。そして、難関の大学にも入ることが出来ました。

 大学も頑張って卒業。今、元気で働いています。その彼女が、昨日、お薬を取りに来て、なんだか言いにくそうに「聞きたいことがあります。」と言います。その質問で、私は、「彼氏が出来たの?」と聞きました彼女は両手で顔を覆って、うなづきました。

 私は本当にうれしかったのです。14歳以来、男性不信になっていた彼女に彼氏が出来た!うれしくて、「良かったねえ!!」と喜びました。もう、彼女は30歳になります。30歳で初めて好きな人とのお付き合いが出来るようになりました。長い道のりでした。

 彼女のことがあって、そして同じようなつらい月経症状で来る少女に接して、私は講演の中で、生理痛を我慢しないようにと話した後で、必ず男子生徒に向かって話します。

「女性はこうして毎月のようにしんどい月経を耐えているのだから。女性をいたわらなければというのは、こういう所からも来ているのよ。それと、もしも血液でスカートやズボンを汚している人がいたり、ナプキンを落としてしまった子がいたら、そんなときには、決してからかったりしてはいけませんよ。」

 こんなことは、男子生徒にもきちんと月経の仕組みを学んでもらわなければいえることではありません。それなのに、まだ、いまだにというか、ここに来て、「女子生徒にだけ生理の話しをする」という小学校が出てきています。男子に教えると、変な興味を持つから、と。

 体を知るということは、決していやらしいことでも、はずかしいことでもありません。大人になっていく上でとても大切なこと。男性も女性も男性の体と女性の体双方をちゃんと知ること。それがすべての基本であると思っています。知った上でいい関係を作っていけるように。知らしめないからこそ、逆にゆがんだ興味を持ったり知ろうとして危険な行動を取ったりする男性も、かわいそうだと私は思っています。

 昨日の彼女、長い道のりをたどって来た彼女が、いつかは子どもを持てるようになったら。その時、私は本当に心から喜ぶことができるでしょう。それまで、彼女の体をささえながら、そっと見守りたいと思います。

 


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「SONY」「ソニー」はいけん。

 クリニックで起こっていることのシリーズは、まだ続きます。きょうはちょっと一休み。

 以前、トヨタの件に思うと書いたときに、トヨタと並んである企業のことも書きました。この記事です。そのことで。

 その世界的な企業「ソニー」なのです。丸ごとソニーのビルが、平和公園国際会議場の向かい、百メートル道路の一番川に面した角にあります。ここに荷物を運び入れるときには、ビルの後ろに駐車スペースがあるのですが、そこは使わず、ビルの前の歩道に車を乗り上げて、そこで荷物を降ろします。

 その車のために、しばしば歩道がつぶれます。

2010_03150015 2010_03150016 これは、一昨日、15日の朝、私が出勤するときの様子です。完全に歩道がつぶれて、通れません。向こう側には、小さい車も歩道に駐車しています。横断歩道の端もつぶれていますので、降りることも出来ません。そこ以外には、車道と歩道の間には段差がありますので、自転車を降りて、車道に出なければなりません。

 ビルからは、白いワイシャツ姿の社員の人も沢山出てきていました。これでは、歩行者が通れません。こんなとめ方をすべきではないのではありませんか。と言ったのですが、全く無視。社員達は、黙ってうでを組んで荷おろしを見ています。ウンもスンも、すみませんもごめんなさいも、何も反応がなありません。私は「写真を撮らせてもらいます。」と言って、写真を撮りました。

 翌日、昨日ですが、今日は駐車していないな、と思いながら歩道を行っていると、なんとその歩道の上を車が来ました。歩道で私とすれ違って、そしてソニーのビルの前に止まりました。私は自転車を止めてみていました。そしたら、運転していた人が私の姿を見て、歩いてきました。「何ですか。」といわれます。「どうされるのか、見てるんです。」と答えました。

 いつもお宅は歩道に車を止めて荷物をおろしますね。昨日も完全にふさがれて通れませんでした。お宅の会社が歩行者をどう見ているかということでしょう。写真も取らせてくださいねと断って撮りました。

2010_03160001 後姿の人が、私と話した人です。トラックの時にはビルの前の車止めをおろしていたのですが、小さい車の時はそんなことはしないで、丸ごと歩道の上です。この歩道に、時には二台も三台も止まります。

 荷おろしの時は、歩道に止めてもいいものなのでしょうか。今、道交法がどうなっているのか、ネットで調べてもよく分かりません。貨物をおろすのは五分以内とか、そんなのは書いてあるのですが、歩道上というのがいいのかどうか分かりません。

 それがどうであるにしても、トラックがふさいでいた時、私が言ったときに、しらっとして一切なにも言わず、無視した人たちのことは忘れません。もし車椅子の人がここを通ったら、どうするのでしょう。世界の大企業が歩行者や弱者をどうみているのか、底が見えた感じがしました。一地方の出来事ではありますが。

 夫は苦笑して、「うるさいおばさんだと思ってるだろう」と言いました。ウン、うるさいばあさんなのよ。昨日、今日だけのことではないのよ。いつもいつもこうなのだから。もう、歩道が駐車スペースだと、それが当然のようにしているのが、どうにも我慢できん。個人がしているのなら、私も何も思わないけれど。これは会社ぐるみだから。それも、世界のソニーだから許せんのよ。といいました。

 と言っても、私に出来るのは、せいぜいこの写真をこうして私のブログに出して、自己満足するだけのことです。そして、ソニーの製品は買わないようにする、一人不買をひっそりとするだけです。クリニックのスタッフに写真を見せると、みんなそろってこれはいけん。警察に言うか、会社のえらい人に言うかした方がいい、と言います。そこまでしようとは思いません。私は何者でもなく、ただ、毎朝ここを通って通勤している一歩行者に過ぎません。やっぱりこまでが限度です。


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今クリニックで起こっていること。⑥中絶は殺人?

 今日は、クリッニクで起こっていることへのコメント、鉄人様へのお返事をこの蘭に書かせていただきますね。

「中絶は殺人」これは、とてもよく言われることなのです。でも、これは私の中ではもう解決済みのことです。

 鉄人様、まず真摯なコメントに感謝します。でも、あなたがおっしゃることは「仏教の考え方」に限ったことではありません。キリスト教の一部の人でも、統一協会の人でも、他の宗教の中でも。それから、宗教とは関係なく、極右翼の人、性教育に反対の人、等にさんざん攻撃されて来ました。

 まず、私は、名前も戴いている仏教者です。仏陀の教えでも、あなたのように「原理主義」になると、教えがともすれば人を救うのではなく「追い込むこと」につながるものです。

 私は長い間の実践の中で、正直大変悩んだ時期もありました。それもあって、お寺の門を叩いたものです。そして、少なくとも、「中絶で儲けている」ことだけは拒否するため、この20年間、中絶はしておりません。ただし、他のドクターに紹介はしております。同じことだといわれるかも知れません。それも承知の上です。

 それでも、私のような立場の者は、原理で人と向かい合うことは出来ません。人それぞれ。それぞれの立場で、背景も環境もみんな異なる方たちがやってきます。まずそのすべてを受け入れることから始まります。私は、自分の意見を無にして、私のところに来た人たちの話しを聞きます。

 私の前で呆然と立ちすくむ少女たちすべてに、「中絶は殺人だから生みなさい」なんていえるわけありません。妊娠してしまったということが、どれだけ重いものなのか、おそらく頭だけで考えている方には分からないでしょう。その事実の重さに、自らの命を絶とうとする子もいます。

 みんなが喜んで中絶を受けているとでも思われますか。若い人だけでありません。一番中絶を受けているのは、20代、それから30代、10代、40代と続きます。その誰にとっても、とても重いものです。あの産婦人科の診察台に上がることだけでもどれだけつらいことか。゛てもね、その人たちは「中絶があるから妊娠した」訳ではありません。そもそも、妊娠すると思っていないのです。そこに、性に対しての甘さがあります。そもそもが、「性」は生殖なのだと教えなければ、というのです。

 「どんな事情であろうとも、妊娠したなら、それはすべて産むべき。」それなら、もしもレイプされて妊娠してもそうなりますね。

 私がよくいうことなのですが、「女のみがみごもる」立場にあるのです。鉄人様は、すべて妊娠した女とその親が育てるべき、といわれます。男性はどうしたことでしょうか。すべての胎児に、父親がいるのですが。その父親の立場を忘れていませんか。なぜ女性だけが引き受けなければならないのでしょうか。

 そのようなことが抜け落ちた鉄人様の考え方は、ともすれば女性差別につながるものです。

 事実の重みの中で、その人が中絶という選択をしたなら、それはそれで尊重しようと思います。その選択の陰には、相手の男性、取り巻く大人たちの事情、それらが含まれての選択なのですね。

 つらい立場になる女性が少しでも減るように、と私が性教育の必要性を言い続けているのは、数々の女性達と向き合い続けてきた心からの叫びでもあります。

 学校に期待するなといわれますが、それも事実をご存知ないからでしょう。ある宗教者と〇〇会議という、性教育をさせまいとする勢力があり、それが政治を動かし、文科省を動かしたという、そして教育現場で、ひどいバッシングが行われてきたという事実があり、その勢力と厳しい戦いをしているところでもあります。

 学校でなく、親にその期待をしたいところですが、教師と同じように、わが子に自信を持って教えることができる大人達がどれだけいることでしょう。皆さん、わが子にことが起こって初めて呆然とされるのですよ。教えることができる人は、それでいいのです。でも、それは学校での性教育不必要ということにはなりません。

 もし、私たちが「中絶はこれでおしまいです。もう私たちは二度と中絶はしません。」と道具を捨てることが出来るときがきたとしたら、それは「望まない妊娠をする女がいなくなった時。望まない妊娠をさせる男がいなくなった時。」そのときこそ、私たちは本当に心からの笑顔で「中絶終了宣言」をすることが出来るでしょう。

 鉄人様、仏陀の教えはもっと心が広いものです。原理だけでは人は生きていくことが出来ません。そもそもお釈迦様が生まれたときには、「受精」なんて概念もなかったし。殺生を禁じていても、人は他の動物と同じように、他の命を戴いて生きる生き物でもあります。(鉄人様は、菜食主義者ですか?)生きることそのものが、それだけ罪深い物なのですね。

 罪を重ねながらでも、それでもまた立ち直って強く生きていけるように、私は、少しだけ、その手助けをしたいと思っています。時には、あまりにその事実の重みに私自身がおしつぶされそうになることがあります。この人にとって、どうすれば一番いいのか、その試行錯誤の連続でここまで来たといえるでしょう。


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今クリニックで起こっていること。⑤男性は逃げられる。

 悩んでいるうちに時が経ってしまった、という少女達。もう少し早く誰かにS.O.S.を求めたなら、といつも悔やまれます。身の回りに一人として相談を持ちかける人がいないというのも現実なのですね。

 彼女達の多くが、「妊娠週数、月数の数え方、いつごろが出産の予定日なのか、いつまで中絶が可能なのか」そんなことを本当に知らないということもあります。よくマスコミで芸能人の誰かが妊娠何ヶ月だと公にした、という事など言われますが、その数え方などだれにも教えてもらっていません。特別な数え方をするということも知らないのですね。

 私の講演はあれもこれもつたえなければ、と、盛りだくさんになってしまいます。「性交から二週間で妊娠二ヶ月という」なんて言うと、中学生も高校生もざわざわとびっくりしています。

 今回の17歳の彼女は、すでに相手の男性と別れています。一人で育てる意志も持っていません。付き添ってきた父親は、本人に育てる意志があれば、何としてでも援助をするのだけれど、といわれます。

 その彼女のいい加減さが私はとてもいやでした。これまでの少女達は、「なんとか自分で育てたい」と言い、ではどうやって育てようかという段で、壁にぶち当たってしまっていました。私は、彼女達親子にどこか施設で預かって頂くように、児童相談所で相談を、と言いました。

 でも、考えてみれば、生まれてくる赤ちゃんに罪はありません。親の態度がどうであっても、それは赤ちゃんの責任ではないのです。そう考えて近藤さんにお話しすると、二つ返事で引き受けてくださいました。近藤さんに励まされて、私も目が覚めたように思い直すことが出来ました。生まれてくる子は幸せになる権利があると。

 もちろん、産む少女は、まだまだしんどい思いをしなければなりません。「あなたは、赤ちゃんを元気に産んであげる義務があるよ。それが赤ちゃんにしてあげられる最大のことだからね。頑張ってね。」と話しました。養子として行き先が決まったことを告げると、親子で泣かれました。

 そして、いつも思います。もしも妊娠の相手の男性が「よし、頑張って二人で育てよう」と言ってくれたならと。このように、養子縁組をするケースは、決まって男性が逃げた場合です。もしも二人の仲が続いていたなら、決して養子縁組のお世話はしません。

 赤ちゃんポストにしても、預ける人は無責任だと、世間は女性ばかり責めています。私は、その一歩前に先に逃げた男性がいることを知っています。男って逃げられるのですね。もちろん、多くは間に合って人工中絶に終わります。出産、養子縁組というのは、全体から見ると小数です。

 数々の少女達に接していて、つくづく男性の教育も大切だとそう思うのです。


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今クリニックで起こっていること④やむを得ずの出産。

 今、東京にいます。また昨晩仕事を済ませて最終の飛行機でやって来ました。今日も、避妊や性教育などの大切な会合があります。

 揺れる飛行機の中で昨日のことを考えていました。いつも土曜日はそうなのですが、昨日もとてもしんどい一日でした。

 昨日一日だけでどんなことがあったかと。「河野は、めったにない特別な出来事を、さもよくあるかのように言って騒ぎたてる」と言った人が(どこかの校長)がいました。

 昨日も、中学生がお母様に連れられてやって来ました。彼女は携帯は持っていません。でも、友人が携帯で掲示板で知り合った人を彼女に紹介し、その人について行って性交があったということでした。

「ねえ、子どもが小さい頃は、『知らない人について行ってはいけません。』てよく言うけれど、中学生になったとたん、どうして知らない人でもついて行ってしまうのかしら。」と、私はスタッフに言いました。それを考えていました。

 もしかして、友人から紹介された人は知らない人ではないのかも。「よく知らない人」「よく知っている人」の境は何なのだろうか、と。

 それから、そのことを彼女は親に言っていませんでした。そんなことがあったときには、親には言えないものなのですよ。一人抱え込んで悩んでいるだけなのですね。今回は、たまたまその男性を調べた警察から連絡があって、親も知ったということです。

 お母様に、今、学校でもそんな教育していないということ、「まさか、自分の家の子iはそんなことは起こるはずがないと、そう思っていませんでしたか?」と言いましたら、おっしゃるとおりです、といわれていました。

 また、昨日、近藤紘子さんがクリニックに来られました。先日、宝塚に行ったときにお会いしてお願いしていた養子縁組の具体的な打ち合わせです。私は、育てられない出産をしなければならない人の養子縁組のお世話をしています。産んだ本人と、生まれてくる赤ちゃんのために、一番いい方法をと考えた末の、やむを得ずのことなのですが。

 もう沢山の赤ちゃんが新しいお父さんお母さんの元に引き取られて育っています。国内の養子縁組の手続きは私がしますが、海外に行くときには、近藤さんに手続きをお願いして来ました。彼女は、元流川教会の谷本清牧師のお嬢さんで、アメリカの大学で国際間養子縁組の勉強をした人です。被爆者である彼女の著書「ヒロシマ60年の記憶」は彼女のこれまでの生きてきた軌跡、すごい半生がつづられています。

 私は、近藤さんの弟と高校が同じクラスでした。高校時代にその彼と一緒に子どもの養護施設にボランティアに行ったりしていまた。そのご縁で、このようなつながりが出来たのです。

 今回のお願いは、やはり一人抱え込んで悩んでいた少女、来院したときには、もう人工中絶が不可能な時期になっていました。相手の男性とは、もう連絡も取れません。きっとその男は、自分の子どもが生まれるなんて知らないことでしょう。

 先日、高校生で、やはり産むしかなくなってきた少女(この少女が学校を退学させられることになってしまいました)、中学生で出産を決心した少女、そしてこの養子縁組をすることになった少女が同じ日に来たことがありました。

 普通の診療をしながら、これらの少女達の対応を本人と付き添いの方と共に話し合い、考えるというのは、本当にしんどいことでした。現場はどんなに大変なことか。

 こんなとき、「めったにない特別なケースを取り上げて・・・」と言った校長の事が頭に浮かびます。

 そろそろ会合に出発しなければなりません。次回、この養子縁組のことを書きますね。


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今クリニックで起こっていること。③プライバシーをさらけ出すということ。

 今、出会い系サイトや掲示板で、メールアドレスを教えてと言われると、簡単に教えてしまいます。

「メールの交換だけでは決して終わらないよ。これは、会おうというもの。会う目的は?これはセックスです。はっきり言います。セックスが目的です。」

と私は言います。

若い人たちは、「会ってもいジャン」と言います。「会ってみて、感じ良かったら、まあねカラオケぐらいいってもいいか、ご飯くらいおごってもらってもいいかね。」と、会うことも簡単にO.K.してしまいます。「感じ悪かったら、黙って帰ったらいいんよね。」と。

「会っただけで人を判断できるほど君達はまだ成熟してはいないよ。私くらいの年になって患者さんと話しをして、ああ、彼女はいろいろな社会を背負っているなと、やっと何となく分かるようになってきて、でも時々はだまされたりするけれど。」「君達はまだ未熟です。」

 だって、簡単に、本当に簡単にだまされているのです。男性の年齢だって、職業だってでたらめ。独身と言われたのに。子どももいたとか。こんな例は本当に沢山あります。

 優しそうだと思ったのに、ホテルに行って、相手がガラリと変わった、殴られてけられて、ほほや鼻を骨折した子もいます。

「いいか、密室に二人っきりになるというのは、命を危機にさらすこと。声を上げても聞こえやしないよ。いざ逃げようと思ったって逃げられやしない。」

人を疑うことも知らないような若い子をだまそうという意図を持って接触したなら、これは簡単なことなのですね。避妊もしないセックスなんて、これもざらなのです。

 そして、今やこんな行動をする子は、決して一部の「家庭的にめぐまれない子」ではありません。何にも問題のない家庭、経済的にも、学力も文句のつけようもないような子だって、好奇心から初めてしまう子もいっぱい見て来ました。「家の子に限って」はありえないのです。家の子だってそんなことになるかも知れないと考えないと。

 教師の中には、「内の学校の生徒はそんなバカなことをする子はいない」と言う人がいます。とんでもない、どんな環境の子だって、事件に巻き込まれることはあるのだと、そう考えて教えておかないと、と思います。

 そもそも、セックスって、会っただけですぐできるような、そんな甘いものではないと思うのです。「この人はどんな人なのだろう」と、びくびくしながらの性って絶対に素敵な性にはなりません。素敵な性って何だろうと、そんなことも絡めて、私は話をします。相手に対しての警戒心もすべて解き放って、心から望んでの性でこそ、と思うのです。だって、性って、究極のプライバシーをさらけ出すことなのですから。

 いまや大人だって、それから男性だって、サイトで知り合って二人切りになって、殺されてしまうという、そんな時代です。

 「携帯を持つな」ではなくって、いつかは持つのだから。持ったときの心構えを、たとえば自らのプライバシーを守ることの大切さ、世の中には善意の人ばかりではないということも含めて、しっかり伝えたいのです。

 報道されないところ、知られないところで、「出会い系」や「掲示板」を舞台にした事件が次々と起こっているです。私の現場だけでもそうなのだから。ですから、私は黙っていられないのです。性教育の講演の中で、こんなこともしっかり話します。

 でも、教育の現場で「セックスという言葉は使わないで下さい。」セックスも、性交も、一切言葉を使ってはいけないと、すべて「性的接触」と言ってください、と。こんな制限をつけられてしまうと、もう話しは出来ません。これが今の教育界の現状というか、文科省の指示なのです。それからはみだしてでも、生徒に伝えて下さい、とそういうところでしか、話が出来ないのです。

 


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今クリニックで起こっていること。②出会い系サイト、掲示板。

 以前は出会い系サイトでしたが、今危ないのは「掲示板」です。掲示板で連絡があったら若者達は、簡単に自分のアドレスを教えるし、会おうといわれれば簡単に会います。

 彼女は、子宮の内膜炎を起こしていました。まだ幼い子宮に細菌がどっさり入ってしまった様です。菌が何なのか、淋病やクラミジアなどの性感染症なのか、それとも雑菌なのか検査をしますが、とりあえず抗生物質の内服で治療です。

 コンドームを使うこともなくの行為ですので、全く無防備です。炎症だけでなく、妊娠の心配もしなければなりません。

 「妊娠は心配ではなかったの?」と聞きました。それを彼女は相手に言ったのだそうです。そしたら、相手の20代の男は、
「妊娠なんかするわけがない。そんなことは言わないでくれ。」と言われたのだそうです。「どうして?なぜ妊娠なんかしないのだろうか」と聞くと、分からない、と彼女は答えます。

 まだ時期が来てみないと妊娠しているのかどうなのか分かりません。

 中学一年生とは言え、生理がある体ですので、妊娠してもおかしくありません。

 私は腹が立ちました。こんな幼い子に何をしてくれるのか、と。もしも妊娠していたら、それを彼に告げたなら、きっと男は、携帯を変えて、連絡がつかなくなるでしょう。そうなってしまったのを、何人も見てきました。中絶の相談も、同意書のサインも、お金を出すことも、何もしないで逃げてしまいます。

 これは、犯罪です。彼女の同意があったとしても、青少年健全育成条例違反となります。犯罪には、犯罪としての対処をしてもらいわなければなりません。

 お母様と相談した上で、彼女の説得です。彼女は病気になってしまったことでショックを受けています。おなかも痛くてつらい、こうなったのは、なぜなのか。それにまだ今は分からないけれど、妊娠の心配もあります。あなたがそうなったのはなぜなのか、あなたをこんな目にあわせた男は、いい人なのか、あなたはこんなにしんどい思いをしているけれど、男性は、何かつらいことがあるのだろうか。そんなことを順々に話しました。

 治療は私がします。後は、警察が何とかしてくれるでしょう。

 私は、こうなる前の教育が必要だと思っています。無防備な若者達に密室で二人っきりになるのはとても危ないことなのだと教えなければと思います。ただ携帯を持たないようにというだけでは何の解決にもなりません。

 私が中学生や高校生に話すときにどう話すのか、以前すでに話しているのですが、次回もう一度その話しをしたいと思います。


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今クリニックで起こっていること。①中学生、高校生の出産

 今、私のクリニックでは、いろいろ大変なことが起こっています。患者さんの個人情報に当たることは公表できませんので、私も慎重になります。でも、それであるがゆえに、状況が知られていない、だから性教育の必要性もさっぱりわかって頂けないというもどかしさを感じています。

 当事者が、どこの誰なのかはわからないように心を配った上で、ある程度お話するのは許されるのではないか、と思っています。

 昨日、二人の高校生が診察に来て、無事卒業式を終えた、と言いました。良かったねえ、よく頑張ったねえ、と言いました。二人とも、もうすぐ赤ちゃんが生まれます。そのことは、学校には一切知らせていません。

 本来なら、学校にも知らせて、体育などの配慮もして頂いたほうがいいのでしょうが、そうすることは怖いのです。それを知った学校がどう判断するのかが分かりません。二人とも県立高校ですが、生徒の妊娠を学校がどう受け止めるのか。せめて知らん振りしていてくだされば、それはそれで個人で工夫が出来るのですが。

 「退学しなさい」ということが現実にあるものですから。これは、30年前と全く変わりません。だまって中絶すれば、学校は続けられます。産もうとすると、続けられません。

 高校生で、一人悩んでいるうちに、時期を失してしまった、もう出産するしかないとなって初めてクリニックに来た子がいます。やむを得ずの出産です。

 相手の男性も同じ県立高校の生徒です。家族が学校に相談したら、何と、二人とも退学になってしまいました。他の生徒に与える影響が、というのが理由です。かわいそうなことになってしまいました。彼は、大学に行って教師になりたいとの希望を持っていました。

 多くの人は自業自得というでしょう。でも、それならチャンと教育すべきだと思うのです。

 性は生殖であるということ。妊娠はするものなのだと。

 妊娠してもいいのかどうかをしっかり考えろと。

 それに避妊も。避妊は決して簡単なものではないのだと。必死でしなければ妊娠はするものなのだと。

 避妊を教えるとセックスをしたがるではないか、という人がいます。とんでもない、避妊をいい加減に考えているから、行動をとっているのですよ。ちゃんと知るということは、行動も慎重になるということなのです。

 そういい続けて、30年。事態はちっとも変わりません。いえ、性教育を巡る状況はますます後退し続けています。

 私のクリニックでは、高校生同士だけでなく、いま中学生のカップルで出産する子もいます。中学なんて、避妊は教えてはならないことになっているのですから。いい加減な知識で、妊娠なんてしないと思っているのですから。学校は、やはりこのことを知りません。彼女も彼も、具体的な将来の職業の希望を持っているのですが、すべて諦めなければならなくなりました。

 先日、中一の女の子が掲示板により知り合った男性と何回か性交をして、そして猛烈な腹痛で来ました。明日はこの子のことについて書きます。

 


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企業の方に更年期のお話をしました。

 昨日は、診療後ある企業の社員対象で「更年期」の話をして来ました。会場はYMCAの貸し会議室です。私は、これで三日連続YMCAに行きました。日曜日は会議で。月曜日は韓国語の教室で、そして昨日です。YMCAは私の第二の職場か、と思いながらいきました。

 日ごろ、私の講演は性教育や癌の話など、ほとんど聞いて下さるのは女性なのですが、このように企業で設定して下さると、ほとんどが男性です。これは、とてもありがたいことです。男性達が、女性の体のリズムや、そのリズムが保てなくなった時の変化などについてしっかり知識を持ってくださると、世の中ずいぶん変わるのにと思います。

 単に医学的な話しだけでなく、特に、熟年以後をどう二人で生きるのか、それを準備するためにも、若いうちからの会話の必要性をしっかり話しておきました。

 遅くに帰って、遅くから「やまとの湯」です。疲れていて、お風呂で眠くなりました。そこで、外のすのこに横になりました。寒ーい中、短時間ですが、眠ったようです。寒くて目が覚めました。

2010_03080004  一昨日の昼、国際ホテルの向かいの「swallow tail」でランチです。私は、「五色の卵かけごはんセット」。五穀米におかずが4品とお味噌汁。コレで500円。大満足です。

 ここは、毎月6日に被爆者の語り部をしています。二階に沢山の聴衆が集まります。このような活動を継続してする人には、本当に脱帽です。

 ランチは、一階のカウンターか、二階のその会場かどこででも食べられます。私は、背の高いカウンターは苦手なので、二階のテーブルに座りました。

2010_030800052010_03080006 姉は、千円のプレートランチ。ランチの後には、200円出すと、アイス最中と飲み物がサービスされます。私たちはコーヒーにしました。 たっぷりのコーヒーです。結局私は700円で、デザート、コーヒーまで戴くことができました。他にもどんぶりなどのメニューが色々とありました。お勧めです。


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夫のいらいら。はた迷惑。

 ここのところ、夫の機嫌がよくありませんでした。何かにつけて、ぶつぶつと文句ばかり言います。いらいらいらいらしているようでした。人のアラが目立つのでしょうか。いちいち注意をされるので。

 「もう、うっるさいなあ」これに「ちぇっ」をつけると、なんだかオリンピックの若い好青年のようですが。そんなことも私は一人つぶやいていました。私だって、目いっぱい仕事をして疲れて帰っているのに、あれこれ言われると、うんざりです。もちろん、彼に向かってはそんなことは言いません。私は黙ってその場を離れて一人自分の部屋にこもります。

 仕事が済んでも、すぐに家に帰りたくない男性達の気持ちが初めて分かったように思いました。これまで、私は仕事を済ますと大急ぎで家に帰るのが義務でした。帰りたいも帰りたくないもありません。帰らざるを得なかったので、そんな気持ちになることすらありませんでした。本当に初めて、家に帰るのが憂鬱だと思いました。

 原因は分かっているのです。彼の「歯」です。歯の調子が悪くて、いつも鏡を見ていました。歯医者に行くように言っても言っても行きません。自分でなんとかしようとあくせくしていました。そして、私に当り散らすのです。

 今日こそ、彼を歯医者に行かせよう。いつもの罹りつけ(と言ってももう何年も行っていないなのですが。)の先生に私から電話で頼もうか、姉が上手だと言っていた近くの先生のところに行くように説得しようか、と。罹りつけの医師は、遠くて、私が送り迎えが出来ないときは、バスで一時間近くかかって行かなければなりません。彼は運転しませんので。でもそれだけでなく、行かなければいけないのに、何年も行かなかったので、行きにくいのだと思います。自転車で家に帰りながらあれこれ考えていました。

 ところが、家に帰ってみると、お寿司があります。「あれっ、これ、どこのお寿司?」と聞くと、「おんまく」と言います。いったい、どうしたことでしょう。そんな遠いところのお寿司。もしかして、と思ったら。

「歯医者行った!!」と大笑顔で答えます。行きつけの歯医者さんは、五日市でおんまくのそばなのです。とうとう決心して歯医者さんに行って、治療してもらったのだと。4時間もかかったそうです。そして、おんまくのお寿司を買って帰ったと言いました。

 それで、彼の機嫌もすっかり直りました。明るくなりました。本当にほっとしました。

 「歯」の調子が悪いと、それだけでうつ病になることもあると聞いていましたが、マサにそうでした。大いにはた迷惑でした。もう、これからも続けて行ってね。ちゃんと終わりまで直してもらってね。としっかり念を押しておきました。


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高田昇先生の退官記念の講義です。

 広島大学の高田昇先生がこの3月いっぱいをもって退職されます。原医研内科の、血友病の専門医として診療にあたられていた先生を大変な事態に巻き込んだのが、輸入血液製剤が「HIV」、エイズウイルスに汚染されていたという事実です。

 私は、先生とは、21年の付き合いになります。その汚染の事実がわかったときからの先生の仕事を見続けさせて頂いています。診療のみならず、患者会、ボランティアグループ、様々な場で、どれだけ先生の涙を見たことでしょう。

 エイズメモリアルキルト、24時間電話相談など20年前のイベントがつい先日のように、熱く思い出されます。

 先生は、定年退職ではありません。これからは、少しでも楽になられるでしょうか。

 定年退職の教授には、退官記念の講義がセットされますが、高田先生はそうではないので、記念の講義はありません。

 その代わりに、「広島大学教職員向けエイズ講演会」『ここまできた!広島大学病院のエイズケア』が開かれます。ここに案内があります。教職員向けということですが、どなたでも参加出来るそうですし、事前の申し込みも不要。直接会場に来てくださいということです。3月25日(木)17時半から19時まで。広島大学医学部第4講義室です。

 幸い、私も休診日で、参加できます。この日にセットされたことを心から感謝します。皆様、ご一緒しませんか。広島大学での先生の最後の講義を心して聞きたいと思います。


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連携医交流会にて。

 今日は(すみません、もう昨日です)、診療後、中電病院の連携医交流会に行きました。小町クラブという中電の社員用の自前のビルの6階という、すごいところでの会です。超豪華。中電ってお金持ちなんだということを改めて感じました。

 そこでの中電病院の放射線科のPET・CTのお話しは勉強になりましたし、面白い。続いての内科の先生、診断に苦労された症例の話しもやはり面白い。他の科の先生方のお話を聞く機会は余りないので、単純に面白いと思いました。

 また、中電病院の方たちだけでなく、いろいろな方たちにお会いしました。30年以上ぶりにお会いした先輩の先生。若く素敵なイケメンだった先輩が、白髪の素敵な紳士になっておられてびっくり。それだけこちらも歳をとっているのだわ、と思い知りました。

 また、緩和ケア医の高橋先生にお会いすることが出来ました。義弟の病状が悪化したときに大変お世話になりました。かかっていた病院のドクターの対応がどうにもならなくて、先生にSOSをし、痛み止め処方して頂きました。そして、貴重なアドバイスも戴きました。ブログの上でしかお礼を言っていませんでしたので、改めてお会いして御礼を言うことが出来て、ほっとしました。

 同級生や後輩の女性の医師にも何人にもお会いして、お互い頑張っていることを確認したり。でも、いつやめるかねえ、私たちには定年がないからねえ、体が動く間にやめてナンか楽しむということもしたほうがいいかもねえ、なんて話しにもなりました。

 そして、極めつけです。広島HARTクリニックの向田先生と隣同士で座ってひとしきり話すことが出来ました。先生には、とても困難な人を紹介しては、妊娠させてもらっています。先生のおかげで、とても児はもてないような人が、何人もちゃんと児を産むことが出来て、本当に感謝です。

 それにしても、もっと日本は、子どもが欲しい人に対して、寛容になってもいいのにねえ、子どもは社会の子どもとして、みんなで育てるという意識で。だって、血の問題を重視するあまり、エッグドナなどはとても難しい状況になっているのだから。どうしても倫理委員会を通らなくって、子どもが持てない方たちも沢山いるのよねえ。そんな話しで盛り上がりました。それに、不妊治療の役に立つ情報も教えてもらいました。

 中電ねえ、原発ねえ、そんなおもいも少しあったのてすが、行ってみてよかったです。狭いクリニックに閉じこもってこれまでの知識の切り売りばかりするのでなく、いろいろな人と情報交換するというのは、大変勉強になります。いろいろな意味で。

 明日は午後からまた大切な会議です。これも色々な業種の方たちとお会いします。楽しい会ではないのですが、大切なことなので。それに気の合った人たちとの会です。それが何よりです。


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「3・3・3」サムサムサムが7周年

2010_03050002 すみません。撮影が下手ですが。堺町の電車通り、「むさし」の少し南側にある韓国料理の「3・3・3」サムサムサム、私の好きなお店です。今、7周年のセールをやっています。

 中でも大好きなホルモン鍋のコース3500が2500円とあっては、行かずばならぬ、で、水曜日の夜、翌日が休診日ですので、夫と姉との三人で行ってきました。

 ホルモン鍋のコースは、ホルモン鍋のみならず、キムチの盛り合わせ、ナムルの盛り合わせ、トッポッキ、チャプチェ、ビビンバ、チジミ、プルコギなど、韓国の家庭料理のほとんどが並びます。

 とても食べ切れません。残ったのは、もちろん、お持ち帰りO.K.です。美味しかった!!ここのホルモン鍋、ぜひお試しあれ。もっとも、初めての方は、少し唐辛子の辛さを控えてもらった方が美味しいかも。お料理の一部の写真をアップします。鍋は、火を入れると真っ赤になります。

2010_030400022010_03040004                 2010_03040005 お部屋は個室にしてもらいました。掘りごたつ式ですので、足も大丈夫。個室は、何人でも大丈夫。歓送迎会にもつかえそうです。

まだこれにトッポッキやチャプチェなどがあります。

2010_03040003


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甲奴中学での講演でした。

 今日は、三次市甲奴中学での講演でした。久々に車の遠出です。甲奴というとルートがいろいろで、どう行くのが一番いいのか迷いました。学校に電話をしてお伺いすると、やはり三次を通るルートが一番分かりやすいということでしたので、そう行くことにしました。

2010_03040010 雨の中のドライブです。途中、安佐のサーヒースエリアで、おむすび一個とお茶を買って、それをかじりながら、そして韓国語のCDを聞きながらの運転です。

 ここでの講演は、昨年11月に予定していたのですが、新型インフルエンザの流行で、中止になっていました。でも、そのまま中止ではなく、ちゃんと改めて設定して下さってうれしかったです。音楽室のじゅうたんに座って聞いてもらいました。生徒と、保護者の方たちも沢山お見えでした。

 生徒達はよく聞きました。今、中学生が大変。私のクリッニクでは、中学生のトラブルが後を絶ちません。まだまだこれからの彼ら、彼女達にこそ聞いてほしいのです。高校では、もう遅すぎます。一番知りたい、興味深々の時にこそ、聞いて欲しいのです。生徒達の真剣な目をみながら、本当に気持ちよく話しを終えることができました。

 帰りはまた、三良坂を通って、三次へのルートです。途中、昨年の三良坂中学の生徒と保護者への講演のとき、気になっていても寄れなかった三良坂平和美術館に寄りました。

2010_03040011  山代巴記念館がある建物、三良坂コミュニティセンターの隣にその美術館はあります。ここでは、柿手春三先生の常設館が設置されています。

 柿手先生は、私の観音高校時代の恩師です。三良坂出身の先生が亡くなった後、三良坂に寄付された先生の作品を、順繰りに展示してあります。柿手先生は、東京で活躍された後、広島に戻って活躍されています。

高校の教師を退職された後、海田湾埋め立て反対の住民運動の会長として頑張っていらっしゃる様子をマスコミを通じてみていました。会場には、その美しい海田湾の絵も展示してありました。

2010_03040018                    2010_03040016

柿手先生は、1955年、四国五郎さん、下村仁一さん、そして私の中学時代の恩師でもある増田勉さんらと、広島平和美術協会を設立し、第一回広島平和美術展を開催しています。写真をクリックして拡大してみてみて下さい。とても素敵な言葉が書かれています。

 いつも穏やかな笑顔を浮かべていた先生がこのような行動家であったとは、高校時代の私は、つゆほども知りませんでした。卒業後も何回かお会いして言葉を交わして頂いていますが、もっともっとお話を聞いておけばよかったと、今になって思います。

 また、山代巴記念館のみならず、このような美術館を設置している三良坂という町は、本当に尊敬します。

 閉館ぎりぎりまでゆっくり見させていただいた後、帰りは三次ワイナリーによって少し買い物です。こうして、すっかり旅行気分で家に帰ったのは、もう7時を過ぎていました。

 


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海原純子さんのエッセイからー経営ということー

 海原純子さん、私より少し若いドクターだ。以前女性専用のクリニックを開業していたし、現在は大学の教授であり、ハーバード大学の研究生でもある。今、彼女は毎日新聞の日曜版に「心のサプリ」というエッセイの連載をしている。これが好きで、どんなに忙しくても、どこかに行っていても、必ず読むことにしている。彼女の言うことには、すべて共感ができる。全く違和感がない。

 その一番最近の、二月の最終日のエッセイは「JAL破綻に思う」というタイトルだった。今、彼女はボストンにいて、日本と行ったり来たりしているが、外国にいて、JALが飛んでいる場所に行くと、ホッとすると。外国の飛行機会社に比べて、JALは本当に親切だと。それは、海外には旅行に行くのみで、生活はしたこともない私だって、感じることだ。その「利用者への共感性」ゆえにJALは破綻したのではないか、と書かれている。

 その記事の中で、びっくりしたことが書かれていた。少し引用を。

「〝人間"とかかわる仕事は、経営と仕事の質の保持が相反することが多く、それは医療ととてもよく似ている。/かつてクリニックを経営していた時、クライアント(患者)にきちんと説明できるようスタッフを増やし、各専門家に給料を十分払っていたら、いつも赤字だった。いい医療といい経営とは、はっきり言って別物だ。」

 本当にびっくりした。私がこの間、苦労して、考え続けていた、そして時にはいやになることもあって。彼女も同じ苦労をしていたのだと初めて知った。テレビなどで活躍していた彼女からは、本当にハタから見ていたのでは、分からなかった。

 四月から診療報酬が改定されるという。病院の勤務医と開業医の格差をなくす、故、開業医の再診料を下げ、病院の再診料を上げると。他にもいろいろあるらしいが、これは今度ある説明会に行ってみなければ分からない。

 分かることは、ますます経営が厳しくなるだろうということだけだ。私の給料はドスンと下げ、理事の給料も下げても、やはり経営が厳しいことに変わりはない。少し余分なことをして、報酬をアップさせるような努力は、どうしても出来ない。良心的な医療をしようとする、それは私のプライドでもあって、医師として生きる最も基本である。それをゆがめようとすることは、プライドを捨てることでもある。

 勤務医は、いろいろと苦労があることは分かる。開業医だって、みんな勤務医の経験者であるのだから。でも、勤務医時代は、私は経営に頭を回すことはなかった。人を雇う、どんな人を、どれだけの給料で、と頭を悩ます必要もなかった。どの薬、どの機械をどこからいくら買えばいいのか、こんなのは、みんな診療の時間外にすべき経営者としての仕事である。そんな苦労をしなくて済む勤務医がうらやましいのも事実である。

 海原さん。アメリカと日本をいったりきたり、若い学生を相手にして、時には歌手としてのコンサートもして、すっかり生き生きしている今の生活が、私にはとてもまぶしく見える。クライアント、患者さんを毎日診療をしていた生活と、今の生活と、充実度はどうですか?と聞いてみたい。


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ランチ二つ。「しらかわ」と「みんごろう喰堂」。

 今日のテレビは、うーん、ちょっとがっかりかも。でも、私がどうこうでなく、見た方が検診を受けようという気になってくだされば、出たかいがあったというものです。

 月始めの恒例、保険の請求のレセプト、締め切りが迫っている原稿、もう、パニックをおこしそうです。

 今日のお昼、ちょっと時間があったので、花かんざしさんのブログで教えてもらった「あん庵」にランチをたべにいきました。そしたら、あら、今日はもうおわりました、ですって。午後一時半で、本当は二時までなのだけれど、もう御飯がなくなってしまってだそうです。あらまあ、せっかく遠くまで歩いてきたのだから、では、と、そのそばにあるおそばの「しらかわ」に行きました。久しぶりです。

2010_03020003 日替わりの定食、食べ切れませんでした。850円。ここのおそばのおつゆは少し甘めで私は好きです。

 そばと御飯両方は多すぎました。でも、いろいろと食べたいし。もう少し、女性向けのちょっと小盛の定食がないかなあと思いました。

 そしたら、今日の夕方、ホームテレビで「しらかわ」のことをやっていたので、びっくり。今度は、今日紹介されたごぼう天のそばを食べてみようと思いました。

2010_02250001  数日前に行ったのは、ここ。私のクリニックのすぐそばの「みんごろう喰堂」。県民文化センターの向かいの100円パンやさんの角をサンモールに向かって入ってすぐ。お昼は階段を上がって二階にいきます。若い女性二人でやっていました。ホルモン炒めの麦とろ定食です。とろろを御飯にかけて食べます。それも美味しいし、ホルモン炒めが何とも美味です。これで650円は安い。それに帰るときに次にきたときのためにコーヒーの無料券を戴きました。次からは、コーヒーもついて650円ということになります。それと、写真に一緒に撮ればよかったのてすが、どーんと大きなジョッキで氷の入ったお茶を出してくれます。これがおしゃれです。

 すぐ近くにこんな素敵なランチがあるなんて、全然知りませんでした。まだまだランチは開拓の余地があります。


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東京でのマッサージと北京ダック

 先日の東京でのことです。都会の人はよく歩くとみんなが感じることではありますが。今回も私もとてもよく歩きました。会議の場所は汐留。日ごろ、場所がよく分からない時にはタクシーを使ったりします。でも、その日はちょうど東京マラソンの日なので、地下鉄を乗り換えながら、標識を見ながら行きました。そこに行くまでにずいぶん歩きました。その上、会議の後、汐留から新橋まで歩きです。一駅ですぐと聞いたのですが、それでも階段を上ったり降りたり。足が、足が・・・です。特に左足がいけません。

 で、久々に赤坂のマッサージに行きました。

2010_03020002 台湾式の足つぼと、全身のマッサージです。足は男性が、全身は女性がと、入れ替わってしてくれます。特に、足は熱い蒸しタオルを膝下全体に巻いてくれて、その上からパンパンと叩いたり、もみもみしたり、これがとっても気持ちがよくって。時間があれば太ももまでしてもらうのですが、短時間なのでちょっと残念。それでも、足全体がはれ上がっていたのが、すっきりです。足のサイズが縮んだのでしょう。靴も大きくぶかぶかになりました。

 全身は、やはり蒸しタオルを背中に乗せて暖めた後、天井に渡された棒を持って、小柄な女性が足で揉んでくれます。うつぶせの体に二本足で乗ったり、私の上に四つんばいになったりして、手や膝などをフルに使って揉んでくれます。

 まあ、本当に気持ちがよくって、すっかりリラックスしました。来て、良かった!です。

 その後、娘と待ち合わせて夕御飯です。以前、見つけて気になっていた中華料理、それも北京ダックの専門店に行ってみました。地下に下りて行く、24時間営業のレストランです。

 北京ダックは一羽丸ごとの注文になります。二人では多いのですが、それでも、あとの持ち帰りO.K.ということなので頼みました。他のちょっとした料理(これも安い!ピータンの肉包みとか、コレで210円です)を注文して食べながら待っていると、しばらくして、こんがりと焼かれた北京ダックが運ばれて来ました。コックさんが皮をはがしてくれます。

2010_03020001 この皮と白ねぎとキューリを甘味噌をつけた薄いパンで包んで食べます。パンはどっさり来ました。残った身は野菜と共にいため物に。骨はスープにして出て来ました。全部丸ごと一羽を食べます。本当に美味しくて、大満足。全部で3800円です。当然食べ切れませんでしたので、持って帰りました。一つずつ、とても丁寧に包んでくれました。二人では多いので、また、何人かで行きたいところです。

 私は飛行機の時間が迫っていたので、娘一人を残して急いで帰りました。娘は、一人杏仁豆腐を食べて帰ったそうです。それもとっても美味しくて「ママにも食べさせてあげたかった」だそうです。

 一泊二日のバタバタとした出張でしたが、それでも食べることと、マッサージをも満喫して、充実した東京行きでした。

 今日の5時半、見てくださいね。感想や質問がありましたら、よろしくお願いします。


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明日2日5時半から広島テレビを見てください。

 昨夜、最終の飛行機で帰って来ました。早々に寝てしまって、パソコンも開かないままでした。また今日から怒涛の一週間が始まります。

 皆様にお知らせです。明日、2日火曜日、午後5時半から「広島テレビ」で女性のがんの話をします。子宮頚がん、子宮体がん、乳がんなどについてアナウンサーの方とのトークです。

 これを撮影したのは、金曜日の午後一時半からの約束でした。そう、あのキム・ヨナと浅田真央のフリーの演技真最中です。金曜日に、と言われたので、夜はピースウォークの方たちとの被爆ピアノの演奏会などがあるため、昼しかないと思ったのですが。

 約束の時間ちょうどに来られたスタッフの方たちに申し訳ないと思ったのですが。ちょっと待って、一緒に見よう!!と部屋に入ってもらって、真央ちゃんの演技まで見させてもらいました。終わってすぐからの撮影です。

 編集がどうなっているのかは分からないのですが。一応、一通り、がんについて、それからがん検診、クーポン(まだ半数近くが使われていないそうです)、治療等について分かりやすくお話ししたつもりです。単に一般的な知識をしゃべるだけでなく、テータも沢山入れて話しました。ここ最近、がんについてのお話をする機会が多く、沢山勉強をし、データを集めていたのが、役に立ったと思います。

 是非、見てくださいね。そして、多くの方ががんについての見識を深めて、検診を受けて下さいますように。お知らせしますね。

 


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