子宮がんとワクチン②「性交感染」だからワクチンはダメと?
子宮頚がんは、そのほとんどが人パピローマウイルスの感染で起こるといいました。そのパピローマウィルスの感染は、性交で起こります。ですから、性交のないうちは頚がんにかかることはありませんので子宮がん検診は受ける必要はありません。
と言っても、この「検診」と言うのは、あくまでも「頚がん」の検診です。そして、今、日本の集団検診で行われているのはこの頚がんの検診です。また、厚労省が決めて地方自治体にさせているのも「頚がん」の検診なのです。ただ、広島市など一部の地方では、不正出血などの何か症状があるときには、頚がんと一緒に「体がん検診」をしてもいいことになっています。
性交の経験はなくとも、「体がん」になることはあります。ですから、不正出血などがあったり、心配な人は体がんの検診を受けたほうがいいということになります。
そして、あくまでもワクチンは、「頚がん」に対してのワクチンです。性交によってウイルスの感染をおこし、頚がんになるのを予防しようというものです。
それが、一部の人には気に入らないのでしょう。「性交によって感染するのなら、性交をしなければいいではないか。」「ワクチンで予防するよりも、性交をしないように、ノーセックスを教えるべきではないか」と言う人たちです。
たしかに、一生セックスをしない人は頚がんにかかることはないので、ワクチンの接種は必要ありません。でも、若いうちに、誰が一生セックスをしないということなど分かるはずがありません。それに、みんながノーセックスになると、子どもも生まれないことになってしまいます。
いえ、ノーセックスという人たちは、セックスは結婚してからすればいい、それまではしないように、ということなのだと言いたいのかも知れません。しかし、結婚しました。で、その相手がウィルスを持っていました、となったら、どうするのでしょう。
だから、男も女も両方が結婚するまでノーセックスでいろというのなら、話しは分かるのです。でも、そうノーセックスを唱える人たちは、なぜか男性の性に関しては寛容なのです。いわゆる買春に関してですね。私は、若い人たちの性が乱れているだの言う人たちはいつも女性のことばかり言うのが不思議です。だって、性のほとんどは男と女でするものなのに。
以前、朝のワイドショーで、今の橋下大阪府知事が「女性には、結婚するまでセックスをするなと教えなければだめなんですよ。」と言ったことがあります。そしたら、即座に落合恵子さんに「男性は?」と突っ込まれていました。そしたら、「まあ、それは、男だってそうですがね、特に女の子にはそう教えないと」と言っていて、不思議に思いました。ふうん、彼は、セックスと言うのは女と女でするものと思っているのかなあ、と。男と女でするものなのなら、両方に言うべきことなのに、と思います。
子宮がんにかかって命を落とす方のほとんどは、結婚している方です。小さな子どもを残す人も少なくありません。
人はそのほとんどの人が、一生のうち、セックスはするものだとの考えをすべきだと思うのです。もちろん、みんながしなければならないことではありません。しようがすまいが、その人の選択です。そして、それによって命を落とす可能性があるのなら、その可能性を減らすために、ワクチンを接種しておくというのがなぜダメなのか、と思います。もし、私が若かったなら、私は絶対にワクチンをしておきたいと思うし、娘にもワクチンを接種しておくように、と強く勧めます。
だって、ほかの多くの予防接種、「はしか」や「風疹」や「おたふくかぜ」や「百日咳」やそれにインフルエンザや日本脳炎など、病気にかからないためのワクチンの接種は盛んに行われています。では、命を落とすかも知れない「がん」のワクチンが出来たなら、しておけばいいと、簡単に考えてもいいと思うのです。
それに「性」が絡むから反対するなんて、なんだか大きなお世話、少なくとも、受けたい人は、受けたらいいというような、そんな対応にならないかと思います。
さて、日本でもやっとワクチンが認可されたなら、どうやってこれらのことを情宣するか、本気で考えなければいけません。
それに、もっともっと沢山のがんのワクチンが出来ればいいのに。肺がんや胃がんや乳がんや肝臓がんや。そのどれもがウィルスの感染によって起こるとは限らないので、無理な話、夢のような話ではあるのですが、、、。せっかく予防接種で一つのがんの予防が出来るようになった、素直によろこんでいい話だと思うのです。
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