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家族計画協会のセミナーから

 一昨日の日本家族計画協会のセミナーから、もう少しご報告を。講義の後のシンポジウムで、北村邦夫氏がHPVのワクチンの話しをスライドを使って話しました。私もここで話したことのある、子宮頸がんの予防のためのワクチンです。

 日本では、いま年間2500人の人が子宮頸がんでなくなっています。子宮頸がんは、がん検診がもっとも有効な癌で、一年に一回検診を受けていれば、がんになる前、前がん状態で発見できますし、そうすれば命も、また子宮を失うこともありません。

 でも、日本では、子宮頸がんの受診率がとても低くて、23.7%ほどの受診率です。アメリカでは82.6%。アメリカでは、ホームドクターが、年齢の達した女性にがん検診をうけるように手配します。でも、日本では、たとえば女性が風邪で内科を受診したときに、「子宮がん検診を受けていますか」と尋ねることはありません。親も娘さんに、20歳になったのだから、子宮がん検診を受けなさい」と勧めることはあまりないようです。

 ワクチンも、世界中の100カ国ですでに採用され、多くのところでは、公費で接種しています。たとえば、カナダ、オーストラリアなど、中学生の女性に接種しています。

 すべての癌が、予防できればいいなあと思います。肺でも肝臓でも大腸でも、卵巣も乳も。でも、まだまだ人類のかなわぬ課題です。その中で、せっかく子宮がんの予防のワクチンが出来たのだから、日本でも積極的に接種したらいいと思います。どんな癌でもそうであるように、子宮がんで死ぬのはとてもつらいのだから。

 ワクチンを接種して、がん検診もちゃんとうければ、子宮がんで死ぬことはありません。

 私も、そんな話しをして、そして北村氏が「日本でも認可されたら、娘さんにワクチンを接種するように勧める人」と尋ねたら、ほぼ全員の方が手を上げました。ほっとしました。

 だって、反対する人たちは、「ワクチンをうったら、これで癌にならなくてすむからと、セックスをするようになるのではないか」という珍奇なことを言っています。おかしなことです。今、セックスをしない人が、「癌にならないためにセックスはしない」と考えているからとでも言うのでしょうか。

 それから、日笠先生のお話からもとても沢山のことを学びました。戴いたスライドの中から一枚を。

Photo_2 日本人の買春は、欧米に比べてとても多いという表です。

私は、長い間エイズのボランティアをしています。そして、患者さんに向けられる偏見や差別に憤りを持っています。日本の女性の感染者は、ほとんどの人がパートナーから感染しているのです。それでも、日本では、ふしだらだから、とか、海外で遊んだからだろうというような(こんなことを広めたのは、家田荘子の責任が多いにあります)そんな目で見られてしまいます。

以前、ここでも私のクリニックでの性感染症のデータを提示しました。特に、高齢の方の性感染症は、家庭内に病気が持ち込まれていることを示しました。家庭外での性を禁じよとは言いませんが、もっと防衛を考えるべきだと、つくづくそう思います。

 もっといろいろと伝えたいことがあります。また、機会があればお話しますね。


コスモス薬局のHPの中に私の「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

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コメント

「慰安婦」の方々には、申し訳ないことをしてしまいました。宋さんには、日本人として謝罪しました。
アジアに於ける買春などと言うのも、大変残念なことです。
日本人男性は、中学生から高校生ぐらいの年代の子供を相手にしているようですが、性病、エイズでの早逝、PTSD、社会復帰の困難な現状など、問題は深刻です。
フィリピンで、中学生ぐらいの子供が病気の両親のため、野宿しながら売春しているとか。
買う側も悪いですし、国自体が貧しすぎるので、根絶は困難で、結局「慰安婦」の人達の時代から、こんなことが続いているのは痛ましい限りです。
一方、日本ではAV女優とやらに進んでなる子達もいますし、風俗は必要悪だの、浮気ではないと言っている男性もいる訳で、根は深いと思います。
私は、自分の哲学を確立していますので、風俗が必要悪だとも思いませんし、勿論行くこともありません。

むしろ、宗教的な禁欲の考えを持っていますが、今の日本では変り者としか思われないでしょうね。
しかし、自分の娘ぐらいの子供とセックスとは情けないです。張り倒してやりたいぐらいです。

投稿: けん | 2009年6月29日 (月) 21時45分

 こんにちはコメントさせていただきます。 
早くワクチンが認可されるといいなと思います。
防げるガンがあるのに出来ないなんておかしいです。

ちょっと話がそれますが

読みきりのレディースコミックなど
彼とエッチが出来ました。
めでたしめでたし
なんて話がほとんどです。

最近は
ほんとうに真剣に心を打つ
コミックが減っていて

過激な描写の少女マンガも増えています。
少年向けは
昔から論外でしたが・・・

男女が
お付き合いすることとは
どういうことなのか
社会が教えなくてはいけないと思います。

投稿: ciao | 2009年6月30日 (火) 01時12分

河野先生、今大変混乱していますので、めちゃくちゃなコメントになってしまうかもしれませんが、どうぞ御許しください。20代後半から海外に暮らし、不正出血を経験してから、海外のお医者さんに勧められて、ピルを飲み始めて、毎年がん検診を受けながらピルを飲み続けています。今春、東京に帰ってきまして、ピルを処方してもらおうと都心のレディースクリニックに今朝行って参りました。ひどい扱いでした。ピルが欲しいだけなら、もぐりの医者に行ってくれ、ピルのようなホルモン剤を飲むというのなら、一ヶ月ごとに検診を受けてもらわないと困る、と言われました。私はピルを飲んで、月経痛はいまほとんどありませんし、毎月安定していて本当に重宝しているのですが、そのお医者さんの理論だと、ピルを飲まないと月経に耐えられない私の体は病気だそうです。海外でなんどもいろんな検査をしてもらいましたが、私の体に異常はありません。でも、ピルを飲まないと、出血量は多いし、しんどいのです。海外で検診を受ける場合、下半身には毛布をかけてもらって、お医者さんと目を見て話しながら受けられますが、日本ではなんか高い台にのせられて、下半身は丸裸で上半身をカーテンで隠されます。そして、その下半身丸裸にしたあと、そのお医者さんとまた話すのです。今、実は医学系の仕事をしていて、パピローマワクチンにも関わっています。子宮頸癌の検診の重要性もすごく理解しています。でも、日本のあの婦人科の検診を毎年受けるとなると本当につらいです。もっとちゃんとお医者さんを選べば、いいお医者さんもどこかにいらっしゃるのでしょうか?私は、日本の婦人科で嫌な思いしかしたことがありません。河野先生のようなお医者さんはどこにいらっしゃるのでしょう?

投稿: ルル | 2009年6月30日 (火) 11時57分

けんさま
続いてのコメント、有難うございます。買春をするかどうかというのは、「禁欲」という考え方と少し違うのではないかと思います。愛する人と、心からのぞんでの性でこそ、喜びもあると思うのですが。私は、お金を媒介した性にむなしさを感じるのではないか、と思うのです。それか、性がスポーツ感覚になっているというか。それにしては、リスクが高いスポーツですね。まだまだ若い人たちに伝え名けれ゛はならないことは沢山あります。でも、本当は、大人の人に対してつたえなければならないことなのですね。有難うございました。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2009年7月 2日 (木) 10時18分

ciaoさま
コメント有難うございます。
ええ、レディースコミックは私もよく読みました。ここのところ少しご無沙汰ですが。私は、漫画や小説などの表現することは規制できないと思っています。それよりも、子どもたちに「情報を選択する力」を身につけさせること。まともな情報を真正面から伝えることによって、賢く選択してほしいと思っています。それらを与えることなく、ただ、一方的な情報を漫然とたれ流しているだけの現状を憂えています。またお話ししてくださいね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2009年7月 2日 (木) 10時27分

ルルさま
本当に言葉もないほど、驚いています。今だにそんな医師がいるのですね。どこのどういう医師が聞きたいところです。どうぞ、そんな医師ばかりでないということも知ってください。東京の、どこの医師に行けばいいか、個人メールでお知らせしますね。本当にお気の毒で。また何かありましたら、どうぞ、お知らせくださいね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2009年7月 2日 (木) 10時31分

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