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息子が彼女を妊娠させたなら(5)避妊のお話し続き

 中学生や高校生にコンドームを確実に使っていても妊娠はするのだということを話すと、みんな驚きます。コンドームをつかっていたら大丈夫だと思っていたという感想文がいっぱいです。若い人たちに話す避妊の話しの続きです。

 それから、「安全日・危険日」。いわゆる荻野式をかってに変えたもの。これほどだめなものはないのですが、いまだにこれを頼りにしている若者たちは結構いるものです。

「人間の体は機械じゃないんだよ。機械だって時々故障するのに、ましてや、女性の体、排卵、月経、妊娠というのは、本当に微妙なホルモン、それも脳から出るホルモンによって左右されるのよね。ちょっとつらいことがあったら、ホルモンがずっと抑えられたり、ワアッと興奮するとワアッとホルモンも出たり、日常時にそんなことがしょっちゅう起こっているの。だから、生理前だからもう大丈夫、と思ってたら、ワアッと興奮して、ホルモンがどさっと出るということも起こりうるの。

(私は、沢山の人の基礎体温を見ています。排卵して高温になって、下がって月経になるとおもいきや、もう一度体温が上がって、まるで二段の排卵、それで妊娠というケースを、いくつも見て来ました。)

 だから、女性の体はいつでも妊娠可能な体と考えて、いつでも避妊しなければならないのよね。安全日、危険日という言葉を作った大人が悪いのだけれど。「安全日・危険日」単独の人は少なくて、9人しかいなかった。危険なときだけコンドーム、という人はコンドーム時々というところにいれたからね。9人だから、統計的意味は持たないのだけれど、参考までに。9人のうち、実に7人が妊娠していました。77.77%。こんなの避妊とは言わないよね。

 こんなものなの。多くのカップルが沢山子どもを産まなくなった今、避妊というのは、とても大切なものなのだけれど、でも、いまだに100%安全で100%確実な避妊法というのは、ないんだよ。

 ピル、経口避妊薬、これは女性が確実に飲んでいれば、ほぼ100%避妊できる、女性にとっては大きな福音だけれど。でも、日本では、ピル・イコール副作用、みたいに広まってしまっています。これはね、飲んではいけない人というのがあってね、たとえば35歳以上で一日タバコを15本以上吸う人、コントロールできない高血圧の人など病気の人がずらっと並んでいます。これが分からなかったから、昔犠牲が出たのですね。でも、今、ホルモンも改善され、量も減らされ、健康な若い女性が飲むには、ほとんど副作用は考えなくてもいいところまで来ています。少なくとも、人工中絶の副作用に比べれば、何百分の一と言ってもいいくらい。

 だから、もしも将来君たちが確実な避妊かせしたいと思えば、ピルの処方の相談に産婦人科に行くのも選択肢の一つだと、これだけは言っておきますね。

 ただ、ピルは、望まない妊娠は防いでくれるけれど、HIV、エイズウィルスに代表される性感染症の予防には、全く無力です。

 これからの君たちの時代だから、のぞまい妊娠はしない、させないのと同時に、性感染症の予防ということも本気で考えなければいけないと思います。

避妊と性感染症の予防と。この項まだ続きます。

 12日土曜日、広島車椅子ダンスくらぶの公演でした。

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 私は土曜日の午後も診療があるので、オープニングだけを見て、クリニックに戻りました。いつも、オープニングを見るだけで、感動で涙がこぼれます。

 沢山の方が来てくださって、超満員でした。今度、9月の25日には、釜山で公演があります。みんな元気で行ってこれますように。 


コスモス薬局のHPの中に私の「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

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