家庭での性教育(1)性教育はいつからはじめるの
Q.1. 性教育はいつ、どんな風にはじめたらいいのでしょうか?
A.1. 家庭での性教育は、よく難しい、どう教えればよいのか戸惑う、と言われます。でも、私は決して難しい事ではないと思っています。それは、子育てそのものだからです。
こどもというのは、外界の様々なことに疑問を持つ。その疑問の答えを得ることで成長していきます。だから、口が回るようになった時から、質問攻めですね。これなあに?どうして?と。
そして、親の大切な仕事は、その質問に対して、子どもが分かるように、説明をしてあげることですね。子どもの疑問は必ず、赤ちゃんとか、命とか体、性器などにも向けられます。
「お兄ちゃんにはおちんちんがあって、どうして女にはないの?」とか、「どうして男は立っておしっこをして、女は座ってするの?」とか。それから「赤ちゃんはどこから生まれるの?私はどこから来たの?」これは、5才までに85%の子が、6才までには、ほぼ100%の子がいつかは質問をすると言われています。早い子は、3才で。
そんな質問が出た時に、逃げないで、ごまかさないで、おめめをみながら、本当のことをちゃんと答えてあげる。それがすべてです。家庭での性教育とは、それをすれば十分なのです。いつからはじめるかと言えば、その質問が出たときということになりますね。
逃げたりごまかしたりしたら、こどもは敏感ですから分かってしまいます。ああ、お母さんは困ってる。こういうことは親には聞いてはいけないのだなと。その時から、自分での答え探しが始まります。探す所は、雑誌から、友人からですね。それを考えると、やはり頑張って答えなければ。
「赤ちゃんはね、女の人の性器から生まれるよ。あなたは、ママの性器から生まれたよ。おしっこが出るところとウンチが出るところの間に赤ちゃんが出てくるところがあるからね。だから、性器は大切な所だから、いつもパンツをはいて守っておこうね。(恥ずかしい所だから隠しておこうではなく、大切な所だから守ろうです)はパンツはね、お風呂に入る時とトイレだけ、ぬいでもいいけど、他は脱がないでね。」
子どもたちの中には、子どものことだから罪はないけれど、時には性器を対象にした遊びがあります。3才の子で血と膿でどろどろになった性器を、麻酔で眠らせてそっと調べたら、金属製のおもちゃが出てきたこともありました。お兄ちゃんたちとの遊びの中で入っちゃったのですね。石っころが入っていたこと、おもちゃの指輪が入っていたこともあります。
男の子には「おちんちんの後ろの卵?たまたま?呼び方は何でもいいです。そこには大人になった時に赤ちゃんが出来る元が入っているからね、大切にしようね。そこは大切な所だから、打ったり蹴られたりしたら、とっても痛い。そうしないように、痛く作ってあるんだね。」と、そんなことが教えられる素晴らしい質問なのです。それに、子どもにとってはすごく当たり前の、自然な質問なのですね。
それなのに、お母さんのおへその下がぱかっとはじけて生まれたとか、橋の下で拾って来たとか、畑で取って来たとか、病院でもらって来たとか、まあ、そんなうそばっかり言って。答えるのを躊躇するのは大人の側がいやらしい事だとか、恥ずかしいこと、隠さなければならないこと、と考えているからでしょう。そうではなくって、大切な事なのですから。正面からちゃんと答えれば良いのです。質問に答えてあげましょう。それが家庭での性教育のすべてであると言ってもいいでしょう。
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コメント
美代子先生、ケガが日に日によくなられてきてよかったですね。
子供が素直な気持ちでしてくれる質問はほんとにすごいですよね。
素直な質問に素直に答えることをいっしょに学べるチャンスです。
息子が小学校の時に性についてともに会話できるすばらしい本を図書室から自分で借りてきました。
私にとって「借りてきてくれた」と言う感じで感謝しています。
投稿: kei. | 2008年5月28日 (水) 18時48分
河野先生、今日は診察でお世話になりました(^^)
私は、かれこれ20年くらい前に先生の講演会での性教育」のお話を聞いて
感銘を受けた一人です。当時息子は小2でしたが「まだ遅くはないっ!」と
思い家に帰って早速、息子と向き合い先生が話されたことを教えた記憶があります。
その後、先生の書かれた本「さらば悲しみの性」を息子の小学校の
母親図書館で偶然、見つけて読んだこともあり先生という存在が
私の中で印象深くあったのですが、その後、先生がテレビで「更年期」のことを
話されていたのを観て「何年後かにくるであろう更年期の悩みは絶対に河野先生に!」
って固く思っていた私です(笑)
息子も今年で26歳になります。あの時教えた「性教育」は息子の中で
どう理解されたかは分かりませんが成長していく過程の中で恥ずかしがらずに
親子で「性」について話せる関係であったことは良かったことだと思っています。
これから先生とのお付き合いは長くなっていくことだとは思いますが
どうかヨロシクお願いします。そして今日、診察でも包帯をして頑張っておられましたが
一日も早い手の回復をお祈りしております。日々エネルギッシュに
一日を送ってられる様子をブログで拝見できることを楽しみにしておりますので
頑張ってくださいね♪又、機会があったら是非、又講演会にも足を運んでみたいです。
投稿: 琴音 | 2008年5月28日 (水) 19時35分
性教育・・・σ(・・*)は小学校の時に養護の先生から女の子だけ呼ばれて受けたんが最初です。
まずは生理の話
お母ちゃんはTVでkissシーンですら我々子どものお顔を隠しとったもんです
我が子の場合・・・
小学校入学前から男の子と女の子の違いなぞ教えてもろうておりました
σ(・・*)は絵本を子ども生まれた時に買いました
タイトルが想い出せないんですけど
「赤ちゃんタマゴ・赤ちゃん虫」って表現がされてました
あとはお父さんと一緒にお風呂に入る!
これのもんです
自分の身体とお父さんの身体の違い・・・ええ題材でしたよ
σ(・・*)は帝王切開だったんで・・・ホンマにこっから頭出たんよって説明しました。
子ども達は普通分娩の知識も自然と身につけることができましたよ
恥ずかしがるコトなくホンマのコトをまじめに話してあげるんが「性教育」ってくくらんでもええ家庭での教育じゃと思います
中学になれば・・・・学校からSEXについて学びます。学校で学んだコトを家庭で話せる環境にあることが一番ではないでしょうか?!
こっから私信です
うちの子どもは発達障害・ばあちゃんはアルツハイマー型認知症
ブログに彼らの状態を書き始めました
障害名は病名じゃわからない100人10色のそれぞれを知っていただけたらって思います
投稿: はるめ | 2008年5月28日 (水) 19時38分
はじめまして
先生の著書は、ずいぶん前に読ませていただきました。ブログを書いておらることは知りませんでした。
このような貴重な記事は、たくさんの方に読んでもらいたいですね。
投稿: momoka | 2008年5月28日 (水) 22時39分
こんばんわ!今日から始まった「家庭での性教育」楽しみにしています!!
投稿: マロン大好き | 2008年5月29日 (木) 00時15分
性教育、どんどん妄想が膨らんでいった中学生の頃を思い出します。河野さんの言われるように、本当のことを小さい頃からでも教えてもらっていたら、どんな中学生からの成長があったかな?とも思います。フォークダンスで触れ合う女子の手の感覚が懐かしいなあ・・・。
投稿: うるとらはるく | 2008年5月29日 (木) 07時58分
うちの娘まさに5歳。
少し前に「あかちゃん、どこから生まれるの?」
の質問でましたよ。
「お口から?おへそから?」
って聞くので、「違うよ。」
とだけ言って、ちょっとごまかした感じでした。(反省)
小さいうちから、きちんとしたことを教えないと、いけませんね。
今度またこの手の質問が出てきたら、ちゃんと話そうと思います。
(うまく説明できるかなあ?)
投稿: ようよう | 2008年5月29日 (木) 14時06分
いつもブログに励ましていただいています。昔、河野先生の著書を読み、
幼かった息子の疑問にはためらうことなく、答えていました。
高校生になった今も、性の話をさらりとできる親子関係です。詳しく話すととまどい、嫌がりますが。
河野先生の全てのブログに、共感しています。
後期高齢者医療についても。
今が日本の分かれ目だと、しみじみ思います。
諦めないこと。それを教えていただいてます。
河野先生、どうかお体をくれぐれも大切になさってくださいませ。微熱があっても、骨折しても診療を休めない。それが、医師の仕事なのですね。
頭が、下がります。
コメントのお返事をいただけば、それはそれはありがたいですけれども。無理をさせてしまうのではないかと、コメントをいつもためらってしまいます。
でも、療養中の私のような人間も、こんなに励まされているということをお伝えしたくて、つい書いてしまいました。
どうかお返事は無理なさいませんように、お願いします。
本当にありがとうございます!
投稿: 美代美 | 2008年5月29日 (木) 15時48分
うちは小2娘と年中息子ですが、
まだ「赤ちゃんはどこからでてきたの」の質問はありません。
「ごまかさずに教えたい」という気持ちはあったのですが
具体的にどういえばいいのかなあ・・・と不安もありました。
今回のお話、とても参考になりました。
次回以降も楽しみにしています。
お怪我、無理なさらないようにお大事になさってください。
編み物が出来なくてさみしいですね。
投稿: kay | 2008年5月29日 (木) 18時47分
kei.さま
コメントありがとうございます。kei.さまの子育てもまた教えてくださいね。これまで楽しく聞いています。エイズ学会に来ていただいたときのことも、思い出しました。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年5月29日 (木) 20時45分
琴音さま
診療に来ていただいたのに、ちょっとだけしかお話しなくてすみませんでした。またいらっしたときに、またお話しましょう。更年期の本もお渡ししたいし。素敵なコメント、どうもありがとうございます。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年5月29日 (木) 20時48分
はるめさま
コメントありがとうございます。ブログも読ませていただきました。とても楽しく、また参考になるブログです。これからも読ませていただきます。どうぞよろしくお願いします。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年5月29日 (木) 20時50分
momokaさま
読んで頂いてありがとうございます。このブログは、一年前の二月の終わりの日から書いています。これからも、いろいろと情報を発信したいと思っています。どうぞよろしくお願いします。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年5月29日 (木) 20時53分
マロン大好きさま
ありがとうございます。頑張って続けますので、どうぞよろしくお願いします。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年5月29日 (木) 20時54分
うるとらはるくさま
ご無沙汰しています。みんなが通った道。だから、みんなそのときを思い出して、子どもたちにも接するといいのですが。また、お会いしたいですね。楽しいから。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年5月29日 (木) 21時05分
ようようさま
コメント、ありがとうございました。ぜひ、今からでも話してあげてくださいませ。一旦ごまかすと、なかなか次の質問はしてくれないものです。だから、「あのね、この前聞いたでしょう、あれの答えはね」というかたちででも、ぜひ!!ブログ、いつも楽しく読ませていただいています。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年5月29日 (木) 21時08分
美代美さま
いつもコメントありがとうございます。うれしいコメントにお返事をすることは、ちっとも苦になることではありません。喜んで書かせていただいています。どうぞ、お体を大切になさってくださいませ。また、よろしくお願いします。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年5月29日 (木) 21時10分
kayさま
ありがとうございます。どうぞ子育てを頑張って!!はい、あみものができなくてとてもさびしいです。でも、おかげでパソコンの前に座る時間が長くなりました。沢山の人のブログを読むのもとても楽しいです。またよろしくお願いします。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年5月29日 (木) 21時13分