若者の無知④月経痛は我慢しないこと。
月経痛については以前もこのブログで書きました。そのとき、すごい反響でした。「月経痛を我慢させないで」というタイトルでした。我慢をしてはいけない、我慢すればするほど月経痛は強くなっていくから。毎月の月経をいかに耐えるか、ではなく、いかに快適に過ごすか、という発想をしてほしい、と。
それでも、まだまだです。まだまだ沢山の若い人がひどい月経痛で担ぎこまれるようにして来院します。まだ、月経痛は我慢すべきものとして捉えられているようです。
で、もう一度ここに書きますね。ホルモン的に成熟して、排卵もあり、しっかりした量のある月経があるようになると、ほとんどの女性に月経痛があるようになります。子宮の出口はとても細くて硬く、鉛筆の芯くらいしかありません。水だったら、そこでもさっと流れることが出来ますが、粘っこい血液ですので、なかなか通れません。そこを通るときの痛みに加え、なかなか出ないので、子宮が押し出そうとして収縮します。その収縮は出産するときの陣痛と同じで、とても痛いものです。
しかも、我慢していると、子宮だけでなく、腸や胃も収縮させて、下痢をしたり、吐いたりさせるプロスタグランディンという物質がどんどんと増えてしまいます。我慢すればするほど、月経痛は強くなってしまいます。
だから、痛みを感じはじめたら、さっとお薬を飲んで、痛くないようにすることです。この痛みは、ほとんどの人が初めての出産(帝王切開だと別なのですが)をすると不思議にもケロリと納まってしまいます。
我慢をしてはいけません。それなのに、これまで、多くの大人たちが薬を飲んだらくせになるとか、効かなくなるとか、ひどいになると、奇形児を産むようになるなどと、全く根拠のないうそで女性たちを我慢させています。
どうぞ、ためらわないでお薬を使ってください。市販のもので大丈夫ですが、アレルギーのある人とか、市販のものでは効かない人は、どうぞ産婦人科に相談に行ってください。
その人にあったお薬を処方して下さるでしょう。または、低用量ピルが月経痛にとても良く効きます。子宮内膜症の強い月経痛には保険で低用量ピルも出せるようになっています。
月経についてのタブーは長い間日本の女性を苦しめて来ました。私の若いころなど、女性は、生理中はお風呂にも入ってはいけないなんて言われていたのです。大分そのあたりは改善されてきたとはいえ、まだまだ女性の体を間違って捉らえる人がいるようです。
自分の体が楽なように、快適なように、自分で工夫をすることを、どうぞためらわないでくださいね。
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コメント
私も若い頃は月経痛ひどかったです。
そして、やっぱり、「ガマンするもの」と思ってました。
病気じゃないし、月経痛くらいで…と思ってました…
というか、思われるのが嫌だったような…
なので、薬も、「なるべく飲まない方が良いもの」と考えてました(-_-;)
薬は症状を軽減したりしてくれるものなのでしょうけど、薬に対する恐怖ってありますよね。
なんででしょう?
副作用が…とか思っちゃうからでしょうか?
しかし、無知は損しますね。
ちゃんとした知識を持ってるひとに、ちゃんと聞くって大切ですね。
投稿: かしぴり | 2009年3月 1日 (日) 18時28分
私も酷い月経痛でした。
寝込んだり、吐いたり・・・。
それが毎月だったので、中学時代に母が婦人科での受診を勧めてくれました。
そのとき、薬を貰うと共に先生から「『また痛くなるんだろうな~。イヤだな』と思わずに、『よく効く薬があるから大丈夫』と考えるようにするといいよ」と言われたのがキッカケだったのか、それからはあまり悩まされなくなったんです。
今では酷くなりそうなときには、事前に痛み止めを飲むようにしています。
あの時はちょっと怖かったけど、診てもらって本当に良かったと思っています
投稿: まっちゃん | 2009年3月 1日 (日) 22時37分
おはようございます。
昨日のシャレオにての「女性の健康週間公開講座」は
とても充実したイベントでした!
初めて触った乳がんの模型(本物のように作られた乳房の上から触ってしこりを確かめる事が出来る)・女性の生涯健康手帳・生理痛情報ナビのリーフetc
更年期?の女性群が多い中、パネルを真剣に見るカップルが印象的でした!
投稿: r s | 2009年3月 2日 (月) 09時16分
この間は、お忙しいのに私のコメントに返事をしていただきありがとうございます。
とても為になりました。
少し楽になりました。
ブログ開始2周年おめでとうございます!
これからも更新楽しみに
しています。
投稿: みか | 2009年3月 2日 (月) 13時54分