今年の活動から②市教委の人との会話から。
広島県教委の後援申請が理由が分からないままに断られた後、いつまでたっても広島市教委の返事が来ません。だめなのならだめで、返事が頂きたい旨、これもつないで戴いた市会議員の方にお願いをしました。そしたら、電話がかかってきました。
当然、お断りなのですが、その理由にびっくりしました。
「内容に『生涯を通じてヒューマンな性を育くむためには、家庭、学校、地域でどのように協力し合えばよいかということを学びあうために開催する』となっています。この生涯を通じてということは、学校教育にはなじみません。学校教育の範疇を超えています。ですから、教育委員会の後援はできません。」
「ええっ?障害児の学校教育は、その子の生涯を見据えてするものではないのですか?ただ、学生でいる間だけのことを教育するのですか?将来のことを考えて、職業訓練などもするのではないのですか?内容に『生涯を通じて』と書いてあることが、後援が出来ない理由になるのですか?」
「障害児の学校教育を担当していらっしゃるのなら、その子が障害があるがゆえに、性的な被害者なることがあるということはご存知ですよね。彼ら、彼女らに、ちゃんと力をつけてあげる、そんな性教育にこれまで取り組んでこられましたか?私の現場で、どれだけ残酷な目にあった子がつれて来られているか、お教えしましょうか?そもそも、学校や教育委員会が障がい時の性教育にしっかり取り組んでこられているのなら、何も私たちが手を出すこともないのです。そんな研修会も今までなさっているのでしょうか?」
結局これ以上の理由は聞けないままでした。何もいえないはずです。県教委がイエスであれば、市教委もイエス、県教委がノーであれば、市教委も理由はなしにノーなのですから。市教委の独自性なんてないのですから。
理由が分からないままに、県も市も教育委員会の後援はいただけず、でも、結果的には多くの形が来てくださってセミナーは盛況でした。当日の様子です。
永野先生は本当にすばらしい方でした。中でも、感動したのは、障がいを持っている中学生、知的には小学一年生もない子たちに、自分が生まれ来たときのことを親に尋ねたりして調べてもらい、その学習をしたことでした。子ども達は感動を持って事実を受け止めます。その中の一人が、学校に見学に来た人のところに行って、挨拶をしたのだそうです。
「こんにちわあ。僕は〇年〇組の〇〇です。僕は、お母さんから生まれるときに、頭が出たりひっこんだり、出たり引っ込んだりして、なかなかうまれませんでした。頭の半分が死んでしまいました。だから、急に倒れることがあります。その時には、どうぞ、よろしくお願いします。」
そなんことがちゃんと言える、そして自分自身が障害を持って生まれたことをしっかりと受け止める、そんな能力を引き出していました。永野先生のこの話には、涙がこぼれそうでした。
それにしても、永野先生は、その少し後、お隣の県で、教育委員会の研修会の講師として招かれていました。一方では、そうして、教育委員会の主催の研修会が開かれ、同じ講師でも、一方ではけんもほろろに扱われる。これは一体何なのでしょうね。
政権交代して、私が一番興味があるのが、文科省です。文科省の教育方針がどうなるのか、今では、まだ予算のことばかりで、教育理念というところが見えて来ません。文科省と国会議員、教育委員会と地方議員、この関係の中で、教育の方針も決まってきている以上、何とか変って戴きたいのですが・・・。
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コメント
先生、こんにちは。
私は教師ではありませんが、障害者に関わっています。
>学校や教育委員会が障がい時の性教育にしっかり取り組んでこられている
先生の仰るここ↑学校の違いはあるかもしれませんが・・・
知的障害者ばかりでは無いのに、指導者=教師の人数が足りない。
手が回っていない。が現状だと思っています。
私は擁護しているのでは無く、実状に呆れガッカリしています。
PS.すみません。
予約日に予定があり、気が付いたら夜・・・すっかり忘れていました。
投稿: KY | 2009年12月28日 (月) 13時48分
教育だけではなく、医療や福祉の分野でもたとえば、広島県と岡山県の姿勢は本当に違います。
広島で行政職員として働いてきた一人としてとても恥ずかしくおもいます。
声の大きいほうや むちゃを言う者には結構弱いのですが。
投稿: かわい | 2009年12月28日 (月) 21時01分
新学校の怪談
精神疾患休職教員5400人、20万人の不登校、退学者、60万人の引きこもり、ニートに、学校教育の腐敗とデタラメがはっきりと見えませんか。
日本国民は、なぜこんなデタラメ教育を許しておくのでしょうか。子供の不幸を見て見ぬふりする堕落した日本人こそ、自民党・官僚政治の愚民化政策が作り出した愚民です。
教育現場から愚民化教育のおぞましい実態を詳細に暴露したのが「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望 日新報道)です。時代錯誤の官僚は、この知識時代に愚民化教育を行い、若者を貧窮させ、犯罪に走らせ、多くの教員を精神疾患にし続けています。
これは、薬害エイズや薬害肝炎を起こした厚労省官僚を越える大罪です。悪徳官僚への恨みと呪いの声が、親や教師から聞こえてきます。うらめしや、うらめしや、うらめしや。
今の学校では、何をしてもダメです。
投稿: 大和 | 2009年12月28日 (月) 22時38分
私は平成14年から2年間、布野村教育委員を務めました。教育委員は5名で、その合議により物事を決める仕組みになっていて、委員一人の意見は表に出ないようになっております。
決めごとは、広島県の教育委員会が右と言えば右、左と言えば左に向くように仕組まれておりました。
どう考えても道理に合わないことも、首長からお情けで委員にしてもらっている人は「ご無理ごもっとも」で評決します。
私はこんなことでは教育委員の価値がないと思い、正しく物事を考え、対処することとして意見を述べ、上部機関といえども間違ったことには加担しないよう行動しました。
しかし先に述べたとおり、合議体の壁を破りきることは出来ないまま、市町村合併で失職しました。河野先生の述べられるように「県教委の言うがままの下部教委」では、いけないと思います。
新しい政権はこれらに対処する心構えは有るのでしょうか。公約と言えども、高速無料化・税金の無駄遣いなどに固執しないで、国民の幸せを考える政府であって欲しいのです。
投稿: なんでも辛口 | 2009年12月29日 (火) 08時19分
保護者の立場で、いろんな教師と出会いました。
本音で話せる現場の教師から
「世の中は理不尽なことだらけです。
しかし、理不尽だと思うことを前向きに捉えることが出来る人が、きっと人生を楽しめる人だと思います。
出会った誰しもが自分にとって善き先生です。」
という意見を。
公務員という立場上の辛さも、私は理解出来ました。
機会ある事に、河野先生のブログを紹介しています。
河野先生も、どうぞ御自愛下さいませ。
投稿: r s | 2009年12月29日 (火) 14時14分