子宮体がんの講演から。
2月7日日曜日、産婦人科医の研修会がありました。一つは子宮体がんについて、一つは不育症(流産や早産を繰り返す人)の治療についての二つの講演がありました。
このうちの、子宮体がんについて、皆さまにお知らせしますね。演者は松山の四国がんセンターの婦人科医長野河孝充先生。広島大学の後輩です。今回、先生のスライドをデジカメで撮影した物をこのブログに出すことを了承して頂きました。沢山のスライドの中から数枚使わせて頂きます。
日本では、子宮がんといしうと、一般的に子宮の膣に面した部分、または首の部分に出来る頚癌のことをさして来ました。集団検診等でおこなわれる、いわゆる子宮がん検診は「頚癌」の健診です。それに対し、子宮の奥の内膜に出来る癌を体癌といいます。日本では、以前は頚癌が多かったのですが、近年体癌が増えてきたといわれています。
今回、野河先生のこのスライドを見て、びっくりしました。2007年、頚癌と体癌が同じ数になっています。(スライドをクリックして頂くと、大きくなります)
では、子宮体癌の検診はどのような方になされるようになっているのでしょうか。行政が行う子宮がん検診では(集団検診はのぞいて、個別健診の場合)、このスライドにあるような人で、頚癌検診を受けるときに同時に受けることが出来ます。
昨年の四国がんセンターでの子宮体がんの患者さんに、どのような症状があったか、というのが、次のスライドです。
さらに、このようなときに行う検診は主として細胞診なのですが、これが実は、頚癌ほど正確ではないのです。
四国癌センターでも、初回の細胞診で20%の見落としがあったということでした。
ですから、症状がある場合、一回の検診だけでなく、再度試みること。また、細胞診だけでなく、超音波や組織診を組み合わせて診断することが必要となります。
私のところでも、細胞診では陰性で、同時にした組織診では癌と診断されたということもありました。これらの話しで、やはり慎重に検査をしなければ、と、改めて自身を戒めました。見落としをしないように。
でも、すばらしいことに、子宮体がんの治療成績はとてもいいのです。四国がんセンターの成績を見て、本当にほっとします。頚癌もそうなのですが、子宮がんは「治る癌」なのですね。もっとも、「早く見つければ」のことなのですが。日ごろの検診でも、
「体がんもして下さい」と言う方も増えて来ました。その一方で、出血があるにもかかわらず、一人我慢をして病院にいくのが遅くなる方もいます。
癌は、早くみつければ治るのですから、どうぞ、病院に行くのをためらわないで下さいね。
今度の日曜日、これらの子宮がんも含めて、女性の癌について講演をします。 私のブログのここに書いています。関心がおありの方、どうぞ、いらっして下さい。子宮頚癌のワクチンの話、卵巣がんの化学療法のお話なども分かりやすくするつもりでいす。お待ちしています。
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コメント
御無沙汰しています
日曜日の先生の女性の癌についての講演会
なんとか都合をつけて 拝聴したいと思っています
癌と闘いつつ とても辛い思いをしていて
けれど、病気に負けずに
踏ん張って働いている
友達がいるので
彼女の分まで 聴きにいきたいのです
投稿: せんごくテンペ | 2010年2月20日 (土) 00時50分
せんごくテンペさま
今日は、遠いところをいらっして下さってありがとうございました。何かお役に立てたでしょうか。また、ゆっくりお話しできれば、と思います。お土産もありがとう。あの後、みんなで戴きました。美味しかったです。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2010年2月21日 (日) 19時39分