性教協全国大会(1)男性への教育を
皆様へ、緊急のアピールです。
どうか、男の子たちに、コンドームのないセックスはしてはならないと伝えてください。せめて、それだけでも伝えてください。何が何でもコンドームは使え、コンドームのないセックスは、さあ、これから二人で妊娠を目指しましょうというときのために、取っておきなさい!!と、私は講演のたびに若者たちに言います。
私はそういいますが、でも、私の講演を直接聴く人はほんのわずかで、焼け石に水にもなりはしません。もっとちゃんと大人たちが意識して、伝えないといけないのです。
性教育というと、女の子にするものという風潮がいまだにあります。何にも教えてもらっていない男性たちの中には、若者だけでなく、本当は大人もなのですが。何にも避妊をしないまま、または膣外射精で良しとする者たちがとても多いのです。
もうこれまでにも散々言って来ましたが、無自覚にセックスをしては、後が大変なことになっています。
避妊は今の文科省のカリキュラムでは、高校で教えることになっています。中学では、以前は教えても良かったのですが、今は教えてはならない、となっています。だから、高校に行かない人とか、中退する人は、何にも避妊を学ばないまま、性を実行するようになってしまいます。
また、中学生でもう行動を取る子もずいぶん増えています。
私のクリニックでのデータです。
新しい本に統計を載せています。初診時年齢が10代だった患者さんのうち、性交の経験があったもの、妊娠していたもの、性交の相手、妊娠の相手の統計を取っています。妊娠した者を性交の経験のある者で割ると、妊娠率が出ます。妊娠の相手(の男性)を性交の相手(の男性)で割ると、妊娠させた率が出ます。
女性が中学生の場合、妊娠率は33.0%。高校生の妊娠率31.5%。大学・専門学校生の妊娠率は25.0%。社会人の妊娠率は31.1%。と、大学・専門学校生がやや低いほかは、ほとんど差がありません。
ところが、男性の場合。男性が中学生の場合、妊娠させた率は57.1%。高校生、32.9%。大学・専門学校生24.1%。そして、男性が社会人の場合、妊娠させた率は35.7%でした。
男性が若いほど、妊娠させる率が高くなる、そして、社会人の場合、妊娠させた率は、高校生と中学生の間なのですね。
もっと言います。中学生の妊娠の相手は、中学生か社会人です。高校生の妊娠の相手は、高校生か社会人なのです。これらのデータが本に出ていますので、どうぞ、検証してみてください。
このように、中学生と社会人が問題なのですよ。しかも、一旦社会に出れば、こんなことを教えてくれるところはどこにもありません。だから、私は、義務教育の間にしっかり教えるべきだと言っているのです。三十年間、私は必死で言い続けていても、ちっとも状況は変わりません。それどころか、もっと状況は悪くなっています。性教育はどんどん後退しています。
こんど、性教協の全国大会は、私は三時間の分科会を一つ受け持ちます。そこで述べることをこれからシリーズでお話ししようと思います。これまでお話ししたことと、ダブりがあるかも知れませんが、お許しください。まず今日は、男子生徒への教育をしっかりしてほしい、という意味でお話ししました。
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コメント
大変難しいことですね。頭のどこかに「たまには」という抗いきれない欲望があったりして。妊娠や病気の種類の正確な知識があれば100%でなくても抑止力にはなりました。
で、僕は実際7年間ほど同棲してまして、そんな環境でも妻の鉄のように強固な意志で何事もなかったのですが、僕のように迂闊な人間は相手が流されやすかったり優しかったりしたらもうぐだぐだでしょう・・・
子供が生まれてからは楽になりました。
いかに大変かを実感したので(笑
投稿: yukiiro | 2008年7月30日 (水) 13時22分