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シリーズ「このごろとても気になること」⑦風俗で働くということ。

 風俗で働く女性の目的は、やはりお金が一番でしょう。いろいろな事情で大きなお金を得なければならないときに、確かに、手っ取り早くお金を得ることが出来るからです。

 父親が事業に失敗して借金を作ったために、その返済をしなければならなくて、懸命に働いているという、そんなけなげな18歳の女性にも出会いました。貧困で女性が身を売るという、そんな昔のようなことが今の時代にもあることを知りました。

 中には、ブランドの服やバッグがほしくてとか、店を持ちたくて、そのためにお金をためている人もいます。それぞれ事情は様々でしょう。でも、はっきりいえることは、風俗というのは、とても危険な職場であるということです。

 ソープのようにお店で働けるのは、それはまだいいのです。もしも危険なことになったとき、声を上げれば聞こえるところにお店の人がいる時には、救われるからです。でも、今最もはやっているデリヘル、デリバリーヘルスの場合。ホテルや男性の家に行って、そこで一対一のなる時のことです。これが怖いのです。

 本来しないことになっている本番を求める人がとても多いのだそうです。上手にやり過ごすことが出来ればいいのですが、とてもしつこく求められて、断れ切れなくて、結局妊娠したり性感染症にかかってしまってとか。しつこく断ったために相手が怒ってとても危険なことになった人もいます。

 私は、警察の人に協力を求められたことがあります。デリヘルで働いていた女性が、男性に殺されてしまって、その写真を見なければなりませんでした。とても無残な姿がかわいそうで。その姿は、今も目に焼きついています。

 私は、殺された彼女が自業自得だとは思いません。彼女だって、殺されることを想定していたわけではないでしょう。でも、蜜室に二人っきりになるというのは、そういう危険なところに自分を置くということです。もしもそんな危険なことになったとき、自分の命を守る方法を身につけたり、どうやって誰にSOSを求めるか、その手段の対策を経営者と共に考えたり、という、プロならではの覚悟を持って、対策を取るべきだと思うのです。

 その点が全く不十分です。不十分なままに、どんどんとのこの風俗は広がっています。そして若い女性が、そんな厳しい仕事であるということの認識をする間もなく、きわめて安易に、プロというには程遠い意識で、この場に身をおいています。この日本は、どんどんおかしなところに向かっている、本当に何とかしなければ、と、診察室の中でギリギリしています。

 先日書いた、大阪のドイツクリスマスで少しづつ買いためていたオーナメントを毎日ひとつづつご紹介します。今、クリニックに飾っています。

2008_12110003 赤ちゃんです。真っ白でふわふわでかわいくて、もう、大好きです。


コスモス薬局のHPの中に私の「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

広島ブログ

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コメント

オランダでは、労働組合があったはず。

オランダは軍隊にも労働組合があります。

イラクでの劣化ウラン問題を取り上げたのも軍隊労働組合。

日本でも、風俗でも自衛隊でも警察官でも、労働組合をつくり、問題点をあらうべきでしょう。

それぞれ、全風俗労働組合。全防衛労働組合。全公安労働組合(笑)

投稿: さとうしゅういち | 2008年12月13日 (土) 12時31分

さとうしゅういちさま
秋の博多でのエイズ予防財団の研修では、風俗で働く仲間へ性感染症などの情報を発信しているヘルスで働く人に出会いました。素敵な人でした。ピアカウンセリングというか、自助グループというか。これが発展すると、組合になるのでしょうね。働く仲間とつなぎ会う、大切なことだと思います。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2008年12月14日 (日) 01時06分

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