「デートDVってなんだろう!?」
大分県立宇佐高校での講演に、大分市の中学校の養護教諭Sさんが駆けつけてくれました。Sさんは、古くからの友人、性教育の仲間です。昨年亡くなってしまった山田泉さんたちと共に頑張っていました。山田さん亡き後も、もちろん彼女の実践は続いており、私はその活動にしばしば感動しています。
実は、宇佐高校の保健室の先生は、Sさんの教え子です。Sさんの実践に感動し、自分も同じ教諭になりたいと養護教諭をめざし、そして、ついに今年から晴れて高校の養護教諭になったのです。Sさん、そんなに教え子に慕われて、教師冥利に尽きるなあ、とうらやましくもありました。
そのSさんは、出来立ての「デートDVってなんだろう!?」というパンフレットを持ってきてくれました。それは、Sさんもメンバーの一人である、大分のDV被害者支援の会NPO法人「えばの会」が作ったものです。その日、宇佐高校でも全校生徒に配られました。
以前、広島県三次市が作ったデートDVのパンフレットをSさんに渡したことがあります。その後、いろいろなパンフレットを取り寄せ、参考にして、ずいぶん話し合ったり、検討したりして、大分バージョンを作り上げたそうです。横長の全8ページですので、写真の取り方が変ですが、ぜひ一ページづつクリックして大きくして見てみてください。ちなみに、このパンフの絵は、すべてSさんが書いたのだそうです。いつも保健便りに書いている、そののりで描いたのでしょう。発見!4.もしかしたら自分...!?のページの右下に、Sさん自身の似顔絵が載っています。どの絵もかわいい!です。
ちなみに、「えば」とは、大分弁で「くもの巣」のこと。くもの巣のように、縦横無尽にネットワークを作ることを目指しているのだそうです。会員には、すでに心療内科の医師や産婦人科医なども含めて、さまざまな職業の人が集まり、学校への出前授業もするなど、頑張って活動しているとのことです。
もちろんSさんは、日ごろは中学校で生徒達と日々向き合っています。その上にこんな活動もしていると。私は、こんな人たちと出会い、つながっていることがうれしいのです。しんどいことがあっても、こんな出会いがあることが、私を元気付けてくれるのです。だから、続けられるのかもしれません。
次回は、大分行きで食べたものを報告しますね。
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ぜひ、覗いてみてください。
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コメント
デートDVも深刻な問題であるにも関わらず、意外に知られていない問題ですね。これは、レイプも同じですが、被害者女性のPTSDは凄惨を極めます。元慰安婦の方も同じですが、フラッシュバックが起きた時は、それはもう過酷なものですね。また、臨床心理士の方にレイプ被害者の治療についてお聞きした所(正確にはPTSDの治療)、治療イコール思い出させる作業なので、それに耐えられる耐性の持ち主以外は、治療を受けない方が良いとの事。私は加害者には、性格的要素もあると思いますので、なかなかデートDVの被害を減らすのは難しいと認識していますが、少しでもこのような方法で、減らしていく努力が必要ですね。格闘技の選手でも、殴る、蹴るはあくまでリング上のみで、日常においては、粗暴さなど微塵も見られない方がほとんどであり、性格的要素がいかに大きいなものかと考えます。
投稿: けん | 2009年12月 5日 (土) 14時10分
けんさま
DVの加害者の矯正プログラムもあるのですが。なかなか全国的取り組みにはなっていません。私は、その人を矯正しようとするよりも、被害者がいかにその人から逃げることができるか、そうしたほうがいいと思っています。私の患者さんが殺されてしまったときから、上手に別れることを考えろ、と。そうアドバイスしています。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2009年12月 8日 (火) 20時26分