体のタブー①「おへそ」を洗いましょう。
診療をする際、お腹を見ます。特に超音波エコーをするときには、婦人科でも「おへそ」の上までお腹を出してもらいます。
そのとき、おへそがまっ黒な人がいます。それも、かなりの割合で。このごろ、若い人の中にはおへそのピアスをしている人も増えました。そんな人は当然おへそをきれいにしています。でも、それと対照的に、真っ黒で、それに大きな塊をくっつけている人も。
そんなとき、私はオリーブオイルをおへそにもチョイとつけておきます。そして、超音波の診療がすんだ後、ピンセットのでかいので、その塊を引っ張ります。石の様になった硬いかたまりがぼこんと取れます。かたまりが取れた後はまだ黒いのが残っていますので、綿棒でふき取ります。でも、十分ではないので、これからお風呂に入ったときに石鹸でちゃんと洗ってね、といいます。
そしたら、「ええっ?おへそを洗っていいのですか」と聞かれます。
「だって、これ、アカだもの。アカを一杯溜め込んで、こんなになってるのよ。持って帰る?」と取った垢の塊を見せます。
日本では、なぜか「おへそのゴマは取ったらいけません」とか、「おへそをさわったらおなかが痛くなるよ。」とか、言い伝えられているようです。風呂好きな日本人と言われ、毎日お風呂やシャワーでで体を洗っても、おへそだけは洗わなくって、アカがたまって。それが延々と何十年もたまって、アカの塊を作ってしまうのですね。
体の中に洗ってはいけないところなんてありません。ちゃんとおへそも洗いましょう。脂肪がついておへそが引っ込んで、洗いにくい人は綿棒を使えばいいのです。
時には、おへそに菌がついたままにして、炎症を起こし、ジクジクとくさい汁がでる、「臍炎」を起こす人もいます。こんなときには、抗生物質の軟膏を渡し、きれいに洗った後、これをつけておいてといいます。
体に様々なタブーがつくられています。それらの多くは、何の根拠もありません。自分の体を自分で触ったり、洗ったりするのも自分の体を自分で管理できるようになるために大切で当然なことなのです。
ランチです。以前一度登場した袋町のおそばやさん「しらかわ」の日替わりです。暖かいおそばか冷たいおそばか選びます。私が行ったときの御飯(毎日変わります)は散らし寿司でした。おかずも、レンコンやかぼちゃやちくわの天ぷらなどがついていて、豪華でした。天ぷらは一部おそばにいれて、天ぷらそばのようにして戴きました。これで850円です。

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コメント
思わず、自分のおへそをチェック。
おへそのジンクス?は、私も親から言われてました。
今、思えば、汚い手で触れる事への戒めだったのかも。
おしゃれでピアスする人を見かけますが、医師の立場で先生はどのように感じられますか?
(おへそのピアスは初耳!)
投稿: r s | 2009年4月22日 (水) 09時45分
先生、ありがとうございます。
長年の疑問が解決しました。
おへそって、洗っていいんですね。
私も昔、祖母や母からおへそは触ってはいけないと言われ、洗わないようにしていましたが最近、おへそに何か溜まってるようなんです。
それで、触ったら、黒い塊が取れました。
何か病気かと、ちょっと気になっていたんです。
オリーブオイルがいいんですね。
いいこと聞いちゃった。ありがとうございます。
投稿: ym | 2009年4月22日 (水) 12時41分
おへそのごま…そういえば、盲腸の手術するとき看護師さんに無理やり、ハサミの先でゴリゴリされて炎症を起こした覚えがあります。
なんで、ハサミを使ったのかわかりませんが、看護師さんが言った言葉も覚えていて「こんな汚いへそを先生に見せられんじゃろ!!なんで綺麗にせんのん?」って言われました。
急性移動盲腸手術なのに…と思った次第でした。
momoが9歳のときの話です。
失礼いたしました。
投稿: momo | 2009年4月22日 (水) 16時06分
私、おへその掃除、大好きなんです。
だけど、ヒトに言うと、ダメだよ~
と言われてしまうので、
ヒソカな趣味(?)にしてました(^_^;)
だけど、今日から、堂々と!!
ちょっと、うれしいです(*^_^*)
投稿: かしぴり | 2009年4月22日 (水) 18時25分
おへそは、触ったらいけないと言われた記憶はあるのですが、理由は分からずです、言われてみれば。
無理やり剥がさなければ、やっぱり取っていいものなんですね
投稿: なつき | 2009年4月22日 (水) 19時26分
へその掃除、腹が出てきますとなかなかやりにくいのですが、こりゃしなきゃいかんと思った次第です。
ところで、風船マン、さらに磨きがかかっています。
4月18日のところを見てください。
牛田公園でのイベントに登場です。
夜はビートルズナイト!でしたが・・・。
投稿: はるく | 2009年4月22日 (水) 19時38分
知っています。超美人なのに変なタブーを信じているために臭い子・・・><;
臍は(お腹が痛くなるから)洗わない。
生理の時は風呂に入らない(シャワーも浴びないらしい)
(禿るから、と)髪は週に1回しか洗わない。
勿体無いんですが・・・
投稿: ⑦パパ | 2009年4月23日 (木) 10時33分
rsさま
いえ、おへそは、手や足を触るのと同じで、別に汚い手で触ってもいいのですが。胎児の時にへその緒がつながっていただけのことで、特別なところではないのですね。ピアス、私もしています。イヤリングは、長い間していると痛くなりますが、ピアスだと楽です。へそのピアス、若い人はとても沢山していますよ。それもおしゃれのひとつなのですね。こうのみよこ
投稿: | 2009年4月23日 (木) 12時47分
ymさま
そうだったのですね。オリーブオイルは、固まったのをふやかすために使っています。日ごろは、お風呂で普通に石鹸で洗っていいのですよ。どうか、体のほかのところと同じようにきれいにしてくださいね。こうのみよこ
投稿: | 2009年4月23日 (木) 12時52分
momoさま
いくら何でも、はさみはないだろうと思うのですが。もしかして、ペアンという、はさみに似た、ものをはさむものがあるのですが、それだったのかも。9際の時のことをそんなに鮮明に覚えているのは、よほど乱暴だったのですね。炎症を起こしたのでしょう?
体のどこでも、優しくしないと、と思います。こうのみよこ
投稿: | 2009年4月23日 (木) 13時02分
かしぴりさま
ええ、堂々としくださいね。それに、お友達にも教えてあげてくださいね。真っ黒いおへそはとてもかっこ悪いのだと。だいぶ、おへそも出て来ましたか。どうぞ、お大事に。こうのみよこ
投稿: | 2009年4月23日 (木) 13時05分
なつきさま
無理やりでもいいから、どうぞ、アカがくっついていたら、とってください。その下に、きっとにおいのするぷよぷよとした白いアカがたまっていると思います。それをきれいに洗ってくださいね。その後は、毎日お風呂で気をつけて洗いましょう。こうのみよこ
投稿: | 2009年4月23日 (木) 13時07分
はるくさま
頑張っていらっしゃいますね。また風船わざ見たいです。イベントの場に行くかも。おへそ、洗ってくださいね。こうのみよこ
投稿: | 2009年4月23日 (木) 13時09分
⑦パパさま
ブログ、復活でよかったです。一番先に見ていたブログなので、びっくりしました。
でも、いやだあ。そんな女性は、恋愛できるのでしょうか。いざとなったら、逃げられるのでは?体を大切にする意味を間違っているのでしょうね。教えてあげてくださいよ。こうのみよこ
投稿: | 2009年4月23日 (木) 13時12分
私も「おへそを触るとお腹が痛くなる」といわれて育ち、2歳の息子にも同じことを言っていました・・・
子供たちにもおへその掃除を教えてあげようと思います。
投稿: いお | 2009年4月23日 (木) 16時02分
私は男ですが、臍を洗ってはいけないと思ってました。臍は腹の他の部分より内臓に近いので、臍をいじると腹を痛めるんだと教わった記憶があります。どうやればうまく洗えるんでしょうか? 綿棒を臍のつっこむのはちょっと怖いのですが……。
投稿: たかかず | 2009年4月24日 (金) 00時42分
「いざ」と云うことになった時、私は逃げました><;
投稿: ⑦パパ | 2009年4月24日 (金) 10時54分
いおさま
ええ、お子様たちにちゃんと教えてあげてくださいね。体をちゃんと自分で管理することはとても大切なことでもあるし、人を大切にすることにもつながります。コメント有難うございます。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2009年5月 1日 (金) 01時17分
たかかずさま
普通に風呂で石鹸で洗えばいいのですよ。何も無理に綿棒をつっこまなくとも。取れる範囲で垢を取っていけば、だんだんときれいになると思います。頑張ってみてください。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2009年5月 1日 (金) 01時18分
⑦パパさま
やっぱり。あはは。でも、その人、かわいそう。だれかがちゃんと教えてあげなければ。そんな育て方をした大人の責任でもありますね。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2009年5月 1日 (金) 01時21分
コメントする時期が遅くなっているのですが、どうしてもしゃべりたくなって、失礼します。
正直に白状します。
おなかの手術を受けた20代後半まで、意識的におへそを洗ったことがありませんでした。
「絶対触ったらいけん!!」と言われた覚えもありませんが、「洗いなさい」と言われた覚えもなくて、
何となく「触らん方がいいんかなあ」と思っていました。
手術の前の日に、看護師さんがおへその掃除をしてくださって、「えっ、おへそって掃除していいの!!」と目からウロコでした。
たぶん、だいぶ汚いおへそだったと思います・・・。
今は、時々周辺だけ(おへその真ん中はちょっと怖い感じがするので)お風呂の後とかに掃除しています。
投稿: 迷い人@広島っ子 | 2009年5月 1日 (金) 15時44分
よくおへそのゴマのケアとかを聞きますが、私のおへそは3ミリ程度の切れ目を入れたようなおへそで、ゴマもひだも皺もありません。へその左右の皮膚がピッタリとついていて、つまり閉じていて、臍輪も臍乳頭もありません。小豆が1粒入るくらいのスペースで、自分の小指の先さえ入れることが困難です。
人生において、自分のおへその中にゴマが形成されたことは一度もありません。
幼稚園のころ、この子のおへそって不思議だね、ゴマがないよ。
小学生のころ、あなたのおへそって小さいね、それでゴマが入っているの?
高校生のころ、私のおへそを見て、不思議に思われたこともありました。
大学生のころ、あれでも人間のおへそ。普通穴が開いていて、中にゴマが入っているのに、あの人のおへそって、閉じていて、穴と言うより点なのよね。結婚したら、相手の人、不思議に思うでしょうね。
そんな言葉を繰り返し聞いてきました。
健康診断の時には、その場から逃げ出したい気持ちで一杯でした。
でも仕方ないですよね、幾世代を経た中で、自分に与えられたおへそですから。今では吹っ切れました。自分の個性と捉えてあまり気にしないことにしています。
投稿: かな | 2017年1月12日 (木) 22時26分