生教協全国大会(3)どんなことを話すか。
あさっての全国大会で私が受けもつ講座は、「対応困難であった思春期の体、性、妊娠」というもの。たとえば、小学生で初経または初経からほどなくで、大量の出血が止まらなくなって、強度の貧血になってしまった少女への対応。
あれこれ悪戦苦闘するなかで、結局有効であったのは、「低用量ピル」の服用であったということ。一人目がそうであったので、二人目の時も低用量ピルを使いたかったのだが、親の拒否でなかなか使えなかったということ。でも、やっと了解を得て使ったら、またぴたりと止まって、その後も定期的に使うことで、すっかり普通のリズムを持つようになったということ。
どうか、ピルに対しての偏見をもたないで、と訴えるつもりだ。だって、量がとても多くて困った高校生に、低用量ピルで対応していたら、学校の養護教諭に「いつまでそんなものを使ってるの!!」と怒られて、使えなくなってしまったという例もある。親とも話し合って、その了解の下で治療しているのだから、そんなことを言わなくても、と思うのだが。学校の先生の言葉は結構響くもので。
それから、中絶を繰り返した高校生の例。一回目の中絶の後、次の生理を見ないまま、また二度目の妊娠をしてしまった。二回立て続けに妊娠させた相手の男子高校生は、「だって、自分は何にもわからんじゃないですか。彼女がいいゆうたら、するでしょうが。」と私にのたもうた。中絶をしてしまった彼女にたいして、いたわりの微塵もない。その彼の母親は、これも私に対して、「うちの子の子じゃということがどうしてわかるんですか。何の証拠があるんですか。」とのたもうた。彼女は中絶を繰り返すのはいや。もう、生んで育てたいと泣く。この場合、どう対処したか。
それから、来院が遅れたために、出産しなければならなくなった少女たちの例。産んでも育てられなくて、養子縁組をした子。それがどうしても出来なくて、施設に預かってもらった子。中学生だけれど、頑張って自分で育てながら、高校を卒業した子。などなどいろいろな少女を取り上げる。
これらの例から学ぶべきこと。これからの教育への提言をする。
私の中には、一人ひとりの少女の姿がはっきりと刻まれている。
妊娠したらしいと彼に告げたら、「知らん!」といわれたと。それがグサッと胸に刺さって、それをぴたっと封印してしまった。それからはひたすら勉強の世界へ。一方で、ドンドンとおなかは膨らんで来て。来院したときには、もう生まれる寸前。でも、一週間後には受験が控えている。それも、超難関校の医学部を受験すると。
それにどう対応したか。それは大変だったけれど。
彼女は大変だったけれど、一方で「知らん!!」と言ったらそれですんでしまう男の子たち。その存在があるのだと。少女が妊娠した、でも、男がいてこその妊娠なのだ、妊娠させた男がいるのだということを忘れてはならない。
では、教育に対しての提言は?それを明日述べます。たぶん、名古屋に向かう新幹線の中で書くようになるでしょう。本当に皆様、コメントへのお返事が出来なくてすみません。しっかり読ませていただいていますし、皆様からのコメントが私への励ましになっているのです。ごめんなさい。
それから、一週間前の私の出版記念パーティーに参加してくださった方の、忘れ物を預かっています。買ったばかりの茶色の靴です。どうぞ、心あたりの方はこのコメント欄にでもいいですので、ご連絡くださいませ。

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