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まだまだしつっこく後期高齢者医療制度について

もう一度、何度でも。後期高齢者医療について。

 高齢者は、若者に養われている役立たず見たいな捉え方をしてはいけません。一昨日の私のブログに書かれていたコメント。それも医療者らしき人。「今まで金は払っていない、でも十分な医療をって都合がよすぎる。」

 別の人。「実際にお金を出しているのは政府ではなく、働いている若者であることを忘れてはいけません。」

 何を間違っているのでしょうか。お年の人は、初めっから保険金や医療費を払っていないのではないのですよ。これまでさんざん働いて、お金を払い続けてきた方たちなのですよ。ほとんどの人は、40年以上払い続けてきたのです。ひとり一人が払ってきたお金をそれぞれ計算すると、一体、いくらになるでしょうか。すくなくとも、私は、これまで健康保険代だけで、一千万円は払っています。

 その人たちがお金を払ってきたからこそ、あなたたちが子供の時だって、学生の時だって、一銭も稼いでいない、一銭も健康保険のお金を払っていないあなたたちだって、病気の時には保険で医療が受けられたのです。今、働き出した若者たちが、働き終えた人たちに、えらそうなことを言ってはいけません。

 本来なら、その集めたお金を賢くプールし、将来に備えなければらなかった役人たちが、このお金をどんな使い方をしてきたのか。そこにこそ、目を向けなければらないはずなのに。働き続けて、今、高齢になった方たちにそんな目を向けてはいけません。向ける先が違います。

 少なくとも、このコメントを書いた医療者と思われる人。こんな医療者がいることが私は恥ずかしい。こんな医療者の世話にならなければならない患者さんが気の毒で。

 もう少し。「いつも見ています」さんが書いて下さったように、課税所得が年145万円以上ある人は、高齢者でも三割負担です。それから、高齢となった方たちがみんな病気かというと、そうではありません。元気なお年寄りがいっぱい。働いているひともいっぱい。働きたいひとも沢山います。その人たちの雇用を考えること。社会全体が若い人も年をとった人も、望む人たちは職に就けるような、景気対策に取り組むこと。

 それから、大切なこと。これまで老人医療として一割負担だった「前期高齢者」といわれる人たち、65才から75医未満の人は、窓口の支払いが一割から二割負担になりました。もちろん、145万円以上の課税所得がある人は三割負担です。一割から二割に。負担が倍になりました。

 それから、この後期高齢者医療の実施機関として、厚労省は、都道府県ごとに47の「」広域連合」という組織をあらたにつくり、そのための公用車の購入や、電算システムの導入などに公金をつぎ込んでいます。私は、県の職員が新たな仕事をまかされて、ご苦労なことだと思っていたのですが、そうではなく、新たに、1300人もの職員の組織を作ったのだそうです。そこでは、厚労省からの天下りのお役人に高い給料が支払われると。これらのお金も、「高齢者にかかる医療費」のうちなのです。年金や国民健康保険団体連合会の職員の不正なども散々報道されてきました。その上に、またあらたな厚労省の組織を作ったのですよ。そのために、莫大なお金が使われるのです。

 まことにおかしな、知れば知るほど腹立たしいこの制度は、やはり撤廃するしかないでしょう。もう一度、ゼロからやり直しをするしかないと私は考えます。

20080516185957 広島県医師会からこんなポスターが送られて来ました。びっくりして、ほっとしました。これまで、医師会がこの制度に対してどんな態度をとるのか、と疑問に思っていました。だって、この制度を作るにあたって、医師会の意見も入っていると聞いていたからです。

 でも、どうも医師会との合意のもの以上に厚労省がつくった部分が沢山あると聞きました。終末期医療のあの2000円のペーパー作り。こんなのを現場の医師が賛成するなんて、とても考えられません。この制度に対しての日本医師会の態度を見守りたいと思います。当時の執行部の責任問題にならなければおかしい、と私は考えています。

一昨日の木曜日は岡山の高校で話ました。明日日曜日は、夜、竹原で講演です。ここのところ、少々疲れ気味です。でも、ここに来て、やっと講演の依頼も以前のように戻ってきつつあります。すこうし、雪解けの気配を感じています。頑張らなくっては。

広島ブログ

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コメント

先生、こんにちは。。
後期高齢者医療制度シリーズ、このところ興味深く読ませていただいています。

私は今イギリスにおります。こちらでは医療費が無料の代わりに気軽に受診できないという欠点はありますが、今回の日本の制度のように年齢による差別はないと感じています。
また、医療費を抑える一方で地域の福祉への補助は手厚くなっており、日本のようにお金を取り、かつサービスを悪化させるようなことはありません。
税金自体は高いものの、福祉や公共の娯楽(無料尾公園や美術館)が充実していて子供たちを連れて行く場所も沢山あります。
留学生はイギリス人の3倍の学費を払いますが、教育・医療を含めてサポートは充実していると思います。

厚生省はイギリスの医療制度に興味を持っているようですが、かかりつけ医制度などだけを表面的に真似てもバランスが崩れるだけで、一体何を迷走しているのかと感じます。

戦争の前後で苦労をし、日本をここまでのレベルにした方々への差別、私には納得がいきません。そして何故このような変な法律がいつの間にか決定されながら、日本を良い方向に変えるような決定はなされないのか、国会に疑問があります。

そんな中で私は、インターネットの世論が大きな影響力を持ちつつあると感じています。先生のブログには先生個人の実地体験と国のデータが両方とも含まれており、医療従事者の私がうなずく部分、勉強になる部分が多々あります。

今後とも先生を応援いたします。先生、お忙しいとは存じますが、機会がありましたらイギリスにぜひおいでください。お疲れのようなので、ご自愛ください。

投稿: かしん | 2008年5月18日 (日) 03時05分

お金を稼いでこの経済社会になんらかの貢献や還元をしないと、生きてちゃいけないのでしょうか?隅っこで小さくなって、ついでにいらないもの扱いされて。「お前ら生きさせてもらってるんだから文句言うな!」ということですか?私は施設職員です。知的障害のある方たちの命の輝きや温もり、何より彼らの文化と知恵が私を育て、人間性を耕し続けてくれています。生産性っていうことばが大嫌いです。人間を馬鹿にするな!誰も皆大切にされる社会をつくろう!そのためにも、この後期高齢者医療制度には絶対反対です。撤廃のため力を合わせましょう!

投稿: おとぎぞうし竹本 | 2008年5月18日 (日) 05時51分

こうの先生、後期高齢者医療のお話本当に切実ですね。私も仕事柄、様々な年齢の方達と医療や年金の話をしています。そこで感じる事は、昨日のコメントの人の様な意見、高齢者の意見、それぞれ言い分は通っているような気がします。それぞれ少々主張しすぎなのかもしれません・・・それ位庶民は金銭的に疲弊している。そこを担当行政に一番わかって欲しいと願います。今の後期高齢者医療の制度は本当にヒドイと思いますが、今、働いている我々も1ヶ月休まず働いて、収入が厚生年金以下こんな人も居るのです・・・これもしんどいです。国民に我慢を強いる行政、ここに一番我慢をして欲しいと願います。

投稿: LUFT | 2008年5月18日 (日) 09時32分

この制度の理由の一つに、若者だけに高齢者の負担をさせることは、良くないとありますが。
正しくないと思います。
なぜなら、健常者が重篤な人を支えている、また子供いない人が、子供の医療費を負担しているのではないでしょうか?
この制度の言い分通りなら、病気や怪我をした人は、健康保険料を加増しなければいけないし、子供いる家庭は控除じゃなく、課税しなければいけなくなると思います。

医療費が増額しているのは、当然でしょう。
その増額が、高齢者の増加と直接結びつけるのは、間違っていると思います。

また、正規雇用をしない企業が、健康保険税の負担をしていないことは、問題だと思います。
社会や国に貢献しない企業に、ペナルティーを課す必要もあるかもしれません。

健康保険税という小さな升で、まかなえないから個人負担を強いている。

でも、道路行政や自衛隊やアメリカ軍へのお金は、升が足りなくなれば、大きな升にしています。

道路の企画を見直す、アメリカ軍へのお金を減らすだけで、まかなえるのではないでしょうか?
また、随意契約を見直すことも。

政府や行政は、国民に負担のなすりあいをさせて、本来考えるべき論点をぼかさせているように思います。

縦割り税制の問題だと思います。

若者の負担とか高齢者が負担するとかを、問題にすること自体が間違っていると思います。

国は、国民の命や健康を守る義務があるのに、自分たちの健康や命は自分で守れ、国は面倒みないという制度をつくってしまったように思います。

今まで、国を支えてきた人達に、その労はねぎらわず、自分のことは自分でしなさいという人達、そう思う若い人達は、高齢者の税金で作った道路や鉄道などの社会基盤を利用しているのだから、若ければ若いほど利用代金を多く払うべきことになると思います。

厚生労働省は、薬で国民の命を奪ってきただけでは物足らず、今度は制度で国民の命を奪おうとしているように思います。

投稿: やんじ | 2008年5月18日 (日) 15時01分

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