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娘からの「悲しいお知らせ」

 東京の娘から久々に電話がありました。しょっぱなに、

「悲しいお知らせがあります。」と言います。「ええ?どうしたの?」と問うと、「歯医者さんでお金が5万円いると言われました。」と本当に悲しそうに言います。

 常々、「歯だけは大事にしなさい。ちゃんと信用できる歯医者さんで、ちゃんとした治療を受けなさい。お金がかかっても、歯は一生のものだから。いい加減にしておくと、後で後悔することになるからね。」

と言い続けているものだから。「分かったよ。振り込んでおくから、その治療をしてもらいなさい。」と言いました。娘は、「申し訳ありません。すみません。」と消え入りそうに言います。相変わらずひどい貧乏暮らしをしている娘には、5万円なんて、とても出せる金額ではありません。援助をするのも仕方がありません。

 私は、小さいころからとても歯が良くなくて、どれだけ大切に磨いても歯の体質がそうなのだからといわれて、コンプレックスになっていました。歯並びもよくなくて、両方にいわゆる八重歯が生えていました。顎が小さくて、歯が入りきらないのだと。ですから、上も下も二本づつ歯が少ないのです。小学生の時から、長い間かかって矯正をしました。歯については、とても苦労しています。

 でも、大学病院に勤めているときに、一人の歯科医に出会いました。以来、そのドクターの追っかけをしています。大学病院から開業されたときにも、遠方ですが通いましたし、一時そこからいなくなって姿を消してしまったときにも、歯科医師会に尋ねて、もっと遠方にいるのを突き止めて行きましたし。今も佐伯区で遠方に変わりありませんが、それでもそこに通っています。もう30年以上一人のドクターを追っかけています。

 とても上手で、何より注射が全く痛くないのと、それから、とにかく歯を抜かない、何とか持たそうとしてくださる治療姿勢が好きなのです。おかげで、当然今も全部自分の歯です。もう、私の歯のことはすべて知っていてもらっていますので、完全に信頼しています。ちょっとおかしいと電話をします。どこどこの歯と言うと、すぐにわかっていただけます。本当にありがたいことです。

 夫は、新聞記者時代、とにかく待たなくていいところ、行ったらすぐに診てもらえるところ、というのを第一に選んでいました。と言うことは、客がほとんどいないところということです。とても良くない医師で、すぐに抜きます。歯の質はすごく丈夫な夫でしたが、もう気の毒なほどひどいことになってしまっています。彼は、とても後悔していますが、でも、失った歯は戻って来ません。

 そんなことで、夫婦一致して、子どもたちには、日ごろの手入れと、歯医者選びを大切にしなさいと言って来ました。だから、5万円というのも仕方ありません。

 と思ったら、娘が言いました。「実は、もう二本、5万円づついることになりました。一度ではないけれど、そのうちにまたお願いすることになりそうです。」と。ありゃーです。「もう、日ごろの手入れをちゃんとしなさいよ、ちゃんと磨いてるの?」と言っておきました。


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コメント

歯と眼は我が家でも厳しくゆってます。娘は小5と小3ですが、いまだに仕上げ磨きをしています。三か月に一度はフッ素にも。新しい奥歯にはシーラントを。
初めて入る歯医者さんほど勇気のいるものはないかもしれません。
実は、5,6年前ですが歯医者さんになんでもない歯を折られてしまいました。奥から二番目の銀の被せがなかなかとれなかった時、院長先生の手が滑って三番目の歯にペンチが当たりました。その翌日から、若い先生が私の担当に変わっていました。ペンチが当たった歯の根もとが腫れ、膿もたまり、それでも担当医の
「奥歯を外したから負担がかかるための炎症です。炎症が治まらないと治療ができません。」
という言葉を信じ、痛み止めと抗生物質を飲み続けました。院長は知らん顔で、他の患者を診ていていました。一か月経っても痛みも取れず、治らないので違う歯医者さんに行き、見てもらうと、一目で、
「折れてますよ。根っこが折れてなかったら残せるんだけど・・・」
と言われました。この時初めて事の真相を知りました。
レントゲンの結果根本も折れているので、さし歯にもできず、抜きました。30代で部分入れ歯にお世話になるはめになり、一気に老けこんだ気持ちになりました。また子供のころ矯正に大金を出してくれた両親にも申し訳なく、悲しい気持ちです。
前の歯医者さんにはそれっきり行ってないのですが、通りかかる度に、一言謝ってほしかったと思います。

投稿: kumachan | 2009年12月15日 (火) 10時25分

私も、そんな経験があります。
マイブログにも書きましたが、学費の仕送りはしましたが、生活費は自分でなんとかしろというのが、私の方針でした。
でも、何回か、研修旅行で台湾とかインドへ行くといったときは、資金援助をしたかな?

娘さんにとっては、悲しいお知らせかもしれませんが、先生にとっては、「嬉しいお知らせ」じゃないですか。

親って、子どもから頼られると、じっとしておれないんですよ(笑

投稿: 広島メイファーズ | 2009年12月15日 (火) 12時08分

娘さん、どうぞお大事に!

歯は本当に「一生もの」ですものね。
でもまだ10歳の息子には
そんな親の想いはちいとも届かないようで、
今朝は歯磨きもせず学校に行こうとしていました(怒)

彼の場合、不器用なのでうまく磨けずいらいらするのもあるので、
恥ずかしながら、いまだに私が時々磨いてやっています。
でもおかげでまだムシ歯になったことがありません。
いろいろなものを買ってやったり、
旅行に連れて行ってやったりとかはできないので、
母としてできる、せめてものプレゼントの「ひざまくら歯磨きタイム」。

いつになったら
ちゃんと自分できれいに磨くようになるのかしらと思っていたら、

「好きな女の子でもできたら、途端にピカピカに磨くようになるよ」

とママ友が言っていました。
なるほど!
でもそれって、うれしいようなさびしいような。

投稿: Hoch | 2009年12月15日 (火) 15時52分

歯は痛くて我慢できなくなるまで
怖くてよ~行けません><;

今朝我が家にも「今月1万円援けて」と息子から電話がありましたw

投稿: ⑦パパ  | 2009年12月15日 (火) 17時33分

kumachanさま
それは、大変な災難でしたね。そんなミスがあったのなら、本当に何とかして欲しいですよね。それにしても、歯が折れるほどペンチがあたるなんて、一体どうしたのでしょうね。どうぞ、ご近所の皆さんにもそのことを教えてあげて下さいね。コメントありがとうございました。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2009年12月17日 (木) 08時29分

広島メイファースさま
コメントありがとうございます。とんでもない!わたしは娘からお金をむしんされてうれしいことはありません。やれしんどと思っていますよ。もう、いいかげん自分のことは自分で解決して欲しいと。でも、わたしもお金ではなく、子育てのことなどで親にめいわくをかけました。親子の関係は、親が死ぬまで親子なのかもしれませんね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2009年12月17日 (木) 08時39分

Hochさま
どうぞ、いつまでも息子さんのはのチェックをしてあげて下さいね。一生の歯ですもの。言い続けていれば、いつか自分でちゃんとするようになります。体にしみつくまで言い続けてあげてくださいね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2009年12月17日 (木) 08時42分

⑦パパさま
おかしければ、一刻も早く歯医者にいかなければ、入れ歯になってしまいますよ。そうなってから後悔したのでは遅いのですから。「治療が痛くない歯医者さん」を捜して。20日はよろしくお願いします。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2009年12月17日 (木) 08時44分

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