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日本は本当に姥捨て山になる。

後期高齢者医療について、もう少し。以前に少し書いたけれど、「後期高齢者終末期相談支援料」なるものが保険に設置された。これは、75才以上の人がもし余命何ヶ月となったとき、要するに、「治療の効果が期待できず、予測される死への対応が必要となった時」に本人または家族に「私は、下記の医療行為について、受けるか否かについて以下のように希望します」とあり、それぞれ補液(点滴)は希望する、しない、昇圧剤の投与は希望する、しないなどを患者さんに選択させるものだ。そのペーパーをつくれば、その医師に2000円のお金が支払われる。

 私は、死にそうな人にそんな残酷なことは、絶対に聞けない。2000円がほしいがためにそんなことを聞いてペーパーを作る医師がいるだろうか。しかも、これは、75才未満の人には行われない。75才以上、後期高齢者とされる人だけに設置された2000円なのだ。

 こんなことは、たとえば尊厳死協会に入って、私には無駄な延命措置はしないように、というペーパーを作っている人たちもいる。しかし、これは、元気なうちに自発的に考え、自ら宣言することである。、いざ死が目前になった人に、他人がしかも治療をすべき医師が迫ることでは、決してない。

 もう、情けなくなるほど、高齢の方たちに冷たい制度を、よくもまあ作ったものだと、本当に腹立たしい。

 しかも、ここにデータがある。厚生労働省のこの制度を中心になって作ったらしい人は、「後期高齢者の人が亡くなりそうなときに、家族が一分でも生かしてほしいと要望して、いろいろな治療がなされたなら、500万とか1000万円の金額になってしまう」と言っている。

 しかし、東京医科歯科大学大学院の医療経済学の教授が10万例以上の調査をしたレポートがある。死亡前一週間にかかった平均医療費は、がんなどの「悪性新生物」が約32.8万円。心疾患で38.9万円。脳血管疾患で22.3万円である。500万とか1000万とかいう金額はどんな根拠で出されたものなのだろうか。

 しかも、もっと大変な数字がある。今、厚生労働省は、療養型の入院ベットを減らそうとしている。今後5年間で25万床から15万床に。医療費の伸びを抑えるために、入院をへらそうというものだ。で、厚労省の人が作った資料にすごいのがある。2030年、私たち団塊の世代のものが寿命を迎えて、約165万人が死ぬ時期である。病院のベットで死ぬ人が89万人。自宅で死ぬ人が20万人。介護施設で死ぬ人が9万人。そして、これがすごい。「その他」が47万人との数値を出しているのだ。「その他」とは何ぞや。病院でも、自宅でも、施設でもない。参考までに、2005年の死んだ人の割合の中で「その他」とは、路上や公園などで死んだ人のことを指している。行き場のない医療難民が将来、年間47万人出るという数値だ。まったくもう、なんということを目指しているのだろうか。

 厚生労働省、政府、国会議員みんなおかしい。こんな法律をつくり、強行採決で通し、実行。一体、何という政治なのだろう。調べれば調べるほど腹立たしい。

 何度も言うけれど、単に、年金からの天引きはおかしいとか、負担がどれだけ増えたとかだけで見ていたのではだめだ。5月9日の新聞に出ていた。小泉元総理が言ったそうだ。「時間が経てば、感情的議論は収まってきますよ」と。やがて天引きされるのも仕方がない、と、みんなが黙ってしまうのを待っているのだから。

 今、今すぐに。この制度が着々と根付く前に、この制度をとりやめさせなければ。本当に行き場のないお年寄りが、医療を受けられず、路上で死ぬ、まさにこの国全体が「姥捨て山」になるのが目に見えている。

広島ブログ

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コメント

変な医療制度ですね!
アメリカの医療は個人や会社で加入している
民間保険で治療費を払っているらしいですね
高額な保険に入っていないと望む治療が
受けられないこともあるそうです
厚生労働省の官僚もそのようなところを
目指しているのかもしれませんね
これからはお金のある人だけ良い治療が
受けられるようになるのかな?

まあ、金持ちが幸せとは限りませんけどね!

心豊かな国づくりはできないものでしょうか?

投稿: smile | 2008年5月15日 (木) 22時40分

お邪魔します。

「厚生労働省、政府、国会議員みんなおかしい」
「腹立たしい」「姥捨て山になる」
同じ気持ちでしたが、今回の記事でさらに強くなりました。

「包括定額制」もおかしいと思っていましたが、「後期高齢者終末期相談支援料」に関しては、この発想は人とは思えない。

投稿: 稲穂 | 2008年5月15日 (木) 22時57分

私は日頃、政治についてどうこう考えたりはあまししないのですが(--:)
 今回のこの制度だけは、どうしても許せないのです!
 私の両親はもういません。
生前、二人ともよく、介護等で子供に面倒かけるくらいなら、早めに逝きたい・・などと、言っていました。
その頃は私もまた言ってる・・程度にしか考えていなかったのですが、私も母になってみると、やはり同じことを考えます。
 でも、子供の立場での私は一日でも、一分でも長く両親に生きて欲しかったし、親の介護、してあげたかった・・・
 実際に、私の両親はそれぞれ介護の時間も無く逝ってしまいました。
 今、生きていたら何を考えるでしょうか・・・私は日本が恐ろしい国になってしまいそうでゾッとします。
めずらしく?ニュースを見ながら真面目に考える、今日この頃です

投稿: ikuko | 2008年5月15日 (木) 23時56分

その47万人って「このまま行くと」ていう数字じゃないんですか?
そこを目指すという資料だとはとても考えにくいのですが。

もしよろしければその資料がどういうものか教えて頂けませんか。
入手先があるのならそれでもいいのですが。

投稿: Koshian | 2008年5月16日 (金) 02時19分

そうはいうけど、誰がカネ出すの?
今までのような右肩上がりの経済ではないから皆にも負担をよろしくってのがなぜ叩かれるのか理由がわからない。

今までカネは払ってない、でも十分な医療をって都合が良すぎる。医療現場で働く身として、お茶会として使われている病院の現状に苛立ちを覚える。その上、さらに面倒を見てくれだって?冗談はよしてくれよ。それならどうでもいいことで病院に来ている人をまず全部追い出して、それでも病院がやっていけるだけでの経営基盤をくれ。
医療関係者は奴隷にでもなれっていうのか。医療報酬上げても文句いうんだから、取れないところ切るのは仕方ないだろう?

>死亡前一週間にかかった平均医療費
1週間でこれだけかかっている。さらに医療費以外にもかかるでしょ。色々と。この取り上げ方のほうが恣意的。

投稿: Sera | 2008年5月16日 (金) 10時14分

>厚労省の人が作った資料にすごいのがある。
可能であれば、その資料を見たいのですが、厚生労働省のサイトに出ているんでしょうか?

>「その他」が47万人との数値を出しているのだ。
>「その他」とは何ぞや。病院でも、自宅でも、施設でもない。
> 参考までに、2005年の死んだ人の割合の中で「その他」とは、路上や公園などで死んだ人のことを指している。行き場のない医療難民が将来、年間47万人出るという数値だ。

その資料にある「その他」が何を指しているのかご確認されたのですか?
2005年の~とあるものとは指しているものが異なるといいのですけれど...
もし「その他」=路上や公園などであれば、正気の沙汰とは思えません。

厚生労働省の職員といえども人間ですから、まっとうな感覚で仕事されていると思うのですが。
いくらなんでも、日本を駄目にしようとして働いている人はいないと思います。

敵国のスパイとかなら撹乱工作をするのでしょうが...

投稿: やすじ | 2008年5月16日 (金) 11時31分

河野さんはいろいろと分かっていてこういうことを仰っているのだと思いますが。

医師として高齢者を切り捨てるような意味合いを多少でも含んでいるような政策に賛同できない、というのはよく分かります。ただ、政治家であるなら、医療保険制度が崩壊に瀕している現在にあって、高齢者の医療費負担を増やしても社会の生産性が全く上がらない、という命題に対して明確な結論を出してから、こういったことに発言をしていただきたいと思います。高齢者がかわいそうというだけでは誰でも言えますし、逆に、何を仰りたいのかよく分かりません。

投稿: nishi | 2008年5月16日 (金) 11時40分

>> 死亡前一週間にかかった平均医療費は、がんなどの「悪性新生物」が約32.8万円。心疾患で38.9万円。脳血管疾患で22.3万円である。

これは実質的な患者負担では?


>> 500万とか1000万とかいう金額はどんな根拠で出されたものなのだろうか。

こっちは医療費を含めた負担では?
全額患者負担でいろいろな治療をしたら数百万ぐらいには軽くなるとおもいますよ。

投稿: なんとなく | 2008年5月16日 (金) 12時08分

今の医療費でさえ、貧乏人には高すぎます・・・。
あるがん患者さんから、「300万円かけて、最新の治療をしてもらった。」と、聞いたことがあります。私はそれを聞いて、命もお金で買える時代なんだ・・、と思いました。

私の母は、大腸がんの手術後、名誉院長先生と友人だということで2年間も特別室で入院させて頂いてましたが・・・。お金もあり、とても恵まれていたと思います。

悪政に成りつつあるのをどうにかするために、今、私たちは何をすべきでしょう・・?
河野先生、また立候補してください!!

投稿: こつこつ | 2008年5月16日 (金) 12時53分

いい色のshiozyさんから
飛んできましたぁ~


嘘を数字で誤魔化すから
こんなことになるんですね~

数字を疑いましょう
質問をしましょう

マスコミは質問をしましょう
国民に代わって

投稿: BobCat | 2008年5月16日 (金) 17時34分

母が危篤になったときに行なわれた治療を見て、そこに一分間あたり、100万円というより、数万円の治療しかできなかったように思います。
どのような治療をしたら、500万円とか1000万円かかるのでしょうか?
治療に、高齢者とそうでない人ではそんなに違いがあるのでしょうか?
同じなら、亡くなった後に150万円以上の医療請求がくることになると思いますが。
そんな話は、聞いたことはありません。
いつも、行政や政府からの数字が正しいような報道ばかり聞きます。
それを検証するシステムや監視団体はないのでしょうか?

政治や選挙が利権で行なわれ、そのために会社や組織、宗教団体のための投票をしているからいまのような一部の人達のための政治・行政になっているように思います。

自分や家族のために投票をせずに、いつかは切り捨てられる会社や組織にために投票し、その結果が高齢者になってどこにも属さなくなって見捨てられているように思います。

マスコミに中には、当然だというばか者もいます。
今の高齢者になる人達が作って(負担)くれた社会があるからこそ、その恩恵を若い人達が得ていることを忘れています。

社会を支える人達は、先人に感謝の気持ちをもって、子供たちに良い世の中を引き渡すことが大切なことです。

個人主義では、社会は成り立たないと思います。
個人主義で成り立つのは、裕福層と奴隷層の世の中ではないでしょうか。


姥捨て山というよりは、税金が払えなくた人は働けなくなった人だから、奴隷のように見捨てられるのでしょうね。

投稿: やんじ | 2008年5月16日 (金) 19時21分

うちはアルツハイマーの母がおります。
ただ今、70歳を迎え3割から1割と医療費が減って喜んでいました。
アルツハイマーの進行止めのお薬って高いんです。
お薬効いてるから介護までいかないんですが…いつどうなるかわかりません

でももしもの時には、こんなに高くってはうちらはどうしたらええんでしょう?

主人の父は映画になった難病で長いきり寝たきりで逝きました。

こんな場合は…
生きる権利はないんでしょうか?

お役人さんや政治家さんに言いたい!

うちらと同じ収入になってから…
ホンマにこの法律がええんか?考えて欲しいです。
自分らは収入あるから関係ないから…
そんなのが感じられて悲しいです。

高齢者だけじゃありません!
ADHDといった発達障害に使うお薬が3倍になりました。
処方して下さる先生がいつも負担が増えて申し訳ないって言われます。

最近弱者切り捨て…

勝ち組・負け組…

そんな風潮…

こんな世の中に子どもたちが希望をもてるんじゃろうか?
うちら親世代が不安でいっぱいの中に…

河野先生しっかり真実を教えてくださりありがとうございます。

投稿: はるめ | 2008年5月17日 (土) 09時54分

システムに改善の余地さえあれ、高齢者向けのお金が減ること自体は避けられないでしょう。
若者への負担が増え続ければ、いずれにしても負担者がいなくなりますから。実際にお金を出しているのは政府ではなく、働いている若者であることを忘れてはいけません。

現システムへの不満を言うだけではなく、それならどのような仕組みが良いかも議論したほうが生産的かと思います。少なくともこれまでの制度は崩壊していることは分かっているのですから。

高齢者であっても若者であっても、自分達さえ良ければいい、という考え方では皆共倒れになるでしょう。

投稿: TNB | 2008年5月17日 (土) 11時26分

私も思います、今の政治家さんたちに聞いてみたい。うちと同じ給料で同じ支出で生活したことありますかって。
病院にかかるにも、親より子供を優先し、親はギリギリまで我慢して不調に耐えるとか(本当は我慢しちゃいけないけど)、車が不調だけど買い替え費用はどっから捻出しようかとか、考えたことありますかって。学校行事に参加したくても仕事を休めなくて、体調悪くても市販の薬飲んで頑張らなくてはならない会社員を経験したことありますかって。
もっと聞きたいのは、派遣社員や契約社員でいつ契約を切られるかとひやひやしながら毎日を過ごしたことありますか、食べる費用を削って住居費を払っていたのに住む所を追い出されて路頭に迷い、ネットカフェに泊まったことありますかって。
そういう経験もないくせに、庶民の気持ちがわかるとは思えない。二世議員なんて、議員の気持ちしかわからないんじゃないですか?

投稿: 文月 | 2008年5月17日 (土) 12時32分

これまでの制度(老人保険制度)は崩壊していましたか?
何を根拠に崩壊していると思われるのでしょうか?

働いてるのは若者だけでしょうか?
高齢者も働いている方は多いのではないですか?

若者も高齢者も税金も払っているのではないですか?
今までも、高齢者も保険料を払ってきたのではないですか?

前にも書きましたが、3歳未満から負担割合2割が6歳未就学児までに4月から拡大されました。
こちらは、所得による差別はありません。所得の多い世帯でも未就学児の窓口負担は2割です。
高齢者は、課税所得が145万円以上で3割負担です。
高齢者だけに厳しい、高齢者切り捨てと言われても当然だと思います。

投稿: いつもみています | 2008年5月17日 (土) 20時40分

違うね!ホームレスが増えて餓死、凍死も増えていくね、何故、こんな国になってしまったのかね、馬鹿な政権政治が酷い国を作ったんだ!今の若者が仕事に付けないようにしたのも、企業がこの国にいられなくしていった国の政治家の政権が悪いんだ! 何がグローバルだ!住みにくくしたのは、自民党、民主党のような駄目政権がしたんじゃないのか!再生出来なくね!!再生するためには、この国が滅ばなければ、本に戻れないんじゃないのだろか!?むしろ滅ぶ事を望むしかないんじゃないの!北にミサイルでも打ち込まれてね!

投稿: 不満だらけ | 2010年11月28日 (日) 14時57分

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