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高齢の方の産婦人科医療(6)かゆみ、オムツ、終わりに当たって。

 閉経後に、性器に頑固なかゆみが起こることもあります。性器は、若い人でも、カンジダと言う真菌(カビの一種)が膣や外陰の皮膚に住み着いてかゆみが起こることがあります。また、蒸れたりしての単純な皮膚炎でかゆくなることもあります。このカンジダがいるか否かによって、お薬が真反対に異なります。ですから、それを慎重に見極めて治療しなければなりません。

 高齢の方の場合、このようにカンジダの有無に加えて、ホルモンが出なくなったための膣炎や皮膚炎で、また白斑症といって、色素が抜けて行く炎症の一種の場合などがあります。

 いずれにしても、しつこいようですが、一人で悩むのでなく、病院で相談なさってください。お一人お一人の原因や症状によって、適切な治療で楽になりますからね。

 さらに、寝たきりのお年寄りの場合。オムツをしている方に、悪臭がする、変なおりものがある、という介護をなさっている方からの相談があることがあります。私は、ご近所の内科の病院からそのような連絡を戴くと、ナースと共に、往診に行きます。病院までこられない場合は、当然、往診が必要になりますから。

 病院のベットの上で、診察、がん検診、おりものの検査などをします。ほとんどの方がオムツですので、排泄物から、大腸菌などの菌が膣内に入り込んでしまって、そのための膣炎を起こしていらっしゃいます。このようなときには、抗生物質の膣錠を使います。

 このように、女性の高齢の方には、いろいろと構造上、またホルモンの変化によって、しんどいことが起こりがちなのです。それらをちゃんと心に留めておかなければ、と思います。初めに言いましたように、産婦人科にはどんな方が来てもいいのです。決して若い人だけが来るところではありません。また、お年寄りの性器にかかわることを見下すような意識を持ってもいけないと思います。

 ご本人は、とてもつらいのです。つらいのを快適にして差し上げる、これも大切な医療であると思います。

 時には、産婦人科医の態度がよろしくないこともあります。私のところに、子宮が下がると悩んでこられた方で、ある大きな病院で「年だから、仕方がないですよ。立ってて下がるのだったら、寝ていたらいいではないですか。」といわれたと、涙ぐまれた方がありました。ドクターが、そのとおりの言い方をされたのか否かは分かりません。でも、ご本人はそう受け止められたのですね。そんな話しを聞くと、医療者といえども、完璧な人間ではないと。自分のコトバで傷ついた人がいるということを気づくことによって成長していくのだと、だから、それをどう知らせたらいいのか、とそれを考えます。それはまた、私自身への警告として受け止めなければ、と思います。

 高齢の方の産婦人科医療について、シリーズで書かせていただきました。このような、これまであまり言われていないことを、高齢の方自身にも、また、お若い方にも理解していただければ、そして少しでも高齢の方の人生が楽しくなるためのお役に立てれば、幸いです。


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