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性教協全国児童養護施設サークル秋季セミナーについて(2)

感動のセミナーなので、昨日に続いて、プログラムから。

研修には、4つの理論講座と、4つの分科会があります。理論講座は二時間づつ。分科会は、二日目の朝9時15分から17時15分まで、一日かけての研修です。

理論講①(テーマ)『生い立ちの整理』

 施設で暮らす子どもたちの多くは、自分の誕生、現在の施設生活、そして自分の存在について、否定的感情や疑問、納得できない思いを抱えています。「生い立ちの整理」は、自分の今までの人生を新しい視点から見直すことを提示し、子どもたちのマイナスからの出発をプラスに変えるための支援です。自己肯定感を育むために大切な、虐待の被害者としての手当てについても学びます。

理論講座②(テーマ)『施設内での性的トラブルにおける児童へのケア』

 近年、施設内において性的トラブルが頻発しています。さまざまなケースがありますが、とりわけ入所児童同士の性的トラブルにおいては、被害者としての児童へのケアと加害者としての児童へのケアという立場に直面します。その際、どのようなことに配慮すればよいのか、初期対応、その後の対応、長期的対応などの視点から、具体的にわかりやすく説明します。また、そのようなトラブルを防ぐには、日常的にどのようなことに心がけていけばよいのかを提示します。

理論講座③(テーマ)『児童養護施設における性と生の実践』~子どもたちに、今、何を伝  えるのか~

 近年、児童養護施設での性教育のニーズは非常に高まっています。しかし、現状は、取り組みや実践が進まず、問題(トラブル)に対応するのが精一杯という声を多く聞きます。ここでは、児童養護施設での性教育:性と生の実践について、生活の中の実践や学集会形式の実践など、具体的な方法を示しながら、子どもたちに何時、何を伝えたらいいのかを考えます。そして、児童養護施設の中に性と生の取り組みを根付かせるためのヒントを学びます。

理論講座④(テーマ)『思春期における性交と避妊、性感染症』~今、子どもたちに必要とされる科学的な性の知識とは~

 近年、子どもたちの性行動の低年齢化が叫ばれています。高校生や中学生が、恋愛の過程や興味本位で、性交体験をしてしまうことは、決して珍しいケースではなくなりつつあります。しかし、性交の後には、予期せぬ妊娠や、クラミジアやHIVをはじめ様々な性感染症へのリスクがあることを忘れてはいけません。こうした性のトラブルから子どもたちを守るために必要な、性交や避妊、性感染症についての科学的な知識を助産師の立場から、わかりやすく話していただきます。

テーマ別分科会

〇分科会①(テーマ)『児童養護施設で始める性と生の実践』~やってみよう!!生活の中の実践と学集会形式の実践~

 児童養護施設で子どもたちに向けた、性と生の実践を取り組むにはどうしたらいいのか?この分科会では、生活の中の実践や学集会形式の実践など、子どもたちに向けた具体的な実践方法や子どもたちへの関わり方をロールプレイや模擬実践を用いて学びます。全体を通して参加型、実践型の分科会です。

〇分科会②(テーマ)『性的虐待への理解とこどもたちへの支援実践』

 児童養護施設の子どもたちは、家庭や地域、学校や施設内で、性的虐待や性的被害を受ける危険にさらされている現実があります。私たち施設職員は、性的虐待に関する基本的知識を持ち、より専門的な支援実践の展開を求められています。この分科会では、事例や問題提起を通して、性的虐待について学びます。また、司法面接に関しても触れたいと思います。

〇分科会③(テーマ)『知的ハンディーを持つ子どもへの性教育』

 児童養護施設には多くの軽度の知的ハンディを持つ子どもが生活しています。しかし、軽度といっても、その理解度、こだわりなど、子どもたちの発達レベルは、実に様々です。この分科会では、彼らに最低学んでほしいことをどんな方法で提供すればよいかを、模擬実践などを織り交ぜながら、具体的に学びたいと思います。

〇分科会④(テーマ)『中高校生の性交を考える』

 近年、中高校生の性交体験率が高くなっています。あなたの担当児童に対して「あの子、体験したみたいよ。」という噂が聞こえてきました。あなたなら、どういう対応をしますか。実際に性交をしたのであれば、妊娠しているかも、性感染症にかかっているかも知れません。また、相手は誰なのか・・・同級生なのか、年上なのか、・・・もしかしたら、出会い系サイトにはまっているかも知れません。この分科会では、思春期の子どもたちが置かれている現状を知るとともに、思春期の子どもたちへの性教育について学習していきます。

 明日は、この様な実践を地道に続けている人たちの実践集である書籍を紹介します。


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ぜひ、覗いてみてください。

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コメント

はじめまして。

小さな個人塾をしているものです。
発達障害を持った生徒もたくさんいます。生理になった生徒(アスペルガー症候群)もいて、かなり、性に対して興味を持っています。

しかし、かかりつけの小児精神科医の先生は、『性については教えなくていい』と言っているそうです…(理由としては、変に知識を与えると性犯罪に走りやすい)

女の子だし、正しい知識を話していかないと、万が一があっては困りますよね。下手に隠したりするから興味が湧いて、止められなくなるのに…

子どもと直接かかわっている者として、実践の書籍はありがたいです。
UP楽しみにしております。

投稿: あっぷー | 2008年10月22日 (水) 12時43分

あっぷーさま
ありがとうございます。いろいろな分野で子どもたちとかかわっている人たちは、大変だと分かっているのですよね。だって、この情報社会です。きちんとおしえないと、情報の渦の中で、間違ってしまいます。教えないと興味を持たないだろうというのは、今の社会を知らない人が言うことですね。変な小児科の先生もいるものです。コメントありがとうございました。これからもよろしくお願いします。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2008年10月23日 (木) 00時36分

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