« 性教育はお休みです。「白熊」です。 | トップページ | 家庭での性教育(11)思春期の子育て② »

家庭での性教育(10)思春期の子育て①

Q.9.  思春期の子育てで、日ごろから気をつけておくべきことがあれば教えてください。

A.9.  前回のプライバシーということにも続くのですが。「先生、娘がこんな日記を書いていたんです。友達からこんなメールが来ていたんです。」と、駆け込んでこられる方があります。子どもに知られないように、こっそりと見たと。

「日記を読まないとあの子のことが分からない。うそばっかりついて、何をしているのか分からないじゃないですか。」と。

 私は、そんな時に言います。

「お母さんね、こどもが思春期にもなると、子どものすべてを知ろうと思うのがもう無理なのよ。大切なのは、子どものすべてを知ろうとすることではなくて、私は、子どものすべてを知っているわけではないと認識すること。子どもは、私の知らない心を持っていると。それを認めたところで、子どもとの関係をつくって行くしかないのではないかね。さびしいけどね。それが思春期、親離れ、子離れの時なのよね。それを乗り越えて、またいい関係が作れるようになるから。」と。

 その上で。私は、娘が小学校4年生のときから、私に作文を見せなくなりました。先生には見せるのに、私には見せてくれない。ああ、始まったな、と思いました。そのときから、私は娘に言いました。

「見せたくないものは見せなくていい」と。「私にも覚えがあるから。おばあちゃんに日記を読まれてすごくいやだったことがあるから。でもね、学校からの親へのお手紙、これはあなたがちゃんと私に渡してよ。それだけを守ってくれたら、私は、あなたがいないときにこっそりランドセルを探して、こっそり見るということは絶対にしない。絶対にしないから、信じていいよ」

「でもね、これだけは覚えておいてよ。あなたがこれから生きていくときにね、いろいろとしんどいことがあると思うよ。お友達のこととか、進路のこととか、どうしたらいいか分からなくなって、自殺したくなることだってあるかも知れない。そんなときにはね、ここに相談相手がいるよ。私は、あなたの親なのだから、あなたが困ったときには、何があっても助けて上げたいと思ってる。あなたがどうしたらいいか分からなくなったときには、一緒にどうしたらいいか考えてあげることもできると思う。ここに相談相手がいるという、これだけは忘れないでね。」

と、機会あるごとに、「何かあったら、助けるよ」というこのメッセージを息子にも娘にも繰り返し伝えて来ました。               (この項明日に続きます)

 

広島ブログ

|

« 性教育はお休みです。「白熊」です。 | トップページ | 家庭での性教育(11)思春期の子育て② »

コメント

今のσ(・・*)にゃききました
この言葉・・・何で涙がでるんでしょう?!
娘をいじめた人たちの親が言いました
「だって、もう我々親の言うことなんて聞かないんですもん。いじめられる方にも原因あるわ。被害妄想よ!」
これ娘が小学校6年時です

親って何なんでしょう?!親になるって何なんでしょうね
考えさせれました。

投稿: はるめ | 2008年6月 8日 (日) 16時59分

8日のTV番組「情熱大陸」で助産師の永原郁子さんがとりあげられていました。
先生と同じ様に、学校等でお話されているんですね。
笑顔でとてもエネルギッシュに、命について、性について話されていました。
養護の先生方も頑張っておられました。
こういう番組でもっともっととりあげられて、先生方の活動にいい風がふいてくるといいですね。

投稿: ペア | 2008年6月 9日 (月) 00時44分

美代子先生が、
「何かあったら、助けるよ」と伝え続けてこられたという行動がどんなに子供さんたちの「安心」につながってきたことか、と思います。
それは、子供の時だけでなくきっと今、大人になられてからもでしょう。
誰かから「きみを助けるよ。何があっても話を聞くから」と言ってもらえるほど生きる支えになることはありません。
「親に心配かけるな」とよくいわれますが、敏感な子供はこの言葉に身動きが取れなくなってしまうんだと思います。
とても苦しいことですよね。
親は子供が助けを求めてきた時に「受け止める」覚悟を持っていたいと私は思います。

投稿: kei. | 2008年6月 9日 (月) 09時48分

僕は父からしつこくそう言われてきました。
「どうにもならんかったら助けちゃる」
これはそのまま、次の世代へ。

投稿: yukiiro | 2008年6月10日 (火) 16時07分

先生、先日、8歳のこが、ごくせんごっこ遊び(どんな遊びか知らないし、ごく先は見せてないし^^)で、わたし妊娠した役!って^^。わたしからは、性教育を教えることは、まだ自信がないので、図書館で性教育の本を必ず1冊いれるようにしています。先生これでもいいのかな?自分が性教育を受けていないので、子供にはしっかり受けさせたいのです。それにしても先生のブログが読めないとは、、、残念ですね。大切な命のことなのに、、、もったいない!^^読める大人の私はラッキ~^^

投稿: zzz | 2008年6月11日 (水) 18時29分

はるめさま
お返事遅くなってすみませんでした。
はるめ様がとても子育てで苦労なさっている様子がよくわかります。どうぞ、めげないで。子どもたちにはそうして母親に支えられていることがわかってると思います。私、今、息子や娘としっかりした信頼関係の中で、つくづくと話しあうことができるようになっています。しかし、いじめっ子の親ってどうしてこんなのでしょうね。この親にしてこの子ありですね。では、こちらもしっかり子どもの立場から防衛のための攻撃をしなければならなくなりますね。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2008年6月14日 (土) 07時26分

ペアさま
コメント、ありがとうございます。いろいろな人がそれぞれの立場で自分の思いを子どもたちに伝えていけるようになるといいなと思います。子育ての中で、そう意識していただくことがいちばん大切かな?河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2008年6月14日 (土) 07時44分

kei.さま
本当にそのとおりですね。大人になっても、そういってくれる人がそばにいれば、どれだけ心強いでしょうか。それがパートナーシップというものでしょうね。いつもコメントありがとうございます。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2008年6月14日 (土) 07時46分

yukiiroさま
そうなんだ、yukiiroさまはそんなお父様に育てられたのですね。幸せなことですね。うちの夫は、子どもたちに対して、だめなやつだとばかり言います。それでいつもけんかです。夫自身が父親からそういわれて育ったみたいです。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2008年6月14日 (土) 07時50分

zzzさま
そう、メディアから子どもたちはしっかり刺激を受けて育っています。図書館の本、よく読まれていますか?よほどしっかり伝えないと、逆の情報ばかりで子どもたちの意識が形成されてしまいます。がんばりましょう。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2008年6月14日 (土) 07時54分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 家庭での性教育(10)思春期の子育て①:

« 性教育はお休みです。「白熊」です。 | トップページ | 家庭での性教育(11)思春期の子育て② »