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長野市渡邊智子医師の性教育の紹介①小学校で牛を飼う

渡邊智子さんは、長野市の丸山産婦人科医院の医師です。以前から「避妊教育ネットワーク」を通じて知っています。若くて行動力があり、以前から尊敬しています。

 私が長野に講演に行ったときには職場を訪ねて行ったこともあります。中でも、彼女の実践で、すごいと思ったこと。それは、出産をするときに上の子も一緒に入院をしてもいい(そこまでだったら広島にもありますが)その上の子が幼稚園に行くのだったら、お弁当を病院が作って持たせるということでした。また、若い女性が妊娠、出産を希望するときに、体験入院をさせます。そして、お掃除やお料理の実習、三時間ごとに授乳の訓練。それらをさせることで、本当に自分は親になれるのかを考えさせます。

 私のクリニックでも、中学生が「絶対におろすのはいや。産んで育てる」と言い張っても、実は子育てということがどんなことなのか、全く実感できていないことがよくあります。この体験入院はとても有効だと思います。

 その彼女が自分のお嬢さんのいる小学三年生と四年生の二年間に渡って担任の先生と共に性教育をした、その報告です。松本市で彼女がした講演が掲載されている「思春期ネットニュースレター」と、彼女が保護者の方たちに配布した報告集もいただきました。彼女の許可を得ましたので、その両方から転載させていただきます。(少し要約するところもあります。)

「ぼくたちはどうやって生まれてきたの?」子どもたちの問いに向き合う性教育

 小学校二年生の娘のクラスで、今年の課題が決まりました。「みんなで牛を飼おう」です。でも本当に小学校で牛なんて飼えるの?授業参観日にみんなで話し合ったとき、当時妊娠中だった私は、担任の先生から助言を求められました。

「牛を飼うということは、みなさんが牛の親になるということですよ。どんなに大変でも、うんちが臭くても、親になったからには放り出せません。」子どもたちは長い話し合いの結果、親になる決心をしました。子牛は四羽(よつば)と名づけられました。

 それから一年。立派に育った牛の四羽さんは、月経が来て発情を迎えました。子牛を産ませたい子どもたちは、人工授精か自然受精にするかで意見が分かれました。子どもたちは、どんな選択をしたか。そして四羽を通じて本当に知りたかったこと、「ぼくたちはどうやって生まれてきたの?」の問いに、共に学んだ記録の発表です。

 昔も今も変わらない性教育 「男女に分かれ、女子は生理について勉強した。男子は何をしたか分からない。(10代学生)」「女子だけが集められ、ナプキンの使い方などを教わった。(40代女性)」など、内容は大きく変わりません。つまり20~30年の間、携帯電話の普及を初めとしてた子どもたちの交流のツールが大きく変化しているにも関わらず、性教育の内容はほとんど変わっていないということです。性に関して、事実を子どもたちに伝えるのが悪いことであるかのような考え方が教育現場でなされているのが現状で、周りの大人は性教育に関して及び腰であることが多いようです。

(以下、少し要約します。私が娘のクラスで性教育をしたいと考えた訳・日ごろから心がけていたお母さんたちへの働きかけー渡邊先生の父親は産婦人科医で、性教育にも熱心であったにもかかわらず、娘である自分には何にも教えてくれなかったこと。自分の娘にはちゃんと性教育をしたいと思ってきたこと。そして、普段からお母さんたちに生理や性教育への関心を起こすような働きかけをしてきたことなどです。)

いよいよ娘のクラスで性教育ー四羽が月経が始まり、発情を迎えました。「赤ちゃんを産めるようになった」ということを子どもたちは喜び、次の目標はいよいよ「妊娠・出産」です。どうやって四羽を妊娠させるか、それがきっかけとなり、娘のクラスで性教育を始めることになりました。

 実践に当たっては、まず親たちの同意を得ることからです。なぜ性教育が必要であるか、早ければ4年生で生理が始まってしまう子もいるので、何も知らないまま生理を迎え、出血を病気だと子どもが怖がるような事態を避けるためにも、事前の教育の必要性を話しました。そして、子どもたちのニーズにこたえる性教育をするということで、親達の同意を得ました。また、子供達は学校での授業の内容を家で話さないことが多く、それが親の不安の原因にもなるので、性教育終了後に内容や様子をまとめたものを渡すことにしました。

第一回目の授業テーマ「四羽の幸せって何だろう」目的:これから四羽の成長と共に、自分たち自身の体の成長を学んでいくことの大切さを知る。(以下、明日に続きます。)


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新型インフルエンザのワクチンが遅い!

 昨日は、島根県の邑智町に行って来ました。先週行った石見中学と今回の瑞穂中学と羽須美中学で町内のすべての中学生に話すことができました。

 石見中学では、新型インフルエンザでいま一年生が学年閉鎖、今度は二年生が多分今日から閉鎖にしなければならないでしょう、ということでした。それも、あるクラブ活動の生徒を中心だそうです。一週間ずれていたら、私の話ができないところで、危ないことでした。

 瑞穂中と羽須美中ではまだ新型インフルエンザの感染は出ていないとのことでした。でも、来週には修学旅行で沖縄に行くそうで、どうぞ、それまで出ないように、とのことでした。

 私のクリニックでも、やっと一昨日遅ればせながら新型のワクチンが届き、職員に接種することができました。また県の指示が出たなら、妊婦さんから接種を開始します。でも、いつになるのでしょう。

 季節性は、例年のごとく50人分取り寄せましたが、昨年と違い、あっという間に予約で一杯になってしまいました。予約をした方がどんどんと接種に来ています。追加の注文をしようとしたら、今在庫切れだそうです。今週中におそらく、もう少し入るでしょうから、そしたらうちにも分けて下さるということでした。

 本当に、新型の広がり具合は凄まじいものがあります。やっぱり子どもたち、若い人たちは、免疫がないのだとあらためて実感します。日本は、もっと早くにワクチンを作るべきだったと、これも改めて実感します。物がないと対処のしようがありません。本当に遅い!のです。このままだと、みんながかかった後で、やっと若い人たちへもワクチンの接種をということになるでしょう。

 中国は、いち早くワクチンをつくりはじめ、国内だけでなく、輸出までできるように、沢山作ることができています。それも、日本と異なり、2200人もの治験を終えて論文も発表していると。国によっては、ちゃんとできてるのですね。それは作成する力の違いではなく、国によっての行政の違い、ということだけです。なんだかねえ、と思ってしまいます。

 さて、近いうちに「小学校での性教育の実践」のシリーズを書きます。今、性風俗やデートDVの広がりなど、人と人との心の交流、コミュニケーションの貧しさを実感することが多くあります。早くから、人間関係も含めた性教育の実践が必要なのです。

 私はこのブログで、家庭での性教育についてもシリーズで書いてきました。小学校での優れた実践も紹介して来ました。指導要領が変わって、なかなか実践することがむずかしくなった学校教育ですが、また、とっても楽しい実践を教えてもらいましたので、そのご紹介をしたいと思っています。どうぞ、楽しみにしてください。

久しぶりにお昼ごはんです。

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 私のクリニックのすぐ近くに昔からある喫茶店「G線」です。学生時代には何回か来たことがありますが、それっきりでした。 懐かしいな、と思って見るだけだったのです。ところが、ここのお昼が大人気だと。本当にうかつでした。今では少なくなった昔風の喫茶店です。店内は、昔そのままの椅子で、オペラが流れています。名前も「G線上のアリア」から取っています。

 私はうなぎどんぶりです。ふっくらとしたうなぎはおいしくて満足です。私のお膳の向こうにチラッと見えるのが、姉が頼んだピリ辛のナポリタンのパスタです。びっくりしたのは、食事の後の飲み物、ホットコーヒーを頼みました。そしたら、ちゃんとサイホンで入れた本格的なコーヒーとアイスクリームがついてきました。卓上でコーヒーを入れてくださいます。もちろん、美味しいコーヒーです。これで800円。いいの?といいたいくらい、お安いランチです。本当にすぐそばにいて、いったい、何をしていたの?と言いたくなりました。メニューも豊富ですので、しばらく通おうと思います。


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神楽「八岐大蛇」。

 昨夜は良かった!!興奮の一時を過ごすことができました。

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そう、八岐大蛇・ヤマタノオロチですよ。白神さんの秋祭り。夕飯を食べてそれも、ちょっと夫と気まずくなってたので、それの修復の意味もあって、「ウォーキングに白神さんに行こう」と誘いました。「まだ神楽やってるかねえ。もう、終わってるかねえ。」といいながら、早足で行きました。「神楽でもね、ヤマタノオロチを見たいんよ。あの、大蛇を見たいんよね。」

 家を出たのがもう9時過ぎてたのでダメかも、と思ったのですが。ジャスト、白神さんに着く直前に「八岐大蛇」が始まったのです。私は靴を脱いでシートに座りました。人の迷惑にならないように、少しずつ前に出て。

 そして、見ましたね。小さな粗末な舞台なので、蛇は二匹までだろうと思っていたら、三匹も。やんややんやの拍手です。

 神楽をみながら、またまた父を思い出していました。父は、神楽が好きだった。それも、やっぱりこの大蛇が。と。筒賀村の坂上神楽団!素敵でしたよ。それに、笛を吹いていたのが、若い女性で、これも感動!途中でデジカメの電池切れで、その女性の姿が写せなくって残念でした。終わりまで座って見ました。足は痛いし、もう、寒くって。その後でちゃんと神社にお参りをしましたよ。

 夫と気まずくなったその理由。家に帰ると、夫がテレビで時代劇を見ていたのです。私は時代劇、昔の水戸黄門と木枯らし紋次郎は見ましたが、それ以外は好きではありません。うちはケーブルテレビなので、24時間時代劇のチャンネルがあるのです。夫はせっせとそれを見ます。うちに帰ったときに時代劇がついていると、本当にいやなのです。

 昨夜、それでチャンネルを回しました。そしたら、「見てるのに、何で変えるの」といいました。私は、NHKの試してガッテンで「物忘れ」をしていたので、それが見たかったのです。「もう、時代劇は、私がいないときに見てよ。」といいました。そして、私が夏の衆議院選挙の時に買った小さなポケットテレビを持ってきて、イヤホンをつけて、それを見ました。夫はちゃんばらを見ました。

 お互い別々のテレビを見ながら、黙って口も聞かずに御飯を食べました。実力行使です。初めてそんなことをしました。そして、試してガッテンが終わった後、ちょっとやりすぎたかな、と思ったので、修復しなければ、と思ったと。そういう次第です。犬も食わない話しですが。激しいけんかはしませんが、こういう小さな積み重ねが、熟年離婚につながると、そう思っているので、どこかで折り合いをつけながら生活しなければなりません。


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昨年度、人工妊娠中絶の統計から。

 一昨日の東京での「避妊教育ネットワーク」で、家族計画協会の北村邦夫医師に、 昨年度、平成20年度の日本の人工妊娠中絶数の発表があった旨教えて頂きました。母体保護統計です。

 これによると、昨年度の人工妊娠中絶総数は242,292で前年より14,380減少しています。人口1000対の実施率は、9.3から8.8への減少です。

 減少し続けているその理由は、ピルの普及など避妊の意識の向上が何より考えられますが、マスコミの分析の中には、カップルが「セックスをしなくなっている」ことを挙げているのもありました。これは、私たち現場でも、日々実感していることです。

 それはそれとして、その総数、ならびに実施率を上げておきますね。( )内は実施率、人口1000対の数です。15歳未満と50才以上の実施率は出ていません。

15歳未満347 15~19才22488(7.6) 20~24才56415(16.3) 25~29才 51719(13.8) 30~34才49461(11.2) 35~39才43385(9.1) 40~44才17065(4.1) 45~49才1378(0.4) 50才以上22 年齢不明12

 私の持論です。人口中絶というと、若い人のことばかり言われています。でも、実際多く受けているのは、大人なのですね。総数、実施率ともに一番多いのが20~24才、ついで25~29才、30~34才、35~39才、そしてこの次に15~19才が来ます。

 私は、大人になると、誰も避妊など教えてくれないから。ちゃんと知ることなく、俗説を信じてしてしまうから。 だから、若いうちに、学校教育の中で教えるべきだと考えています。

 もちろん、今のような情報社会ですから、ネットでも本でも何でも、知ろうと思えば知ることばできます。でも、その前の意識、もし妊娠しても産めないのなら、「避妊は必死でしなければならないもの」という、それが分かっていないのです。性というのは、そもそも生殖行為、妊娠する行為なのだから。甘いものではないということ。私が避妊を教えよと言うのは、それを教えよということなのです。

 コンドームを知っていても、使わなければ何もなりません。

「外に出せば大丈夫」。そんな意識ではダメなのだと。それをしっかり教えてほしいのです。「避妊を教えると、若者がしたがるから」、「若者をそそのかすこになる」なんて、そんな理由で、今は義務教育では教えてはならないことになっています。

 そうではない、避妊というのは、こんなにしんどいことなのだよ、と、将来にむけて教えてほしいのです。

「中学生に教えると、中学生のセックスを認めることになる」と。今は、その考えで、避妊を教えることはまるで犯罪のように捉えられています。

 今回の統計を見て、ますますその思いが強くなっています。大人たちが避妊を分かっていないのですね。

 若い人の中絶だけが問題なのではありません。中絶をしなければならない女性は、いくつであってもとてもしんどいことなのですから。


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英会話の教室退会です。

 今日、いえ、もう昨日の夜、YMCAの韓国語の帰りに事務室に行って、明日からの英会話のクラスを退会する手続きをしました。ずっと考えてきた挙句です。

 ちょうど二年前、私が参議院の選挙に立候補し、落っこちて、でもまだ選挙戦の間お願いしていたドクターの診療が続いて、私の時間がボッコリ空いて、本当に呆然としていました。どうしよう、何をしよう、何かをしなければ、の思いでYMCAを訪れたものです。英会話と韓国語の入会の手続きをしました。以後二年間、ほとんど休むことなく、出席し続けました。

 韓国語はずっと同じ李先生ですが、英会話は、クラスのランクアップもあって、今、三人目の先生です。今の先生はとても熱心で、いろいろと授業も工夫して下さいます。教科書だけでなく、独自のプリントを使ってのディベートあり、もちろんヒアリングもあり、しっかりしゃべらされます。かつ明るくて、授業は楽しく笑いが絶えません。

 今回退会を考えたのは、もちろんそんな授業に不満があるわけではなく、やはり時間的なゆとりの問題です。毎日の診療の後、月曜日は韓国語、火曜日は英会話。水曜日の多くは木曜日の講演のための移動、木曜日講演、金曜日は月一回のお花や度々の研修会。土日もいろいろとつぶれることが多くて。それに二日に一回のやまとの湯。合間合間にブログを書いたり、レセプトや書類書きなどのもろもろの雑用。もう、一杯一杯です。

 韓国語は絶対にやめたくありません。来春の韓国語検定試験を目指してまだまだ頑張らなければ。結局英会話をやめようと考えていました。

 今日、英会話の退会の手続きをして家に帰ってから、夫には、やまとの湯を二日に一回から、三日に一回にしてほしいと言いました。うちのお風呂だと、行き帰りの時間がないし、サウナなどもないので、短時間ですみます。

 さあ、これで少し時間的ゆとりができるでしょう。睡眠時間をもっと取るように心がけようと思います。このごろの片頭痛の頻発が、少し怖くなって、私自身の行動の変容をしなければ、いつまでも若くはないのだから、と、言い聞かせていました。

 心残りは、英会話の先生に申し訳ないということと、同僚の若い生徒さんたちです。皆さん、私の娘のような年齢の人たちです。若い人たちとの学習は楽しかったし、貴重な時間でした。みなさん、ありがとう、また、時間にゆとりができたら、ご一緒させて下さいね、とつぶやいています。

一昨日、東京二日め、帰る前に娘と食べたものです。汐留の高層ビルにある「The Seasoner」というレストランです。

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「バグナ カウダ」お野菜たっぷりをアンチョビ味のソースにつけて食べます。うーん、美味。ソースが絶品です。それに、生のナスがこんなに甘いなんて。

二皿目は娘の憧れのフォアグラのリンゴのコンフォート載せです。これまた、フォアグラは当然ですが、バルサミコス調のソースが美味しくて、娘はパンできれいにソースをぬぐって食べていました。私は、ちょっぴりご相伴です。私は、研修会の情報交換会ですでに食事をしていました。

2009_10250062 で、私が頼んだのがこれ。デザートの本日の盛り合わせです。アイスクリーム、ティラミス、チョコレートケーキ、チーズケーキ、ムースなどが果物とともにたっぷり載っています。とても食べ切れません。半分は、娘に助けてもらいました。このプレートが750円なんて、信じられない!です。これらに二人分の飲み物を加えて、全部で支払いは5150円でした。東京といえども、決して高くはありません。

 前日の韓国料理といい、このイタリアン?フランス?どっちなのか分からないけれど、おしゃれでおいしいお料理、満足でした。


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新型インフルエンザとワクチン

 昨夜、無事広島に帰って来ました。空港からそのままやまとの湯に直行です。夫は タクシーで合流です。しっかり勉強して、娘とご馳走も食べて帰りましたが、なにしろ片頭痛の後の肩と首のこりがひどくて、お風呂のあとにはマッサージセンターに行きました。家に帰ると、そのまベットで深い眠りに。今朝はさわやかです。

 今回の研修でいろいろと新しいことも学びましたので、またボツボツお知らせしようと思います。全国の若いドクターたちが頑張っていることがよく分かって、たのもしい限りです。

Photo  さて、緊急にお知らせしたいこと。新型インフルエンザです。インフルエンザA型発生動向調査が届きました。これは、10月14日から20日までの一週間の発生数です。同時に9月16日から10月22日までの5週間の動向も乗っています。

 これを見て、改めてびっくりです。この5週間の広島市での発生数をお知らせしますね。

9歳まで1272人。10代2735人。20代268人。30代159人。40代130人。50代43人。60代26人。70代10人。となっています。

 圧倒的に10代以下の子どもたちが罹っています。子どもたちは、学校などで集団で生活することが多いので、集団発生することも多いのでしょう。または、高齢の人が少ないのは免疫の問題があるのかも知れません。

 この数字は、広島市医師会が独自に発生数を調べ続けているから出たものです。

 この新型インフルエンザについては、当時の厚生労働省は完全に間違ったと思います。水際作戦、あのものものしい空港での検疫体制、今となっては世界の笑い種になっています。まだ熱が出る前にもう感染力は持ちます。熱がある人のチェックをしても無駄なのです。それに海外から帰ってきた人の追跡調査を各保健所にさせたこと。国内でどんどん感染、発生しているにも関わらず、ずっと海外からの帰国者ばかりに目を向けたこと。

 そして、どんどんと発生し続けるようになると、今年の7月22日、感染症法施行規則を改正し、新型インフルエンザ患者の全数把握を中止しました。

 広島市医師会は、8月26日から、独自に調査を続けています。発生数の全数把握をするために、医師会員すべてがインフルエンザA型の患者さんを診察した場合、ファックスで知らせるようにしています。医師会の検査センターは、週一回ずつその発生動向を知らせてくれます。それによって、今回の数も分かったものです。

 これから季節性のインフルエンザも例年のごとく発生してくるでしょう。両方のワクチンの接種が望まれます。

 しかし、今回の統計を見て、新型インフルエンザの接種のその優先順位、高校生など10代の人たちに早くして上げるべきだと思います。10代までが圧倒的に発生しているというこの事実、この年代は、集団発生しやすいということなどから、一刻も早く接種しなければ、と、強く思います。

 厚生労働省の後手後手の対応、これはいつかきちんと検証されなければならないでしょう。行政というのは、どうしても慣例主義となっています。何か新しいことが起こると、即座に決断、対応することがとても難しい、そんな体制が今回もまた、露呈していると思います。


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東京で「鳥一羽」を食べました。

2009_10250007 東京のホテルにいます。ロビーに真っ赤なアマリリスがダイナミックに飾ってありました。思わず足を止めて見入りました。

 昨夜の内に東京に来ました。毎年楽しみにしている広島フードフェスティバルに今年は行くことができませんでした。ああ、残念!私の韓国語の李先生、今年も粉だらけになってチヂミを焼いていらっしゃるかなあ、トッポギのあの甘辛いの、美味しくできているかなあ、などとぼんやり感じながら来たら、娘が予約していたところが韓国料理やさんでした。赤坂のなんと、「まいうKOREA」という変な名前のお店です。着くのが遅いので、遅くまでやっているお店でないと、という限られた中で、ネットで選んでいました。

2009_10250003  そこは、「ダックハンマリ」の専門店です。ダックハンマリ、車を運転しながらいつも聞きながしている韓国語のスピードラーニング、そこに「鳥一羽」という料理が出てきます。どんなのだろうと思っていたのですが、まさにそれでした。大きなお鍋に鳥が一羽、どーんと運ばれて来ました。

 ぐつぐつとしてきたら、店長が大きなはさみで鍋の中で鳥を切っていきます。みるみるうちに一羽が見事に裁かれました。そしたら、二回に分けて、キムチの浅漬けやいろいろなお野菜がほうり込まれました。

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しっかり煮えたら、鍋の向こうに写っているたれ、少しすっぱめのに唐辛子と黄色のからしを好みで溶いてそれにつけて食べます。はじめに白菜を一口食べてびっくり。それはそれは美味しかったです。これまで食べたことのないお味、コショーがしっかり効いて、これまでの韓国料理とは全くイメージが異なったお味です。そのおいしさに、うーん、うーんとうなりながら食べました。御飯を一人前、スープにつけて食べたり、最後には麺を煮込んで食べました。

2009_10250006 ワタリ蟹のコチジャン漬け、身がとろとろです。美味しいけれど、カラーイ。おまけに緑の唐辛子が散らばっています。その唐辛子を恐る恐るかじってあわてて吐き出しました。それでも口中、頭までしびれるほどの辛さでした。

 働く方も、他のお客さんも皆さん韓国語でしたので、全く本場の味そのもののお店なのでしょう。韓国料理を満喫して、本当に満足です。

今日は、お昼から会議兼研修会です。相変わらず片頭痛の発作が起こり続けています。今朝も、目が見えるようになるのをじっと待って起き上がりました。鎮痛剤が離せません。思い荷物を持って歩くのもよくないのかも知れません。夜広島に帰ります。


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島根の中学生に話しました。

 一昨日木曜日、島根の町の中学生に話しに行きました。そこに行くのは久々、4年ぶりです。町は毎年中学生、小学生に別メニューで「性・命・人権教育講演会」をしています。昨年、一昨年は、他の方が中学生に話しをしています。

 今回、中学生の内にいちどは私の話しを聞かせておこうということで、私を町が中学に派遣してくれました。町には中学校が三校在ります。そのうちの一校に行きました。来週、残りの二校合同で話しをします。

 毎年、いろいろな大人から性や人権について話を聞いて、卒業までにそれなりに自分の性意識を培ってくれることでしょう。中学生、一番いろいろと知りたいときに真正面から語っておきたいのです。たとえ一年生であっても。これから様々な情報に触れることでしょう。その情報を見分ける力を身に着けてほしい、そんな思いで話しをしました。

 とても純真ないなかの生徒たちです。でも、その純真で素直な生徒が、いざ進学して都会に出てきたとき。あふれるほどの情報の渦の中で大変なことになってしまった、そんな姿を散々見てきました。

 若者同士の恋愛でことが起きてしまった、そんなのはまだいいのです。いくらでも立ち直ることができます。でも、性風俗に入ってしまった、暴力団の手の中でがんじがらめになってしまっている、そうなると、もう、私の手でもどうして上げることができません。今の社会は、そんな危険を含んでいます。

 紅葉し始めの山道を走るのは、とても安らぎました。

2009_10220004  講演の後、私が好きだった「香木の里」に行きました。この辺りに行くときは、必ず寄っていました。静かな、落ち着いた、本当に一時でも、心が安らげるところです。

 でも久しぶりに行ったら、様子が変わっていました。

ゆっくりと散策するといいのですが、そんな時間もなく。景色を眺めて、ここで時には御飯かソフトクリームを食べます。前回来たときは、ソフトクリームを食べていたら、アブにお尻を刺されて痛い思いをしました。

2009_10220006 お店の人が陰でお薬を塗って下さった、そんなことを思い出しながらお店に入ったら、様子が変わっていました。

 お土産がすっかりなくなっています。ここでハーブの作品を買うのが好きだったのですが、一つもありません。いろいろと買って帰ろうと思っていたのに。お土産は、すぐそばの工芸館と温泉とに別れておいてあるのだそうです。

 その両方に行ってみたのですが、ちょっとしたことで、結局は何も見ることができませんでした。がっかりして、しょぼしょぼと帰りました。もう、二度と行くことはないでしょう。私の大好きな場所をこれで一つ失いました。

 プロ意識と接客、この両立を私自身の戒めとして学習しました。私も気をつけよう、そう思いながら帰りました。


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音♪さんのブログから。親が死ぬということ。

 「音♪さん」のブログを読んで、泣きました。これまで音♪さんが、お父様とお母様のお二人の介護を一人でやり続けたこと。毎日毎日別々の病院と施設に行ってお父様と話しをし、意識のないお母様に話し続けたこと。雨の日も風の日も欠かしていません。

 この音さん♪の姿を見て来ました。お父様の容態が悪くなって、お母様と同じ病院に移されたこと。そして、お父様が亡くなる直前にお母様と何年ぶりかに対面できたこと。お父様とお母様の手を重ねてあげたこと。

 寝ようとしても、音さん♪のブログが強烈に頭に残って眠れません。自分自身の親の死を思い出します。母が亡くなる日、父の顔をじっと見て、手を振りました。自分が死ぬことが分かって、父にさようならをしたのでしょう。

 父は意識がないまま一年が経ち、ついに病院に「昇圧剤」を切ります、と言われてしまいました。徐々に血圧が下がる中で、意識がないのに、父は必死で下顎呼吸をしました。亡くなる前に息がとても苦しいときに人々がする呼吸です。父の首には、気管切開がしてあります。首から空気が入るのにも関わらず、顎を大きく開けて、必死で口で息をしようとするのです。この姿には泣きました。意識がないのだから、もっと安らかに亡くなるのかと思ったら、とても苦しんで死んだのです。

 そんなことを思い出していたら、布団中で一人涙が出てきて、眠れなくなりました。やばい!このごろ、寝不足をすると強烈な片頭痛が起こるようになっています。左右のどちらかの一部が光のぎざぎざで見えなくなります。そのぎざぎざが徐々に広がって、片方の視野一杯が全く見えなくなると、強烈な頭痛が始まります。

 見えなくなりはじめると、即、それっと鎮痛剤を飲みます。ふつう量では効かないので、1.5倍飲みます。痛みはそれで治まるのですが、後、首と肩がカチカチになります。この発作は数日とてもつらいのです。これが最近あまりに頻回に起こるので、まいっています。寝不足と疲労に対しての警告なのでしょう。

 今日は大事な講演があります。心配になったので、ごそごそと起きだして、久しぶりに睡眠薬を飲みました。

 さあ、今日のためのスライドは、ばっちりできました。忙しいドクターたちに集まって頂いて話すのに、無駄な時間を過ごさせるわけにはいきません。ちゃんと意味があるようにと、しっかり作ることができました。頑張りましょう。


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深夜一人でクリニックにいます。

 うわあ、もう12時を過ぎました。私はまだ一人クリニックにいます。ああ、仕事が終わりません。

 明日ではない、もう今日です。は、島根の中学校で講演です。車で一人で行きます。もう、紅葉が進んでいるでしょうか。ちょっと楽しみです。

 その次の日、金曜日の診療後、「最近の性感染症とその予防」について、産婦人科のドクターたちに話をします。そのスライドの準備がまだできていません。相手が専門家たちですので、データもしっかり用意しないといけません。今日の内にできるだけやっておかないと。

 夕飯は、夫が出てきて、近くの長田屋で久々にお好み焼きを食べました。美味!大満足です。夫はそのまま家に帰りました。

 なんだか、心がしんどいことが続きます。

 こんなときは、少し楽しい話題を。一昨日のやまとの湯では、露天風呂にめがねを持って行きました。そして、ふちに頭を乗せて湯船の中で仰向けに寝て、めがねをかけて。体がお湯にぷかぷかと浮いた状態で、空を眺めました。そう、しっかり流れ星を見ましたよ。右から左へ大きな流れ星がさっと走りました。

 しかし、この姿勢は、長続きしません。露天風呂では、めがねは曇らず、とてもクリーンです。しかし、体がのぼせます。一つ見ただけで上がらなければなりませんでした。今日もまたやまとの湯の日なので、今度は違う姿勢で工夫してみようと思います。流れ星、いくつになってもどきどきするものです。でも、「あっ」てなもので、願いごとなんて、とても言えませんね。

2009_10200001  診察室に三つ子ちゃんが来てくれました。彼らが生まれる前からのお母さんとのお付き合いです。生まれた後も、時々来てくれて、その成長を見せてくれます。写真を撮ること、女の子は喜んで、でも、男の子は少しすねました。それぞれ個性がしっかり出てきます。かわいい!!です。写真の公表、O.K.して頂きました。

 診察室の私の机の前には、この三つ子ちゃんの写真と、摂食障害をそれはそれは苦労して克服した女性が生んだ、双子ちゃんの写真を飾っています。こんなのを仕事冥利に尽きるというのでしょうね。

 さあ、また仕事に戻ります。

 


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宮城県の物産展で。

 今度はそごうで宮城県の物産展です。お昼時間が一時間しかなかったのてすが、大急ぎで行ってみました。お昼ごはんはそこでラーメンです。

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左が姉の食べた海老ラーメン、右が私が食べた辛みそラーメンです。

海老ラーメン、海老のだしが入っているのでしょうか。とてもおいしいスープでした。

私が辛みそラーメンと注文すると、みそラーメンに辛みそのトッピングを200円で買って計951円です、とえらく高いのを払いました。ところが、この写真を撮った後、スープに漬かっているレンゲを出すと、そこに辛みそが盛ってあってびっくり。ここに入っているのなら、トッピングはいらないのに、と姉に言っていたら、それを聞いていたお店の人から、返品してお金をお返しします、といわれました。そうお金を返してもらっている人があっちでも、こっちでも。

 チケットを売る人が間違っていたようです。それでも、私の後でもそういう人が続いて、一体、どうなってるの?でした。それに、トッピングをのぞいても、辛みそラーメン、751円はどういう計算なのか?さっぱり分かりません。私はコイン入れを持って行っていなかったので、1000円を出して、49円おつりをもらいました。その後、200円の返金です。後で計算すると、ラーメンはたぶん715円なのですね。消費税を入れると、750.75円。普通、こんなのは切捨てではないのかしら。そうでないと、私たちが余分に税金をお店に払ったことになります。それに一円玉をもたもた数えているのは、時間の無駄なのに。もちろん、一円のお金が惜しいわけではなくて、お店のその姿勢がいやです。

 先日の北海道展の時もそうですが、どうも、そごうの物産展の時の特設の食堂のレジやウエイトレスは、あまりに素人さんで、手際が悪く、不愉快になります。

 でも、まあ、お味は良かったです。これを言っておかなければ、ね。

2009_10210003_2 宮城県の伝統工芸品、若柳地織の上下を買いました。早速これを着てやまとの湯に行きました。二年前、これと同じ生地の綿入れのベストというか、ちゃんちゃんこを買って重宝しています。もっと寒くなったら、この上下の上にそれを着ていくつもりです。

もんぺの形がとても気に入っています。写真ではよく分からないけれど、地模様も凝っています。きっと何年も重宝するでしょう。うれしい!

 期間中、もう一回くらい行くかな?


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韓国語の教科書と韓国料理

 昨日の韓国語の教室は相方の生徒さんがお休みでした。お仕事がとても忙しいそうです。みんな仕事をしながらですのでなかなか大変です。

2009_10200014  で、生徒は私だけ。こんなときには、いつもの教科書ではなく、これを使います。これは、外国にいる同胞の子どもたちのために韓国政府が作っている韓国語の教科書です。中は様々な国の子どもたちが登場する絵本のようで、楽しく学べるようになっています。

 アンニョンハセヨの挨拶など、全くの基礎から始まります。直接これに書き込みながら、どんどんと進みます。記憶力が乏しくなっている私にとって、これまでやって来た知識の整理と、忘れそうな単語を思い出すためにとても楽し2009_10200015 く学べます。

 昨日は、どんどん進んで14ページから45ページまで。そして、9ページほど宿題です。これを仕上げたら、次の2が、そしてその次の3もと、いただけるそうで、もう、楽しみなのです。日ごろ持ち歩いて、時間があればチョコチョコと問題をやります。もう、YMCAで韓国語を習い始めて、2年になります。いい加減、ちゃんとしゃべれるようにならないと。頑張りましょう!

 授業2009_10200004 のあと、先生と先生のお嬢さんと新しくできた韓国料理のお店に行きました。百メートル道路と、地蔵通りとの交差点になるところのビルにありました。店内はとてもきれいだし、働く人もきびきびととても気持ちのいいお店です。

 お料理は、美味しく、お値段もまずまずでした。これは、家族とも来なければ。韓国料理大好き!でも、なかなかここ!というお店に行き当たりません。ここは〇です。

2009_10200009 韓流鍋です。煮込むと真っ赤になります。豚肉、とり肉、ホルモン、トッポギも入っています。御飯を一人まえ取って、みんなでスプーンに救ってスープにつけて食べました。最後にはラーメンを入れました。おいしい!!

 それに、チヂミはパリパリ、中はもっちり、びっくりするほどおいしいし、ごま油風味のサラダも〇でした。少し疲れ気味の体に、にんにくと唐辛子が効果があるかな?

 今日の診療は、マスクをしてやります。


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がん講演会でした。

 昨日は、「未来を啓くみんなの癌予防展&がん講演会」でした。私は「若い女性に急増する子宮頸がん」の講演をしました。ギリギリまでスライドを追加したり削ったり、話しの流れを作るのに悪戦苦闘して。でも、本番は、きっかり60分でそれなりにいろいろな内容で話すことができたと思います。

 第二部のパネルディスカッションは、「知っておきたいがんの知識」。女性クリニックラポール院長の中原恭子医師と、広島県西部保険所広島支所厚生保健課専門員の百木義光医師のお二人と一緒です。

 百木先生からは、広島県の乳がんの取り組みを話して頂きました。とても感動的なお話しでした。どうぞ、広島県のホームページから入」ってみたください。何よりも感動したのは、乳がん患者さんのための「わたしのの手帳」です。乳がんになった方の手術やお薬やその副作用や、10年間に渡って記録するように作られています。ついこの間まで、できるだけ患者さんには癌であることを話さないで、隠して治療していたのが本当にうそのようです。時代は変わりました。自分自身がしっかり自分のことを知って、医療者とともに考えながら病気に立ち向かっていく、それを行政がここまでサポートしているのですね。

 中原先生の話では、女子大学生と医学生とにアンケートを取った、その結果が発表されました。まだまだ子宮頸がんの原因、その予防のためのワクチンのことなどは知られていません。医学生でも。もっともっと啓発が必要だと痛感しました。でも、癌の話しというと、若い人たちはなかなか来ません。昨日の会でも、参加者は思わしくありません。企業や大学などでの啓発も必要でしょう。

2009_10190001 講演やパネルディスカッションは自分では写真を撮れませんでしたので、ロビーでのがん予防展の様子です。様々なパネルの展示、それに癌についてのパンフレットが置いてありました。私も、緩和ケアや放射線治療などについてのパンフレットをいろいろといただいて帰りました。

 願わくば、このようなイベントにもっと多くの若い人たちが参加して、知識を身につけてほしい、それが課題ですね。

 ところで、パネルの後、ピアノ演奏があり、その後で

2009_10190002 ビンゴゲームがありました。癌についてのさまざまな知識の質問とその答えでゲームが作られています。

 ビンゴ大好きの私も参加しました。見事に三番目でビンゴ!!です。サンフレッチェの最終戦、12月5日(土)、京都サンガF.C.との試合のペアチケットが当たりました。森脇良太選手のカードつきです。

 とてもうれしいのですが、残念ながら、土曜日は夜まで診療で、私は見にいくことができません。

2009_10190003 サンフレッチェのファンで希望の方に差し上げます。ただし、試合までに私のクリニックにチケットを取りに来ることができる方。先着一名です。どうぞ、チケットがいる旨をコメントにお書きください。お一人が申し込まれた時点で終わりとします。席はバックスタンド自由シートです。 


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子ども手当てと保育園

 私は、日ごろコンクリートの小さな診察室にこもっている。時には外は大雨ということすら何にも知らないで診療をしていることもある。

 そのコンクリートの診察室に、患者さんそれぞれが自分の社会を背負って来る。患者さんに向き合うことは、社会に向き合うことでもある。私は、小さな診察室から社会を見る。

 女性は派遣の人が多いので、簡単に職を失う。正社員であっても、リストラされる人たちは多くあった。職員リーマンショックの前から、多くの女性たちが職場を首になった。首切りを逃れて、残った人も少ない人数でそれまでの仕事をこなさなければならないので、仕事に追われた。深夜までの残業をしなければ仕事が終わらない。働く人は、切られるのも、残るのも地獄の様な状況に置かれていた。

 そこにこのリーマンショックだ。妊娠中、もう少しで子どもが生まれるというときに、夫が職を失った。子どもが三人、育ち盛りなのに、失業した。母子家庭でそもそも厳しい家計なのに、正社員からパートにされた。そんな人がぞろぞろと続いた。

 そういう状況に中で、産むつもりだった妊娠を諦めて中絶しなければならなくなった人もいる。奨学金とアルバイトで頑張っていた大学生の母子家庭の長女は、ついに授業料が払えなくなって退学した。まだ中学、高校生の妹たちのために働くという。

 診療の中身についても、金額を事前に言って了解を得なければならないことも日常となった。

 そんなこのごろ。産むか諦めるか悩んでいる人たちに「26000円の子ども手当てが出るようになるよ。」というのは、とても大きな福音となっている。二人目を悩んでいる人には、「二人分、56000円が出るよ」と伝えると、顔が明るくなる。経済的理由で子どもが埋めないというのは、本当にあることなのだ。

 少子化で、将来高齢社会を支える若者がいなくなるという心配があるのなら、子ども手当てに反対しないほうがいい。子どものいない人の負担増になるといっても、将来はその子どもたちが社会を支えてくれるのだから。結局は今から生まれる子どもたちにお世話になるのだから。

 妊婦健診の補助も出産手当金も、ずいぶん増えて出産しやすくなった。ばら撒きと言っても、これが将来につながることなのだから。これが政治というものだと思う。

 もっとも、待機児童が沢山いるという、保育所の整備。これも頑張ってしなければならないことである。これは、これまでの自民党政権が全く本気でしなかったつけだ。子どもは家庭で育てよ。母親は家にいるべき、そんな主義主張が保育所を本気で作らなかった理由になっていなかったか。保育園増設のための補助を国が地方に本気でしなかったということの現れではないか。

 その昔、私が保育所の申し込みに行ったとき、「なぜはたらくのですか」と質問されて戸惑ったことがある。夫が病気だから。家計が苦しいから。いろいろと理由が書かれていたが、どれにも当てはまらない。「働くのが当然だから」と口で言ったら、顔をまじまじと見られた。そんなことを思い出す。

 今や、家計が逼迫して、女も働かなければやっていけなくなった人たちが増えているのだから。

 そんなことを、小さなコンクリートの中で、日々実感している。

2009_10170004 昨夜は47会でした。昭和47年、共に広島大学の産科婦人科学教室に入局した仲間です。一人、S君が数年前に倒れ、療養中ですが、後の全員が集まりました。一番左の日浦さんは松山の国立がんセンターの部長です。今や、癌治療、特に卵巣がんの化学療法では日本のトップの成績の、私たちのホープです。右から二人目の田中さんは、県北、比和町の地域の医療を一身に背負う、内科医です。右から三人目の久松さんは、この中でも、ただ一人お産をしている正真正銘の産婦人科医師です。後の三人、砂掘さん、温泉川さん、そして私はクリニックを開業しています。まるで今の日本の産婦人科の現状を反映しているような内訳となっています。私以外は全員ゴルフをしますので、ゴルフの話しで盛り上がっていました。私は蚊帳の外です。でも、久々に昔の仲間に会って、うれしかったです。S君の話ではちょっとしんみりしました。いつまでもみんな元気で働けますように。


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高齢の方の子宮癌死亡率

 18日のがん講演会のスライドを作っていて、胸が痛むことがあったのでそのご報告を。18日は、主に若い人たちへの癌の啓発のためのイベントなのですが、でも。

Photo_2 いろいろとデータを調べていて、この表を見たのです。子宮頸がんは、今日本では年間約8000人の方が罹患をし、約2400人の方が死亡しています。

 罹患率と死亡率を年齢別に表にしたものです。

 30~34歳の死亡率は7.5%。35~39歳の死亡率は9.0%。以後だんだんと年齢が上がるにつれて、死亡率も増えます。

 そして、70~74歳の方の死亡率は40.0%。75~79%の方が38.8%。80~84歳の方になると、死亡率は56%にもなるのです。

 これはいったい何なのでしょう。理由は単純です。高齢の方の子宮がんは早期に発見されないということ。進行して初めて分かるということ。早期に発見されないということは、すなわち、子宮がん検診を受けていないということだと思います。

 子宮がんは、定期的に検診さえ受けていれば必ず早期発見できますし、命を落とすことも、子宮を失うこともなく対処できるのです。そう一生懸命に啓発しているつもりなのですが、高齢の方にはなかなかその声が届かないようです。

 お年を召した方が、婦人科に行きにくいというのは、分からないでもありません。でも、自分の健康管理のために、是非年一回の検診を受けてほしいのです。子宮がんで亡くなるのはつらいのです。進行すると、痛みや排便障害など、いろいろとつらいことが起こってしまいます。

 ぜひ、高齢の方も検診を受けて下さい。といっても、高齢の方がこのブログを読まれることは少ないでしょう。読まれた皆様が、お母様、おばあさまに、検診を受けるように勧めてあげてほしいです。できれば、ご自分が検診に行くときに、お母様も誘って一緒に受けられるといいですね。

 私のところでも、高齢の方の子宮がんが進行して見つかることが多いのですが、こうして改めて統計を見てみると、高齢の方は、半分もの方がなくなってしまうという事実に愕然とします。今どき、早くに見つかれば直せる癌なのに、です。

Photo_3 以前出したグラフですが、日本では、いかにがん検診を受けていないか、これも愕然とするグラフです。これは、きっと高齢の方のほとんどが検診を受けていない、それが検診率を低くしているのだと思います。

 是非、皆様のご協力を!!呼びかけたいと思います。

 時間があれば、癌講演会来てくださいね!!いろいろとお役に立つことを話したいと思っています。


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都会の人はよく歩く!

2009_10150002 昨日のホテルの朝御飯です。いつものバイキングはやめて、和定食にしました。すごく豪華です。向こうの方のジュース、果物、ヨーグルト、ちりめん、コーヒーなどはバイキングです。

 日ごろは、あまり朝ごはんは食べません。コーヒーと果物程度です。でも、講演などで他に泊まるときは朝、しっかり食べます。

 動くからです。日ごろは運動不足ですが、出かけると、何より駅の階段を上り下りしないといけません。新幹線の駅は、エスカレーターやエレベーターが整備されていますが、JR本線や地下鉄などはまだまだで、ほとんど階段を歩きます。都会の人はよく歩くと、感心します。私たち田舎者は、たいていのところで車やエスカレーターを頼ります。

 先日の車いすダンスくらぶの釜山公演に同行してからというもの、階段や段差がとても気になります。都会の車椅子の人は、大変だろうな、と思います。

 私でも、パソコンの入った思い荷物を抱えての階段は、結構しんどいものがあります。昨日は、それでも楽なほうでした。地下鉄への乗り換えがありませんでしたので。ハプニングの岡山を除いて、広島駅、新大阪、梅田、翌日梅田から茨木、講演後茨木から新大阪、広島駅へと最短ですみました。新幹線の乗り降りを除いて、階段です。日ごろの運動不足を補うつもりで歩きます。エスカレーターがあれば利用するのですが、ないのか、それとも遠くにあるのか、なれない駅では分かりません。

 それで、夜やまとの湯で体重を量ってみたら、落ちていました。これだけの朝ごはんを食べても、体重が落ちるという、うれしいことなのですが。やっぱりくたびれました。

 


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大阪ドジ物語。

 大阪にいます。ああ、昨夜はもう、ドジをしてしまって。どっと疲れました。

 今日、大阪の高校で講演をします。夕べの内に大阪に来ておきたいと、バタバタと新幹線に乗って。新幹線の中では、今度の日曜日の癌講演会のスライドを作りました。今作っておかないと、もう、作る時間がないので、せっせと。トンネルの多い新幹線の中でも、パワーポイントでスライドを作るのはインターネットを使わないので大丈夫。

 で、ぎりぎり大阪に着くときに、アアッと気づきました。私、今日の講演で使うビデオを持って来るのを忘れていました。どうしよう、すぐに戻って取って来ようか。いえ、それでは大阪に戻って来れない。もう、頭はパニックです。

 大阪のプラットホームから夫に電話をしました。「明日、大阪まで持ってきて!」「ええっ、いいじゃないの。ビデオなんかなしで何とか講演を乗り切りなさいよ。」と、取り合ってくれません。

「うわーん、だめだ、だめだ、ビデオなしでは話しができんよ。何とかしてえ。」

 そして、ひらめきました。で、また電話。

「岡山まで持ってきて。私、岡山ならとんぼ返りができる。ねえ、お願いよう。」

「俺も広島まで帰ってこれるかなあ。」「ウン、私が乗ってる列車に乗れば帰れるよ。」

で、やっと夫もウンと言ってくれました。それっ、私は売店で時刻表を買いました。私が大阪まで乗ったレールスターがそのまま今度は博多まで戻ります。午後8時59分大阪発。それに乗ることにして。時刻表から、夫には、9時15分に乗って、と電話。夫はタクシーを捜して息を切らしていました。

 大阪からも広島からも、トンネルが多くて、なかなか携帯が通じません。何度も何度も電話をして、何とか話しができました。夫は無事15分のレールスターに乗っていました。私の方が早く岡山につくことが分かりました。9時50分着。急いで反対のプラットホームへ。ほどなく、夫の乗った列車が9時57分着。二号車に乗っていました。そこで、ビデオを受け取って、私はその列車に乗りました。58分発。夫は、急げ!で反対のホームへ。10時2分岡山発ののぞみに無事乗りました。

 本当にやれやれです。新大阪から梅田へ乗り換えて。11時過ぎに無事ホテルに入ったときには、どっと疲れていました。同時におなかがすいていました。大阪に着いて駅弁を買おうなんて思っていたのですが、このバタバタでそれどころではなくって。

2009_10140002 もう駅の売店はしまっているし、この辺りではコンビニを求めてずいぶんうろうろして苦労した覚えがあります。ホテルの人に聞くと、パプレストランが11時半ラストオーダーだと。そんなところに一人で行ったことはないのだけれど、背に腹は変えられません。

 そこで。イカ墨のライスコロッケです。中まで真っ黒です。右の向こう側のちょっと写っているのは、マグロとアボガドです。下に生野菜が、上には生ハムが乗っていました。飲み物はジンジャエール。あんまりお腹がすいているときにアルコールを入れるとひっくり返りそうだったから、ノンアルコールです。おしゃれでおいしい食事で、一息です。

 夫には、何度もありがとうと電話しました。感謝、感謝。13000円あまりお金も使わせました。ああ、もう、自分のドジが本当に「もうっ」です。


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「しゃべる」ということ。

 ここ十年、胃の中のピロリを退治してから、食べ物がおいしい。胃が痛くないということは、こんなに楽なことなのかと食べてきた。当然、体重が徐々に増える。そしたら、低血圧が少し改善して、普通の血圧になった。そしたら、朝早く目が覚めるようになった。ひどい低血圧で朝がつらかったのが、朝が平気になった。と、ここまでは「風が吹けば桶やが儲かる」で前置き。言いたいことはこから先。

 朝早く目が覚めると、まずテレビをつける。朝の番組はいろいろとあるが、今は「みのもんたの朝ズバ!」をつけている。これは、5時半からやっているし、みのもんたの感覚が私には一番心地いいので。

 しかし、このごろ、だんだん不快になっている。いえ、番組やみのもんたの姿勢ではではなくて。この番組は、福祉や政治の現場などの丁寧な取材だけでなく、その日の新聞の記事を紹介をするコーナーもかなりの時間を割いている。

 この朝刊の記事を読む女性の言葉がよく聞き取れないのだ。どの記事もはじめはゆっくり読む。でも、すぐに早口になる。単に早口でなく、口をはっきり開けないので、言葉が流れる。単語を固まりで理解できない。少し時間が経って、そして画面に現れる字を読んでやっと理解する。その時には、もう先の文を読んでいる。この繰り返しがたまらなくいらいらしてきたのだ。

 番組の中のほかの人はみんなちゃんと聞き取れる。この人だけだ。

 私は、アナウンサーなどしゃべるのが仕事の人は、ちゃんと人が聞き取れるようにしゃべる、それが何よりも第一の「仕事」だと思う。それがしゃべりのプロというものだ。顔がかわいいかどうかなんて、二の次。

 そういえば、父が生前「今、テレビでしゃべっていることは、さっぱり理解できん。」とよく言っていた。のきなみ早口のしゃべりの時だ。

 私も年を取ったということか。しかし、今年のドックでも、特に聴力が落ちてはいなかった。とすると、理解力が落ちたということか。テレビは、特に朝は年の人も沢山見ているはずなので、みんなに聞き取れるようにしてくれないと。どうも不愉快なので、彼女のしゃべりになると、チャンネルをかえることが多くなった。

 別の話。先日、北海道展の時、5000円以上買った人には、抽選があるという。ほんの少しの確率なので、当たることはないだろうが、まあ、応募しておこうかと抽選を申し込んだ。そしたら、そこの女性。

「当選の方をされましたら、連絡の方が行きますので。」と言った。ああ、不愉快。どうして「当選されましたら、連絡が行きますので」といわないのか。

 いちいちこんなことが引っかかるのは、やっぱり私も年を取った証拠だ。しかし、私も客商売。スタッフには、ちゃんとした言葉で、しっかり物が伝わるようにしゃべってほしい。スタッフに注意をするのは、しゃべり方が一番多い。丁寧にしゃべることをめんどくさがってはいけない。

 同時に私自身への戒めでもある。日々の診療も、それから講演も。言葉がちゃんと伝わっているかどうか。不快な言い方はしていないか。内容は理解されているか。常に心がけたいことである。


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「松江フォーゲルパーク・花鳥園」に行きました。

 出雲滞在二日めです。平田の道路沿いには、沢山の大学ののぼりが立っています。ホテルの前の道路も。全国大学対抗駅伝が開かれるなんて、全く知りませんでした。長い間行っていない出雲大社に行こうかと言っていたのですが、これでは、不可能です。で、急遽、以前から行って見たいと思っていた「松江フォーゲルパーク・花鳥園」に行きました。

 沢山の花と鳥。きれいで、楽しくて、感動しました。

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ハンギングもでかい!ベゴニアの花がこんなに大きくなるなんて!見事でした。

 山一つまるごと使った園内には沢山の大きな温室があります。

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山の上からは宍道湖と、向こうには大山まで見える、すばらしい展望です。園内はすべてバリアフリーです。段差のないエスカレーター、エレベーター、くだりの階段があるところには、別ルートで車が送ってくれますので、ベビーカーも車椅子も大丈夫です。それに、園内にはレストランやそばやさんがありますか、持込のお弁当を食べるスペースもちゃんと確保されていて、これもうれしかったです。

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私たちも、めずらしい鳥が沢山いる温室の中のスペースで、辛口さんのマツタケおこわの昨夜の残りでお昼ごはんです。

 

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温室の中だけでなく、園内の広い池には、ペリカン、白鳥、黒鳥、アヒル、鴨などの沢山の鳥たちがいます。えさを上げると、寄ってきて、競い合って食べます。白鳥や黒鳥より、鴨がすばやくて沢山食べます。

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本当に楽しい園でした。

2009_10120059_2  帰りは、山陰道を米子に出て、大山を眺めました。そこからは高速を出て、山道をのんびり。鳥取県と広島県を斜めに通って庄原へ。

 途中、御飯など寄り道をしながら、午後9時に家に帰り着きました。

 両親のお墓参りもしたし、お花や紅葉し始めの山や湖などをいっぱい見ての連休も終わりです。今日からまた診療です。


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出雲にいます。

 出雲市、平田にいます。昨日朝車で広島を出発して、のんびりやって来ました。出雲では、定番の、おばの家に寄って、一緒に平田の教会へ。教会でお墓参りをした後、またおばを送って出雲へ。平田に帰ってホテルへ。これまた定番の「ゆらり」で御飯とお風呂に入って。という一日でした。

2009_10110002  広島からの途中、布野の道の駅で、辛口の升井さんに会いました。手作りの「まつたけおこわ」を売っていらっしたので、三個購入です。まあ、器用に何でもなさること!です。これは夜食用。おいしかったです。お茶がついて500円は安かったです。大丈夫でしょうか、辛口さん。

 布野のふるさとバイキングでお昼御飯をと思ったのですが、ものすごい順番待ちです。名前を書いて野菜売り場などで時間をつぶしましたが、まだまだとても時間がかかりそうなので、断念して出発です。

 赤名の道の駅、ここの黒米のランチもファンなのですが、ここもすごい人。駐車するスペースもないし、レストランも満席。ここも諦めて、頓原のおそばを食べることにしました。

2009_10110003 奥出雲そばの「一福」です。人気のお店なので覚悟はしていましたが、ここも車も人もあふれています。ガードマンさんの案内で第二駐車場へ。順番待ち約40分で、やっと店内に入れました。待っている間、メニューをみながらあれこれ品定め。ここのファンの甥は、「山掛けそばの温かいの」がお勧めだと以前言っていました。

 夫がそれにして、姉は「舞茸てんぷらそば」。私が迷ったあげく、「琴弾割子そば」にしました。三つの割り子がそれぞれ違った味です。

2009_10110004 舞茸のてんぷら、山掛け、おろしと山菜。わさびは、自分で擦りおろして入れます。いい香りと辛味です。大正解。それぞれが本当においしくて、待ったかいがありました。

そばも自家栽培、一貫して手作りのこのお店が人気があるのも、当然と思いました。

 今日の夜までに家に帰ります。おばさんや教会の先生に聞いた話など、また、帰ってから書きますね。


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広島車いすダンスくらぶの皆さんと。

 昨日夜は、広島車いすダンスくらぶの慰労会でした。9月12日の県民文化センターでの「魂のパフォーマンスⅢ」と、9月25日の釜山での公演の両方の打ち上げです。

2009_10100006 2009_10100007                    

釜山でご一緒した方々とまた会えました。

 一つのことを一緒にやり遂げた方たちとの会話は楽しいものです。連れて行っていただいて本当に良かったと思います。

 お連れ合いが釜山で倒れ、今月の1日に亡くなった方もいらっしていて、お話しすることができました。お元気そうなお顔を見て、ほっとしました。まだまだ大変でしょうが、どうぞ疲れすぎないように、乗り越えてほしいと思いました。

 この素敵な仲間と、まだこれからもお付き合いをさせていただけたら、うれしいです。

 一昨日の金曜日は、kei.先生のお茶とお花を楽しむレッスンでした。「旬の花&グリーンを素敵にアレンジ♪-10月」。花材はファーガスとツルウメモドキです。秋の紅葉を先取りして、ダイナミックな楽しいアレンジです。あばれんぼうの葉っぱを治めるのに苦労しました。

2009_10090003 2009_10100003

クリニックのカウンターに飾って、翌日出勤してびっくり。

緑のウメモドキの多くがはじけてオレンジになっています。ますます秋らしく華やかになりました。

 透明なガラスの花器の中のお水も下から順々にオレンジに染まってより華やかになっています。

 来月はもうクリスマスアレンジで、本物のもみの木を使うのだそうです。今から楽しみでわくわくしています。

 今日は、朝から出雲の両親のお墓参りに行きます。途中、紅葉はまだかな?ボツボツ道中を楽しみながらゆっくりと運転しようと思います。


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「みみっちい話」その後

 先日、正確には10月6日、「みみっちい話を聞いてください」と書きました。とても恥ずかしい話しなのだけれど、どうにも憤懣やるかたなくって。一応、どう書くか考えたけれど、怒るのも、ちょっと。こういうお金の話は、とても言いづらい物です。考えた末、こういう愚痴のスタイルをとりました。

 本当はもっと書きたいこともあるのですが、しつこくなってしまうので、あの程度にしたものです。皆様、沢山のコメントありがとうございました。とてもありがたかったです。

 ところが、私のこのブログをどなたか分からないのですが、「はてなブックマーク」というサイトに貼り付けて(?)下さった方があるのです。そこで話題になっているとお知らせをいただいたので、覗いてみました。この「はてなブックマーク」というものがどういう仕組みのものなのかが、まだよく分かっていないのですが。

 でも、覗いてみて、びっくりしました。多くの方が、私のブログに対してコメントを載せて下さっているのです。本当にびっくりしまた。ありがたくて、涙が出る思いです。広島ブログのポイントもぐっと増えたので、もしかしてと思ってアクセス解析をしてみたら、やっぱり沢山のアクセスがありました。10月6日は4946、7日には9395アクセスも。「はてな・・」のおかげなのでしょうね。

 コメントを下さった多くの方が、この仕組みは変だと思って下さっているようですし、それにこんなひどく安い点数で働いていることを知らなかったと言ってくださっています。

 もう、ずっと前、私は産婦人科医の総会で、「洗浄をすると点数が下がるのはおかしい。どうして産婦人科はこんな状態にされているのでしょうか。」と質問したことがあります。で、その当時の産婦人科医会の代表の方が、全国の会にそれを持って行ってくださったのです。そうしたら、当時の全国の役員が「そんなささいなこと」と、けんもほろろだったのだそうです。でも、それからしばらく後、「このような産婦人科医にかかわる保険点数のことを本気で取り上げなかったことは間違いであった。広島の委員の方には失礼した。」との謝罪があった旨、会報に出ていました。

 ああ、やっと分かっていただけたのか、とホットしました。それからしばらくして、膣洗浄の点数と、外来加算の点数が同じになりました。膣洗浄をしてもしなくても、おんなじになったのです。ところが、それもほんの一時期で、また洗浄の点数は下げられてしまったのです。今は、カンジダ膣炎の人の場合、洗浄をしてお薬をいれると、それで外来加算と同じになります。お薬の購入代が当方の減、負担になるということです。

 ずいぶん安いところでの話しをしたのですが、医療行為でお金を沢山いただくには、最新の医療器械を高額で買って、それを使うことで高い点数をいただく、そうしないととても収入のアップは計れません。

 不妊治療でも、沢山のお金をいただくのは、体外受精をしているところだけです。これだと、一回あたり30万円もの金額となります。しかも私費ですので、いい値のままです。一回60万円の金額になる場合もあります。

 私のところでは、まず超音波のエコーとなるでしょうか。パソコンと同じで、超音波の機械も次々と新しいのが出ます。すぐに古くなってしまって、新しいのがほしくなります。だって、あそこの機械はこんなのが写る、とすぐに口コミで広がってしまいます。何より、妊婦さんには、きれいな赤ちゃんの像をプリントしてあげたいですよね。

 エコーは、おなかから見るのと、膣から見るのと、二種類の機械が必要です。私のところでは、開業以来、お腹からのは三台目です。今使っているのは、4300万円のです。マンションが一部屋買えそうです。3Dで赤ちゃんのお顔などが出ます。今もまだそのローンを払っています。膣式のも三台目です。でも、これて゛精一杯です。友人のところで使っているのは、8000万円の機械です。私は8000万円のなんてとても買えません。お産をして、収入が沢山あるところでないと無理です。

 私は、従業員10人の零細企業の経営者です。毎月の給料も年二回のボーナスも出さなければなりません。家賃も、月々の薬剤の購入費や検査センターの支払いなど、滞ることなく支払わなければなりません。

 経営が危ないとなったとき、真っ先にしたのは、自分の給料を下げることです。ドスンと下げました。そして、理事の給料も。従業員の給料には手をつけていません。リストラもしません。そして、収入をアップさせる努力をします。みみっちく、みみっちく。

 でも、つくづく思い知ったのですが、保険点数は、内科のドクターにとても手厚いということです。ほとんどの内科的病気には、外来加算52点に加えて、「特定疾患療養管理料」225点が月に二回も算定できるようになっています。高血圧や高脂血症など、ほとんどの病気です。でも、婦人科のたとえば子宮筋腫や内膜症などの慢性疾患は、全く特定疾患とはされていません。だから、収入のアップはとても難しいのです。

 それから、処置をすると52点の加算が消えますが、処置のほとんどは、婦人科、耳鼻科、眼科、泌尿器科などのマイナーな科でされます。そして、どの科でも、処置はとても点数は低いです。やはりマイナーな科は医師会の内部でも力が弱いし、対厚生労働省でも力が弱いと言うことなのでしょう。

 でも、高価な機械を使うのではなく、プライマリーケアー、医の原点でもある医療行為を大切にしないと、病気を見て、患者を診ないような医療がまかり通ってしまうようになると本当にそう思います。

 これって、なんかいろいな世界に共通のことかもしれません。高価な設備投資をして、借金に追いまくられて。そのための利益追求を必死でして。ああ、いやだ。医療がこうなってしまってはいけないのでは。だって、お金をいただく相手は病気の方なのですから。

 多くの皆様、本当にありがとうございました。私はやる気が失せたままですが・・・。


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北海道展のごちそう。(全部美味しいわけでは・・・)

 今日の晩御飯は、「北海道展の何かお弁当を買ってきて」と夫がお金をくれました。君に任せるから、おいしそうなのを選んで、と。

2009_10080004 だから、気合を入れて選びました。あっちのお店のとこっちのと、こっちとそっちと、行ったり来たりしながら、でも、結局選んだのは定番の「雑魚亭」です。それも、しっかりお金をもらったので、一番大きいのを選びました。それを見込んで今日のお昼は抜きです。朝、トースト一枚と果物とコーヒーだけで夕方まで我慢です。

 やはり雑魚亭は美味しいです。御飯も卵焼きも含めて、すべて美味しいです。でも、大きすぎました。一度には食べ切れません。これは二人で一個で十分です。または、もう少し小さいのを二個にすべきでした。残りはきっちり包んで冷蔵庫へ。明日の朝食べます。大丈夫かしら?

2009_10070001 5日の月曜日のお昼に行って買ったものです。花畑牧場のホエー豚亭の生コラーゲン豚まんと、じゃが餅とコロッケ、一つはバターコーン、一つは肉じゃがのコロッケです。

お昼御飯に、豚まんとじゃが餅をたべました。コロッケは家に持って帰りました。それが、豚まんのまずいこと。びっくりです。コラーゲンなんてものを混ぜるから、なんか生臭くて。せっかくおいしい豚を作っているのなら、素直に普通の豚まんにすればいいものを。いくらコラーゲンが美容にいいと言っても、まずいものを食べる気はしません。がっかりして、じゃが餅をたべたら、これもまた、ぜんぜん美味しくありません。ただ柔らかいだけの変な感触だし、味付けも。結果的に情けないお昼御飯となりました。持って帰って食べたコロッケは美味しかったです。

 お断り:これは、あくまでも私の舌の独断と偏見に基づいたものです。営業妨害の目的や、賄賂をいただいての宣伝などというものでは決してございませんのであしからず。ただ、食いしん坊の私は舌には自信があります。

 北海道展ももう少し(12日までです)。もう一回くらい行く時間があるかな?


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グッバイ ミスターシュルツ

 昨日朝、シュルツ夫妻が突然クリニックに現れて、10時までに帰りたいといわれます。新幹線で、昨日のうちに東京まで行き、今日の飛行機でアメリカに帰ると。

 あれ?まだ二試合残っているのだけれど、どうしたのだろうと思いましたが、詳しくは聞けませんでした。

 シュルツ投手は、その2メートルを超える長身、かつ100キロの体から150キロを超える重い玉を投げ込みます。もっと使われていいはず、といつも思っていました。でも、なぜか登板回数が少なくて、気の毒でした。

2009_06270016ちょうど私が見に行っていた日本ハムとの交流戦では、見事な火消し役を果たし、ヒーローとなりました。ヒーローインタビューの後、ゆっくりと球場を回ってファンと握手をする姿です。いつものおだやかな笑顔が、とってもうれしそうでした。

 どうしてもう帰ってしまうのか、来期はどうなるのか、あまり使ってくれなかったので、失望の内に帰国をするのだろうか、とても気になります。

 急いで診療をして、2009_10070004最後に「どうぞ、また広島に帰ってきてください」と握手をしながら言うと、また人懐っこい笑顔で「サンキュー」と言ってくれました。

 ご夫妻で、とってもいい人なので、私のクリニックでは、スタッフみんなが ファンです。どうか、またその姿が見れますように。

 しかし、大きいですね。私もミセスシュルツも座っているのではなく、立っているのですが。


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北海道展より

そごうの北海道展、お昼など時間があればちょろちょろと覗いています。

2009_10050001 定番のカレーパン、北海道の大きな男爵いもがゴロンと入っています。とっても美味しいです。大人気でいつも行列なのですが、おとなしく並んで買いました。

同じパンやさんの食パン、「トーストするだけ、バターが練りこんであって、トーストでそのバターが溶けでてこんがりと焼ける」のだそうで、初めて買いました。確かに、こんがりととっても美味しいトーストです。でも、567円は高いです。高くても美味しいです・・・。

2009_10070002 2009_10070003

ごめんなさい。時間がなくなって。まだ北海道展第二弾、続きます。


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みみっちい話を聞いて下さい。

 あまりにみみっちい話しなので。書くのも情けない話なのですが。ちょっと愚痴を聞いてください。

 乳腺炎を起こしてくる人がいます。授乳中、乳管が詰まって、しこりができて、赤くなって、高熱を出す人もいます。本人は、とてもつらいのです。

 そのような時、患者さんにはベッドに横になって頂いて、オッパイのマッサージをします。詰まっているところが通るように。しこりが解消されるように。出てくる母乳をガーゼに吸わせながら、とても時間がかかります。大体、30分近く。力もいるので、終わると手ががたがた震えるほどです。

 つい先日、その乳房マッサージが保険点数、35点。350円だと知りました。わあ、これだけ苦労して、350円なのか、と、ちょっとがっかりしました。もちろん患者さんは、その3割負担の105円、規則で切り上げの110円の支払いです。えらく安いんだあと。

 実は、私はレセプトの点検をするときにも、点数は、全く気にしないできました。それぞれの患者さんに何をしているのか、やったことと、病名があっているか、落ちがないかのチェックのみです。点数、すなわち収入については、私の中に変なっツッパリがあって、医療は算術にしたくないという思いで全く気にしないことにしてきていたのです。

 所が、ここに来て、そうも言っておれなくなりました。漫然と医療をしていて、厚生労働省の決めるとおり、医療費の削減で、どんどん保険の点数が低くなる、、それに沿って収入も落ちて来ました。実に素直に落ちました。「医療なんて、必要最低限にするもの」という意識もありました。余分なことをして収入をアップさせる、経営努力をしてこなかったのです。患者さんは沢山診ているにも関わらず、経営が危なくなりました。

 で、右手が骨折していた先日、マッサージの後、あまりに手がつらかったので、つい聞いたのです。これをすればいくらなのか、と、そしたら「35点」と言うことだったのです。がっかりしたけれど、これも患者さんへの一種のボランティアだと思うことにしました。

 ところが、昨日、レセプトをしていて、ふときづいたのです。

 これがみみっちい話しなのです。

 再診料というのがあります。71点、710円です。患者さんが来て、お話しをしたりすると、このお金がかかります。それに加え、お薬の処方をしたり、注射をしたり、検査をするだけだと、「外来加算」というのがあって、これが52点、520円加算されます。

 でも、乳房マッサージや、導尿や膣洗浄やなど産婦人科にありがちな「処置」をすると、この52点の加算が消えて、いただけなくなります。だから、乳房マッサージをすると、52点が消えて、その代わりに35点がいただける、と。そうなるのです。

 要するに、乳房が痛いと言ってきた人になんにもしなければ71プラス52点の1230円いただける、でも、一生懸命時間をかけてマッサージをすれば、71プラス35点の1060円いただけると、収入が下がってしまうのです。

 それに気づいて、もう、びっくり。一体いつからこんなことになっているのでしょう。全く気づきませんでした。それなら、マッサージはしても、保険での請求はしないで、なんにもしなかったようにした方がいいということになります。

 脳性まひで、排尿もままならない方がいます。いつもオムツなので、どうしても膀胱炎になります。この前から、それがひどく、お薬だけでは、改善しなくなりました。導尿をするとどろどろの尿がでてきたので、これはいけない、で、膀胱洗浄をしました。以来、来られるたびに膀胱洗浄をするのですが、なかなかきれいになりません。昨日、ふと「これ、いくら?」とたずねたら、60点、600円でした。膀胱洗浄をするのに、約30分かかります。乳房マッサージは私がしますが、膀胱洗浄は、ナース一人が付きっ切りです。

 でも、昨日、「もしかして、これも52点はだめなの?」と尋ねたら、そうでした。60点いただいて、52点消える、差は8点です。うーん、でも、その膀胱洗浄をするのに、220円のカテーテルを一本使います。そのカテーテル代はいただけません。ああ、やればやるほど収入減だ、と分かりました。でも、これも患者さんのためにはやめるわけにはいきません。

 昨日、出血する人が来られました。癌でも妊娠でもないのですが、子宮口に出血の原因がありました。で、電気メスの機械を出してもらって、それで焼いて止血しました。

 つい、これ、何点?と聞きました。「子宮出血止血法」といって、45点でした。でも、これでまた52点は算出できないと。70円のマイナスです。だから、会計に、止血術はしなかったことにして、といいました。こんなことは初めてです。

 そして、いやになりました。本当に自分がみじめになりました。こうして、いちいち医療行為に点数を気にしなくてはならない状況が、情けないのです。

 でも、こうして本当に10円、100円単位のお金をいただいて、その積み重ねで経営が成り立っているのですから。私は中絶もお産もしないので、10万円単位のお金なんて、夢物語です。

 今、本気でイヤになっています。いつの間にか、こんな仕組みにしている厚生労働省、それに対して、なんにも対応していない医師会や産婦人科医の団体も情けないのです。

 みみっちい話しといいましたが、経営を続けていけるかどうかの瀬戸際の今、本気でイヤになったら、あっさりクリニックをやめましょうね、とそう考えています。

 


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最近読んだ本4.辻井いつ子さんの本二冊

 「今日の風、なに色?」と「のぶカンタービレ!」はピアニスト辻井伸行さんのお母さんの手記です。全盲で生まれた伸行さんはヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝するほどのピアニストになりました。その子育ての手記です。

2009_10050003  それは、感動の記録でした。おもしろくて二冊一気に読みました。

 第一弾は生まれてから小学卒業まで。第二弾ののぶカンタービレは、19歳まで。優勝した国際コンクールへの挑戦はまだ書かれていません。その前、最終の前まで残った「ショパンコンクール」までのことがかかれています。今度は、第3弾、優勝した国際コンクールの舞台、舞台裏を書いて頂きたいですね。

 子育て中の方には、参考になることが沢山出てきます。もちろん、どなたにも状況や財力などそっくり当てはまることは無理ではありますが。ただ、子育てを終えた者にとっては、胸がチクチクと痛むことが沢山ありました。もう一度子育てをできたなら、と、いつも子育ての書を読むとそう思います。

 ところで、この本の最後には不思議な役の方かが出てきます。おや?と思ったのは、その方のあとがきとも言える文章があったからです。取材・構成の神山典士さん、肩書きはノンフィクション作家となっています。

「いつ子さんの子育てを見ていると、「自分自身が成長する子育て」という言葉が浮かんできます。ー略ーできましたら多くの方にその思いを追体験していただきたいと願いつつ、辻井家への道を何度も通わせていただきました。」

 第二段の本は、取材が消えて、ただ構成とだけになっています。構成は分かるけど、「取材」て何なんだろう、しかもその方の文章まで収録されているのは、何なんだろうと、どうでもいいことかも知れませんが、引っかかっています。どうでもいいことですね。

 どさっと買い込んだ本を読むのも、もうここでしばらくストップです。寝る前だけにします。読み始めると、もうだめで、レセプトをやりかけては、また本に戻ったり、お風呂やさんに行っても脱衣室で読みふけって、お風呂はそそくさと終えたり、日常生活にも支障をきたしています。自分の意思の弱さが本当に情けなくなります。


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「お月見」に。いろいろ。

 昨夜はお月見。深夜、高い空のど真ん中にある満月をながめました。静寂、高潔、これが「凛」だと思う月でした。

 お月見になるたびに遠い昔を思い出します。学生時代。全共闘運動の下降線の始まり。その夏、広島大学で、沢山の逮捕者がでました。私は、救援対策で、逮捕された学生の差し入れ、面会、保釈申請、裁判準備の書類作りなど、連日走りまわっていました。その日、一人立て看板を書いていました。救援対策にはとてもお金がかかります。保釈の許可が出てもお金を払わなければ釈放されません。差し入れにもお金がかかります。緊急のカンパの要請の看板です。

 大学の構内で夜中、一人黙々と看板を書き、そしてやっと出来上がったとき、疲れ切って、芝生に寝転びました。そしたら、空の真ん中に月が輝いていました。「ああ、満月だ」。季節を見るゆとりもなかった日々、その美し過ぎる月を見て、涙を流しました。その月が中秋の名月だったことは、後で知りました。以来、お月見というと、いつもその時を思い出します。もう、40年前のことです。

 遅ればせながら。10月1日の「お月見ライブ」。素晴らしかったです。二階堂和美さん。本当にすばらしいとしか言いようのない、ミュージシャンです。黒瀬みどりさんのピアノと共に、音楽を堪能しました。彼女そのものが「楽器」です。喉も体も全身が楽器でした。二階堂和美というミュージシャンがいるということを知ったこと、感謝です。このライブのスタッフでもあり、声をかけてくださったyoshijiiさん本当にありがとうござまいした。

2009_10020002 ライブ中の写真撮影は禁止ですので、その前に。お寺の本堂に本格的な舞台が作られました。これだけの舞台を作るのは、大変だったでしょう。私の席からは、ちょうどお月様の中に和美さんが入って歌っていました。まさにお月見ライブです。本堂は、超満員。ざっと200名のお客さんでした。

 私は、早くに行ったので、ちょっと後ろの端っこ、出入り口の所の席を確保しました。とても気になる患者さんがいて、いつ連絡があるか分からない状況でしたので。そこで、花かんざしさんゆきりんさんと並んで楽しむことができました。知ってる人と、「すごいねえ」などと話しながら過ごすのは、感動が倍増しました。お二人ともありがとう。またお声をかけてくださいね。

 そのライブの最中に、悲しい連絡が入りました。一緒に釜山に行って倒れた車椅子ダンスのメンバーが福岡の病院で亡くなったということでした。2日のお通夜に行きました。そばについていながら、助けることができなかったこと、福岡に迎えに行きながら、広島に連れて帰ることもできなかったこと、とてもダンディで安らかな寝顔に「本当にごめんなさい」とお詫びをしました。私にとっては短いご縁でしたけれど、やりきれない思いでいます。お葬式が中秋の名月の日でした。私は、仕事で参加はできませんでした。


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このごろ読んだ本3.「リハビリ・ダンデイ」野坂昭如さんのリハビリ

 最近読んだ本、「リハビリ・ダンディ」。野坂昭如さんが6年前脳梗塞で倒れた、その時からの妻、賜子さんの介護の手記です。

 野坂昭如さんといえば、若い人にはなじみがないかもしれません。でも、「火垂るるの墓」の作者といえば、知っているかな?私たちの若いころは、彼の全盛期。直木賞作家であり、歌手であり(マリリンモンローノーリターンなど、沢山のヒット曲があります)、二院クラブの参議院議員でもありました。

 その彼が突然、脳梗塞となります。右半身不随、言葉も不自由となって。でも、今、彼は口述筆記で「戦争童話」を書き続けています。

 体が不自由でも、相変わらずの彼のユーモア、妻の明るさ、その陰に人には到底わからないであろう苦労など、楽しく、深刻に、一気に読めます。

 私としては、一ファンとして、彼の近況が知りたかったのです。そして、彼にはもっともっと残してほしい作品があるから。ぜひ頑張って書いてほしいのです。あの戦争を体験した人たちの、若い人へのメッセージをできる限り残してほしいのです。その頑張っている姿に触れることができました。

 しかし、これを読みながら、私自身も人事ではなく、いつこうなるか分からないということを実感しました。私が突然倒れたら、そして動くのも言葉も不自由になったなら、どうなるのだろう。夫はどう看病しようとするのか、それを私はうっとうしく思わないだろうか、いえ、その前に私自身に生きようという意欲が湧いてくるのだろうか。反対に夫が倒れたら、私はどうするのだろうか、そんなことを考えて、身震いしました。

 そんなことを考えて、少しずつ家の片付けなどをしなければ。改めてそう思いました。

 さて、昨日からそごうで「北海道展」が開かれています。お昼時間に行ったら、さすが初日から多くの人でごった返しています。

 行列をおとなしくならんで、ラーメンを食べました。

2009_10020006 広告では「醤油ラーメン」がお勧めのようですが、でも私はやっぱり味噌ラーメンです。840円。少し、味噌が濃いかな?でも、こってりおいしいラーメンです。

 姉と二人、注文して待っていたら、突然テレビカメラが入って来ました。いろいろな人に、食べてるところを撮ってもいいかと尋ねています。みーんな断っています。まあ、そんなに気取らなくてもいいのに、と思っていたら、なんと、私たち二人に聞かれたのです。びっくりして、でも姉とO.K.しました。まあ、カメラが近づいて、とても長い間撮っていました。やっぱりちょっと食べてるところを撮られるというのは、恥ずかしいですね。下を向いて食べましたよ。

 夕方のワイドショーの時間、その映像が流れたそうです。私は診療中でそれどころではありませんでしたので、見ていません。そうそう、花畑牧場の「生キャラメル」、その場で買えましたよ。朝9時から並んで整理券をもらわないといけなかったのですが、あまり並ぶ人がいなかったのでしょう。そろそろ、報道されているように、ブームが下降線ですかね。でも、やはりとってもおいしい生キャラメルでした。


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このごろ読んだ本2.「自民崩壊の300日」は、時間の無駄。

 はじめに、先日報道され、私もブログに書いた「子宮頸がんワクチン」の話し。まだ厚生労働省の認可はされていません。一分科会を通ったと言うだけで、正式な認可ではないそうです。一応、10月の終わり頃になる見込みだそうです。それに、とても高額だし、日本では他の多くの国のように公的負担は望めないそうです。これでは、たとえ認可されても、国内でどれだけ接種されるかは全く分かりません。訂正のためにお伝えしますね。

 さて、最近読んだ本の内の「自民崩壊の300日」。以前、上杉隆さんの「官邸崩壊」を読んだときのあの面白さをもう一度と思って買ったのですが。全く失望です。まあ、「読売新聞政治部」の著ですので、社の姿勢が問われるので、仕方がないことかもしれません。

「官邸崩壊」では、私の知らなかったことが、沢山出てきました。安部首相のブレーンは、あの「日本会議」の人たちだったこと、夜な夜な彼らが官邸を訪れて、「お友だち会議」をしていたこと。これは衝撃でした。「あたらしい歴史教科書を作る会」の人たちが影響がとても大きい政策でしたが、なるほど、そうだったのか、と良く分かったものです。

 でも、今回の本はどうもちぐはぐでした。たとえば「中川昭一さん」のあの、酩酊記者会見、今回の選挙でも、度々あの会見の様子が流されて、気の毒ではありましたが。それに、今回の選挙の最中にも夫人が「あれは風邪薬でしたが」と言っていたのが、びっくりでしたが。その会見の前に読売新聞の女性記者も同席してワインを飲んだと報道されています。そのことが、どう書かれているのか楽しみでしたが、全く書かれていませんでした。読売新聞しか知らないことが、きっとあったはずなのですが、書かれていません。

 定額給付金を巡るドタバタも、これだけ「いつ誰が誰に会った」と細かくルポするのであれば、麻生さんが、「高給をもらっている人がお金をもらうのはさもしい」と言いながら、自分ももらうことに決めたことの矛盾の経緯などはほとんど書かれないし。

 それに、東国原宮崎県知事を巡るあのドタバタ、あれも自民党への支持を減らす大きな原因となったと思うのですが、それについても、ほとんど書かれていません。知事自身の大きな勘違い、それにスターを引っ張ってくれば選挙に有利になるかと、国民の思いを見くびった自民党、古賀誠選挙対策本部長の辞任につながった大きな出来事も、たった一二行だけです。

 さらに、やはり今回の選挙の結果は、けっして麻生さん総理になってからだけのことでなく、年金や官僚の天下り、高給、高額退職金をもらっては次へという「わたり」の問題、沢山の人が首切りとなって住む場所すらなくなった「派遣」の問題、などなど、長い間の自民政権の様々な垢に国民が怒ったこと、それに尽きると思います。

今、民主党中心の選挙になって、これまでのそのひずみがいかにひどかったかということが次々と明らかになって、本当にほっとするし、また改めて怒りが湧いて来ます。

 なんだか、この本は読むだけ時間の無駄だったなあ、とむなしくなっています。もう少し、大所高所に立った視点がほしいと思います。ただ、麻生さんが総理になってすぐに解散総選挙をするはずだったのが、いろいろな自民党内部のバタバタでできなかったこと、人の言うことに影響されっぱなしで、決断をする力が麻生氏にはなかったこと、それだけの人であったということだけは、よく分かりました。

 今回の政権交代についてのドキュメント、もう少し他の人のも読んでみたいと思います。できればまた上杉さんが書いてくれないかなあと思っています。

次回、もう一回、本のことを書かせていただきますね。介護のことです。


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このごろ読んだ本1.拉致被害者蓮池さん兄弟の本

2009_10010002 ここのところ読んだ本です。本は、一旦読み出すと、もう止まらなくって、何もしたくなくなるので困ります。ですから、日ごろは、寝る前だけ、ベットの中で、と決めているのですが、少し新幹線や船に乗ったりすることがあったので、いいチャンスでした。で、立て続けにこれらの本を買って読みました。

 どんな本でも、それぞれに感動します。拉致被害者の蓮池さん。とてもご苦労でしたでしょうが、帰国してからも本当にたくましく、自力で生きる道を歩んでこられました。これまでもたくさんの翻訳本を出してこられましたが、今回の本「半島へふたたび」は、北朝鮮と地続きの韓国に行った、そのルポです。自分自身の苦しかったときや、北へ今なお取り残されている方たちへの思い等が交錯しながら、韓国の歴史も含めて、とても丁寧なルポになっています。何回も韓国に行っている私は、一体何を見てきているのか、と恥ずかしくなるくらいです。今度行くときには、ここに書かれているような視点をしっかり持っていこうと思いました。

 蓮池薫さんのお兄さん、蓮池透さんの書かれた「拉致 左右の垣根を超えた闘いへ」。家族会の代表であった透さん、今は代表が変わり、マスコミにもほとんど姿をみせなくなった方の拉致問題解決への提言です。五人の方と後での家族の帰国を巡っての家族会の内情なども書かれています。

 今、「救う会」への疑問、その「救う会」に強く影響されている家族会への危惧、「経済制裁」が拉致被害者を救うためであるべきなのが、「北朝鮮」を崩壊させるための運動に利用されていることへの疑念などが、しっかりと信念を持って書かれています。ここまで書くと、透さんへの風当たりはとても強いだろうと思います。

 でも、それを振り払うかのように、これだけはっきりと書かれていて、本当に感動しました。今の膠着状態と、「救う会」の主張が拉致被害者を救うことにはならないのではないか、逆へ逆へと行っているのではないかという疑問を持った誰もが、大きい声でそのことを言えないような雰囲気の中、この一冊の持つ意味は大きいと思います。

 政権が変わった今、再び北朝鮮とのパイプを取り戻すチャンスだと思うのですが。一刻も早く被害者の方たちが戻ってこれますように。それを祈るのではなく、またこの本にも書かれていますが、何のためか分からない国内向けへの宣伝ではなく、奪還のためのプログラムを具体的に作っていく、その責任が新政権にもあります。ただただ「制裁」だけでなく。

 他の本については、次回報告しますね。

 


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