はだしのゲンの替え歌
26日の「はだしのゲン」英語版完全出版激励会でのこと。はだしのゲンには、ゲンや仲間たちが歌を歌うシーンが沢山出てきます。それも、替え歌が。
会の中で、プロジェクト・ゲンの人たちが中心になって、その替え歌を歌う場面がありました。
「湖畔の宿」のメロディーで歌います。
昨日(きのう)生まれた豚の子が/蜂に刺されて名誉の戦死/ブタの遺骨はいつ帰る/ああ それは分からない/ぶたよ 本当に可愛そう/
歌ってみると、これが湖畔の宿にぴったりはまって、とてもおかしいのです。おかしいのだけれど、でも、とっても悲しい歌なのです。まんがの中では、子どもたちが足をしっかり上げて、歩きながら、大声でこれを歌うのですが。よく見ると、とても意味深で。
ところが、会の後で、プロジェクト・ゲンの主催で、各国語の翻訳をされた方たちと二次会がありました。その場で何人かが、もう一度これを歌ったのです。そしたら、中沢啓治さんが、「二番がある!!」といわました。ええっ?二番?まんがには、この一番しか出て来ません。そしたら、中沢さんが大きな声で歌われました。
昨日生まれたタコの子が/蜂に刺されて名誉の戦死/タコの遺骨は一帰る/骨がないから 帰らない/タコの母ちゃん 悲しかろう/
これもおかしくて、みんな笑い転げながらメモを取りました。(ちなみに、中沢さんは、とても無口で温厚で、いつも笑顔を浮かべていらっしゃいます。これが、歌がお上手です。声もしっかり出ます。あの漫画の中の浪曲をしてお金をかせいだり、お経を上げたりしたゲンは、中沢さんそのものだと確信しました)
このおかしくて、悲しい歌は、誰が作ったのでしょう。考えてみれば、私たちも小さい頃、こんな替え歌を歌っていました。誰が作ったかもしらないまま、口伝に。私は、中沢さんの舟入と川一つ隔てた観音ですごしました。すぐ隣なので、文化がおんなじなのです。
呼びかけ人の挨拶の中でも言ったのですが、こんな歌、たとえば「松竹ひっくり返しておおさわぎ」だとか、「さよなら三角、また来て四角、四角はとうふ、とうふは白い、白いはウサギ、ウサギははねる・・・」などは、いったいどう翻訳されたのでしょうか。とても興味があります。(ちなみに、「ウサギははねる、はねるはかえる、かえるは青い」まではゲンの中に出てくるのですが、その後がどうしても思い出せません。最後は「光るは親父のはげあたま」だったのですが、そのつながりが出て来ません。)
それにしても子どもと言うのは、本当に天才だと思います。あの時代、どうどうと戦争批判でもしようものなら、逮捕され、拷問されたあの時代に、こうして皮肉たっぷりに大声で歌うことができるというのは、すごいと改めて思います。もちろん、それを子どもたち自身が気づいていたかどうかは、分からないのですが、結果的に、です。
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コメント
激励会、たくさんの方々が参加されたのですね。私は参加できず、残念無念でした(T_T)
「はだしのゲン」、子どもが何度も図書館で借りてくるので、今年こそは我が家の本棚に揃えようと思っています。私は、戦争の悲惨さに増して、ゲンの表情が前向きでスカッとしているところが印象に残っています。元気をもらえるんです(^_^)
ちなみに「…かえるは青い」の続きは「青いは柳、柳は揺れる、揺れるは幽霊、幽霊は消える、消えるは電気、電気は光る…」ではなかったでしょうか(^_^)
投稿: うさこ | 2009年7月28日 (火) 09時12分
うさこさま
ありがとう!!おかげで、思いだしました。ぶつぶつとつぶやいては、一人クスクスとわらっています。ゲンは、名作だと思います。クリニックのゲンは、もうボロボロになったので、また買い換えなければ、と思っています。多くの大人にも子どもにも読んでいただきたい本ですね。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2009年7月29日 (水) 08時26分
たしかに, 子供の頃って変な替え歌を作って
歌っていました。
湖畔の宿って
美空ひばりの悲しき口笛に
コード進行と出だしのリズムが似ていますね。
アラフォー世代の私の耳にもなじむのは
子供の頃に
テレビで流れていたからかもしれません。
今でも
子供むけの戦隊シリーズ(○○レンジャー)
とかの
効果音とかに
懐メロが入ったりします。
えっ
ココで使うの?
ですが・・・
投稿: ciao | 2009年7月30日 (木) 11時52分
ciaoさま
ええ、ナツメロというのは、若い世代にも共通して心を揺さぶられるものがあるのでは、と思います。今回のをきっかけに、まりつきをした歌やお手玉(おじゃみと言っていました)の歌などを思い出しました。コメントありがとうございました。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2009年8月 2日 (日) 10時09分