退院しました。
退院しました。一泊二日でしたが、三十ウン年前のお産以来の入院でした。今日のガーゼ交換で包帯は少し小さくなりましたが、ギブスを新しく作ってくださいました。骨が完全にくっつくまでしばらくこれはしておいた方がよいそうです。
私の事情はよくわかって頂いています。仕事の時はギブスをはずして、すんだらまた添えるように、とのことです。これをしたままの仕事はとても無理ですので、ほっとしました。
うちに帰るとすぐにベランダのナスとトマトと玄関のビデマイヤにお水をあげました。一日もうちをあけていないのに、植物たちが気になるものです。
昨夜は、午前三時に点滴が終わりました。痛さであまり寝られませんでした。でも、朝になるとだいぶ痛みは和らいでいます。時というのは、本当にありがたいと思いました。痛みが一番ひどい時を10としたら、どのくらいですか?と聞かれます。朝はもう4くらい。うちに帰って今は1から2くらいになっています。ありがたいことです。でも、まだ手術した方の指はパンパンに腫れています。
帰る前に理事長室に行って話をしました。彼は、今、広島市医師会の病院群輪番制運営協議会委員長をしているとのことでした。先日の私の当番医の時の困った話や、私の怪我の時に私は名乗ったわけではないけど、とても親切な対応をしていただいてうれしかったことなどを話しました。
そして当然、これからの医療の行く末の話になりました。このままでは、きっともっと医療は崩壊するであろう、と。でも、もっと崩壊してはじめて政治家や国民のみなさんたちにやっと本気で考えてもらえるようになるんではないか、とそこの意見は一致しました。
彼の病院は救急医療にも、それから、民間の病院としては画期的なことなのだけれど、いわゆるホスピス、緩和ケア病棟をも設置してがんばっています。緩和ケア病棟は赤字だけけど、これは彼の思い入れもあって頑張っていることがよくわかりました。
スタッフの皆さんの細かい心遣いもすばらしかったし、システムもきちんとしていて、とても勉強になりました。術後の食事はすべて串に刺してあって片手で簡単に食べられました。サラダも鳥も大根の煮物もみんな串だし、漬物は爪楊枝がさしてありますし、御飯は小さなおむすびです。総婦長さんのお話だと、寝たままの患者さんでも、何とか一人で食べられないかと検討した結果、三年前からこのような工夫をしているとのことでした。そのアイデアにも感心しました。
皆様には、励ましていただいて本当にありがとうございました。お返事を書いていないのが心残りです。携帯でこまめにアクセスしては、コメントを読むのがとても楽しみでした。感謝しています。
寝てないのと微熱のせいもあってか、少々疲れています。明日からの仕事に備えて、 今晩はごろごろと怠け者でいようと思います。ありがとうございました。

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コメント
日記、ずっと読ませていただきました。
言葉が見つかりません。
病気であっても、怪我であっても、言葉をかけること、難しいです。
自分の経験から、軽く聞こえてしまうのではないか、と思ってしまいます。
素直に言えるといいのでしょうが。
医療に従事されることが、どれほど厳しく、強さを求められることか、私なりですが、少しわかりました。
痛みは辛いです、たとえ口内炎ひとつであっても。
どうか、少しでも早く、楽になられますように。
投稿: みほ | 2008年5月22日 (木) 20時14分
もう、本っとーに河野先生には驚かされますね。
こんな大変なことになってしまって・・・・、でもとにかく命に関わるほどの重傷にならなくて良かったです。
こころよりお見舞い申し上げます。
痛みがひどかったでしょう。
凄い痛みで少々の鎮痛剤では痛みはひきませんよね。
先生が骨折した手で痛みに耐えて患者さんの手術をされた事、本当に凄いことです。
そのご苦労よーくわかります。
私も開業していますので、たとえ、熱があっても、しんどくてもどこかが痛くても、一日も休まず診療しています。
自分が膝の靭帯を切ったときもギプスをまいてもらった日にがん患者さんの手術をしました。
私達医者は自分のことより、目の前の患者さんの方が優先するのは、医者として当然の事だと思っていますよね。
周りが心配しても少々無理でも遣り通してしまうのですよね。
無理をするなといわれても、無理なんですから。
ああ、良くわかります。
本当に医者の不養生といわれても、しかたないです。
でもスーパーウーマンも怪我をします。
生身ですから、病気もします。
それでも、どうぞ先生お元気でいてください。
これからも先生のご意見をどしどし、びしびし社会に発信してくださいね。
応援しています。
心より「お大事に」
投稿: のぞみ | 2008年5月22日 (木) 20時34分
河野先生
無理しないでくださいとお願いしましたが、無駄でしたね。無理をするのが先生ですものね。あとは少しでも、痛みが軽くなることをお祈りするだけです。早く回復されること願ってます。
投稿: おとぎぞうし竹本 | 2008年5月23日 (金) 00時12分
まだまだ大変と思いますが、まずは退院できてよかったですね。皆さんも仰っている用に、医者という職業はこうまで厳しい職業とは。河野さんの頑張りには
本当に頭が下がります。何事にも使命感をもって精一杯頑張り、ベストを尽くされる生きる姿勢に
「忙しい」といって嘆いている私は恥ずかしいです。
無理をなさないようにして、1日も早い快復を祈念しています。
投稿: eastwaterY | 2008年5月23日 (金) 00時39分
手術お疲れさまでした。無事退院おめでとうございます。
といいつつ、もう少しのんびり入院しててくれれば良かったのにぃ。
そうなら、秀子と一緒にお見舞いに行けてゆっくり話をすることもできたのにと、残念な気もしてます。←今からでも遅くない。(笑)
投稿: shiozy | 2008年5月23日 (金) 10時53分
河野先生、ご退院おめでとうございます。とは言っても、まだまだ完治までは時間がかかると思います。無理をなさらないようにしてくださいね。ここ数日間の先生のブログを読んでいるとハラハラします。骨折を機会に、ゆっくり休養なんて言ってられないこともよくわかりました。先生の責任感・使命感に頭が下がる思いがします。でも、無理はなさらないでください。
先生のブログが私の毎朝の楽しみです。元気が湧いてきます!!仕事への意欲も湧いてきます。ずっと続けていただきたいと思っています。そのためには、先生が元気で溌剌としていらっしゃることが何よりです。一日も早い快復を心よりお祈りします。
投稿: momo | 2008年5月23日 (金) 11時07分
退院、おめでとうございます。
お医者様は、本当にご自身の痛みに耐えて
患者を診て下さるんだなぁと
しみじみ有り難さを感じています。
明日からもう診療ですか・・。
どうぞ今日は思いっきりゆっくりお過ごし下さい。
早く痛みがひきますように!
投稿: Hoch | 2008年5月23日 (金) 13時44分
大変でしたが短期間で退院できてよかったですね。
ご自愛のほど。。
投稿: root | 2008年5月23日 (金) 16時39分
この度のことは大変でございました。
どうぞ御身御大切に。
投稿: めかちゅーん | 2008年5月23日 (金) 21時03分
お忙しいお身分の中、大変な事態をお迎えでしたこと、心からご配心いたします。
随分と遅れましたが、或る者から様子を聞きました。
入院された病院の、一番でっかい看護師が私の家内です。
医療に従事する者の、普段からの自身の健康管理と気配りは家内を見ていて、いつも感心していました。
先生もやはり凄いですね!
お体大切に!!!
私は病院とは直接の繋がりはありませんが、家内が苦労して創り上げてきたシステムを、お褒めいただきましてありがとうございました。
傍から見るだけですが、家内の今までの人には知れない努力が報われるような気がして、失礼ながらペンを取らせて頂きました。
お体ご自愛ください。
投稿: いっちゃん | 2008年6月 3日 (火) 21時25分