子宮頸がんのワクチンが発売になりました。
私は見ていないけれど、今日、ニュースでやっていたようだから、ご存知の方もおありだと思います。子宮頸がんのワクチンが今日(もう昨日になりました)から発売になりました。やっとやっとです。私のクリニックにも、注文していた通りに、5本のワクチンがとりあえず入りました。
もう何度もこのブログでも言っているように、子宮頸がんは、性交感染症です。HPV、人パピローマウイルスに感染することで起こります。ウィルスですから、ワクチンを作ることが出来たわけです。もう2006年から、欧米を中心とした世界100カ国以上でこのワクチンは接種されています。それも、ほとんどの国が公費負担で。やっと日本でも、でも、日本では公費はおろか、保険も効きませんので、すべて自己負担となります。
一回うって、一月後にもう一回、そして六ヶ月後にもう一回と、計三回うちます。料金は、自由診療ですので、医療機関によってことなるでしょうが、大体、一回が15000円から20000円くらいでしょう。もっとも、東京あたりの大都会では、三回分で10万円という所もあるみたいです。
人パピローマウイルスというのは、いろいろな型があります。そのうちの悪性のもの、癌を引き起こす可能性のある型がいくつかあります。それをハイリスクグループといいますが、そのうちのもっともハイリスクの16番と18番に対してワクチンが作られています。
これをうっておくと、16番と18番の感染を防いでくれる、というものです。ですが、この表を見ていただけるとお分かりでしょう。それ以外の型のウィルスにより、癌になった方も少数ながらあるわけです。(表をクリックして大きくして見てください)
ですから、ワクチンをうった上で、20歳になったらがん検診を受けましょう。そうすることにより、子宮頸がんは克服できますということなのです。
何回も言っていますが、あらゆる癌は予防できればそれに越したことはありません。一つの癌、子宮頸がんは予防できるようになったわけで、喜んでいいことなのですが。
問題は、これだけのお金を出して、予防接種を受たい、または娘さんに受けさせたいという人がどれだけいるかということでしょう。すでに、全額ではありませんが、補助金を出すことを決めた行政もあると聞いています。せめて、保険が効くといいのですが。
このワクチンは日本では10歳からうってよい、となっています。性交をする前が理想なのですが、すでに性交のある人、パピローマに感染している人でも、ワクチンをうっても害はないということです。多くの若い人が接種されることを願っています。
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コメント
おはようございます。
昨夜忘年会の席で、子宮頸がんワクチン発売の話題が出ました。
「辛口」の状況把握は甘いかも知れませんが、24日に「高速無料化より喜ばれる施策」という、偉そうなタイトルで、ブログアップする予定です。
今年も残り少なくなりました。気ぜわしい年末から新年を迎えることになりましょうが、どうかお元気でお過ごしくださいませ。
投稿: なんでも辛口 | 2009年12月23日 (水) 07時31分
この国の厚生行政は、どうも国民の命を守ることの大切さを理解していないように感じます。
新型インフルエンザも、収束に向かいつつあるようですが、これからの時期に一番感染しては困る受験生への対応は、まったく無いようですね。
入学試験をする学校は、その配慮をするみたいですが、高熱を出したような病後に受験をしても実力は出せないでしょうね。
投稿: やんじ | 2009年12月23日 (水) 17時02分
なんでも辛口さま
遅ればせながら、ありがとうございました。少しでも、皆さんの関心を呼び、多くの女性がワクチンをうって病気が予防できれば、と思います。辛口様が書いて下さったことはとてもうれしいです。でも、この国は、なかなかでしょうね。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2009年12月27日 (日) 17時29分
やんじさま
そもそもインフルエンザワクチンを作るのが本腰でなかったことに問題があるのですね。水際作戦なんて空港で、あれはいったい何をしていたのでしょう。今回の子宮頸がんのワクチンでも、たの国の4年遅れているのです。それも、全く国の補助は出ないのですから。ほとんどの先進国は、国のお金で接種しています。そのほうが医療費が結果的に安くなるからなのですが。目先のことばかりしか見ていないようです。年末はお忙しいですか。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2009年12月27日 (日) 17時33分