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渡邊智子医師の性教育⑨最終回 月経・精通=おめでたいこと

 (教科書の女性性器・男性性器の絵を拡大したものを見せながら)
 四羽さんは発情したときどうなったかな。
 子どもたち:お尻から血が出ていた

 なんで血が出るんだろう。
 子どもたち:???

 大人になるスイッチが入ると女性が持つ卵巣の中に、卵子が育ちます。
それがポンっとはじけて外に出て、細い通りみちを通って子宮へ向かいます。途中で精子がお迎えに来て受精すれば赤ちゃんができます。受精までの間に子宮の中では卵子を受けとめるお布団のようなものが作られます。受精しなければ卵子とともにお布団も子宮からはがれて外に出てきます。はがれるときに傷ができるので、一緒に血がでます。それを月経とか生理と言います。それは大人になる第1歩でとてもおめでたいことです。

 男の子の大人になるスイッチが入ると、精巣で精子が作られます。それがある日精管を通り、尿道を経由して出てきます。それを精通と言います。これは男の子にとってもとてもおめでたい出来事です。
 月経や精通はもうすぐみんなの体に起こることです。そしてそれは四羽のように赤ちゃんを産むための準備、赤ちゃんをつくる準備です。だから小学生でも赤ちゃんを産むことができるようになるということです。
 子どもたち:エー!?本当?

 昔は月経がくれば四羽のように、お嫁に行かれるってことで、親がお婿さんを決めることもめずらしくありませんでした。「赤とんぼ」でも「15でねえやは嫁に行き」って歌詞があるように、今より早く結婚していたんだね。でも今のみんなに赤ちゃんができちゃったらどうかな。
 子どもたち:困るよ~。

 さっき大人になるというところで、体のことだけじゃなくて、仕事をしているって発言があったけれど、赤ちゃんを産むことができても、育てることは今のみんなには無理ですね。
 これからみんなの体は大人へと変化していきます。でも早いひともいれば、遅い人もいます。私も生理は中学生になってからでしたけど、もうすぐなるお友達もいます。生理になるとお腹が痛かったり、血も出ますから、プールには入れなくなることもあります。そんなときには具合悪いときでもあるので、絶対にからかったりしないでくださいね。早い遅いはあってもみんないずれは大人になっていくのですから、お互いの体のことでからかったりいじめたりしてはいけません。思いやりを持ってくださいね。

 今日で私の授業は終りになります。でももしこれからもみなさんが必要なときにはいつでも来ます。高学年になってクラスが変わっても、卒業して大人になっても、みんなが具合わるくなったときにはいつでも力になりますよ。授業を真剣に聞いてくれて本当にありがとうございました。

{感想}
 3回目の今回、とても嬉しかったのは、今までの2回で全く発言しなかった子どもが手を上げてくれたことです。(自分の子どもを含めて)それでも100%とはいきませんでしたが、みんな本当に積極的に授業に参加してくれました。全てを理解するには時間がかかりますが、子どもたちが自分を知る大きな一歩になったと思います。多くの疑問を家庭に持ち帰ることになったかもしれませんが、それをまた各ご家庭でよいきっかけとして、楽しく語り合っていただければと思います。
 これで一応終了とさせていただきますが、四羽の出産などに関わって、また必要なことがありましたら考えていきたいです。ご要望などありましたらアンケートにお寄せください。

 最後になりましたが、素晴らしい授業の機会を与えてくださいましたT先生と保護者のみなさまに心より、厚く御礼申し上げます。

以下河野です。

以上、9回にわたって渡邊先生の性教育の転載をさせて頂きました。子どもたちと実に生き生きと授業を展開する渡邊先生は、真正面から子どもたちと向き合いました。決して逃げることもごまかすこともなく、子どもたちに話します。子どもたちにとって、こうして本当のことを学ぶのは必要なことなのだと、改めて感じました。

 1995年、広島の花田千恵さんの「アイデアいっぱい性教育」という本が出版されました。小学校の養護教諭である花田さんが、小学校一年生から六年生までに向き合った手作りの授業が展開されます。ここにも、生き生きと体や成長を学ぶ子どもたちの姿が満載で、感動しました。それと同じ感動を教師ではない、医師である渡邊先生の授業に覚えました。その感動を、皆様にも知っていただきたくて、ここに転載させていただきました。渡邊先生に、感謝申し上げます。 

 渡邊先生は、この後、生徒たちが四年生になっても、また「生と性の授業」を行いました。そこでは、単に体のことだけでなく、「病気論」も出てきます。またご案内ができれば、うれしいです。ひとまず、このシリーズを終わります。皆様に感想をお聞かせいただければうれしいです。


コスモス薬局のHPの中に私の「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

広島ブログ

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コメント

性教育のシリーズとして、渡邊先生の性教育の転載を有難うございました。
>素晴らしい授業の機会を与えて下さいましたT先生
今の学校教育上、制限があるとは思いますが、こんな考えの先生が増える事を願っています。

昨日、広大の学園祭にて、理学部の植物管理室大温室等を散策。お話の上手な先生の案内のお陰で楽しく過ごせました。総合博物館も面白いですよ。
東広島キャンパスは少し遠いけど、一般の人も自由に利用出来る自然に囲まれた癒しの空間。
息抜きしたい時、是非、どうぞ。

投稿: r s | 2009年11月 8日 (日) 08時05分

渡邊先生とT先生そして子どもたちのあたたかい授業の様子を伝えてくださってありがとうございます。
親だって自分のできることを精一杯やって生きているのですよね。
でも親だけで我が子の全てのフォローはムリです。
みんなで助け合うことに子どもたちの様に素直でいたいと思います。

「親は背中で伝えようとしている」ということの意味が先日いただいた美代子先生のお返事で少しわかってきた様に感じています。
いつもありがとうございます。

投稿: kei. | 2009年11月 8日 (日) 10時22分

河野先生、ご旅行中にもかかわらず、連載していただき、ありがとうございました。happy02
 子どもの頃、父が産婦人科医というのは、旅行にも行かれないし、男の子からはからかわれるし、あまり有難いことではありませんでした。でも赤ちゃんの声を子守唄に聞き、いつでも近くに父がいる生活は、今思うと幸せだったなあと思います。heart04
 子どもたちに性教育をして、一番楽しくて幸せだったのは、授業をした私のほうでした。全国どこの学校でも、先生と子どもたちが楽しく、大笑いしながら性教育ができる日が来ますように。

投稿: ワタナベ | 2009年11月 9日 (月) 20時09分

rsさま
楽しんでいただけたでしょうか。子どもたちに正面から向き合う、ちょっとした勇気があれば、子どもたちにこのような教育をすることはできると思うのですが。でも、本当に難しい時代になっています。私たちが回りから支援していかなければと思います。いつもありがとうございます。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2009年11月11日 (水) 08時12分

kei.先生
ええ、本当に楽しい授業でしたね。だいたい、学校で牛を飼うということ、それも赤ちゃんを産ませるのをどうやって、なんて、とても面白くて。是非皆様にご紹介したいと思いました。コメントありがとうございました。次のお花、楽しみにしています。当方の準備、ばっちりです。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2009年11月11日 (水) 08時16分

ワタナベさま
こちらこそ、連載させて頂いてありがとうございました。本当に楽しい授業をできるだけ沢山の人に紹介したいと思いました。先生は、準備等大変だったことでしょう。何より、子どもたちと対話をすることの大切さを多くの大人たちに示したと思います。本当にありがとうございました。学会、大変でしょう。どうぞ、くたびれ果てませんように。またお会いできるのを楽しみにしています。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2009年11月11日 (水) 08時19分

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