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渡邊智子医師の性教育②牛の結婚

1) 四羽の親になれたかな

 1年前、みんなが牛を飼いたいといったとき、妊娠中の私はみなさんに「牛を飼うということは、皆さんが親になってお世話をするということですよ。」とお話ししました。みんなは四羽の親してどんなことをしてきましたか?

子どもたち:小屋を作って、工夫して住みやすくした・おしっこやうんちを片付けた・エサを上げた・いろいろな問題について考えて解決した 等。

 本当に休みの日も、朝早くから遅くまで皆さんで一生懸命お世話をしましたね。立派な親になって来ました。では、今ある問題は何ですか?

2) 四羽の結婚

 発情して赤ちゃんを産む準備ができた四羽を結婚させたい。そのためには、人工授精と自然交尾のどちらかを選ばなければいけない。まずは、両方について説明して、子どもたちの議論が始まりました。

<自然交尾について>牛の足は体重の割りに細いため、交尾の際に骨折してしまう恐れがあります。また、けんかをして一方が死んでしまうこともあって危険です。そのため牛を飼育する際には、人工授精が現在では基本となっているのです。交尾の危険を説明すると、子どもたちのほとんどが「人工授精が良い」という雰囲気になりました。

 じゃあ、人工授精について少し勉強しましょう。人間も人工授精で赤ちゃんができることがあります。それは、お父さんかお母さんが何か病気があったりしたときにします。人工授精には体内受精と体外受精がありますが、(説明略)四羽にするのはどちらですか?子ども)体内受精!!

 人間と四羽の違いは、人はお母さんが「いいですよ」と言った相手の精子を受精させますが、四羽の場合は人間が選んだ相手との受精になるということです。人間の場合、精子を間違えてしまったら大問題です。違うお父さんになってしまいます。でもかっこういい芸能人のものとならまちがえてもいいと思う人は?・・・0! T先生(担任です)だったら・・・絶対ヤダー!?

 そして子どもたちから「四羽ちゃんにも恋愛をする権利がある!」という意見に到達しました。

 最初みんなはリスクの少ない人工授精が四羽のためだという意見だったのに、なぜリスクはあっても自然交尾にしようと考えを変えたの?

子どもたち:好きでもない牛のこどもを産むのはうれしくないと思う。いきなりお尻から精子を入れられて赤ちゃんができても喜ばない。

 人工授精を望んだときの子どもたちの気持ちは「四羽ちゃんに死んでほしくない、不幸になってほしくない」といういわば親の気持ち、対して自然受精を望んだときの気持ちは四羽自身の気持ちや幸せを考えた気持ちといえるでしょう。

 最終的に子どもたちは自然受精を望み、四羽を牧場へと送り出しました。3学年も終わる3月、四羽は無事に出産しました。

(第一回目の授業、まだまだ続きます)


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