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息子が彼女を妊娠させたなら(6)避妊と性感染症と。

 結婚しました、妊娠しました、赤ちゃんを産みます、母子手帳をもらって来ました、性感染症にかかっていました。こういう例がとっても多いのです。独身時代に性感染症にかかっているのを知らないまま結婚し、妊娠した。独身時代に性感染症にかかっているのを知らないまま結婚し、妻にうつしてしまった。こういうことは防ごうと思えば防ぐことができるのだから。

 性感染症の予防法は?もう習いましたか?性感染症は、中学校で習うことになっていますね。予防法は?二つですね。分かりますか?

 一つは?セックスをしないこと。完璧な予防だね。もう一つは?「コンドームを確実に使うこと。」コンドームは、エイズウイルスなどの感染を防いでくれます。

 君たちは、「何が何でも、コンドームのない性交はしないこと。コンドームのない性交は、二人で、さあ、これから赤ちゃんを作りましょう、という時のためにとっておきなさい。」

「でもね、気づきましたか?コンドームは性感染症の感染は防いでくれるけれど、妊娠は?確実ではありませんね。避妊率は一年で85%なのだから。これは、いかに妊娠しやすいか、ということの表れでもあります。」

だから、どうするか。もしも、将来、カップルの双方が(どちらか片方では絶対にだめ。双方です)性を望む、そして性を実行できる環境になったとしたなら。とにかく、二人で話し合いなさい。自分たちは、今妊娠してもいいのか否か。もし、まだだめだとなったなら、コンドームプラス、もう一つですね。WHOなど、世界的に言われているのは、避妊は確実なピルで、性感染症の予防はコンドームで、この両建てで行くべきと、そういわれています。

 そこまでは言わないけれど、コンドームプラスもう一つ、それはどうするのか、二人で考えなさい。そうして、性交のたびに、コンドームプラスもう一つを、毎回欠かさず、確実に実行して、そうしてやっと確実な避妊と性感染症の予防ができるでしょう。

 それくらい大変なことなのですよ。甘いものではないのです。大切なのは、そこまでできるか、できる関係であるか、ということでしょうね。もし、二人でそこまで話しあってきっちりできるのであるとしたら、その二人はコミュニケーションの取れあった、いい関係なのでしょうね。

 でも、若者の性は、「妊娠したらどうする?しないためにどうしようか」と、話し合いすらしないままに、行動が先行している、とても貧しい性を実行していると思います。

 こんな話しを若者にすると、本当にびっくりしています。だって、若者たちは、「外に出せばいい」くらいに簡単に考えているのですから。

 だから、妊娠してしまった若者たちは、「知らないからこそ行動を取ってしまっている。」に過ぎないのです。

 私から見たら、当然のごとく妊娠しているのですが、彼らは、そうは思っていなかったということなのですね。これらのことをちゃんと伝えてほしいのです。避妊と言うのは、甘いものではないということを。教えないままに、いざ行動を取ってしまった彼らが、当然のごとく妊娠して、そして、周りの大人たちが、怒ったり、わめいたり、おろしなさいと命令したり、慌てふためいている。そういうことなのですね。

 これらを伝えることが、どうして「過激な性教育」になるのでしょうか。私は、本当に実態を分かっていない人たちが教育の現場に力を持っていることに、危惧を覚えるのです。

 では、家庭ではどんな風に話せばいいのか、それをまだ続けます。

2009_09130011 土曜日の広島車いすダンスくらぶの公演には、谷龍介さんも出演しました。公演の後、谷龍介後援会の打ち上げがありました。私も診療をすませて駆けつけました。

ツーショットは初めてです。相変わらずいい男さんです。ちょっと恥ずかしい!


コスモス薬局のHPの中に私の「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

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コメント

年頃の息子を持つ私、とても興味深く読ませていただいています。
私が中学生の時に、保健体育の先生に授業で見せられた性感染症の写真がすごく怖くて(梅毒で鼻がもげた写真でした)絶対いやだと思いました。
高校生になってからは、彼氏が出来ても、「もし、もし、妊娠したら、親に何て言うの?絶対に言えない~~~!」と思い、絶対に一線を越えられませんでした。
今息子には、「最近の高校生は、出来ちゃって男女とも退学して結婚って言うパターンが多いけど、もしそうなったら、あなたは将来なりたい仕事につくことも、大学にいくことも出来なくなるんだよ。」「今は好きだと思っていても、社会人になったら価値観が違っていたりするんだよ。そうなって、や~めた!なんて出来ないんだから、だから絶対にだめだよ。自分が望んだ人生が歩めなくなるよ。」と話してあります。
小うるさい母でしょうが、分かってくれているような希望的観測を持っています。ぜひ、女性側にも、ロストバージン願望を止めていただきたいものです。

投稿: トントンまま | 2009年9月16日 (水) 11時29分

トントンまま
いつもありがとうございます。今だけでなく、これからの長い人生、特に大学生にもなるととても具体的になります。今だけを禁ずるのでなく、将来のために、素敵なパートナーと素敵な人生が歩めるように。そんなお話しもしてあげて下さいね。(ちなみに、医学部の学生が彼女に中絶をさせるというのは、とっても多いのです。)こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2009年9月18日 (金) 08時31分

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