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高齢の方の産婦人科医療(3)血尿、膀胱炎にもホルモンが有効です。

月経があるころは、卵巣から卵胞ホルモンが出ています。これがいわゆる「女性ホルモン」というものです。この女性ホルモンは、子宮や膣や外性器や膀胱、口、目などの粘膜、濡れている部分を守ってくれます。

 閉経から長く経つと、その女性ホルモンが守ってくれなくなったところ、膣や膀胱などの粘膜が薄くなって出血しやすくなります。口の場合は、喉がいがいがして、えへん、えへんと言わなくてはならなかったりします。目が乾いて涙の成分の目薬が離せなくなることもあります。

 定期健診で尿に鮮血が出ていると指摘される人が多くなります。閉経後には膀胱の粘膜が薄くなるので、尿に血液が出るのは、いわば当然なのです。心配は要りません。ただし、あまりに多量であるとか、肉眼的に血尿であるとかであれば、検査をちゃんと受けなければなりません。

 もうひとつ、膀胱炎にかかりやすくなります。膀胱の粘膜の抵抗力の問題でしょう。尿が近くなって、トイレに行ってもあまり出ない。出ても少量で、きゅっと痛みが起こる、排尿の後、まだ残った感じがする、時には、血液が混ざることもあります。そして、抗菌剤で治療をしても、何回でも繰り返したりします。

 何回も繰り返す人は、膀胱に腫瘍が出来ていないか、一度は検査を受けたほうがいいでしょう。それで異常がないとなれば、これはホルモンのためと考えます。この場合も、ホルモンを補うことで、膀胱炎を繰り返すことはなくなります。

 ホルモン補充療法は、更年期医療と思われているかも知れません。でも、私のところでは、むしろそれ以降の方にこの治療をすることが多いのです。とても切実な訴えでいらっしゃる方に、何とか楽になってもらう方法は、ということで行っています。

 私のクリニックでホルモン補充療法をしている方の最高年齢の方は87才です。それまで、膀胱や性器が気持ち悪くて仕方がなかったのが、とても楽になったと、喜んでいらっしゃいます。そして、元気にあるサークル活動を楽しんでいらっしゃいます。

 日本では、なぜか「ホルモンは癌になるよ」と言われて、敬遠されるようです。では、いつもホルモンを出している若い人は、みんな癌になるの?といいたくなります。決して若さを保ちたくて、この治療をしているのではなく、つらいから、その治療をしているのですね。

 高齢の方も、気持ちよく生活して行った方がいいに決まっています。つらければ、どうぞ、産婦人科で相談なさってくださいね。

 この治療については、理解のない他の科のドクターもいらっしゃいます。ある精神科の先生が、「自然に枯れていけばいいじゃないですか。」といわれたことがあります。その一方で、沢山の精神科のお薬を処方していらっしゃったりします。

 ああ、まだまだだなあ、と思います。

 次回は、子宮や膣が下がる、子宮脱や膀胱脱についてお話しします。

 
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高齢の方の産婦人科医療(2)性器が痛い、お腹が痛い。

 ある70代のお方です。大きな病院で手術を受けられました。その後しばらくたってから、性器全体に痛みが起こります。痛くてつらくて、何回もその病院で訴えられました。でも、改善しません。病院では、何も異常はないと。あげくの果てに、「うちではそんなへたな手術はしていない」としかられて落ち込みもしたそうです。

 でも、痛いものは痛いのです。そして、ペインクリニックに紹介されました。そこで神経ブロックなど、いろいろと治療を受けるも、改善しません。今度は、精神科に紹介されました。心身症ではないか、と。この間、あらゆる鎮痛剤や安定剤などを投与されています。痛くて眠れないので、睡眠薬も出されています。沢山のお薬を飲みながら、何年間も苦しまれた挙句の来院でした。

 すでに婦人科の手術は受けておられて、何にもありません。でも、私は診察をしました。痛いのだから、痛いところを診るのが原則ですから。

 そしたら、膣全体が萎縮して小さくなっていますが、真っ赤なのです。ひどい炎症を起こしています。ああ、これは痛々しい!と思いました。

 私は、軽い女性ホルモンの膣錠を入れ、そして持って帰ってもらいました。自分で入れられますか?と確認をした上でです。自分で何とか入れてみるといわれる方には膣錠を、入れることに抵抗がある方には、内服薬をお出しします。

 そして、二週間、かなり痛みが楽になったといわれます。局所の赤みもずいぶん改善しました。さらに一月分お出ししました。そしたら、全く痛みが消えました。鎮痛剤も、精神科の安定剤も要らなくなりました。元々、効かなかったお薬ですから。

 女性ホルモンだけで症状はすっかり落ち着きました。これまでの苦労が何だったのか、と、嘆くように苦笑されました。

 このようなことは、高齢の方によく起こります。この方は、手術を受けておられますので、それと関連して考えられたのかも知れません。しかし、そうではなく、子宮ののあるなしにかかわらず、閉経して女性ホルモンが出なくなった方にとてもよくあることです。

 高齢でも性生活のある方は、とても痛くて、出来なくなってしまいます。それはしばしばパートナーとのトラブルになったりします。自分は痛くていやなのに、夫が、、、という場合です。そんな方は、病院に来て相談されます。

 でも、性生活のない方が、原因が分からない痛みを感じられた場合。それも、性器だけでなく、膣の奥の痛みを「腹痛」と感じて苦しまれる場合があります。このような場合、どこが痛いのか、内診で丁寧に診ることが必要です。時には、膣だけ出なく、子宮の炎症を起こしていらっしゃる場合もあるからです。

 人が生きる上で、ホルモンは、とても必要な物なのです。次回、膀胱症状のお話しをします。


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高齢の方の産婦人科医療(1)まずその心構えから。

 ある会で、私と同世代の女性が集まって話していると、そばにいた男性が、「ここにおるものは、みんな産婦人科なんか、縁のないものばっかりじゃないか。」といわれました。私は、「そんなことはありませんよ。いろいろとありますよ。子宮がん健診や、更年期の治療や。」と反論したのですが、内心がっかりしました。産婦人科がどんな目で見られているかが、そのコトバでよく分かりました。同時に、年齢の嵩んだ女性をからかうようなその口調がとても不愉快でした。

 産婦人科は、赤ちゃんからお年寄りまで、女性であれば、どなたが来てもいいところです。私のクリニックの月報を見ると、いちばん多いのは、やはり20代。ついで30代、40代、50代。そして10代、60代、70代、80代となります。

 今回は、高年齢の方の受診についてお話ししようと思います。70代、80代の方は、大体月に20人から30人がこられます。

 やはり先ほどの男性のような目を感じていらっしゃるのでしょうか。多くのお年の方が、「私のようなものが来てすみません。」とか、「場違いなところに来たようで」などとおっしゃるのです。私は「そんなことはありませんよ。どうぞ、どうぞ。よくいらっしてくださいました。」と言います。

 中には子宮がんや卵巣がんのような重篤な病気にかかってこられる方もあります。が、もちろんそんな方は少なくて、訴えは様々です。

 高齢の方の病気の話しの前に、心構えをお話しします。

 私は、お年の方に、まるで幼児に話しかけるような対応をするのが大っ嫌いです。私の父が病院にかかったときにそこのナースが、「おじいちゃん、ここに上がろうね。」と言われました。わたしはとても不愉快でした。そのときの父は、決してぼけてもおらず、かくしゃくとした者でした。「〇〇さん、ここに上がってくださいね。」と敬意を持って対応すべきだと思うのです。年齢が上の方には、絶対、敬語を使うべきなのです。どうして年を重ねると、幼児と同じだと思われるのでしょうか。ため口で話すことが許されるのは、家族だけだと思います。

 それから、やはり父のことです。骨粗しょう症があって、だんだん父の背中も丸くなって来ました。そして、腰を痛がりました。かかりつけのドクターが、ある総合病院に紹介してくださったのです。そしたら、そこのドクターは、父に年を聞かれたと。父が年を言うと、笑われたそうです。そして、「もう、年なんだから。しかたがない。これはなおりゃあせんよ。」と言われたと。父は、その晩、私に「わしは、あの医者は立派な人だとは思わん。あそこには行きとうないんじゃが。行かんといけんかのう。」といいました。父のつらそうな姿に、私は、「行かなくていい」と即座に言いました。

 年をとっていても、多少認知症があったとしても、人に馬鹿にされたら、それは胸にこたえます。その人なりに生きてきた歴史やその中で培われたプライドもあります。それらを医療者はちゃんと心して置かないといけません。

 もうひとつ、付き添いがついてこられた場合でも、話しかけるのは、あくまでもご本人に、です。本人を横において、付き添ってきた人とばかり話しをしてはいけないと思います。お薬の話しでも、ご本人に話すのを付き添いの人には、横で聞いてもらっています。お薬を渡すのも、ご本人に。それが原則です。

 若い人の産婦人科の受診については、散々言われてきました。更年期の医療についても、ずいぶん語られるようになりました。今回、私は、あまり語られていない、更年期以後の方、高齢の方の産婦人科医療について、シリーズでお話ししたいと思っています。今日はそのための前置きでした。


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私流国際的近況報告

 日曜日に大分に講演に行って、次の月曜日は朝から診療と、夜は韓国語の教室。今日は診療と夜は英会話と結構忙しくしています。それも、韓国語は相変わらず宿題がどっさりで、しかも動詞や形容詞の活用でとても難しくて、ひいひい言っています。宿題だけでなく、あまりにも私たちが単語を覚えないので、先生は、単語テストをする、と言われます。余計つらくて。

2008_10200024 これは、リトルジャイアントという小さくて分厚い辞書です。ソウルに行ったとき、地下のショッピングモールの大きな本屋さんに行きました。そこで、辞書のコーナーに行き、いろいろと辞書を探し、コレッと一目ぼれして購入しました。日韓と韓日の両方が収録されています。字は小さいけれど、とても優れもので、あらゆるコトバが載っています。これまで辞書は電子辞書を使っていたのですが、どうも普通の本の形の方がいろいろと読みやすくって。愛用しています。

もう一つは単語カードです。百円均一で三つがセットになっています。これにせっせと単語を書いて、時間をぬすみながら眺めています。それにしても、なんと記憶力が衰えたことでしょう。昔だったら一回で覚えたものを、今では、20回くらい見ても、覚えられなかったりします。若い人たちと一緒なので、そのハンディーは、は努力でカバーするしかありません。

 いつか、上級の人たちのように、自由にしゃべることができるようになるのでしょうか。

 バングラデシュの人に少しだけお手伝いをしました。そしたら、バングラデシュの民族衣装を戴きました。以前、バングラデシュのお店で素敵な衣装を見て、ほしいと思ったけれど、試着してみたら私に入らず、悲しい思いをしたことがあります。でも、これは大きめのを選んでくださったのでしょう。ちゃんと私にも入って、うれしかったです。

2008_10200020 急速な株安、円高です。年末にまた韓国に行くつもりなので、今日お昼時間に銀行に韓国ウォンを買いに行きました。一昨年韓国に行ったときには、千円で7千ウォン、昨年は、千円で1万ウォンだったのが、今日は千円で12800ウォンにもなりました。なけなしの貯金をファンドにしていたので、大損をしている身です。少し、円高の恩恵をこうむってもいいだろうと思いました。

 あれこれ、私流国際的に近況を報告いたしました。

明日から、また、気合を入れてシリーズを書くつもりです。


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臼杵の講演と義母とふぐ料理。

深夜に広島の家に帰って来ました。さすがに疲れていて、パソコンを開く元気もなくって寝てしまいました。

 昨日は、朝のうちに義母のところに行きました。もう85歳で一人暮らし。元気で家から一キロ近く離れたところの小さなお店をしています。大分に帰ったときには、できるだけ何かお母さんの喜ぶことを、と思うのですが。

 夫と母もともに車に乗ってもらって臼杵に行きました。4年ほど前に臼杵に講演に行ったときにも一緒に行って、私が講演している間に二人は臼杵の石仏を見ています。一緒に行っても、もうすることがない、といわれるので、ネットで調べました。

 そしたら、臼杵のインターのすぐそばに、「臼杵湯の里」というのがありました。すぐに電話で確かめました。宿泊しなくとも、温泉と食事は出来るということでした。ここだ!と決めました。行ってみると、なかなかの建物です。沢山の大仏がある大仏殿や食事どころもあります。

2008_10260001 夫に、お母さんのことをよくよく頼んで、私は食事どころで予約もしておきました。そして、講演に行きました。

 講演は、臼杵や津久見地区の教職員組合の「母と女教師の会」主催です。教師や保護者の方たちがたくさん来てくださいました。私の講演の前に、お母さんたち二人の発表がありました。そのお一人が、自分の発表の最後に、高校生の時に、国語の先生に勧められて、私の「さらば悲しみの性」を読んだのだと、そして今日の私の講演をとても楽しみにしている、と話されました。

 当時高校生だった方が、もう保護者として私の講演を聞いてくださるという、それだけ私も年をとったということだ、と苦笑です。というか、その間、途切れることなく、性教育に携わってきたということだよね、とも思いました。本当にあっという間でしたが。

 講演後、急いで二人のところに行きました。母は、お風呂に入った後、マッサージもしてもらってとても気持ちよかったと、御機嫌でした。私は入ることは出来ませんでしたが、ぬるぬるとしたとてもいいお湯だったということです。

 食事は、夫がご馳走するというので、ふぐコースです。夫と一緒の時はいつも「僕はうどんでいい」と言うものだから、他に何かご馳走を食べたいと思っても、私もうどんくらいしか食べられなくて、面白くありません。でも、今日はお母さんと一緒だから、「お母さん、ふぐでも食べよう」と言っていたので、しめしめで、早速に予約をしておいたのです。

 臼杵は、ふぐが最高!と言うのは、前に講演に来たときに聞いていたのですが、私はふぐといえば下関、というのが頭にあって、ええ?と思っていました。しかし、やはり最高でした。刺身が厚いのです。それに、肝がどっさりです。ここでは本物のふぐの肝が食べられると、それも人気だそうです。白子豆腐などの料理もとても美味でした。

2008_10260004 ここはまだ新しいところですが、だんだん人気が出て、福岡あたりから泊りがけで来る人が増えているそうです。私は入れなかったお風呂も含めて、もう一度来たい、と思いました。何より、「ふぐはおそろしい」と言っていた母が喜んで下さったのがうれしかったです。

でも、そこからが大変で。そこを出たのが6時10分。帰りのフェリー8時10分発に間に合うために、必死でした。母を日出の家まで送って、竹田津まで。高速道はいいのですが、その後は、追い越し禁止の一車線の道が延々と続きます。とろとろと走る車が多くて、苦労しました。とても無理だと夫が言うのを必死で運転して、そして奇跡的!に8時10分の3分前に到着して、無事乗れました。だって、それをのがすと、11時半のしかないのですから。フェリーに乗ったら、ぐったり、徳山から家まで帰って、またぐったりでした。

 12月にはまた大分の高校に講演に行きます。さあ、その時にはお母さんと何をしよう、と考えましょう。


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フードフェスティバルを満喫

 今日は、毎年楽しみにしている「フードフェスティバルの日」。沢山の食べ物やさんが、これでもか、というほどずらりと並んで、いいにおいをさせます。

 私の韓国語の先生が、「来てくださいね」といわれました。韓国料理のブースを出すのだと。毎年されているそうですが、昨年までは私は職場の近くの広場にしか行っていませんでした。でも、韓国料理は、広島城だそうで、そこは遠くて、全く行っていないので知りませんでした。

 今年は必ず、と張り切って診療をし、昼休みには自転車で飛んで行って、そして見つけました。粉だらけになって懸命にチヂミを焼いている先生を。

 他にもトッポキ、キムチチャーハン、それにマッコリを売っています。マッコリは仕事中ゆえダメだけれど、他のすべてを購入。トッポキのおいしかったこと。汁仕立てで、トッポキだけでなく、よく韓国ドラマでおでんとして出ているあげはんの薄いのや、ねぎが沢山入っていて、お汁まで全部飲んでしまいました。それだけでお腹が一杯になったので、他は、晩御飯のために持って帰ることとしました。

 他にもいろいろとブースを回って購入しました。でも、本当においしそうで、買いたいのはずらりと行列で、とても時間がなくって残念。買いやすいものを結構いろいろと買って帰って、そして、晩御飯です。

2008_10250003 チヂミとキムチチャーハンと、鮎の塩焼き、世羅牛の炭火焼、ケンタッキーフライドチキンのゆず辛、くわいのから揚げ、えびかつ巻き。そしてインド料理のナンのスティック。写真はすべて夫と私の二人前です。

 これを並べているのは、船の上です。

 午後の診療をすますと、車を飛ばして徳山港へ。大分の竹田津港まで二時間のフェリーです。その船の中での食事ですが、おいしいけれど、とても食べ切れません。残ったのは、明日の朝ごはんに回します。明日(といってももう日付が変わりました)は、大分の臼杵で講演です。フェリーを降りて、また一時間余り走って別府の我が家に着きました。

 ところで、フェリーは、原油高騰のためでしょうか。便数がかなり減って、その上、「燃料代」というのを1000円別徴収されました。経営が大変なのでしょう。連休の時などは、一杯一杯車が載りますが、今日は、乗用車は私の車だけ。後、トラックが4台だけです。だから、客席はガラガラです。

 明日も講演がすんだら、このフェリーを利用して帰ります。これまで、大分に帰省したときには、ほとんど陸を走って帰っていたのですが、高速道路代、ガソリン代、そして疲れを考えると、フェリーを利用したほうが楽だと思いました。あまり無理をしないようにします。


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トマトが大変!!

 クリニックのベランダのトマトは、鉢のはダニにやられてダメになりました。さすがに水耕栽培のは強くて、これまで頑張って次々に実を成らせて来ました。ところが、ここのところ、こちらにもダニが付いて、葉っぱが枯れることが起こって来ました。木酢をせっせと撒いたりしたのですが、どうにも退治できません。

 そこで、手でつぶすことにしました。私は目はすこぶるいいので、1ミリの10分の1くらいの小さな茶色いのを手でこすってやっつけます。せっせせっせと葉っぱの裏を見てはやっつけていたら、ずいぶん少なくなりました。もう一息、と思っていたら、今日の午後のことです。お昼ごはんを済ませて午後の診療を始めるときには、何ごともなかったのに。

 診療の途中でちょっ時間ができたので、ダニがいないかを見ようとしたら、大きな枝がポッキリと折れているのです。先にはたわわに実や花が付いている、いちばんメインの枝です。びっくりして、すぐに受付の彼女を呼びました。そして枝を持ってもらって、私は奥に入ります。そして、枝止めを持って来て、さあ、どう支えようか、と考えました。でも、枝が大きく高くなっています。支柱よりもはるかに大きいのです。

「これは、吊るすしかないね。」と言っても、ここのベランダには、物干しなどないし、天井にも何も手がかりがありません。そして、アタマをひねって、思いついたのが、これです。

2008_10240003 点滴台です。これをもってきて、折れた枝を吊るしました。折れたところは、割り箸で副木を当てました。

2008_10240005 2008_10240004_2 まるで骨折した足に副木を当てて、上から吊るしたようになりました。これで、折れた所は無事修正できるでしょうか。何とか持ってほしいのですが。ここの枝に沢山の実が付いているので、このまま枯らすのは、忍びないのです。

 秋になって大分涼しくなりました。でも、これはできるだけベランダで頑張ってもらって後は待合室の中に入れます。そして、トマトでクリスマスツリーを作るのが目標なのです。そのためにも、折れたところに頑張ってもらいたいのです。とても心配です。


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世羅温泉で大衆演劇をみました。

今日木曜日は休診日。久々のオフです。そこで、世羅に行きました。世羅温泉です。

2008_10230001 広島バスセンターには、リーゼンさんという韓国グッズのお店があります。そこが好きで、時間があると入り浸っています。今日は、同じようにそのお店に入り浸っている人と、リーゼンのママの7人で行きました。

 世羅温泉には、大衆演劇が入っています。月替わりですが、今日は関西の「近江新之介」一座が来ていました。私は大衆演劇は、テレビでは見ていますが、本物を見るのは初めてです。

2008_10230003_2 2008_10230004_2 まず食事です。ここはメニューが豊富です。豪華なお弁当、これにさいころステーキやちぢみ、韓国冷麺などを追加で、もうお腹一杯です。

 演劇が始まる10分まえ。もうかなり一杯の人です。二部構成で、一部は演劇、二部は歌や踊りの歌謡ショーでした。

2008_10230006 2008_10230007_2 芝居は、大熱演で、びっくりしました。つい見入って、ほろりとしました。歌謡ショーでは、子どもも頑張ります。また、若い男性や団長の女形の色っぽいのにはびっくり。ゾクゾクするほど色っぽいのに見とれてしまって、写真をとるのを忘れてしまいました。

二時間半、息もつかせずの熱演で終わったときには、ボーとするほどでした。

2008_10230010 2008_10230012 真ん中で踊っているのは男性です。もっと素敵な踊りがあったのですが。撮っていなくて残念!

 その後でお風呂に入りました。大きなお風呂と薬湯が二つ、サウナも高温サウナ、スチームサウナ、塩サウナと三つあり、露天風呂もあります。とってもリラックスしました。

 帰りの車ではにぎやかにおしゃべりです。本当に私にとって初めての体験で、とっても楽しい一日を過ごすことが出来ました。誘ってくださったリーゼンさんに感謝です。


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性教協児童養護施設サークルと障害児サークルの本

『子どもたちと育みあうセクシュアリティ〇児童養護施設での性と生の実践〇』”人間と性”教育研究協議会児童養護施設サークル編 クリエイツかもがわ出版

 二日にわたってご紹介した、秋季セミナーを開催する性教協全国児童養護施設サークルは、活動を初めて23年になります。その20周年にこの本は出版されました。それまでは1988年に『児童養護性教育ハンドブック』を出版し、それから17年が過ぎました。この間も地道に年二回のセミナーを開催し、それぞれの現場で実践と研究を継続してきた結果が、この本に凝縮された内容になっています。

 この本は、単に児童養護施設に関係する人たちだけでなく、「学校・保健・福祉・医療など、すべての性教育関係者に」となっています。目次は

第一章◎児童養護施設の性教育実践のポイント

第二章◎年齢に応じた性教育と支援

第三章◎テーマ別性教育の実践と対応

第四章◎助産師みゆきのワンポイントコラム(科学編)

第五章◎Q&A こんな時、あなたならどう答える

    Ⅰ子どもたちの「どきっ」とする発言 Ⅱ慎重な検討を必要とする対応

第六章◎児童養護施設における性教育実践の課題

となっています。実は、私はこれは施設だけでなく、家庭の中でもぜひ読んでほしいと思いました。

中の一部を抜粋します。

「 夕食後の団らんです。低学年の子どもたちがコタツに入ってきて、めずらしく自分の家庭の構成を語っています。「おれんち、お母さんがいなくなって、お父さんと二人だけだよ」「わたしのところは、お父さんもお母さんもいない。おじいちゃんとおばあちゃんがいるの」「ぼくのところは、お兄ちゃんのお父さんとお姉ちゃんのお父さんが違うんだ。ぼくはお父さんは、お姉ちゃんと同じだよ」「ぼくは一人ぼっちだよ」と。家族の形だけでなく、結婚の形や男女の関係、個人の生き方が多様化しています。ー中略ー

 社会のあり方の変化と個人の選択が重なり合って、現実に「多様な家族」が増えて来ました。その中で、子ども虐待など家族内問題も注目されています。でも、こうした家族内問題は、多様な家族のあり方そのものが直接的な原因ではありません。ー中略ー

 私たちだって、ライフサイクルの中で、そのつど多様な「家族」の構成員となるわけです。どのような場合でも、血縁の有無に関係なく暴力や抑圧がない対等・平等な関係が求められます。幸せに生きる権利は同じですが、そにかたちは、いろいろです。」

「施設内で子ども同士の性暴力場面を発見した時

      ー当事者の視点を大切にした「危機対応マニュアル」

1.びっくりしてあわててしかってしまう前に

 子どもたちが三々五々遊んでいる休日の午後、押入れの中からも声が聞こえる。かくれんぼでもしているのかなと思い、何げなく戸を開けると、下半身は裸のまま、小学校六年生の男の子と小学校四年生の女の子が抱き合っていた。一体何が起こったのか。頭は真っ白。もう一度戸を閉めて、再び開けたら、お願いだから消えていてほしい。

 残念ですが、どこの施設にも起こりうる情景です。幼児同士も報告されています。大人の性交を見ての行為です。性的虐待の被害者の可能性もあります。男の子同士ということもあります。男の子同士ですと、どうしても軽く見がちですが、被害を受けた子どもは、深く傷付いています。

 ここでは、このような場面を発見した時に、どのような対応をするのが望ましいのでしょうか。児童養護施設サークルのワークショップで作成した、必ず職員が抑えなければならないポイントを重視したマニュアルを紹介します。」

 ここでは詳しくは述べませんが、第一段階、発見時、第二段階、臨時の緊急職員会議、第三段階、第四段階と続きます。私が感動したのは、「被害者も加害者も両方救うための必要なケアを考える」という視点が貫かれていることです。

 やはり実践と研究の積み重ねがこの本には満載です。

2008_10220003 2008_10220004 もう一冊、『障害児(者)のセクシャアリティを育む』”人間と性”教育研究協議会・障害児サークル編(大月書店)も紹介したいのです。障害児サークルの方たちはやはりこれまで永年、セミナーや例会を積み重ね、かつ障害児への性教育の実践をしてこられました。その集大成と言ってもいいでしょう。「障害児が示す性的な行動を問題行動として否定的にとらえる見方は依然として根強く、障害児は幼いころから性について抑圧的なメッセージを受け続けています。私たちは、障害を持っている子どもたちが、ヒューマンで豊かなセクシュアリティを育みつつ育てられることを願ってこの本を書きました。」「人間の育ちを性の視点からとらえ返し、障害児の養育にかかわる人たちが方の力をぬいて子どもに向きあえるように」と。この本にも様々な実践が満載です。 私はこの二冊の本に心打たれながら、多くのことを学ばせてもらっています。


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性教協全国児童養護施設サークル秋季セミナーについて(2)

感動のセミナーなので、昨日に続いて、プログラムから。

研修には、4つの理論講座と、4つの分科会があります。理論講座は二時間づつ。分科会は、二日目の朝9時15分から17時15分まで、一日かけての研修です。

理論講①(テーマ)『生い立ちの整理』

 施設で暮らす子どもたちの多くは、自分の誕生、現在の施設生活、そして自分の存在について、否定的感情や疑問、納得できない思いを抱えています。「生い立ちの整理」は、自分の今までの人生を新しい視点から見直すことを提示し、子どもたちのマイナスからの出発をプラスに変えるための支援です。自己肯定感を育むために大切な、虐待の被害者としての手当てについても学びます。

理論講座②(テーマ)『施設内での性的トラブルにおける児童へのケア』

 近年、施設内において性的トラブルが頻発しています。さまざまなケースがありますが、とりわけ入所児童同士の性的トラブルにおいては、被害者としての児童へのケアと加害者としての児童へのケアという立場に直面します。その際、どのようなことに配慮すればよいのか、初期対応、その後の対応、長期的対応などの視点から、具体的にわかりやすく説明します。また、そのようなトラブルを防ぐには、日常的にどのようなことに心がけていけばよいのかを提示します。

理論講座③(テーマ)『児童養護施設における性と生の実践』~子どもたちに、今、何を伝  えるのか~

 近年、児童養護施設での性教育のニーズは非常に高まっています。しかし、現状は、取り組みや実践が進まず、問題(トラブル)に対応するのが精一杯という声を多く聞きます。ここでは、児童養護施設での性教育:性と生の実践について、生活の中の実践や学集会形式の実践など、具体的な方法を示しながら、子どもたちに何時、何を伝えたらいいのかを考えます。そして、児童養護施設の中に性と生の取り組みを根付かせるためのヒントを学びます。

理論講座④(テーマ)『思春期における性交と避妊、性感染症』~今、子どもたちに必要とされる科学的な性の知識とは~

 近年、子どもたちの性行動の低年齢化が叫ばれています。高校生や中学生が、恋愛の過程や興味本位で、性交体験をしてしまうことは、決して珍しいケースではなくなりつつあります。しかし、性交の後には、予期せぬ妊娠や、クラミジアやHIVをはじめ様々な性感染症へのリスクがあることを忘れてはいけません。こうした性のトラブルから子どもたちを守るために必要な、性交や避妊、性感染症についての科学的な知識を助産師の立場から、わかりやすく話していただきます。

テーマ別分科会

〇分科会①(テーマ)『児童養護施設で始める性と生の実践』~やってみよう!!生活の中の実践と学集会形式の実践~

 児童養護施設で子どもたちに向けた、性と生の実践を取り組むにはどうしたらいいのか?この分科会では、生活の中の実践や学集会形式の実践など、子どもたちに向けた具体的な実践方法や子どもたちへの関わり方をロールプレイや模擬実践を用いて学びます。全体を通して参加型、実践型の分科会です。

〇分科会②(テーマ)『性的虐待への理解とこどもたちへの支援実践』

 児童養護施設の子どもたちは、家庭や地域、学校や施設内で、性的虐待や性的被害を受ける危険にさらされている現実があります。私たち施設職員は、性的虐待に関する基本的知識を持ち、より専門的な支援実践の展開を求められています。この分科会では、事例や問題提起を通して、性的虐待について学びます。また、司法面接に関しても触れたいと思います。

〇分科会③(テーマ)『知的ハンディーを持つ子どもへの性教育』

 児童養護施設には多くの軽度の知的ハンディを持つ子どもが生活しています。しかし、軽度といっても、その理解度、こだわりなど、子どもたちの発達レベルは、実に様々です。この分科会では、彼らに最低学んでほしいことをどんな方法で提供すればよいかを、模擬実践などを織り交ぜながら、具体的に学びたいと思います。

〇分科会④(テーマ)『中高校生の性交を考える』

 近年、中高校生の性交体験率が高くなっています。あなたの担当児童に対して「あの子、体験したみたいよ。」という噂が聞こえてきました。あなたなら、どういう対応をしますか。実際に性交をしたのであれば、妊娠しているかも、性感染症にかかっているかも知れません。また、相手は誰なのか・・・同級生なのか、年上なのか、・・・もしかしたら、出会い系サイトにはまっているかも知れません。この分科会では、思春期の子どもたちが置かれている現状を知るとともに、思春期の子どもたちへの性教育について学習していきます。

 明日は、この様な実践を地道に続けている人たちの実践集である書籍を紹介します。


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性教協全国児童養護施設サークル秋季セミナーについて(1)

昨日の日曜日は、朝から午後3時まで性教協の役員会だった。この後の方針を決めたり、いよいよ学校の枠を取り払っての、小学生にむけての体の講座をすることの具体的な取り組みを始めた。これは、おそらく親子の講座になるだろうが、これからもう少し具体的になったら、ここで発表をしましょうね。

 ところで、同じ性教協でも、いろいろと他の分野で頑張っている人たちが多くいる。その一つ、「児童養護施設サークル」の人に連絡を取る必要があって、話しをした。これはすごい取り組みをしているので少しご紹介を。

 児童養護施設とは、保護者に育ててもらうことが出来ない子どものための施設である。その場での性教育に23年間取り組んでいるグループである。そのサークルでは、毎年春と秋にセミナーを開いているが、毎回、押すな押すなの大盛況で、あっという間に定員が一杯になるのだと。

 その今度開かれる秋季セミナーのプログラムを読んであんまり感動したので、それのご案内をしたい。

第23回全国秋季セミナー2008年11月26日(水)~28日(金)

”人間と性”教育研究協議会 全国養護施設サークル 主催

大会テーマ『児童養護施設における”性”と”生”の課題』~子どもたちと共に考える、科学・人権・自立と共生~

異常気象が続いた今年の夏も終わり、秋風が吹き、コスモスも咲き始めました。この度、私たち「”人間と性”教育研究協議会 全国児童養護施設サークル」では、恒例の秋季セミナーを開催いたします。

 児童養護施設をはじめ、各方面でも、子育ての難しさを抱えているのが現状です。青少年の重大犯罪や、女子中高校生の援助交際・デートDV等、子どもたちの”性”や”生”の捉え方、価値観までもが変わってきていると思います。携帯電話やインターネットの普及による出会い系サイトの問題等、子どもたちを取り巻く環境は、とても厳しい状況にあります。また、児童養護施設においては、施設内における性被害・加害への対応、性交や妊娠、そして知的ハンディーを持つ子どもに対する性教育など、私たちの実践力を越えた、数多くの問題を抱えている現実があります。

 このような困難な状況の中、私たちには、子どもたちひとりひとりの心とからだ、”性”と”生”を豊かに育んでいくことが求められています。また、自らのセクシュアリティを豊かにすること、性教育の実践力を身につけることは最重要の課題だと思います。共に学び合い、子どもたちと共に性教育実践が行なえればと考えます。

 ”人間と性”教育研究協議会(略称:性教協)は、現在59サークル、会員2000人以上を有する研究団体であり、性教育を「科学教育」「人権教育」「自立と共生の教育」と明確に規定し、日本の性教育研究のリーダー的存在となっています。その中の職種サークルの一つである全国児童養護施設サークルも発足から23年目を迎え、北は北海道から南は沖縄まで数多くの参加者を有するようになりました。活動も関東(埼玉)を会場に秋季セミナー、関西(大阪・京都)を会場に春季セミナーの年2回の全国セミナーの開催を行なってまいりました。

 多くの方々が、このセミナーに参加され、研究討議を行い、現状に立ち向かい、実践に活かせる力をつける機会にしていただければ幸いと存じます。是非ともご参加いただけますよう、ここにご案内申し上げます。

明日は、具体的なプログラムのご案内をします。プログラムに記載されている文章もまた、感動的なので。 


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焼肉をたべながら。ドメスティックバイオレンスについて。

 昨日午後、診療中に電話で知らせがあった。急だけど、みんなで集まるので、と。数ヶ月前から、ひょんなことで、いろいろな仕事をしている女性たちで集まっては食事会をしている。その会を、昨夕、することにしたからと。泡を食って、夫に連絡。晩御飯にキムチ鍋をすることにしていたのだが、急に中止。私は外で食べるから、と。

 そして、診療を終えてタクシーで駆けつけた。駅裏の焼肉やさんだ。おいしくて安いとうわさを聞いてはいたが、初めて行く。それは、ダイナミックにお肉が盛られ、とてもおいしくて。キムチもサラダも冷麺もおいしい。そして安かった。

 みんなの話も弾む。何よりびっくりしたのは、そこで仕事をしている人の息子さんとお嬢さんの両方とも生まれるときに、私が取り上げたのだと言われたことだ。21歳だというその息子さんが元気に働いていた。感無量の思いだ。私も長くやっているとこんなこともあちこちである。

 ところで、話しの中で、恋愛だの、DVだのの話しになった時。やはり結婚のあるなしにかわらず、恋愛の経験というのはいいよね、となった。人を愛したり、つらかったり、喜んだり、悲しんだりというのがない人生よりも、はるかに充実するよね、と。たとえつらい結果になっても、その思い出というのは、ずっと残るものだと思うし。

 その恋愛を罪悪視する人たちがいるけれど。

 でも、その場にいた人たちのみんなが殴られた経験がないと言ったのにもびっくりした。私は殴られたことが散々あるから。結局はその人とは破綻したけれど、今の夫に出会ったとき、彼は「女を殴る男は最低だ」と言った。「ああ、この人のそばだと殴られなくってすむ」と、ほっとした。いつも緊張した状態でなく、ほっと安らげる状況たというのが、こんなに心地いいものかと。

 私は、だから、暴力的な関係でいる若い人たちにアドバイスする。今、若い人たちへの教育力が低下している。「やさしい人間関係をつくる」ためのディスカッションや思考を鍛えるという教育がなされなくなっている。

 自分の思うままにことが進まないと、声を荒げたり、暴力を振るったり。それがやっとここに来て、「ドメスティックバイオレンス」、DVとして行政などで取り上げられてき初めたことをうれしく思う。まだまだ緒についたばかりだけれど。思いのままにならないからとの殺人事件が起こる度に、つらいと思う。

 こんなことが、誰にも気兼ねなく話せる人たちとの集まりも大切にしたい。緊張しなければならない会はいやだ。やっぱり人の話をうなずきながら聞きあうことができる仲間というのがいい。


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弘中惇一郎弁護士の講演

今日の診療を終えてすぐに旧全日空ホテルへ。そこで開かれている「外科学会」に参加した。場違いではあるが、「弘中惇一郎弁護士」の講演があったから。今や時の人。あのロスで自殺した三浦和義三の日本での弁護士さんだ。

 というか、私たちにとっていちばんの記憶は、あの薬害エイズの裁判だ。裁判の原告、薬害の被害者の人たちの弁護をしていて、突然、帝京大学の血友病の医師安部英三の弁護士になった人だ。わたしたちは、HIVのボランティア活動をしていて、アット驚いたものだった。そして、安部英氏も三浦和義氏も無罪を勝ち取るという、凄腕の弁護士さんだ。

 今日の講演のテーマは「医療行為と刑事裁判」。薬害エイズの裁判をした経験からのお話しであった。私にとっては、「モンタニエ、ギャロ、厚生省の松村さん、郡司さん」などと、懐かしい名前が次々と出てきた。さすが、筋が通って、コンパクトにまとめてすっきりした話しであった。だが何分にも話しが古い。タイムリーな話題ではない。

 医療の分野に司法の手が入るようになり、そしてあの福島県の大野病院の産婦人科医師の逮捕があり、次々と全国の病院から産婦人科医が撤退することになった、そのような話しが現実である。この医師が無罪となった今、これからの医療はどこに向かうのか。検察はこれからも医療に介入を続けるのか。それが聞きたかった。

 大野病院の事件のような、無理をすることは検察も控えるかも知れない。しかし、一般的な医療の水準に大きく外れるとき、そのときは司法の手がこれからも入ることが予想されるとのことであった。患者さんの目も厳しくなっているし。それはそうであろうと私も思う。

 医療者にとって、ますます厳しい状況となるであろうと思う。

 先日、私のクリニックの前でばったりと先輩のドクターに出会った。[あれ?先生、どうなさいました?お仕事は?お昼休みですか?」そしたら、先生は「辞めた。」といわれた。驚いた。すべての診療をやめて、産婦人科のビルも全部ぶっ壊して跡形もなくしたのだと。沢山の人がお産をしていた医院だ。「すっきりしたよ。本当に楽になった。」と。後は、健診所でがん検診のアルバイトをしているだけだと。先生の顔がとてもおだやかになっているのに、また驚いた。

 私も「いつ決断するかだよ。」とそそのかされてしまった。それはそうだけど・・・。私は今診療を辞めなければならない理由は何もない。せいぜい、「一般的な医療の水準」から外れないように、日々研鑽を積もうと思う。

 


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テレビでのコメントー癌の人も聞いている。

先日、俳優の峰岸徹さんが亡くなった。肺癌でわかったときには手術は不可能たといわれた、と。その発表があった翌日のモーニングショーでは一斉に彼のことを取り上げた。その一つを見ていて、ドキッとした。 

 コメンテーターの一人が、「治療をするとね、一旦、寛解と言って、治ったようになるんですよ。でも、それがまた再発するんですね」と言ったのだ。「再発するんですね」と言った。「再発したんですね」であったなら、これは峰岸さん個人のこととして、まだいい。手術ができなくて、抗がん剤で治療した人はみんなこうなるような言い方をされたので。それはまずではないの、と思った。

 その人は、私の好きなコメンテーターであったし、彼自身も癌を克服した人である。だからと言って、癌のすべてが分かっているかのようなことを言わないでほしい。どんな人がテレビを見ているかわからない。その一言で、深く傷付く人もいるということを知っているのだろうか。

 以前書いた、主治医が赤で「完治不可能」と書いた、その彼女は懸命に抗がん剤の治療をしている。今、三クール目。二クール目まではとても元気だった。でも、ここに来て、がっくりと落ち込んでいると。家族からの連絡があって会いに行った。

 彼女はやはりその番組を見ていた。彼女が癌と宣告されたとき、ちょうど峰岸さんが癌だという記事を週刊誌で見たのだそうだ。そして、もう彼は亡くなってしまって。彼女も同じ肺がんで手術が出来なくて、ステージ4で。いくら治療をしても、自分もそうなるのだと。で、年老いた連れ合いを残して死ぬのは、この人がもうかわいそうで、と。ひどく落ち込んでいた。

 私は、彼女の鎖骨を触らせてもらった。鎖骨の上のくぼみに固まりを触り、私は内心青ざめて、すぐに専門医に紹介したのだった。その塊がすっかりなくなっている。ええ?なくなってるジャン。消えてる!!抗がん剤が効いているんじゃないん。肺は?どうなっているの?とたずねた。そしたら、元のところは、小さくなって、周りに転々とあったのは、消えてた、と。ほらー、効いてるじゃないの。まだ二クールでここまで効いているんだから。

 効果がなくって、どんどん悪くなってるんだったら、つらいかも知れないけれど、でも効いてて、元気なのだから、落ち込むことはないじゃないの。頑張って治療をうけてよね。連れ合いを残して死ぬ、なんて思わないで。死なないで。生きてよね。この人がかわいそうなんて悲しむことはないよ。お連れ合いよりも長生きをすればいいんじゃないの。私の連れ合いだって、半年といわれたのに、もう30年も生きてる。そんなこともあるから、私は、だれでも希望を持って治療してほしいと思ってるよ。

 私はそんな話しをした。医療は進んでいる。私が医師になったころ、半年でなくなったような卵巣がんの人でも、抗癌剤の進歩により、10年生きれるようになってきた。10年というと、完治に等しい。

 人は誰でも死ぬ。死亡率は100%。いつ、誰に何があるか分からない。その現実に向き合って、つらい思いをしている人に、「お前ももうすぐ死ぬのだ」と言ったに等しいようなコメントは本当にしないでほしい。

 今日は今から福山の松永に講演に行く。夜の講演というのも、時にはうれしい。休みの昼がたっぷり使える。車で行こうと思っていたのだが、帰りの運転がしんどいかな、と思ったので、新幹線で行くことにした。中学生や小学生の保護者の方に今の若者の現状と、どんなことを伝えなければならないかということをしっかり話して来ようと思う。人を傷つけないように、人に対する配慮が出来る人になること。それも大切な性教育の一つだから。


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いよいよホームページが立ち上がります。

 ただいま、広島アキハバラ塾に来ています。いよいよ私のホームページが出来上がりました。

 これまで何回か述べてきたように、悩んでいる人、買いたくても買う勇気のない人のための製品を何とかネットで売ることはできないかと考えて来ました。たとえば、コンドームのLサイズ、Sサイズ、ゴムアレルギーの人様など。それから、女性のためのぜったいに漏れないナプキンとか、乳首が引っ込んでいてん何とかしたい人のためとか。人しれず、妊娠を確かめたい人のための妊娠診断薬とか。

 でも、私は医師なので、それらの宣伝や販売をすることは出来ないのです。ですから、私のクリニックの下で薬局をしている「コスモス薬局」の方に頼みました。とても気持ちよく引き受けてくださいました。

 そのホームページの中で、私は「からだの相談室」と「河野美代子の著書」のページを持っています。いろいろ悩んでいる方たちのためになれば、と思います。

 まだまだ未熟ですので、これから、いろいろと手直しもしなければならないと思います。覗いて戴いて、そしてアドバイスをいただければ幸いです。


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「あらかぶ」の煮付け定食

 ひとしきり道の駅「むなかた」で感動した後、海沿いを北九州に向かいます。沢山の人があちこちで釣りをしています。また、民宿風の料理屋さんも沢山あります。

 後で市が出している無料パンフレット「宗像」を見ると、玄界灘の海の幸の宿泊、食事どころがいっぱいです。漁師さんが直接運営しているお店もあります。それに、料理人たちが、「玄海料理人会」という研究会をつくり、新メニューの考案などの活躍をしているそう。

 そして、やって来たのが国民宿舎「ひびき」です。ここの最上階に展望レストランがあります。海に面していて、広い窓から抜群の景色を見ながらの食事です。広いレストランなのですが、安くて新鮮なので、これまた沢山の人が順番待ちをしています。名前を登録して待ちました。

 頼んだのは、「あらかぶの煮付け定食」です。大きな「あらかぶ」が一匹、とても上手に煮付けてありました。身がころころして美味です。兄から、九州には「あらかぶ」というとてもおいしい魚がいるという話を聞いていました。どんな魚なのだろうか、と思っていましたが、広島では、「ホゴメバル」か、「かさご」かも、と思います。でも、こんな大きいのは、あまり見たことがありません。茶碗蒸し、もずく、お味噌汁なども付いています。別にサザエのつぼ焼きも戴きました。

2008_10130016 2008_10130017 レストランからの景色です。

本当においしく、楽しい宗像でした。こんどは、泊りがけで来たいと思います。だって、とても豪華な会席料理が付いていて、一泊二食で9000円弱だそうです。ここは国民宿舎ですが、他の民宿でも同じようなお値段のようです。広い海水浴場もあちこちにあります。夏のリゾートとしても最高でしょう。

2008_10130014_2 ついでに、姉と私のうれしそうな顔を見てください。ご馳走を前にすると、こんな顔になります。

 おかげで、楽しい博多行きになりました。兄に感謝です。

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宗像の「道の駅」

 昨日は、朝ホテルまで兄が迎えに来てくれました。一緒に行っていた姉と三人、ドライブです。義姉は、体調を崩していてお留守番、久々の兄妹三人です。向かったのは、宗像。山や畑の緑、あちらこちらのコスモス、それと海。とても気分が落ち着きます。

 博多から北九州への海沿いの道を行きます。高速道でも国道3号線でもない、海の見えるこんな素敵な道があるなんて。まず、宗像の道の駅、「むなかた」に行きました。驚きました。

 広大な敷地に大きな建物。私は道の駅が好きですが、こんな大きいのは初めてです。博多方面と北九州の両方から多くの人が来ます。

 「地産地消」を掲げたここでは、農家の方が直接産物を持て来られます。「ほうれん草が届きましたー」との放送と共に、農家の方がどさっと置かれると、サッサと物がなくなります。ぴんぴんの取れたての野菜です。おこめ、野菜、果物、卵、手作りのお弁当などなど。

 それだけではありません。このごろ、農産物に生産者の名前や写真が付いているのがよくあります。ここでもそうなのですが、でも。ここは海のそばで、漁港が沢山あります。そこから、漁師さんが直接お魚を持ってこられます。

「〇〇丸がとどきましたー」と放送されると、漁師さんがつりたての魚をどさっと持ってこられます。ちょうど、子連れの漁師さんでした。子どもがお父さんと共に、ラベルを貼ったりしています。新鮮な魚が次々と並びます。パックには、船の名前と値段が張ってあります。値段は漁師さんがつけると。だから丸ごとです。料理してほしい人は、調理場がそばにあって、魚の大きさによって100~500円で三枚におろしてくれます。

2008_10130007 兄が大きなコロ鯛を買いました。これで800円です。氷はただです。私もほしかったけれど、持って帰ることを思うと、無理なので、玄界灘のアジの干物と秋刀魚のみりん干しなどを買いました。それと、みかんや銀杏を格安で。それと、手作りの栗おこわを二つ。保冷のエコバックにいれ、氷も入れて持ちかえりです。

なんともすごい道の駅でした。

時間がなくなってしまいました。続きはまた。

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ああ、スライドが消えてしまいました!!

作日、本当に参ってしまいました。夜中までかかって作った講演用のスライドのことです。会場について、いざ講演のストーリーを考えましょう、と、パソコンを開いたら、ないのです。どこにも。苦労して作ったスライドがすべて消えているのです。確かに保存をしたのです。一体、どこに行ったのか、必死でした。そこに幸運にも「僕が見ましょう。僕は以前マイクロソフトに勤めていました」と言う、すごい人が現れました。彼がカシャカシャとパソコンを動かして、見てくれました。そして、「ありません。」と。パソコンの中には全くないということだったのです。

 もう、呆然です。講演まで後一時間。で、決心しました。今からまた作ろう、と。それから必死でした。念のためにデータを持ってきていたのが正解でした。それと、昨晩一度作っていたので、手順がわかっていたのも幸いでした。お腹がすいていても、用意してくださったお弁当も食べず、ひたすら作りました。そして、講演10分前に出来上がりました。

 でも、もう、保存が怖くて。また消えてしまったらどうしよう、と。で、またパソコンのプロに来ていただきました。彼が保存をしようとしてもだめなのです。いくら保存をしても、一旦パワーポイントを終了させようとすると、「。。。は変更されています。保存しますか」というのが出ます。もう保存はしているのですが、それでも、はい、とこたえて、そしたあらためて終了しようとすると、また保存しますか、と出ます。何回も。

 それなら、パソコン本体でなく、メモリースティックに保存しようとしても、全然入らないのです。おかしいな、おかしいな、と言いながら、彼も一生懸命です。で、とうとう時間が来てしまいました。そこで、パソコンを終了せずに、そのまま会場まで持って行って、無事講演を終えることは出来ました。

 会はとてもいい会になったと思います。そして夜、スライドをたしかめようと思ったら、また跡形もなく消えてしまっていました。どこにもありません。あれだけ苦労して二回も作ったスライドが、完全に消えてしまっています。もう、がっくりです。

 一体、何なのでしょう。もう、カンベンしてほしい、そんな思いでいます。せっかくのスライドですから、このために統計も取ったりしてるので、何とか残しておきたいのですが。

 今はまだ博多にいます。今日は完全にオフなので、一つ泊まりました。かねてから、博多に泊まるときにここに、と思っていた「八百治」です。いつもビジネスマンでいっぱいなのが、連休で逆にすいていたのでしょう。予約が取れました。博多駅のすぐ近くで、それに天然温泉があります。とてもきれいな大きな温泉です。それで、宿泊代が7000円台です。値段は三段階に別れています。私は、真ん中のランクに泊まりましたが、シングルでも広くて机も広くて、ウォシュレットレットも付いていて、快適です。ここはお勧めですよ。

2008_10130003 お風呂の写真を撮ることは出来ないので、これはパンフレットの接写です。このとおりのお風呂でした。サウナもあります。でも、ジェットバスや泡の設備があるのに、福岡県の条例で、これらは使用してはならないことになったと、だから運転しません、とありました。なぜでしょう。変な条例ですね。

きょうはのんびりして帰ります。

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「女性とエイズ」の講演の準備です。

 晩御飯の後は、ずっと部屋にこもって明日の準備をしました。明日、「女性とエイズ」の話をします。そのスライドがまだ出来上がっていませんでした。写真やこれまでの統計や、性感染症の症例などをスライドにします。

 なかなかしんどい作業でしたが、一応、何とか出来上がりました。私は女性のHIV感染症の方を4人診ています。まだまだHIVの感染者は世間から偏見の目で見られます。女性の場合は特にです。HIVが知られ始めたころ、あたかも海外で遊んできた女性がHIVに感染しているという間違った偏見が振りまかれました。「イエローキャブ」などというひどい言い方をした女性作家もいます。

 そんな社会の偏見中で、皆さんとても厳しい生活を強いられています。でも、私が診た人たちはすべてパートナーから感染しています。日本の女性感染者のほとんどすべてがパートナーからの感染です。「愛のあるセックス」でも感染症にはかかるのです。

 また、テーマとして「CSWへのアプローチ」、コマーシャル・セックス・ワーカーへの働きかけというサブタイトルも付いています。私なりに、診療の場で行ってきたアプローチ、またエイズのボランティア活動の中で行ってきたこと(これは、以前コンドームのシリーズの中でも書きましたが)なども話そうと思っています。

 今回の講演は、明日につながるものでなくてはなりません。やはり教育の問題にふれざるを得ません。スライドが出来上がったので、ほっとしています。

 明日(もう今日でした)朝早く新幹線で出かけます。

 昨日(もう一昨日になります)はkei.先生の「お花とお茶を楽しむレッスン」でした。今回は切花でなく、「寄せ植え」でした。

2008_10110001 鉢の真ん中に黄色の花をつけた「コリオプスデージー」その両脇に紫の、それも何と黒のがくの可憐な花の「メドセージ」。この葉っぱはとてもいいにおいがします。そして、前と後ろに全部色違いの「パンジー」が二つずつです。

 私のは、たまたま花が付いていなかったので、咲いている方のを写真に撮らせてもらいました。庭を持たない私にとって、ベランダで土に触れることが出来る今回の様なレッスンは、ひときわうれしかったです。大事にして長持ちさせようと思います。

 このレッスンに参加し始めてちょうど一年が経ちます。いろいろなお花の楽しみ方を教えていただいています。私は、学生時代、二箇所でお花を習って来ました。どちらも「池の坊」です。その伝統的な日本の生け花もよかったのですが、もっといろいろなアレンジの仕方を習って、楽しみ方が広がったと思います。kei.先生に感謝です。

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医療崩壊、私のクリニックも赤字転落です。

 銚子市立総合病院が閉鎖されました。同病院のホームページを見るととても立派な病院です。昭和25年設立以来の歴史も記されています。スタッフと市民の生き生きとした交流の姿も垣間見えます。閉鎖に向けての「ごあいさつ」を読むと、無念の思いが伝わってきます。

 後期高齢者医療だけでなく、医療全体が危機に陥っています。先日舛添厚労大臣が「医療の問題もちゃんとやった」と胸を張って言うのを見て、こけそうになりました。マスコミも、銚子総合病院だけでなく、医療危機についてはいろいろと述べています。

 医師不足、絶対数が足らないというのが一つ。それと、新人医師の研修体制が変わって、大学病院に医師が残らなくなったというのがもう一つ。そのために大学が地域の病院に医師を派遣していたのが、医師がいなくなって派遣できなくなりました。

 確かに、そうだと思います。でも、大切なことが抜け落ちています。社会保障費の削減の方針に伴い、医療費がどんどんと削られているその現実です。いま、総合病院の80%近くが赤字だと言われます。周辺のどの病院に行ってみても、患者さんが沢山いて、外来はごった返しています。これだけ患者さんがいて、なぜ赤字なの?と思ってしまいます。

 それは、医療費削減の大きな方策が「診療報酬の引き下げ」に寄っているからです。診療報酬の点数が引き下げられ続けました。これまでと同じことをしていても、入ってくる収入が減れば、経営する側としては、どう対応すればいいのでしょうか。たとえば、リハビリの点数が下げられれば、リハビリに携わるスタッフの報酬を下げなければなりません。ひとり一人の給料を減らすか、人数を減らすかのどちらかで対応せざるを得ません。リハビリそのものにも制限がされました。

 私がしつっこく言っていることですが、医療の現場では、「脳卒中のリハビリ」は発症後原則半年で打ち切りとされてしまいました。でも、患者さんをそこで放り出すわけには行かないので、後は無料奉仕としてリハビリを続けているといった医療者もいます。時間外にやって、時間外の給料は戴かないといった人も。

 私は、開業以来、「医療は必要最低限であるべき」と思って来ました。収入を上げるために、無駄な検査はしてはならないと。でも、同じ方針で診療していると、厚労省の決めたとおりに、まことに素直に収入が下がっていきます。当初あった黒字もどんどん少なくなって、ついに赤字転落です。私の休みの日に講演に行っていただく講演料もすべて経営のためにつぎ込みます。経営のために従業員の給料を削るなんて出来ません。人数を減らすことも出来ません。

 ある大先輩にそのお話をしました。そしたら、「収入を増やす努力をしなさい。無駄だと思っても、ちょっと超音波エコーを沢山診るとかしなさい。患者さんに悪いと思っても、倒産してクリニックを閉鎖することの方が、患者さんのためにならないでしょう」といわれました。なるほど。で、そう思っても、ぜんぜんダメです。必要ないけれどこの検査をしておこう、なんて思っても、もう患者さんを三人診ればそのことは忘れてしまいます。私は経営者には向いていません。

 私のところのような小さなクリニックでもそうなのだから、まして、病院の経営者は大変だろうと思います。やっぱり普通に、それも忙しく診療をして、それでも赤字になる医療の構造がおかしい、そう思います。

 国民の命にかかわる部分、医療や年金などの社会保障にまで構造改革の名の下に削減をすることそのものがおかしい。おそらく、これからもどんどんと倒産、閉鎖する病院は増えるでしょう。困るのは、結局患者さん、国民なのだと。弱い人たちにそこにしわ寄せが来るのだと。国民がみずから選び続けた、国を司る人たちが、こんな状況を作っているのだと、つくづく思い知っています。

2008_10080001 はい、北海道展です。「潮騒の宴」本当に豪華でおいしいお弁当です。もっと小さいのを二個買って食べました。そしたら、診療中に夫から電話があって、またあのお弁当を食べたい、買って来て、と。今度は、このデラックスにしました。もう、超豪華。これを二人で食べましたが、食べ切れなくて、苦労しました。タラバガニの下には、ズワイガニの身がぎっしり。見えませんが、その下には、錦糸卵がびっしり敷かれています。これで2100円。一人1000円ちょっとでこんな新鮮な海の幸がたらふく食べれるのはありがたいと思いました。北海道展ももうすぐ終わりです。ちょっとさびしいです。

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中学生にこそ聞かせたい

昨日は三次の塩町中学校に講演に行って来ました。PTAの教育講演として生徒に話すのを保護者の方たちにも聞いていただきました。沢山の保護者に来ていただきました。素敵な校舎なのでびっくりしました。生徒たちも落ち着いて話しを聞いてくれました。

2008_10090003 2008_10090004 ちょっとだけザンネンなのは、校長先生に話しを聞いてもらえなかったことです。後で、PTAの役員などに「本当にいい話を聞かせてもらった」と言って戴いたので、ほっとしました。保護者の中にはご自分が10代の時に私の話を聞いていて、ぜひ自分の子どもにも聞かせたいといった人がいらっしたそうで、苦笑してしまいました。おそらく、お母さんに話したころより、事態はもっとひどくなっているので。保護者の方が心配されるのが当たり前だと思います。二代にわたって話しを聞いてもらうなんて、私も長い間講演を続けているものです。飽きもせず!

 私自身を振り返っても、中学生の頃が一番知りたかったし、興味もありました。今は昔と違って、ものすごい情報社会です。知ろうとしなくても、どんどんと情報が入ってくるでしょう。それも、全くまともでない情報が。それらの情報によって若者の意識が造られていくとしたら。私は、知りたいからこそ、今、中学生のうちに、真正面から知らせたいのです。高校ではなく、中学生にこそ伝えたいのです。義務教育のうちに。

 だって高校でだと、高校に行かない子とか中退する子とかに全く教育がされないままになってしまいます。

 年内の講演の予定をアップしておきます。

10月12日          福岡市 エイズ予防財団研修会

10月16日19時から    福山市松永大成館中学

10月26日13時       大分県臼杵市野津町中央公民館

11月6.7日         千葉県ディズニーランドシェラトンベイホテル日本母性衛生学会(7日に市民公開講座)

11月9日13時30分から  大崎上島・大崎上島文化センターホール

11月13日           石川県金沢市

11月20日18時30分    庄原市ふれあいセンター

11月27日           岡山県津山市

11月30日           福井県

12月4日19時から      向原若者センター

12月14日           廿日市市(あらためてちゃんとアップします)

12月18日           大分県大分市

また近づけば詳細をアップします。多くの皆様にお会い出来ればうれしいです。

昨日生徒さんから花束を戴きました。帰って見ると、レザーファンやカーネーション、ミニばら、グラジオラス、紫の名前のわからない花などがありました。大きなゆりや月見草などは、花瓶に飾リました。家中とてもいいにおいです。そのほかの小さな花でビデマイヤーを作りました。

2008_10090006  グラジオラスの花がでこぼこしていて、面を取るのが難しくて、苦労しました。顔を外に向ければ面がとれても、視線があちこちしてしまいます。あるものだけで作るというのも、難しいものです。まだまだ修行が足りません。

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エイズの教育とパンフレットが出来ました!!

 今度の日曜日、福岡でエイズ予防財団の研修があります。そこで一つの分科会の講師を勤めます。日ごろの性教育の講演では準備することはないのですが、今度は少しテーマが異なるので、スライドを準備しようと思いました。

 昨夜、診療と食事を終えた後、高田昇先生のお家にお邪魔しました。ご夫妻に、講演についてのアイデアと、スライド作りの教えを請うためです。高田先生は、いわずと知れたHIV、エイズ治療のスペシャリスト。先生のお連れ合いは、パソコンのプロです。パソコンでわからないことがあると、いつもSOSを求めています。

 そこでの話しです。次々と新しい患者さんが来られると。若い人から熟年の方まで。高田先生は、いつもHIVに関しては、予防、啓発に失敗していると言われます。

 HIVは、世界を挙げての研究で、その治療は格段に進歩しました。感染していることを早く知ったなら、治療ができ、生き延びることが出来るようになりました。しかし、やはり感染したご本人は大変です。一生この病気と付き合っていかなければなりません。

 10月1日に新たなデーターが発表されました。日本で今年になって報告された、HIVの新たな感染者は1111人です。広島での感染者の年齢は平均35歳。決して若い人だけの感染ではありません。

 今、教育が衰退しています。電話相談をしていると、電車の中でうつるのではないかと言ったようなびっくりするような質問があることがあります。HIVそのものを知らない人も増えています。エイズという怖い病気があって、感染すると死んじゃうんだって、みたいな古い知識だけの人も沢山います。

 HIVに代表される性感染症の予防は二つ。セックスをしないことか、コンドームを確実に使うこと。これがちゃんと伝わっていません。いえ、知識として知ってはいても、行動が伴っていません。

 私が診療の場で接している人たちで、ああ、危ない!と思う人には、その場で強く警告します。でも、もちろん、みんなみんなクリニックに来てくれるわけではありません。

 教育だけで何とかなるか、といわれると、それだけでは無理でしよう。でも、教育がないと、一体人々はどこから知識を得るのでしょうか。学校教育も社会教育も、さまざまな現場で繰り返し伝えることが必要と思います。

 広島県地域保健対策協議会 子育て支援専門委員会 (思春期保険対策ワーキンググループ)がこんな素敵なパンフレットを作りました。このグループには、医師会、産婦人科医、小児科医、精神科医、県と市の行政の人、県と市の教育委員会の人たちがいます。

2008_10090001 「あなたを守るのはあなたです  あなたへのメッセージ」というこのパンフは、産婦人科に来た、あぶっなかしい人に配るためです。とてもすっきりしています。〇あなたのカラダ どうして月経が必要なの?〇SEXをするなら知っていてほしいこと。①SEXすればあなたのおなかに赤ちゃんができるかもしれない。②SEXで病気をうつしたり、うつされたりするかも。〇あなたにできること。①妊娠しないために・・・避妊できるピルを飲もう。(ピルについての説明)②病気にならないために 正しくコンドームを使おう。(コンドームの説明)③もしも避性妊せずにSEXしたら緊急避妊ピルを知っていますか?〇性感染症について知っておくこと(性感染症についての説明)それに、性の悩みについての相談先の電話番号の一覧など。

 とってもすっきりしています。やっと、やっと、世界的に言われている、「避妊は確実なピルで、性感染症の予防はコンドームで」ということが前面に出せたと思います。願わくば、このパンフを産婦人科に来た人だけでなく、教育の現場でも配ることができたなら、と思いますが。これは、今の状況ではとても無理でしょう。

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選挙はいつ?

 ここのところ、毎日毎日怖い夢を見ます。親しい人にひどくしかられたり、大きな波に追いかけられたり。いつも何かに追われているような気持ちでいることが夢の原因なのかも知れません。

 今の日本の政治、社会保障、特に医療、年金などについて話したいことはいっぱいあります。今、かなり日々のスケジュールがいっぱいいっぱいでなかなかまとまった時間をとって書くことができません。もう少ししたら、思いのたけをお話できると思います。

 先日、ある週刊誌でとても信頼できる方の選挙の予想分析で、自民党の議員さんが軒並み落っこちか危ないという情報が出ていました。これが、総理がなかなか解散、総選挙が出来ない本音の理由なのでは、と思います。

 でも、時間を稼げば、それが自民党の有利になるというものでもないでしょう。却って国民の怒りを増長させることになるかもしれません。これまでだまされ続けた国民は、そこまで馬鹿ではないのだとあらためて思いを新たにするかも知れません。いずれにしても私たちの投票行動がこれほど大切なときはこれまでなかったのでは?と思います。しっかりウォッチングをしたいと思います。

 北海道展で買ったものです。

2008_10070005  いわしと秋刀魚のお寿司です。それぞれの下の段がいわしです。上の段が秋刀魚ですが、下の折のは秋刀魚の焼いたの、上の折のはづけでした。秋刀魚は半分ずつ交換して食べました。それは美味でした。

 ししゃもです。日ごろこのあたりで買って食べているししゃもが、ししゃもとは違うのではないかと疑うような本物のししゃもです。

2008_10070003  卵がいっぱいのメスだけでなく、オスも売っていました。オスは卵はないけれど、身に油が乗っておいしいということでした。試食したら、でもやっぱりメスなので大きいのから二番目のを買いました。冷凍したまま、フライパンでキッチンペーパーを敷いて焼くようにということですので、そうしてみます。

 北海道展は、試食が楽しいので、また時間を見て行こうと思います。おかげでダイエットはしばらくストップです。

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県北での講演と北海道展

 明後日9日、午後二時から三次の塩町中学校で性教育の講演をします。生徒さんと保護者の方たち両方に向けてです。

 私は少し前までは、生徒と保護者一緒の講演はしていませんでした。それは、対象が違うと、話しの内容も違うからです。大人に向けては、大人自身の問題として考えてほしい、それをすっ飛ばして、子どもへの性教育は無理だからです。子どもたちの前で、大人への非難は出来ません。

 子どもたちに話すのを聞いてもらうだけでは、大人たちが、自分の立場を振り返ることがおろそかになってしまいます。

 大人、子どもたちに話したいことはいっぱいあります。限られた時間の中で、双方に向けての話しをすることは私の力量では出来ません。

 でも、今の社会、そうも言ってはいられなくなりました。話しをさせてもらう機会があれば、少々のことは無理をしてでも、出かけていった方がいいと考えなおしました。だから、少し前から、保護者がいらっしゃるところでの生徒への講演をするようになりました。

 三次での講演のお問い合わせがありました。塩町中学の保護者の方ではなくとも、大丈夫、話しをしていますので、どうぞ、学校に行って講演を聞きたいとおっしゃってくださいませ。

 県北の方、まだこれから、年内に大人に向けて、庄原と向原で講演をすることになっています。それはまたご案内しますね。

 今、そごうで北海道展をやっています。時間のある限り行っています。

2008_10050004 花畑牧場の生キャラメルは朝9時から整理券を配って、それを持っている人しか買えないということですので、とても買えません。北海道に行ったときでも、どこでも手に入らなかったので、日曜日によほど並ぼうかとも思ったのですが...。代わりにこの生キャラメルクリームならいつでも買えます。パンやホットケーキに塗ってとありましたが、私はこのままを少しずつ、スプーンで食べます。おそらく、キャラメルと同じと思います。こくがあって、ものすごくおいしいです。これで満足したので、もうキャラメルはならぶのをやめました。ちなみに生キャラメルのソフトクリームは行列を並んで食べました。が、このクリームに比べると、あっさりして、あまりおいしいとは思いませんでした。他のミルクたっぷりのソフトの方がいいのでは?と思います。

 ミントクリームは、ミントの入ったバーユです。前にも書いたと思いますが、これだけで、足の頑固な湿疹が治りました。また、口角炎が出来たのですが、これをちょいちょいとぬったら、即、口が開くようになりました。本来は、入浴後に顔の保湿のために使うのだそうです。私は、洗顔後には別の液状のバーユを塗っています。(そのほうが安いので)でも、これを塗ったらすっとしてとても気持ちが良かったです。

 また、北海道展で買ったもの、食べたものをアップしますね。

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演歌に癒されました。

昨日は結局午後三時から「新宅未奈子さんの20周年記念コンサート」に行きました。三時間余り、たっぷり演歌の世界に浸って来ました。

結果、すばらしかった!!です。

 広島に、こんなに歌のうまい人たちがいるということも初めて知りました。いろいろな方の歌、津軽三味線、和太鼓、マジック、楽しみました。

 そしてゲストの谷龍介、キム・ランヒさんのステージも良かったし、何より新宅未奈子さん、とても素敵でした。広島という地で20年も歌手として続けていくのはとても困難なことだったでしょう。続けて来られた貫禄と、さすがに歌はうまかったです。ずっと歌い続けるということの力でしょうね。

 うーん、行く前は正直少しためらったのですが、でも、行ってよかったです。すっかり癒されました。ワタシの日常とぜんぜん違う世界ですが、あらためて、私は演歌人間だと思い知りました。歌にジンジンと来るのです。

 おかげで、帰ってからのレセプトもはかどりました。明け方までかかって、ぜーんぶ出来ましたし、今日の韓国語の宿題もやりました。単語を覚えるべく単語カードも作りました。今日の診療中に覚えます。

 それと、校正、もう少しです。今日中には仕上げることが出来るでしょう。

 コンサートのおかげで充実した日曜日となりました。感謝です。

2008_10060011 2008_10060010  以前アステールプラザで韓国の螺鈿の展示を見て、すっかり取り付かれていました。今回やはり民族村で、自分のために一つ買って来ました。オルゴールの小物入れです。かんぬきの形の鍵が付いています。私の宝物として大切にしようと思います。

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6時間の演歌のコンサート!!です。

 今日は、広島の演歌歌手新宅未奈子さんのデビュー二十周年記念コンサートの日だ。知人からのお話があって、私はそのプログラムに広告を載せた。その方から、招待券を戴いた。来てね、と。ええ、行くよ、と答えた。この日に限って特別な予定を入れていなかったから。と言うより、午後から県北の友人のところに行きたいと思っていた。コンサートは12時から。2時間くらいだろうから、それから県北に行こうと思っていた。

 そして、新宅さんのプログラムが送って来た。見て驚いた。なんと、コンサートは12時から6時まで。6時間もあるということがわかった。新宅さんだけでなく、いろいろな人の友情出演があるようだ。沢山の人たちの総力を挙げての新宅さんのお祝い、お祭りみたいなのだと、はじめて知った。ものすごーい会なのだった。

 マイッタ!!私の席は招待席だと。後ろのほうの目立たないところなら少しだけいてそっと帰ってもいいかも知れないけれど。招待席では目だってしまうだろう。6時間!!それも演歌だ。どうしよう。

 県北はすぐにあきらめた。でも、レセプトがまだ残っている。ある長い原稿の校正も明日まで。それから、明日の韓国語の宿題がどっさり。テストもあるので、単語をおぼえなくては。わあ、いっぱいしなければならないことがある。ああ、どうしよう。夫は、けらけらと笑うばかり。とにかく、レセプトを早く終えるよう、取り掛かることにしよう。

2008_10050005 韓国の民族村に行ったとき、民家の一つで、男性が昔ながらの方法で竹細工を作っていました。あんまりかわいいので、これと竹のなめらかな耳かきを買って来ました。こういう小さいものが大好きなのだけれど、飾るスペースがなくなってしまって困ります。

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ビデマイヤーと今日のお弁当です。

 昨日は、診療が忙しくて、必死でした。終了後kei.先生の教室へ。ビデマイヤーのレッスンです。

2008_10040001 教室には、ビデマイヤーだけでなく、「パラレル」のレッスンの方も三人いらっしゃいました。「ビデマイヤー」は、地球を外から見たもの。「パラレル」とは、地球の中。平行に背の高いもの、低いもの、中くらいのもの、森の木や草花などを水盤の中に作り上げるものだそうです。

自分のレッスンだけでなく、そような方のレッスンを見るのも楽しかったです。それらも写真に撮らせてもらえばよかったのに、と、また後の祭りです。

 その後、「アキハバラ塾」の第三期生の入塾式の後の茶話会に行く予定だったのが、間に合いませんでした。家に帰ると、なぜかひどく疲れていました。ぐったりです。ブログを書くことも、他の方のを見ることも出来ませんでした。何をすることもなく、ぐだぐた゛していたのですが。

 今日は、土曜日。また患者さんが多いことが予想されます。いつも土曜日のお昼はあたふたと「ちから」の中華そばミニですますのですが、今日は昨夜の残り物のお弁当を作りました。

2008_10040002 御飯は韓国から買って帰って一本ずつ冷凍していたので炊いたマツタケ御飯です。後、キスの干物の焼いたの、にんじんときゅうりの浅漬け、トマトはクリニックのベランダでの水耕栽培で出来たもの、あとぶどうと梨です。

 今日も診療の後、月初め恒例の保険のレセプトの点検をしなければなりません。このお弁当で夜まで頑張ります。

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高校生への講演。これからの生活のために。

 昨日は、島根県立吉賀高校に講演に行きました。中国自動車道の六日市インターを出て、10キロばかり走ったところにあります。そばには高津川という、とても水がきれいな川があります。少し早く着きすぎたので、川に沿って津和野に向かって走りました。本当にきれいな景色でした。写真を撮らなくて残念。柿木村でUターン。でもまだ時間があるので、六日市まで戻ってお風呂の「ゆらら」に行ってみました。ここのお風呂は二回ほど入ったことがありますが、好きなお風呂の一つです。でも、お風呂に入るほどの時間はなく、また戻って学校に行きました。

 ここは生徒数117人というこじんまりした高校です。庭がとってもきれいでよく手入れがしてありました。プロの庭師の方でなく、職員が手入れをしていらっしゃるとのこと。これも後で写真を撮ればよかったと、ザンネン!!

 いつもデジカメを持っているのに、何をしているのでしょう。帰りの高速道で、しまったなあ、と後悔です。

 生徒たちは落ち着いてよく聞いてくれました。私は、いつも学校に行くと、「進路は?」とたずねます。多くの生徒が就職や進学で家を出るそうです。

 私は、生徒に話す時、今すぐのこともあるけれど、何より、高校を出て都会に出た時のことを思います。なれないところで一人の生活になって、寂しかったりもするでしょう。どうか、元気に人間関係を作って行ってほしい、と、そう願いながら話します。

 学校現場の方、また性教育に反対する人たちは、今の生徒の行動だけを問題にしがちです。でも、私たちの現場では、数からすれば、10代より20代のほうがうんと大変なのです。一旦学校を卒業すれば、もうだれも性教育なんて、してくれないのですから。今のうちに、将来のことも含めて、知っておいてほしい、そう願って話しました。

2008_10020025

六日市に行く途中、中国自動車道の吉和のサービスエリアで食べた「岩魚のお茶漬け丼」です。から揚げの岩魚や広島菜(?)の漬物などが乗ったお茶漬けです。とても美味でした。これだけはちゃんと写真を撮っておいたワタシです。

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「人は人の上に人を乗せて...?」

 今日は、木曜日、診療はお休み。島根県の高校に講演に行く。これから年末にかけて、休診日はずっと講演が続く。今だに私にお声をかけて戴けるのはとてもありがたいと感謝しながら行く。

 先日の「避妊教育ネットワーク」の会合では、五人の世話人がそれぞれ、性教育の講演をするに当たってのアドバイスを行った。皆さん、本当にそれぞれだけど、特徴があって私自身にも勉強になった。

 群馬の家坂先生は、自分で作られるスライドがものすごくきれいだ。たしか新宿の教室に通って、技術を学ばれたようだ。私も、そんな習いものもいいなあ、と心動かされる。富山の佐竹先生は、北陸地方を一手に引き受けて、他県の性教育の普及にも尽力している。青森の蓮尾先生は青森県内の中学校を遠方まで文字通り走り回って、丁寧に教えている。それだけでなく、今やピルを全国一普及させているドクターとして、全国の産婦人科の学会などから引っ張りだこだ。そして、リーダー格の北村邦夫氏は言わずもがな、もう、落語の真打ちと言ってもいいほど、話術に優れている。聞くものを飽きさせないで、次々とコトバが出てくる。

 それらのドクターたちのの話を真剣に聞いている、若手のドクターたち。沢山の若手が確実に育っている。みんな個性豊かで、そして何よりパワーがある。これらのたくましい姿を見ていると、本当に私もいつ引退してもいいよね、という気になる。

 もう一人、青森の片桐清一先生は、世話人ではないけれど、大切なメンバーだ。いまだに勤務医としての厳しい生活を続けながら、実に面白い講演をされている。今は、少しペースを落とされているようだが。片桐先生は、さまざまな格言や標語を使う。

「ちょっと待て。車は急に止まらない。」→これが「ちょっと待て。精子は急に止まらない。」となる。

福沢諭吉の「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」→が片桐先生になると、「人は人の上に人を乗せて人を造る」となる。わたしは、これを吹き出さずに最後まで言うことがどうしても出来ない。

そして、宗教的ニュアンスでよく使われる、「信じるものこそ救われる」→これは、「ピルを信じるものだけが救われる」となる。

 講演というと、かったるくて聞きたくもないであろう生徒たちが、このような標語で笑いながら、話を聞いてくれるという。

 いかに、生徒の注意をそらさないで、ゃんと聞いてもらうか、それも私たちの大切な課題だ。さあ、今日も生徒の絶対に役に立つ話しを頑張りましょう。それぞれの生徒が長い将来を豊かに生きるために。

F1000053 他の花が枯れてしまったけど、まだ元気なのや、残ってしまった花を集めて、勝手に作った「ビデマイヤーもどき」です。まん丸にはなりませんが。受付のカウンターにちょっと置いておきました。

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個人情報、秘密を守る。

 これだけ携帯も含めて電話が普及すると、多くの人が気楽に電話をかけてくる。「ちょっと聞いてみるんですが。」と。本来の仕事に妨げになるほど。診療中は、多くの電話はスタッフが対応してくれるが、診療外の時に一人で原稿書きや雑用などをしていると、電話の対応だけで、とても忙しくなる。

 御自分の不安でかけてくる場合は、また当院の患者さんの場合は対応するが、困るのは、患者さんのことについての問い合わせだ。

 「〇〇生命保険会社ですが、患者さんの××さんの初診日を教えてください。」と、電話がかかる。

 私は、「それは、患者さんの承諾を得られてますでしょうか。もし、得られているとしても、それは個人情報です。診療上知りえたことをお電話でお話しすることは出来ません。」

 「患者さんの同意書を持参してお出でください。または、同意書と質問項目を郵送してください。」と答える。

 「患者〇〇の親ですが。どんな具合なのでしょうか。」と言う場合も困る。家族のことが心配でかけてくるそのお気持ちはわかるが。「お嬢様とお話しになりましたか。」とたずねる。診察券を見つけたので、という場合もあるし。

 もう、ずっと以前、親だと名乗ってたずねられ、お答えしたら、それはうそで、友人の親だったことがある。そして、それを学校に告げられて、患者さんが処分されてしまったことがある。

 だから、「申し訳ございませんが、お電話ではお話ししかねます。お出でになればもちろん、お話しますが。」と答える。直接むきあえば、会話の中で本当か否か確かめられる。

 「患者の〇〇の親戚のものです。聞きたいことがあります。」とかけてきた時。患者さんは、妊娠していて出産しようかどうしようかと悩んでいた人だ。親戚といいますと?とたずねる。「この電話は本人の了解を得られていますか?得ているといわれても、それは証明されません。彼女と一緒にこられるか、本人の同意書を持ってこられればお話します。」

と、「本人は会ってくれないんです。」となって、さらに「相手の男性の代理」となって、ついには「相手の妻です。主人が不倫して出来た子なんです。」となる。ウン?本人は相手は独身だと思い込んでいたはずだが。

「患者さんの個人情報はお話しできません。そういう患者さんがいらっしゃるかどうかも含めて、お話できません。」となる。

「法的手段をとれば、話しが聞けるんですね。」「もちろん、裁判所の命令があれば、カルテの提出などはします。」となる。

お気持ちはわかる。でも、私たちには患者さんの秘密を守る義務がある。電話でべらべらしゃべる医療者がいたとしたら、それはよほど無自覚な人だ。

 困るのは、何もしゃべってくれない娘に対して、誰かかから話しを聞くか、日記や友人からのメールのやり取りを読んで、それを「病院から電話があったよ。」と言う親がいる。それも親の気持ちはわかるが、患者さんの私たちに対する不審をを作ることになる。私たちに「どうして電話したんですか。」と食ってかかられたなら、「私たちは絶対にあなたの了解がないところで電話したりはしない。」と訂正も出来るが、黙って消えて行ってしまうとどうしようもなくなる。

F1000056

 しばらくお花をアップしていませんでしたが、ビデマイヤつくり続けています。kei.先生の指導です。この時間は、本当にほっとします。

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