息子が彼女を妊娠させたなら(2)男の子への教育は?
今日、府中市に行って来ました(片道二時間、ギブスのままでの車の運転も、もう大丈夫でした)。中学校の生徒と保護者の方たちに話しをしました。先日も言ったのですが、中学校時代にしっかり話して置きたいのです。とても興味があって、いろいろと知りたいとき。それも、巷には、ひどいうそだらけの情報があふれています。放っていたなら、それらの情報から、性意識が作られてしまいます。
女性や性に対しての意識です。性というのは、人間関係そのものです。性や異性を真摯に捉えて、豊かな人間関係を作りながら、充実して生きることができるような、そんな意識を作るためにも、早くに伝えることが必要だと信じます。
特に、男の子たちには、性は相手との関係性そのものだということを知ってほしいのです。若者たちは、こぞって無知です。性というのは、知識がなかったり、間違った知識を持っていても、行動が取れるものなのですね。いえ、むしろ、無知だからこそ行動が取れる。知れば知るほど慎重になるはずなのに。間違った知識の元で行動を取ったなら、どんなことになるか、これは目に見えています。
しかも、その結果のほとんどは、女性が引き受けなければなりません。男性があのしんどい格好の内診台に上がることはありません。足を広げ、手を縛られて、恐怖の中で手術を受けるわけではありません。すべての結果を女性が引き受けなければならないのだから。だからこそ、男性たちには、女性に対して責任が取れる行動を取ってほしいのです。
「身ごもる性を持っている女性は、自分の体に責任を持て、身ごもらせる性を持っている男性は、女性の体に責任を持て」これは、おそらく未来永劫変わることがないだろう「女のみが身ごもる」という事実から来る、性の関係を考える上での大原則なのです。これが言いたくて、わたしは、初めての本「さらば悲しみの性」も出したのです。
しかし、結果的に産めない、育てられない妊娠をしまったカップルでも、これは、はじめから、「妊娠したらおろしましょう」と思って行動を取っているわけではありません。私は聞きます。「妊娠したらおろそうと思ってた?」と。百人中百人、全員が首を振ります。「では、産もうと思ってた?」生活などの実感のないところで「産みたいと思った」「産めるといいなと思ってた」と言う子と、黙ってうつむく子とに分かれます。
要するに、「妊娠」と言う実感のないところでの性行動なのですね。私が若者を無知だと言うのは、まさにこの点なのです。セックスによって妊娠する、それくらいのこと、今時誰だって知っているのですが。でも、その当たり前のことが自分のものになっていない、自分の行動と結びついた、「力」としての知識になっていないのです。「これで私が妊娠する」「これで彼女が妊娠してしまう」そう捉え切っていないのです。
「いいか、性というのは、本来生殖行為。望むにしろ、望まないにしろ、たった一回だって、たとえむりやり、レイプだって妊娠はする、妊娠する行為なんだということを知らないといけません。」「何回かしているうちに、たまたまウンのいい人か、悪い人か、妊娠と言うものはするものらしい、そんな風に捉えていたら、とんでもないことなんだよ」
今日、私は、そんな風に中学生に伝えました。だって、巷の情報には、そんなこと、「妊娠」なんて微塵も出て来ませんもの。これをちゃんと捉えていないことにすべての元凶があります。避妊を簡単に捉えてしまうのも、そこに原因があるのですね。次は若者の避妊についてお話します。

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投稿: 猫家族 | 2009年9月11日 (金) 21時32分