今年の活動から⑤校長先生の「たより」から。
先日行った大崎上島中学の校長先生が「上島中だより」を二枚送ってくださいました。
二回にわたって、校長先生が講演会についての記事を書かれています。
一枚だけのアップです。
お電話でお聞きしたところ、これは生徒の家庭や、地域の人たちにも配られているそうです。すでにオープンなものなので、ここに掲載させて頂きました。その校長先生の文章を引用させて頂きます。
『折からの寒さに体育館での2時間のぶっ続けの講演 。その間トイレに立ったのは立った一人、ということだけでもいかに内容のある講演だったかお分かりいただけるでしょう。
性をいやらしいもの、隠すものとしてきたことからくる誤った情報が、いかに多くの中・高校生を迷わせ、多くの望まない妊娠や中絶、特別養子縁組で切り抜けざるを得ない事情を生んでいるかといったことを、産婦人科医としての豊富な事例から丁寧に分かりやすく伝えてくださいました。
講演に先立ち会場では、竹原法務局支局長が来校されての人権作文入賞者の表彰も行われ、そのまま関係者もそこで聴講されました。男性も女性も、大人も中学生も一緒に生殖のメカニズムから出産の瞬間まで20分のVTRを見ながらの時間。「生徒がとてもよく聞いてくれました」と先生は行ってくださいましたが、惜しいのは保護者がわずか4名だったということ。
子どもも親のプライバシーを守る(親のいない時に親の寝室に入らない・いる時でもノックをして許されて入る)、親も子のプライバシーを守る(勝手に子どもの部屋に入らない・特に試験勉強中に夜食を持って黙って入らない・自慰行為は見せてもいけないが見てもいけない)等、随所に単なる性教育ではない「一人の人間して尊ぶ」ことをちりばめての人権教育・平和教育でした。詳細をこれ以上伝える術を持ちませんので、次に全校生徒が書いた感想文の一部を載せます。バスの時刻が迫って青海祭ほど書ききれなかった面はありますが、子ども達の受け止めから、今親としてどうあるべきかをご一考ください。
(生徒の感想が続きますー本当はこれも全部読んでいただきたいのですが。)
読み進めても読み進めても深い内容が多く、これも知って欲しい、これも、これもと打ち込みました。生徒の皆さんは直接聴いた内容ですが、保護者の皆さんはこの文面からどんなことをお感じになったでしょうか。面と向かってはなかなか言えないまでも、親として「性と生」にどう向き合おうとしているのかは、子どもの注視するところとなりました。避けないで導いてあげてほしいと思います。
私事ですが、私が子どもだった時も、私が母親になった時も、この「性」を軸に語った時、急速にまた確実に“親子がつながった”と感じ、それは豊かな経験の一つとして私の人生に刻まれています。それぞれの家庭に、かけがえのない時がくることを願っています。』
校長先生、本当にありがとうございました。今年の終わりにこのようなたよりを戴いてとてもうれしかったです。来年につながる元気を戴きました。お互い、子ども達のためにまた努力してまいりましょう。
今年最後のブログです。皆様、この一年間、読んでくださってありがとうございました。皆様に励まされながらの一年だったように思います。心から感謝申し上げます。まだまだあらゆることの情勢は厳しく、油断を許しません。少しでもこの日本がいい国になるように努力しなければと思います。
来る年が皆様にとって明るい年になりますように。ありがとうごさいました。

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コメント
先生の活動に対し「横槍が入った」と言うのは、大変残念な事であり、先生の心中穏やかならぬ事と思います。
本来、「性」は人間が生きる上で大切であるにも関わらず、世間一般的に、覆い隠すべきものとして直視せず、若者に正しい学習の機会を与えず、それが故に取り返しのつかない事態に陥る事もまた多い。未然に防ぐために先生の活動も、また社会的に大きな意義を持つと思います。
ですが、私の意見を申し上げるなら、先生は余りに女性の視点に偏しているかな、と言うのも本音です。
私は現在の日本社会に、激しい憤りを常に感じています。厳しい事を申し上げれば、「若者は一切信用していない」のです。
これは、「昔から言われ続けた事であり、故に今の若者だけが悪い訳ではない」と反論されますが、私は断じて違うと思います。
例えば、タイガーマスクで多少名の知られた、プロレスラー佐山サトル。
佐山さんも、日本の行く末を憂うる思いが極めて強く、武道教育を提唱し、様々な活動を行っている訳ですが、格闘技ファンの間では、だらしない若者に対して(はっきり言えば不良)、鬼の如く怒り狂うのは有名です。
電車の中で大声で喋る高校生を激しく叱りつけ、ビビった高校生は黙り込む。
街で不良を見れば一喝する。
マナーのなっていない若者は、次の駅で引きずり降ろして正座させ、叱りつける。
こんな事は日常茶飯事だそうですが、私も同感で今の日本と、若者には完全に失望しています。
モラル崩壊等とうに始まっており、若い奴らは社会の事は一切考えない。関心すら持たない。頭の中は、遊ぶ事、下らないテレビ、芸能人、ファッション、恋愛、恋愛、恋愛、恋愛…。
特に、恋愛については余りに早い段階から興味を持ち、驚いた事に小学生の女の子までが、彼氏がどうのと話しているのには驚きました。
はっきり申し上げて、「他に考える事はないのか」と、張り倒してやりたい気持ちであり、中学生位から彼氏、彼女探し「だけ」しか考えず、本来この年代から初体験を迎える事自体、私は異常だと考えています。
こうした楽しい思いを味わえるのも、若い内の特権と言えばそうかも知れませんが、恋愛等大学生位からで充分であり、理想を言えば社会人となってからでも充分でしょう。
何故、子供の内から恋愛狂いであり、初体験所かセックスが「普通」でさえあるのか。先生はこれを異常な事態だとは感じませんか?私は尋常ならざる由々しき事態と感じています。
私自身も恋愛結婚ですし、勿論妻の事は何より大切です。恋愛は素晴らしいものだと思います。
しかし、今の日本の若者はほとんど恋愛しか考えていないような状況ですね。そして恋愛に関する事であれば、全てどんな事でも許される。モラルに反する事も正当化出来ると勘違いしている。
ストーマ閉鎖の手術を控え、内科に入院中、大部屋に若い患者がいましたが、彼女が見舞いに来て、これが消灯時間まで大騒ぎする訳です。
彼女が、毎日見舞いに来る事それ自体は良いと思います。しかし、余りに騒ぎ立てる為、寝られないと怒った患者がいましたが、一言謝りません。
病院はデートする場所ですか?だったら今すぐ退院して、よそで思う存分デートして来いと言いたい。
昔、マンションに、彼女と携帯で深夜に大声で話す大学生がいました。何発か殴ったらすぐに引っ越しました。
こんな若者ばかりじゃないですか?今の日本は。言ったどうなっているんでしょうか?テレビの内容も、ドラマも音楽も、話題も全て恋愛。他に考える事があるでしょう。
佐山さんは、「道で倒れている人を助けるのは外人。マナーの悪い若者を注意するのも外人。外国には一神教があり、道徳を子供の時から教えられている。しかも、何人もの外人に、日本は20~30年もしたら駄目になるよと言われる」との事。
私も同意見です。事実、同じ事を何人ものアメリカ人に言われました。
こんな国では駄目なのです。こんな社会では駄目なのです。今の若者のような、精神的に余り未成熟では駄目なのです。
性教育は大切です。横槍が入ったのは遺憾な事です。しかし、本来は性教育それ以前に根本的に国の有り様、若者の有り様を変えなければならないのです。
中学生や高校生の内に、初体験を迎える必要はありません。そんな年代から、セックスをする必要もありません。
若い年代だけに許される楽しさは、もっと違う事で発露されるべきです。「性教育が必要」とおっしゃるなら、それ以前に「性教育をも必要としない若者を育てる」事の方が急務でしょう。
外国では既に男女別々に授業を行っているとか。それで良いのです。私はやはり、男の世界でなければならないかなと思っています。間違っていれば一発殴る位で構いません。先生は、余りに女性の視点に偏しているかなと、失礼ながら感じました。
投稿: けん | 2009年12月31日 (木) 09時39分
河野様 こんにちは。
お釈迦様もことの外強く仰っているのが、「人権を守る」ということ。
親子だろうと大人と子供だろうと、ひとりひとりが犯してはいけない「人権」「生きる権利」を持っている訳です。
鉄人は親子関係で苦労したことは一度もありません。経験の差こそあれ、人間対人間として息子(息子ふたり)と付き合って来ました。
お釈迦様が説くように、人は皆生きる権利は平等です。(初期仏教では、生きとし生けるものすべての生きる権利は平等、というところまで広がります)
先生のご尽力には頭が下がります。子供達の人権保護の為にも、これからもお身体を大事にして頑張ってください。
来年も宜しくお願いします。
投稿: 鉄人 | 2009年12月31日 (木) 10時20分
人権教育を根底に置いた、先生の性教育には、私も、かつて教育界に身をおいていた者として、いつも頭が下がるばかりです。
性の営みの中で、女の子だけではなく、男の子も責任を負うていくこと。
親子の間でも、お互いのプライバシーを尊重すること。
そんな関係が尊重されていくことで、本当の、性における男女関係、親子関係が構築されていくものと信じます。
今年、11月からブログを再開し、先生のブログを毎日読ませていただき、いろいろと学ぶことがたくさんありました。
本当にありがとうございました。
投稿: 広島メイファーズ | 2009年12月31日 (木) 10時45分
生とか性を考える時、人はきっと自分の心と向き合うと思います。
そうしたとき、誰しもうしろめたいものはあるでしょうね。
だから、隠しておきたいと思うか。
それでも、生きる力を子供たちに伝えたいと考えるか。
このどちらかを選択することによって、教育はまったく違ったものになりますね。
誰のために何のために教育が必要か、大切なことだと思います。
今年も、いろいろとありがとうございました。
来年も、よろしくお願いします。
先生にとって、より良い年になりますように。
投稿: やんじ | 2009年12月31日 (木) 12時58分
先生、今年1年、ほんとにありがとうございました。
いつもお忙しいなかいろいろなことを書いてくださり、たくさん、教えていただきました。
お体に気をつけて、来年も、ご活躍ください。
投稿: ym | 2009年12月31日 (木) 14時43分
いつも問題提起のある日記をありがとうございます。
日常に埋没してしまいがちな私ですが、
先生の日記にコメントを書く事ができるように
勉強したいと思います。
良いお年をお迎えくださいませ。
ありがとうございました<(_ _)>
投稿: 波 | 2009年12月31日 (木) 19時30分